太田述正コラム#5155(2011.12.5)
<皆さんとディスカッション(続x1397)>
<太田>(ツイッターより)
 イタリア人の風邪にはたくさんの種類があること、腹が痛む時に、胃、腸、肝臓等のどこが痛いか分かる(!)こと等、彼らが滅法解剖学に詳しく、風邪をひくことをもの凄ーく恐れていること、をユーモアたっぷりに指摘している。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-15987082
 あの剛毅なローマ人今いずこ?
 「米国に「親しみを感じる」<が>…2.1ポイント増の82.0%に上り、1978年の調査開始以来最高を記録した。中国に「親しみを感じる」との回答は6.3ポイント増の26.3%…だった。」
http://j.people.com.cn/94474/7664423.html
 日本じゃ前者ばかり報じられてるが、後者の方も重要では?
<ζΧζΧ>(「たった一人の反乱」より)
 「Think Insights」はグーグルが開設したポータルサイトで、「100以上の研究と、消費活動からデジタルメディアのトレンドまで豊富なデータをまとめたオンライン・リソース」と説明されている。
 具体的にはインターネットユーザーの動向をまとめた資料を見ることができたり、どんなサイトが多く見られているか、どんな言葉が発言されているかを知ることができたりというもので、メディア分析に役立つサイトだ。
 その中の「DoubleClick Ad Planner」というツールは、サイトのURLを入力するとそのサイトのユーザーの年齢や学歴、世帯収入、興味・関心などを知ることができるもので、企業が広告を売り込む際などに利用することを想定して作られている。
 以下、ここ<(blog.ohtan.net)>の分析
https://www.google.com/adplanner/planning/site_profile?hl=ja#siteDetails?uid=d%252Bhttp%253A%252F%252Fblog.ohtan.net%252F&geo=001&lp=true
 予想通り読者は30代~50代の大学卒の男性が中心。
 院卒0%
<ζζΧΧ>(同上)
 thanks、面白いサイトですね、google、恐るべし。
 この手のサイトを作り出すのはやはり、アングロサクソン系?の企業なんですかね。
 犯罪捜査で使われるプロファイリングとかも恐らくはアングロサクソンが起源のような気がします。
http://www.news-postseven.com/archives/20111204_71274.html
 輸出にかける韓国の執念は、popsから兵器までにわたって、ホント、凄まじい。↑
 台湾では、女性の総統候補が有力候補。
 日本だけが、停滞ぎみ。
 「坂の上の雲」どころか「坂の下の茶屋」状態。
 日本政策投資銀行は11月5日に、家電量販店の市場規模が2012年には’10年(6兆円)比25%減の4.5兆円まで縮小するとの見通しを明らかにした。テレビの販売台数が急減し、パソコンも単価下落が避けられず、これが販売額の大幅ダウンを招くとの厳しい見立てである。
http://wjn.jp/article/detail/9465996/
 日本のエレクトロニクス産業は、更に沈没しそうである。
 武器輸出の解禁は、まだなのだろうか?
<ζΧΧζ>(同上)
 在日参政権問題は国会ではなく主権者の国民投票で決めろ
<χχζζ>(同上)
 国民投票にしたらあっさり通っちゃったりしてw。
<χζχζ>(同上)
 太田さん以外に吉田ドクトリン批判してる人もいるんですね。↓
 池田信夫blog 吉田茂の呪い
 「沖縄をめぐる混乱の原因は、こうした吉田ドクトリンの負の遺産にあり、防衛相を更迭すれば解決するような問題ではない。基地を男女関係にたとえた沖縄防衛局長の発言が象徴しているように、感情レベルでしか防衛問題を語れないのは、日本政府が日本の防衛の当事者ではないからなのだ。こうした「吉田の呪い」を解かないかぎり、日本はいつまでも政治的に自立できないだろう。」
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51760115.html
<χζζχ>(同上)
 池田信夫が今度は「吉田茂の呪い」と題した、吉田ドクトリンのコラムを書いた。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51760115.html
 <χΖΖχクンが紹介してたコラム(コラム#5143)>は法の支配の重要性と、アングロサクソンは民主主義が嫌いという内容のコラムで、先に太田読者だったから池田を見直してしまったんだけど、キワモノ扱いされてる池田信夫が同じ主張するあたりが、太田述正が例えメジャーでもキワモノ扱いされるだけなんだろうな、と思った。
 個人的には、軍隊を持たずにアメリカ任せで政治家がアホになったという太田の主張と、軍隊を持ち暴力装置として国民を抑圧するのが国家だったが、軍隊を持たなかったことによって、民意ばかり優先され民主主義が機能し過ぎて政治家がころころ入れ替わり意思決定ができないという池田の主張だったら、池田のほうがすっきりすると感じた。
<ζχζχ>(同上)
>軍隊を持たなかったことによって、民意ばかり優先され民主主義が機能し過ぎて政治家がころころ入れ替わり
 在職期間を見れば、その主張は間違いとわかる
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E9%96%A3%E7%B7%8F%E7%90%86%E5%A4%A7%E8%87%A3%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 オリンパス不祥事のすべての出発点は、日本での時価会計の導入だった。↓
 「・・・オリンパスではバブル時代の資金運用が裏目に出て損失が発生。2001年3月期に時価会計が導入されることになり、損失の表面化を危惧。時価会計ルールの概要が公表された99年3月期から「飛ばし」に手を染めた。外国銀行口座や多数の投資ファンドなどを使った。・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819596E2E6E2E2E78DE2E6E3E0E0E2E3E39F9FEAE2E2E2
 2年半前のコラムだけど、筆者が森永卓郎じゃ割り引いて傾聴しなきゃならないが、時価会計の導入の背後に宗主国サマの気まぐれ的ご意向があった、というのはある程度ホントなんだろな。↓
 「・・・2003年の金融危機が発生する。竹中金融行政の下で、日本のメガバンクの経営が追い詰められ、「不良債権処理」を加速せざるをえなくなった。多くの日本の企業が、投機資本の餌食となったのがこのときのことである。
 つまり、米国の要望で実施した時価会計によって、日本の企業が米国のハゲタカの餌食になったわけだ。
 ところがである。米国は、今回の金融危機で自分のところの株価が下がったら、時価会計の基準を緩和するというわけだ。これほど人をばかにした話があるだろうか。日本には時価会計を強要して金融危機の際にさんざん好き勝手なことをしておいて、自分の国が困ると基準を緩和している。これは、誰がどう見ても米国の身勝手としかいいようがない。
 日本は今のところ、米国に追随してはいない。つまり、日本が時価会計の基準緩和を行っていないために、日本の銀行では奇妙なことが起きている。
 三菱UFJファイナンシャルグループのように米国会計基準を採用している金融機関は、今回の米国の緩和策の恩恵を受けて、評価損を出さずに済んでいる。だが、それ以外の金融機関は、日本の会計基準を採用しているために、緩和策を受けられないというおかしな現象が生じているのだ。これほど理不尽な話はない。
 もういいかげん時価会計という制度自体を見直すときに来ているのではないか。」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20090609/158860/?P=3
 取締役を辞任したホンネの理由を隠すためにウソこくなっちゅうの。
 臨時株主総会が開かれたところで、株式持ち合いがなされてる(後述)から、ウッドフォード側に勝ち目がないことぐらいは分かってるだろが。↓
 「・・・取締役である以上、株主と話すことは問題ないが、立場上、その他の人と経営刷新について話すことはできない。取締役を辞めれば、こうした人たちとも自由にコンタクトできるので、今後、経営刷新に向けて行動を起こすことが可能となる。・・・
 株主総会ではオリンパスの提案する取締役メンバーとこちらが提案するメンバーという2つのリストを巡って、プロキシーファイト(委任状争奪戦)になるわけだから、これから面白くなるぞ。・・・
 臨時株主総会の開催を取締役会に要求するには、議決権ベースで3%以上の株主の賛同が必要だ。しかも、それらの株主は6カ月以上保有していなければならない。でも、オリンパス自ら臨時株主総会を開くのではないか。私も招集すべきだとオリンパスには話したが、まず第三者委員会のレポートが出るまで招集をかけないだろう。12月14日の決算発表が終わるまでは動かないかもしれない。しかし、臨時株主総会が必要なことは明らかだ。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111202/224793/?bv_ru
 で、負けを見越してこういう捨てゼリフを吐いてるウッドフォード。
 一体、自分を何様だと思ってるんだ。バカ。
 いいから、静かに消えて行け。
 また、オリンパス不祥事の共犯者っぽい日経よ、今更ウッドフォードにヨイショして罪滅ぼしをしようなんてフザケルなっての。↓
 「・・・ウッドフォード氏が・・・強く主張したのは、解任されて以降、一貫して展開していることだった。それは、「すべての諸悪の根源は、日本の株式の持ち合い制度にある」との問題提起である。
 今回のオリンパス問題に関して、海外の株主は現経営陣の総退陣や臨時株主総会の開催を求めたりしている。それに対し、オリンパスの大株主である日本生命保険や三菱東京UFJ銀行などは、株価が一時、今年のピークから8割以上値下がりした時でさえ、公的には事態の解明や改善を求める声を上げていない。その背景に日本独特の株式持ち合いがあるとの指摘だ。・・・ 持ち合い慣行のない海外では、潜在力に比べ業績の振るわない企業は常に批判や敵対的買収という危機にさらされる。それにより緊張感のある経営が担保されるが、日本ではチェック機能が働いていないというわけだ。・・・」
 「・・・株式の持ち合いを『違法化』するなど思い切った措置を取らなければ、日本はこのまま永遠に没落していくように思えてならない」<と。>・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111201/224759/?bv_ru
 日本型政治経済体制のどの部分をどれくらいのタイムスパンで全球的標準にあわせて行くかは、簡単な話じゃないんだぞ。↓
 「・・・最近では、株式持合の再評価がなされている。 原因として、規制緩和を行い、株式持合いを解消する結果、外国資本による日本への投資・買収がさかんになるというおそれからである(関岡英之・・・のようにアメリカの圧力からみる視点、吉村典久・・・などのように日本型経営システムを再評価する形からみる立場、その他、新たな再編への利用策として持合を利用するべきとの思考もあり、さまざまな持合への評価がなされている)。他方で、従来から<の>持合に対<する>否定的な立場<としては>、・・・、資本主義経済を取っている以上、持合は不可解なものであり、一切を禁止するべきとの見解(奥村宏・・・)や、持合の数量規制を5%にすべきとの<見解がある。>。・・・」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E6%8C%81%E3%81%A1%E5%90%88%E3%81%84
 堀江はただひたすら自分のカネ儲けのために違法行為をやったのに対し、状況証拠的に見て、菊川らは違法行為をやることで一銭も懐に入れてないとすりゃ、捜査当局等の両者の扱いに、当面、差が出てくるのは当然だろ。
 (もちろん、そのことも、また、暴力団との関わりがなかったのかどうかについても、今後の取り調べに待たなきゃならないが・・。)↓
 「・・・英経済誌「エコノミスト」・・・特派員<は、>・・・「ライブドアの堀江(貴文)元社長の場合、恐らく事前に知らされていた多数のメディアの目前で、ライブドアの本社及び自宅などの家宅捜査が一斉に行われた。そこには法を順守しない者への一種の見せしめという要素があった。
 だが、今回のオリンパス事件では、事態がここに至っても家宅捜査さえまだ行われていない。菊川剛前会長やオリンパスのようなエスタブリッシュメントにはそんな捜査はしないとも取れる。日本における『正義』とは公平ではないのかもしれない。日本の捜査当局には恣意性があるのではないか」<と指摘した。>・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20111201/224759/?bv_ru 前掲
 会社を私物視してる点ではおんなじだ。
 この親にしてあの子あり。↓
 「大王製紙前会長の父、解職応じず「顧問」名乗る・・・」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E2E0E298E18DE2E6E3E0E0E2E3E3869891E2E2E2
 英国での大暴動についての新レポートが出たが、原因をしぼっただけ、政府のレポートよりはマシだが、問題は、警察から職務質問・身体捜索を受けたことへの反感の更に背後にあるものが何かだ。↓
 Widespread anger and frustration at the way police engage with communities was a significant cause of the summer riots in every major city where disorder took place・・・
 73% said they had been stopped and searched in the previous 12 months.・・・
http://www.guardian.co.uk/uk/2011/dec/05/anger-police-fuelled-riots-study
 オキシトシンの効果が整理されている。
 面白いのは、最後の所に出てくるところの、社会的文脈によってはオキシトシンの効果が真逆になるって点だ。↓
 Spritz oxytocin up people’s noses (when they don’t know if they are getting the hormone or a placebo) and they become more trusting and forgiving. In economic games requiring players to choose whether to cooperate or to be cutthroat, oxytocin promotes cooperation. (And just to show that this is about sociality, oxytocin had no effect on subjects who thought they were playing with a computer instead of a human partner.)
 Subjects watching video clips of a supposed politician trusted the person more when given oxytocin. The hormone has been found to make people more charitable — and not just to individuals but to charitable institutions, a more emotionally abstract way of giving money. Scary or angry faces are seen as less so by people under the influence of oxytocin, and the amygdala — a part of the brain that responds to cues that evoke anger or fear — becomes less responsive.・・・
 In studies on males (who might be said to be genetically impaired in pro-social behavior by virtue of their Y chromosomes), oxytocin was found to increase their capacity for trust, their skill at reading facial expressions and their tendency to make eye contact. And oxytocin fosters sociality in people with autism.・・・
 Oxytocin, this research seemed to suggest, makes people feel warmer and fuzzier to those they consider “us.” But it makes people crappier to the “thems.”・・・
 ・・・the findings also demonstrate the even greater power of social context・・・
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-sapolsky-oxytocin-20111204,0,2388200,print.story
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太田述正コラム#5156(2011.12.5)
<映画評論32:初恋のきた道(その1)>
→非公開