太田述正コラム#5125(2011.11.20)
<皆さんとディスカッション(続x1385)>
<太田>(ツイッターより)
 ヴェルディとワーグナーは同じ1813年生まれだが未成立の祖国を愛した天才的歌劇作曲家で自然宗教志向であった点以外は対照的だった。
 単なる作曲家v.作曲家プラス脚本家、慰安してくれるセラピストv.狂気に誘うテロリスト、利他主義者v.利己主義者。
http://www.taipeitimes.com/News/feat/archives/2011/11/20/2003518741
 アラブの春に続き、今度は欧州の冬だとさ。
http://edition.cnn.com/2011/11/18/opinion/kalantzakos-europe/index.html?hpt=hp_c1
 言いえて妙だな。
 既にギリシャとイタリアで首相が交代したところ、スペインじゃ現首相が既に3選を諦め、来年にはフランス大統領が再選を果たせそうもなく、ドイツ首相も支持率低下にあえいでいる、というわけだ。
<太田>
 昨年の夏からこのプロセスは始まってたみたいだから、欧州の冬じゃなく、欧州の夏かあ。
 その先に書いてあることだけど、英国のEUからの脱退がありうるというのは、ファーガソンの言うとおりだが、それがEUそのものの解体をもたらすとか、他方でユーロ圏の解体は必至だとかいうことは論理がよく分からないな。↓
 <政権交代は、オランダ、スロヴァキア、ベルギー、アイルランド、フィンランド、ポルトガル、スロヴェニア、そうしてギリシャ、イタリアの順序だったんだねえ。↓>
 ・・・ Since June 2010 governments have fallen in the Netherlands, Slovakia, Belgium, Ireland, Finland, Portugal, Slovenia, Greece and Italy.・・・
 Under E.U. law, it would be much easier for Britain to leave the European Union than for Greece to leave the euro zone. ・・・
 The breakdown of the European Union is now more likely than the collapse of the single currency that was supposed to bind it together.・・・
 the thing that could cause the European Union to topple, or at least shrink in size, would be the outright withdrawal of Britain. And that has started to look quite possible.
http://www.washingtonpost.com/opinions/why-eu-collapse-is-more-likely-than-the-fall-of-the-euro/2011/11/17/gIQAuY6wZN_print.html
<TA>
 「憲法に規範性がない」という件について、もう少しお教え下さい。
 
 「あのね、こういう話で憲法を持ち出すのは止めた方が良い。って言うのは、私は明治憲法の時からね、日本の憲法っていうのは守んなくても良いものだっていうことだったんですよ。要するに「規範性がない」っていうこと、難しい言葉で言えばね。基本的な物の考え方っていうかな、その程度のものであって、何も個々の条文によって縛られるものじゃない・・・」(「たかじんのそこまで言って委員会」(2011/9/25 放送)。太田)
 「規範性がない」ことをどう評価するかはともかく、現にそうであることはその通りなのでしょう。そして、憲法を軸とした議論を無意味なタテマエ論として批判する、凄まじい指摘だとも思います。
 しかし、それを面と向かって言われても、「なるほど。じゃあ憲法なんて無視しても良いよね」とは(少なくとも表立っては)言えないし、法治主義だかを考えると、言ってはいけないと思うのです。
 「規範性がない」ことを、太田さんはどのように評価するのでしょうか。「規範性がない」ことは、やはり悪い(不味い)ことなのでしょうか。憲法に規範性を持たせるべく努力すべきなのでしょうか。↑の発言の後で何を言おうとしたのでしょうか。
<太田>
 日本では法治主義は貫徹していると言っていいでしょう。
 だから、戦前も戦後も、日本人は、憲法は法じゃないと思っているということだと思うのです。
 もとより、日本にも国のかたちの基本に係る法律群や(憲法等に係る)政府解釈・・実質的意味での憲法・・は存在します。
 (BBCが皇位継承権(皇室典範規定事項)を憲法規定事項だと誤報して、私がBBCにクレームをつけたことがあります(コラム#省略)が、皇位継承権なんてのは、本来的に実質的意味での憲法に該当するわけです。)
 つまり、日本人は、イギリス人同様、実質的意味での憲法は法律群等で規定すればよい、すなわち、実質的意味での憲法の改正を通常の法律よりも困難にする必要はない、と考えてるってことです。
 それくらい、日本人は、日本の過去の国のかたちに関する歴史と国のかたちのあり方に関する自分達自身の判断に(、ご先祖様同様、)自信を持っている、ということにもなります。
 そんなに自信を持っているはずの戦後日本人が、実質的意味での憲法で、軍隊を持つことを自ら禁じ続けてきたのはどうしてか、という難問が残りますがね・・。
<eyevigor>(ツイッターより)
≫中共のゴビ砂漠の中の20マイル圏内に数年前から三つの巨大な模様が出現。その目的が取りざたされている・・・キミの推理は?≪(コラム#5123。太田)
 誰かに対しての暗号かな?
<AT>(Facebookより)
 観光者を増やすための中国の自治体が制作したと推理。
<ΖφΖφ>(「たった一人の反乱」より)
 <昨>日の<フリンジドピンクさんの>クソ長い投稿、三行でまとめられる人いる?
 とてもじゃないが読む気にならん。
<ΖΖφφ>(同上)
 あの投稿、典拠が必ずしも付いてないし、正確な引用(要約)が出来ているとも限らない。
 そこに拍車をかけて過去コラムを読むに太田さんとの議論も噛み合って無い事から、精通していない第三者からしたら、よくわからない。
 ただ、<昨>日の投稿で議論をする事が目的の上で投稿している訳ではない事だけが、わかった。
<太田>
 それでは記事の紹介です。
 自国への中共の影響力のこれ以上の増大を恐れてミャンマー軍事政権が欧米にウケのいい政策を種々打ち出し始めたことに対し、米国がご褒美を与え始めた・・国務長官派遣を決定・・、という構図だね。↓
 Burma, wedged between China and India, has relied heavily on China for investment in the face of international sanctions for its human rights violations. But, in recent months, Burmese leaders have shown signs of unease about the relationship, most notably in suspending an unpopular Chinese-funded dam project. ・・・
 The nominally civilian government of President Thein Sein — who, like many members of the leadership, is a former military officer — has released some political prisoners, allowed greater freedom for the media and outlined an agenda of political and economic opening. ・・・
 President Obama announced plans to send the U.S. secretary of state there for the first time in half a century.・・・
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/us-sees-burma-reforms-as-strategic-opening-to-support-democracy/2011/11/18/gIQA22gwZN_print.html
 知的職業で成功するためには、高いIQと努力(訓練)が必要であるところ、やはり高いIQが決定的に重要だとよ。
 具体的には、(ここでは引用しなかったが、)ほどほどの成功までは努力でカバーできるが、それ以上の成功を収めるためには高いIQが決定的だということ。↓
 ・・・<As for> more than 2,000 people who as part of a youth talent search scored in the top 1 percent on the SAT by the age of 13・・・ (Scores on the SAT correlate so highly with I.Q. that the psychologist Howard Gardner described it as a “thinly disguised” intelligence test.) ・・・<t>he remarkable finding・・・is that, compared with the participants who were “only” in the 99.1 percentile for intellectual ability at age 12, those who were in the 99.9 percentile — the profoundly gifted — were between three and five times more likely to go on to earn a doctorate, secure a patent, publish an article in a scientific journal or publish a literary work. A high level of intellectual ability gives you an enormous real-world advantage. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/11/20/opinion/sunday/sorry-strivers-talent-matters.html?_r=1&ref=opinion&pagewanted=print 
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太田述正コラム#5126(2011.11.20)
<世界殺戮史に思う(その8)>
→非公開