太田述正コラム#4997(2011.9.17)
<皆さんとディスカッション(続x1326)>
<太田>(ツイッターより)
先の大戦直後から、ある女性ビジネスマンによって、オギノ式避妊法の宣伝・普及を皮切りに成し遂げられた性産業の構築が、婚前交渉とコンドーム販売の禁止という、性が抑圧されたナチス時代からの、性革命を通じたドイツの解放を成し遂げたって話が載ってた。
http://www.spiegel.de/international/zeitgeist/0,1518,786667,00.html
「日本の法定の法人税率は表面税率が40%、国内企業を対象とした実効税率は37%<でどちらも>世界最高。」
http://j.people.com.cn/94476/7596589.html
加えて円高だ。
これで輸出企業が日本から逃げ出さない方がおかしいよね。
<ΞΖΞΖ>(「たった一人の反乱」より)
野田政権は最悪の決定をしようとしているのではなかろうか?
復興増税、所得・法人軸に2案=首相指示で消費税除外-総額11.2兆円・政府税調
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201109/2011091600607&rel=y&g=pol
このご時勢に法人税をあげるのは、企業に‘国内から出て行け’と言うようなもの。
日本の政治家はホント、消費税UPの問題から逃げようとするねぇ。
<太田>
違うぞー。↓
「・・・法人税は税率を引き下げたうえで臨時増税分を上乗せするが、実質減税となる見通しだ。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/5869884/
<ΞΖΖΞ>(「たった一人の反乱」より)
たかじんで思い出すのは、1回目は出演者みんな(特に橋下)を小馬鹿にして、フォフォッフォ笑い、そしてたまに本質(吉田ドクトリン)を突いた発言が凄くインパクトあった。
2回目はそれが抑えられて、解説に始終してたからいまいちだったな。
別にフォっフォフォ笑いは必要ないけど、出演者を小馬鹿にする路線は復活して欲しい。
それこそたかじんは自民党的な主張が多いから、おーたんとも相容れないはず。
吉田ドクトリンに話を持っていけば出演者や視聴者の価値観が揺らぐからインパクトあると思う。
でも今回は解説者的立場だから難しいかな・・・。
<ΖΞΖΞ>(同上)
あれは「路線」とかじゃなくて素で話したらああなっただけだろ。
俺の企画内容の予想によると、絶対に「属国」論に話が行くはずだよ。多分大荒れになる。
<ΖΖΞΞ>(同上)
自発的属国論をテレビで披露できるといいねえ
ところで、公務員の君が代問題、司法的に決着しそうだ。
「君が代不起立 二審判決見直しも
・・・同高裁は三月に同様の訴訟で「懲戒処分は著しく妥当性を欠く」として、都立高教員ら百六十七人に対する処分の取り消しを命じている。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011091702000022.html
<太田>
君が代斉唱の際に起立しなかった教諭等に停職の懲戒処分を行い得ない、ということになると問題だと思うね。
それでは、その他の記事の紹介です。
古賀君の論理は成り立たないぞ。
大臣が古賀君の人事は次官以下にまかせていると言っている以上、官房長の判断は大臣の判断だということになるからだ。↓
「・・・「古賀さんは、もともと枝野大臣に対して、『仕事を与えてもらえないなら、やめます』とのメールを出していました。これに対して昨日、官房長から『枝野大臣の意向』として『やめてもらっていい』との通告を受け、正式に辞表提出したと聞いています。ところが、枝野大臣が自分で判断していなかったというのでは、全然話が違います。」・・・
枝野大臣コメント要旨は以下のようなものであったそうです。
「次官や局長の人事は最終的に私の判断だが、それ以外の人事は、8000人を超える職員の人事であり、次官以下にお任せしている」
「(古賀氏の人事については)私が直接対応すべき対象ではなく、次官以下にお任せしている」・・・」
古賀茂明さんのTweetより
枝野さんは私の人事については自分の仕事でないと言ったそうです。辞表を撤回して再度大臣としての判断を求めることにしました。」
http://news.livedoor.com/article/detail/5869546/
古賀君↑は、仕事もしないのに給与をもらっていることを潔しとしないからこそ、『仕事を与えてもらえないなら、やめます』と言ってるんだろ。
なら、そもそも、仕事を与えよという訴訟を起こしていてしかるべきでは?
また、経産省の前現次官や官房長は、古賀君を分限免職または懲戒免職することなく、仕事を与えないという陰湿な追い出し方策をとってきた・・その代わり勧奨退職扱いで退職金を割り増ししてやるよってわけだ・・のは姑息だし、古賀君に払い続けてきた給与という税金の無駄遣いを行ってきたことの、納税者に対する責任を問われるべきだ。
最後に枝野経産相、無責任男であることを天下に晒しちゃったね。
東電のこのような危機管理の不手際はどうして起こったのか?↓
「福島原発事故で「2、3号機が炉心損傷に至る確率は1割程度」「2号機への注水が4時間早ければ炉心溶融回避」と専門家が相次いで指摘しました。旧式設備の1号機はともかく、2、3号機まで炉心溶融事故に至らせたのは東電の無能さだったのです。放射性物質の放出で2号機が占める割合は大きく、2号機の3月15日爆発だけでも無ければ広域汚染は相当に軽減されていました。・・・」
http://blog.dandoweb.com/?eid=130748
恐らくこういうこと↓だったんだろう。
だとすりゃ、要するに、危機管理感覚(安全保障感覚)が経産省(保安院)にも東電にもなかったということだな。
「・・・東京電力の「事故時運転操作手順書」は、・・は基本的にメーカーが作成する。・・・ もう一つの・・・「シビア・アクシデント(深刻な事故)」対応の手順書・・・は東電が2003年に作成したとされているが、東電が福島原発に想定を超える高さの津波が来る可能性を試算したのは2006年の報告書からなので、それ以前に作成されたマニュアルに適当な対応が載せられていたとは思えない。だから黒塗りで隠し、通常の事故マニュアルもそれと比較させないために黒塗りしたのではないか・・・
電力会社は運転員のトレーニングを共同で行なっており、操作手順書を共有している。そこに重大な企業秘密があるとは考えにくい。その点からも、黒塗りの理由が“杜撰な内容が明らかになるのを恐れたから”と考えられる・・・
しかも驚くことに、手順書について、特別委員会に出席した保安院の審議官は「見るのは初めてです」と語っている。
東電にまともな事故マニュアルが存在せず、原発の安全管理を担当する保安院は事故マニュアルを見たことがなかった――そんな原子力行政のお寒い実態こそ、国民に隠さなければならない「国家機密」だったのである。」
http://news.livedoor.com/article/detail/5869884/
自らを省みてモノを言えっての。↓
「・・・原子力安全・保安院の深野弘行院長(54)が・・・東京電力が福島第1原発の「事故時運転操作手順書」などの大半を黒塗りで公開したことについて「なぜ開示しないのか疑問だ。東電の情報公開の姿勢に問題がある」と批判した。・・・」
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110917k0000m040077000c.html
東電、きちんと答えろよ。↓
「・・・2011年3月期の連結決算によれば、東電の総資産は約14兆8000億円です。・・・<しかもこの中で>過小評価されているのが不動産と有価証券です。・・・<しかも、東電は、>本業とは関係のない業種に業務を拡大し、それにまつわる箱物を多数建設してきました。
これらの多くが、社会的意義があまりなく(失礼!)、・・・東電OBや・・・旧通産省・経産省・文科省・・・大株主である東京都や、親密企業・・・の天下りになってきたのです。
<これらを活用すれば、>国民の税金や電気代値上げなどなくても、十分損害賠償義務の負担はできるはずなのです。
東京電力とメガバンクの救済のために、世界一高い電気代がさらに上がることを我慢するべきではない!」
http://news.livedoor.com/article/detail/5869319/
世界一↑じゃなさそうだけどね。↓
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4105.html
それにしても、原発の地元も汚いねえ。↓
「東電に苦情・寄付要求の連鎖 「Jヴィレッジ」契機・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0917/TKY201109160725.html
だけど、何と言っても(政権政党時代の自民党の政治家連中に次いでの)ワルは、電力利権を食い物にしてきた経産官僚どもだ。↓
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011091790071353.html
給与、賞与のカットに加えて、こういう目にもあう、東電の社員は可哀そうだとも思うけどね・・。↓
「東京電力は約1割の人員削減を柱とする追加リストラ策の検討に入った。企業年金の支給額も引き下げる方針。・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3E4E299878DE3E4E2EBE0E2E3E39F9FEAE2E2E2
シリアで反体制派が武力に訴える傾向が顕著になってきてるってさ。
非暴力主義じゃ、アサド体制が倒れないことがはっきりした以上、事態が「正常化」しつつある、ということじゃないの?↓
Syria’s uprising has become more violent in the country’s most restive regions, in what may signal the start of a protracted armed struggle after six months of largely peaceful protests in the face of a ferocious government crackdown・・・
http://www.nytimes.com/2011/09/17/world/middleeast/at-least-six-protesters-killed-in-syria.html?_r=1&ref=world&pagewanted=print
前段は間違いだが、いずれにせよ、後段は正しい。↓
「・・・米マサチューセッツ工科大のサミュエルズ教授らは米誌「フォーリン・アフェアーズ」で「米海兵隊の存在は地域において極めて重要だが、西太平洋のどこにあるかはさほど重要でない」と指摘した・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011091702000037.html
最初の段落は、吉田ドクトリンのインドクトリネーションの結果に他ならないが、日本人の多くが当時も、そして今でもそう思っているのは事実。
それ以外については、まさにそのとおり。↓
「・・・日本の友人は私<(エズラ・ヴォーゲル)>に、「我々が貧しいのは、間違った戦争をしたからだ」と語った。当時、中国の人々は軍国主義が日本で復活すると思っていたが、私は日本の人々が戦争を望んでおらず、「第2次世界大戦は国の指導者が国民を騙した結果」だと感じていることを知っていた。・・・
私は日本に滞在する間、日本のさまざまな長所を体験した。例えば教育が普及していること、社会の治安の良さ、犯罪率の低さ、貧富の格差が小さいこと、官僚が優秀で、しかも腐敗が深刻でないこと、企業内の団結、製品の品質向上が速いことなどだ。「日本がナンバーワン」と言ったのは、日本経済が世界一であるという意味ではない。・・・
この本を書いた目的は、日本人のさまざまなやり方が、(少なくとも米国よりは)優れていることを伝えることだった。・・・
日本の発展からは依然として参考にできる点がある。例えば経済発展の質的レベル、教育、知識、国民の礼儀正しさ、質素倹約の気風などだ。・・・
日本の企業制度はかつてとやや異なるものの、完全に無くなったわけではない。これらの制度により従業員は安定感と向上心を得ることができる。日本人は豊かであっても贅沢を好まず、米国人のような過度な消費はしない。社会の公平や調和といった面では昔に及ばないものの、今でも米国を上回っており、特に企業内で平等な関係が築かれている。」
http://j.people.com.cn/94476/7597633.html
ムムム、ドキュメンタリー映画もイギリス発祥だったのか。↓
・・・The documentary film was invented in Britain in the 1930s. Led by people such as John Grierson and Humphrey Jennings, it saw itself as a political movement. Like Moore, they wanted to change society but were convinced you did this not by ranting but by observing “the drama on the doorstep”.・・・
The movement spread to America・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/636749f6-decf-11e0-a228-00144feabdc0.html#axzz1YAkA8FwL
シャネルの伝記本(コラム#4939)の書評がまた出てた。↓
<反ユダヤ主義者にして復讐大好き人間。↓>
・・・She was・・・a rabidly anti-Semitic・・・
Chanel saw the war as an opportunity to wreak revenge on all those she felt had got in the way of her business interests.
One of the first things she did was to fire some 3,000 female workers as retribution for a strike they had held three years earlier, in 1936. She blamed it on the socialist-led government of Leon Blum, himself Jewish, and was delighted when he was voted out of power. ・・・
<ファシスト。↓>
・・・in 1933 Chanel had helped relaunch a fascist monthly newspaper, Le Temoin (The Witness). She sharpened her rightwing political beliefs during the war and fell in love with Baron Gunther von Dincklage, a German secret agent 13 years her junior.
<戦時中、マドリードに2度赴き、ナチ・エージェントを募集した。↓>
With Dincklage’s help, Chanel managed to have her beloved nephew, Andre Palasse, released from a German prisoner-of-war camp. In return she agreed to help further the Nazi cause through “her powerful connections in London, neutral Spain and Paris”. Teamed with a louche French aristocrat, Baron Louis de Vaufreland, Chanel made two trips to Madrid, on one of which Vaughan says she was active in recruiting Nazi agents.
<ベルリンで、「お友達」のチャーチルとの橋渡しを依頼された。↓>
Her most outlandish mission, though, was a trip to bombed-out Berlin in 1943, where she met with SS general Walter Schellenberg. Schellenberg had been informed that Chanel was a close friend of Winston Churchill and might be persuaded to establish contact with him and act as a go-between in a peace deal with Britain.
<戦後、シャネルが戦犯として逮捕されながらすぐ釈放されたのはチャーチルの介入による。↓>
Chanel’s biographers have long suspected that it was only thanks to Churchill’s intervention that the fashion designer did not stand trial, at the very least for “horizontal collaboration”, after the war’s end. A remarkable interview Vaughan conducted with Chanel’s great-niece, Gabrielle Palasse-Labrunie, two years ago appears to confirm this. Palasse-Labrunie, who was living with Chanel after the war, remembers her being arrested, then coming back home and blurting out: “Churchill had me freed.”
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/f8b95e24-dd38-11e0-b4f2-00144feabdc0.html#axzz1YAkA8FwL
——————————————————————————-
一人題名のない音楽会です。
谷村新司の3回目は、「正面から恋愛を扱った曲」以外の曲です。(最後の「赤い花緒」はこの範疇には入りません!)
群青(コラム#4263) 映画「連合艦隊」の主題歌 さだまさしの「防人の詩」と同じ理由でカバーした歌手なし?
http://www.youtube.com/watch?v=VMcipa4de2k&feature=fvwrel
陽はまた昇る(コラム#4263)
http://www.youtube.com/watch?v=jW16EeMiZsI&feature=related
それぞれの秋 曲も歌詞も言うことなし
http://www.youtube.com/watch?v=2xreWLlDX8I&feature=related
三都物語 亡くなったオヤジが晩年につくったミニ会社、「三都貿易」だったなあ。三都の中身が違うが・・。
http://www.youtube.com/watch?v=qsatfolwCYM&feature=related
残照 歌詞が漠然としすぎているのが惜しい
http://www.youtube.com/watch?v=Rj0cIDedGFg&feature=related
琥珀の夢 歌詞が後一歩という感じ
http://www.youtube.com/watch?v=pOdy_JuM1Y4&feature=related
浅き夢 佳品
http://www.youtube.com/watch?v=PK6LELc6z4Q&feature=related
デラ 明治デラックスチョコレートのCMソング プロだねえ
http://www.youtube.com/watch?v=vJTlHblXNRc&feature=related
砂漠 TVドラマ「警視庁殺人課」主題歌 ドラマのテーマに振り回されている
http://www.youtube.com/watch?v=xvgZHu2SljA&feature=related
都に雨の降るごとく TVドラマ「源義経」主題歌 こいつはドラマのテーマにぴったし
http://www.youtube.com/watch?v=gx2KRKsxcIE&feature=related
青年の樹 TVドラマ「野々村病院物語」主題歌 佳品
http://www.youtube.com/watch?v=JbMGxCtsVNA&feature=related
RESISTANCE -ピアニストは撃たないで 秀作の短編映画を思わせる
http://www.youtube.com/watch?v=zQ64aUbZxj0&feature=related
浪漫铁道〈途上篇〉 昴系の曲なので敬遠してたがなかなかイイ
http://www.youtube.com/watch?v=hNTg2MBEK8g&feature=related
浪漫鉄道〈蹉跌篇〉
http://www.youtube.com/watch?v=aGS0_ZR9G3Y&feature=related
(遙遠的她:広東語) 張學友(Jacky Cheung)
http://www.youtube.com/watch?v=TlRdqYNwA-Q&feature=related
覚悟の秋 娘が欲しくなっちゃうねえ
中森明菜
http://www.youtube.com/watch?v=1VtSTOH3VK8&feature=fvwrel
冬の雁 (同じく)娘が欲しくなっちゃうねえ
http://www.youtube.com/watch?v=gpT9xvoz2g0&feature=related
赤い花緒 視覚に訴える歌
太田裕美
http://www.youtube.com/watch?v=DXQ5CC5C0lI&feature=related
(続く)
皆さんとディスカッション(続x1326)
- 公開日: