太田述正コラム#4989(2011.9.13)
<皆さんとディスカッション(続x1322)>
<太田>(ツイッターより)
1985年にソ連を訪問した時、KGB(多分)からエージェントになって欲しいと勧誘されたと英首相語る。
http://www.time.com/time/quotes
どの国でも諜報に大変なカネをかけている。
日本は、吉田ドクトリンのおかげで安保経費は安上がりですんでるが、武器輸出禁止等、経済的にも結局損?
フランス核施設(加圧水型原子炉を運用)で爆発、火災。1人死亡2人負傷。放射能漏れの恐れあり。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-14883521
続報が待たれる。
<太田>
41人も関連ツイートした!
単なる産業事故だったらしいけどね。
「・・・マルクール原子力施設にある低レベル放射性廃棄物処理・調整センターで12日午前11時45分(日本時間午後6時45分)ごろ、爆発があり、1人が死亡、4人が負傷した。仏原子力安全機関(ASN)は原因を調べる一方で、放射能漏れはないとして同日午後に収束を宣言した。
マルクールは南部の都市アビニョンから30キロ離れたガール県にあり、多くの原子力関連施設が集まっている区域。爆発があったセンターはこの中にある仏電力公社の子会社が運営する施設。フランス原子力庁によると、低レベルまたは非常に低レベルの放射性廃棄物を処理する溶融炉という。直後に火事が起きたが、すぐに鎮火したという。・・・
この施設の近くでは、仏原子力大手アレバが核兵器から抽出したプルトニウムを使い、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を製造している。一帯に稼働中の原発はない。・・・」
http://www.asahi.com/international/update/0912/TKY201109120382.html?ref=reca
<そんでも、フランス国内で原発反対の声が出始めた。↓>
・・・French environmentalists have long called for an end to the country’s nuclear program, and several ecology and leftist parties urged authorities here to rethink nuclear policy after Monday’s incident.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/europe/french-nuclear-safety-body-says-an-explosion-has-rocked-a-nuclear-plant-in-countrys-south/2011/09/12/gIQAJUkcMK_story.html
<νζνζ>(「たった一人の反乱」より)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110911/plc11091112000013-n1.htm
産経に菅を批判する資格は無いと思う。
<太田>
これ、低次元な記事だが、ボク自身、役所の後輩と飲んでからまれてどやしつけたことがあるから、記者の気持ち、分からないでもないけどね。
<BERNIE>
、前から気になっていたのですが
≫「オフレコ懇は日本の記者クラブ特有のもの」・・・だというが、まだこういう形で記者クラブ残ってたんだね。≪(コラム#4985。太田)
記者クラブが崩壊したという認識は、実態に即していないのではないでしょうか?
現在も、記者クラブメディア以外にはオープンにされてない会見が多くあります。
記者会見オープン化(最近の情報は載っていませんが)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E8%80%85%E4%BC%9A%E8%A6%8B%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E5%8C%96
「公的な記者会見の全面オープン化」に関する要望書
http://ceron.jp/url/fpaj.jp/?p=1571
「記者会見オープン化」に冬、到来――菅政権の情報公開は鳩山政権より大幅に後退
http://uesugitakashi.com/?p=233
<太田>
なるほどね。
でも、マスコミと対象官庁との癒着の象徴であった記者クラブが記者クラブの会員だけで行ったオフレコ懇でのルール破りを競い合ったという今回のケースは、記者クラブの自殺行為であり、これは、記者クラブが、時代の趨勢の下でもだえ苦しみつつ、廃止、消滅へ向かっていることを示しているように私には思えますがねえ。
それでは、その他の記事の紹介です。
米国の受刑者数の突出した多さが分かるよ。↓
<10万人あたり囚人数は、米国743人、日本は63人。執行猶予中ないし保護観察中の者を合せると、米国では31人に1人。↓>
・・・ In 1980, fewer than 500,000 Americans were in prison; today, the number is 2.3 million. To put that statistic in perspective, the median incarceration rate among all countries is 125 prisoners for every 100,000 people. In England, it’s 153; Germany, 89; Japan, a mere 63. In America, it’s 743, by far the highest in the world. Include all the U.S. residents currently on probation or parole, and our country’s correctional population soars to about 7.2 million–roughly one in every 31 Americans. All told, the U.S. incarcerates nearly 25 percent of the world’s prisoners, even though it’s home to only 5 percent of the world’s inhabitants.・・・
<昔から多かったが麻薬取り締まりを厳しくして以来、更に増えた。↓>
Reagan’s legislation, and an epidemic of similar state laws passed around the same time, sparked a 1,200 percent increase in the number of people jailed for drug violations,・・・
<黒人は人口の14%だが、麻薬所持で囚人となる者の74%を占める。↓>
Today, African-Americans represent 74 percent of those sent to prison for drug possession, even though they make up only 14 percent of users.・・・
http://www.thedailybeast.com/newsweek/2011/09/11/jim-webb-s-criminal-justice-crusade.print.html
ジャクリーン・ケネディのインタビュー録が発表された。
<キング牧師が色キチガイだったってのはホントだし、インディラ・ガンディー評も恐らく当たってるんだろう。↓>
・・・Jacqueline Kennedy・・・calls Martin Luther King Jr. “a phony(見かけ倒し)” and says she began to dislike him after FBI director J. Edgar Hoover arranged wiretaps on the civil rights leader and found him attempting to arrange a sex party in Washington.・・・
She calls Indira Gandhi, the future prime minister of India, “a real prune(間抜け) — bitter, kind of pushy, horrible woman.”・・・
<しかし、旦那のケネディのリンドン・ジョンソン評は、(既に聞いたことがあるが、)ジョンソンの大統領としての実績に照らせば、いただけない。やっぱ、ケネディってダメ大統領だったんじゃない?↓>
Mrs. Kennedy says her husband and the rest of the Kennedy family disliked Lyndon B. Johnson. “Jack said it to me sometimes. He said, ‘Oh, God, can you ever imagine what would happen to the country if Lyndon were president?’” she says.・・・
http://www.csmonitor.com/Books/chapter-and-verse/2011/0912/Jackie-Kennedy-interviews-are-full-of-surprises
せっかく報道するのなら、電子版でももうちょっと丁寧に説明しろってんだ。↓
「子供を持って父親になると、主要な男性ホルモンである「テストステロン」が少なくなる・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011091201000613.html
<独身→結婚→子供持つ、に連れてテストステロンの分泌が減少する。↓>
・・・While higher testosterone is considered beneficial for finding a partner, the male virility hormone drops once a stable relationship is formed and slides again during child-rearing・・・
<テストステロンの分泌が多い男性ほど早く子供を持つ。↓>
The men with the highest testosterone levels were more likely to become fathers・・・five years later・・・
http://www.washingtonpost.com/business/children-sap-their-fathers-testosterone-levels-study-shows/2011/09/12/gIQAIGLmNK_print.html
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太田述正コラム#4990(2011.9.13)
<戦間期日本人の対独意識(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1322)
- 公開日:
遅まきながら未公開コラムの<戦間期日英関係の軌跡>シリーズを読みました。そこで述べられている太田さんの観察は適切であると思います。
自分は、田中外交(1927年4月-1929年7月)によって日英関係が好転(注1)するかと思いきや事態の進展と共に・・・就中第三次山東出兵以降・・・むしろ日英のボタンの掛け違いが悪化しているよう見えるのはなぜか、という問いを考え、第一義的には幣原が信頼関係を壊した事により、もはや無条件に客観的行動(田中外交)を以て英国の信頼を回復する事が無理であったと理解し、更に二義的問題・・・なぜこの期間に(意思の疎通が不完全で)日英間の齟齬が是正されず放置されるに至ったか・・・を考えるにあたり、駐英大使のティリーが適切とは思えない日本の観察及び報告をしている事が真っ先に目に付き、短絡的に、近視眼的にもっぱら彼に問題があると思い込んでしまった訳です。
しかし、この二義的問題は太田さんがコラムで述べるように、根本的には「日本が列強の一角を占め、かつ支那情勢が緊迫化していた時代にあって、多忙を極める首相が更に外相を兼務すること自体<に>無理」があったのであり、意思の疎通に問題を生じさせ、齟齬の現存を許す余地を与えた(注2)責任は田中義一の側にあったという観察はそうであろうし、「外相を兼務などせず、せめて、英語ができ、かつ田中が信頼できそうな人間を、日本中を金のわらじを履いてでも探して外相に就けるべきだった」という指摘はもっともだと思いました。
注1)以下、参照
「・・・ティリー英大使との初会見(5月3日)で。田中新外相は、「日英同盟はもはや条約としては存在してないが、同盟の精神はいぜん活きており、その精神の維持をはかる上で力の及ぶかぎりのことをするだろう」と・・表明。・・・
5月13日、ティリー大使は田中外相に、「今後支那を相手とするに当り日英両国の間に一定の諒解若くは協定を遂げ置き之に基きて日英共同に若くは共通の措置を執ることとし度し」とのチェンバレン外相の希望を伝える・・・。
田中内閣は、5月28日、山東への派兵を声明し、在旅順の陸軍兵力の2000名の青島への派遣を実行に移す。このいわゆる第一次山東出兵<(注21)> の性格を理解するにあたり、そのもつ日本居留民の「現地保護」という意義とともに、この年1月いらい陸軍から提唱されていた「日英共同出兵論」の文脈の中 でこれをとらえる必要があるであろう。・・・また4月中旬には、イギリスは日米両国に華北への共同出兵の提議を行っていたのである。」
http://blog.ohtan.net/archives/52072615.html
注2)例えば以下のような事例がそれにあたる。
「日本の山東出兵を日英提携路線にそうものとして、イギリス政府はこれを歓迎するとともに、この機会に両国間の「協定」の可能性について、日本側にふたたび打診を試みることとなる。6月2日、松井(慶四郎)駐英大使と会談したチェンバレンは「両国の考えは今や同一軌道にそって展開している」と「田中外 交」への親近の情をしめし、さらに、松井大使が日英同盟復活の声があるが、両国にとってアメリカの疑惑を強める方向での提携は賢明でなく、むしろ三国の提 携こそが肝要であるとのべたのに対し、英外相は共感しながらも、このような日英接近からやがて「同盟の復活とまではゆかないにしろ何らかの正式の合意」が 生まれる可能性があるとの期待をのべていた。・・・ 」
→外務省の愚かな駐英大使が、田中義一内閣の意向に反する言動を行ったため ・・・日本が英国の要請に応えて日英同盟を事実上復活をさせる、ということが実現できなかった、としか私には見えません。(太田)
http://blog.ohtan.net/archives/52072793.html