太田述正コラム#4887(2011.7.24)
<皆さんとディスカッション(続x1272)>
<太田>(ツイッターより)
 イスラム世界では日常茶飯事に近いところの、100人にも達しない死者が出ただけの出来事だというのに、TVでBBCもCNNも、ノルウェーの惨劇ばっかし放送してるね。欧米は、かほども互いに身内意識を持っているわけだ。
 そんな連中が取り仕切る世界に、19~20世紀に日本が闖入した結果…。
 ノルウェーで起こった「テロ」事件の犯人は、極右だからやったのか、それとも頭がおかしいからやったのか、その両方なのか、今一つよく分かんないねえ。
 極右なら欧州のおぞましさの表れだし、頭がおかしいのなら、こういう連中からどう社会を守るのかの問題だ、ということになるだろうし・・。
<太田>
 容疑者のものらしいツイッターだけど、ジョン・スチュアート・ミルの言葉・・「信念を持った一人の人間は欲得だけの10万人の力に匹敵する」(典拠?)・・を引用するなんざニクイねえ。↓
 ・・・A Twitter account attributed to the suspect has also emerged but it only has one post, which is a quote from philosopher John Stuart Mill: “One person with a belief is equal to the force of 100,000 who have only interests.” ・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-14259989
<tomattarou>(ツイッターより)
≫これ→http://t.co/VKt9IIc は個人プレーだが、組織ぐるみでやっているのが天下りってやつだ。全く同じ官民癒着構造だぜ。≪(コラム#4885。太田)
 これが世の中に溢れてると思うと腹が立つ(♯`∧´)。
 早く天下りを禁止して、代わりに恩給を整備すべきだ。
<太田>
 組織ぐるみの場合は、こういう違法行為をする必要がないばかりか、そもそも何もやらなくても阿吽の呼吸で天下りができるし、天下り先の企業・団体は天下り元の関係官庁から便宜を図ってもらえるんだな。↓
http://www.asahi.com/national/update/0723/TKY201107230683.html
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201107240001.html
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011072301000702.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110724-OYT1T00008.htm?from=main3
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110724/crm11072401170002-n1.htm
 なお、組織ぐるみの場合は、官民だけで自己完結せず、政党や政治家にみかじめ料を支払う形をとってるわけさ。↓
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011072301000663.html
<鯨馬>
 ・・・高嶋政伸と奥さんの離婚話に関連してオランダの社会心理学者ホフステートの話題が<(コラム#4882(未公開)で>ありましたが、これは比較文化を統計的にやってみせた点で有名な本です。
 初版の翻訳は「多文化世界」という題名で出ています。
<ζζΘΘ>(「たった一人の反乱」より
 中国人はやはり基本的にクォリティに対する執着が少ないのか?
http://rocketnews24.com/2010/08/18/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%82%B4%E3%82%A4%EF%BC%81-%E6%99%82%E4%BB%A3%E5%8A%87%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%AB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%9C%E3%83%88/
<太田>
 昨年の古ネタだし、太田コラムとの関係が屈折しとるが、面白れーこともあり、夏休みシーズンに免じて転載したよ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 米フォーリン・ポリシー誌の読者アンケートで、20世紀最悪の大統領は、一位のレーガン、二位のウィルソンがダントツの1位、2位となった。↓
 I was surprised to see Ronald Wilson Reagan and Woodrow Wilson almost tie as the worst presidents of the 20th century.・・・
 I understand Wilson’s showing — both the pacifist left and the non-interventionist right loathe him, as well as many people who simply see him as a racist.・・・
 I suspect his surprise near-“win” is due in part to a growing distaste with tax-cutting ideologues who seem blithely unaware of the damage they do. ・・・
http://ricks.foreignpolicy.com/posts/2011/07/22/the_best_defense_worst_president_of_the_20th_century_contest_the_readers_choices_ar
 我が意を得たり↑。だけど、後一声って感じだな。文句なしの最悪の大統領はフランクリン・ローズベルトと来なくっちゃ。
 
 ・・・このたび亡くなった、現代英国を代表する画家、ルシアン・フロイドはシグモンド・フロイト(ユダヤ人。英国に亡命)の孫だ。英国におけるフロイドの子孫達の豪華な家系図をご覧じよ。↓
http://www.bbc.co.uk/news/uk-14248574
 そのフロイトは、若い頃、12年間にわたってコカイン中毒だったんだね。↓
http://www.nytimes.com/2011/07/24/books/review/an-anatomy-of-addiction-by-howard-markel-book-review.html?_r=1&hpw=&pagewanted=all
 面白いが、例によって韜晦してる典型的イギリス人コラムだ。↓
 <18世紀中ごろの(地理的意味での)欧州の経済先進諸国で社会意識の革新がなされた。↓>
 ・・・in the middle of the 18th Century, in the more prosperous countries of Europe, a remarkable new ideal began to form in one particular section of society.・・・
 <一つは、(男女の協力と子孫の生育のための)結婚と(南仏等の抒情詩人(注1)の)愛と(18世紀のパリの仏貴族の間で典型的に見られたところのあくなき追求がなされた)性(注2)の三位一体化だ。☆↓>
 They were to manifest in their relationships the same sort of romantic energy as the Troubadours had shown for their courtly ladies and the same sexual enthusiasm as had been explored by the erotic connoisseurs of aristocratic France. ・・・
 <もう一つは、仕事が苦役ではなく愉楽となった。★↓>
 ・・・at the very time that marriage was being rethought, so too voices began to argue that work might also be more than just a vale of tears entered into for survival – it might be a route to self-fulfilment and creativity. It might be as much fun as something one did without reference to money. ・・・
 One needed to work for money but work could also be pleasurable – just as marriage could not escape the traditional burdens associated with childrearing – and yet it did not have to be without some of the delights of a love affair and a sexual obsession.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-14248803 
 (注1)トルバドゥール。11世紀に南仏に発祥した抒情詩人群で、イタリア、スペインやギリシャに伝播し、黒死病が蔓延した年頃まで、騎士や宮廷における(プラトニックな(太田))愛をうたいあげた。
http://en.wikipedia.org/wiki/Troubadour
 (注2)IMF前専務理事をめぐる騒動を見ていると、現在のパリで活躍する貴族(政治家/高級官僚)は全く変わっていないようだ。
→私の見解:☆は完全な間違いであり、イギリスでは昔から三位一体だった。また、★も間違いに近いのであり、イギリスでは生業は戦争であったことから、いわゆる仕事は遊びの合間にできるだけ楽に片づけるべき事柄であり続けた。(コラム#省略)
—————————————————————————————————————————————————-
太田述正コラム#4888(2011.7.24)
<映画評論26:トゥモロー・ワールド(その3)>
→非公開