太田述正コラム#5159(2011.12.7)
<皆さんとディスカッション(続x1399)>
<太田>(ツイッターより)
今年30歳を迎えた米国のスター達の写真集だ。
男性も女性もいるが、ブリトニー・スピアーズやナタリー・ポートマンやビヨンセのデビュー当時と両方の写真が載ってるのを見ると、30歳前後が女性のグラマー(コラム#4082~)の頂点じゃないかと思うね。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/object/article?f=/g/a/2011/12/02/stars_turning_30.DTL&object=%2Fc%2Fpictures%2F2011%2F12%2F02%2Fba-stars_turning_0504664520.jpg
20歳の頃のマリリン・モンローの写真4枚。
http://www.sfgate.com/cgi-bin/object/article?f=/n/a/2011/12/04/national/a211137S21.DTL&object=%2Fc%2Fpictures%2F2011%2F12%2F05%2Fba-nationipad120_0504680696.jpg
イモ姉ちゃんに毛が生えた程度じゃないか。
我々の知ってるあのモンローのグラマーは、血の滲み出るような努力の結晶なんだろね。
(『サンフランシスコ・クロニクル』はスタンフォード時代の地元紙で懐かしー。)
パラシュート降下中、仲間との接触により制御不能になって急降下し、畑に激突し、骨盤、背骨、そして首の骨を折った人物が仲間達に人工呼吸してもらいながら意識不明になっていくところまでのビデオだ。
http://newsfeed.time.com/2011/12/06/video-skydiver-films-his-own-paralyzing-fall/
<太田>
前々回の僕の「講演」のビデオがアップされたよ。
「最近の邦書を通じて日本の防衛問題を語る」
http://www.ohtan.net/video/kouen20110521.html
6/6だけは遅れてるけど・・。
<太田>
その後、6/6もアップされたね。
今度の「講演」、テキストを参照しながらのものだったから、テキストからの抜粋も画面に出てくる。
ビデオ編集作業、大変だったでしょうね。
BERNIEさん、まことにご苦労さまでした。
また、やまもとさん、アップありがとうございました。
<ΨΖΖΨ>(「たった一人の反乱」より)
「どうして文芸批評家たちは村上春樹をあれほど嫌うのか、という話から始まる。
村上春樹の仕事を積極的に評価している批評家は加藤典洋さんくらいしか見あたらない。
あとの批評家の過半は「無視」または「否定」である。
『すばる』の蓮實重彦の発言を見せてもらったけれど、すごい。
「村上春樹作品は結婚詐欺だ」(そのときだけは調子のいいことを言って読者をその気にさせるが、要するにぼったくり)というのは、批評というよりほとんど罵倒である。
シンポジウムの締めでの蓮實の結論は「セリーヌと村上春樹ならセリーヌを読め、村上春樹を読むな」というなんだかよくわからないものであった。
別にセリーヌも村上も両方読めばいいと思うんだけど(どっちも面白いし)。
そもそもある作家を名指しして「こいつの本は読むな」というのは批評家の態度として、よろしくないと思う。
「まあ、いいから騙されたと思って読んでご覧なさい。私の言うとおりだから」という方が筋じゃないのかな。
批評家たちや作家たちがこれほど村上春樹を批判することに熱中するということは「村上春樹が評価される」ということと「批評家たちの仕事が評価されない」ということが裏表でワンセットになっているからである。
なにしろ、村上春樹は「批評というのは馬糞のようなものである」として、自作についての一切の書評を読まないことを公言しているんだから。」
<ΨΖΖΨ>(同上)
これか。
http://blog.tatsuru.com/archives/000407.php
内田 樹
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%85%E7%94%B0%E6%A8%B9
個人的感想に近かったのは
http://negativedialektik.blog65.fc2.com/blog-entry-33.html
<太田>
そうかあ?
現代音楽で、旋律や調性抜きのtextureだけのものが主流になっていることを考えると、現代小説もプロット抜きのtextureだけのものがもっと出てきててもいいんじゃないか。
『1Q84』がその典型だが、村上の小説は、(一冊も読んだことないのに言うのもなんだが、)そういう意味での現代小説なんじゃないの?
ところで、村上の小説中、プロットが割ときちんとあると聞く、『ノルウェーの森』の書評が今頃ガーディアンに出てたぞ。
これまた絶賛だな。
女性が男性に行使する心理的暴力とか男女の心理的依存(共依存を含む)とかという、この部分読んで、改めて村上がボクと大幅に重なり合う心象風景を宿しているらしいことを痛感したね。↓
・・・the most terrifying and subtle predators in Murakami’s worlds are the female characters who inflict psychological violence, often on naive and emotionally vulnerable young men. Often those characters, like Kumiko Okada in Murakami’s acclaimed masterpiece The Wind-Up Bird Chronicle, have in turn been the victims of abuse. Murakami’s characters are forced to learn the hard way that emotional dependence(心理的依存) is not love・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2011/dec/06/winter-reads-norwegian-wood-haruki-murakami
それでは、その他の記事の紹介です。
オリンパス不祥事の報告書が出たぞ。↓
「オリンパスの損失隠しを調べてきた第三者委員会は六日、調査報告書を発表し、「飛ばし」など不正な会計処理で隠した損失は二〇〇三年時点で最大千百七十七億円に上り、損失の解消に使った額が経費を含めて千三百四十八億円に上ったと認定した。一連の損失隠しは、山田秀雄前監査役と森久志前副社長が主導し、下山敏郎、岸本正寿、菊川剛の歴代三社長も認識していたとした。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2011120702000040.html
<上場廃止回避のために必死に布石を打ってるね。↓>
「・・・<同>報告は、反社会勢力の「関与は認められなかった」と結論づけた。・・・
報告書では、オリンパスが過去の買収で計上したのれん代のうち、約416億円が過大に計上されていたと公表した。2011年3月期末の純資産は1668億円。過去の決算訂正を反映させても、現時点では債務超過にはならない可能性が高まった。・・・」
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPTK067859020111206
<もちろん、disclaimerはつけているが・・。↓>
「・・・「強制権限を持たない任意の調査。すべてが分かったわけではない」。甲斐中委員長はそう前置き・・・た。・・・」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111207k0000m020062000c.html
<両監査法人はまったなしに。↓>
「・・・一方、<同報告書は、>09年3月期まで監査を担当していたあずさ監査法人と、10年3月期から担当している新日本監査法人の責任にも言及。不適切な経理を指摘したあずさが事実上解任されたにもかかわらず、両法人の形式的な引き継ぎにより、不正を追及できなかったとした。・・・」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111207k0000m020040000c.html
<実名まで明記されたね。↓>
「・・・山田前監査役らが頼ったのが投資面の相談先だった国内大手証券会社の元社員ら。独立して証券会社社長となった中川昭夫氏と投資助言会社社長の佐川肇氏は証券業務で培った人脈を駆使し、ケイマン諸島などに飛ばし先としてのファンドを設立していったという。第三者委は、これらを「受け皿ファンド」と位置づけ、欧州、シンガポール、国内の3ルートで損失隠しを進めたと認定した。
飛ばしの手法は(1)銀行に預金(2)預金を担保に受け皿ファンドに融資させる(3)そのファンドが融資金をもとに含み損を抱えた金融商品をオリンパスから簿価で購入--が基本形。欧州とシンガポールのルートでは、外国銀行の口座預金などを担保に、外国銀から300億~450億円を受け皿ファンドに融資させた。このうち欧州の外国銀の仲介役は同じ元大手証券マンのコンサルタント会社社長、横尾宣政氏が務めた。・・・」
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111207k0000m020063000c.html
日本語ってスゴイね。↓
「・・・日本軍が太平洋の拠点から撤退した時に、新聞では「転進」が使われるようになる。部隊が全滅した時は「玉砕」に。軍部と新聞は言葉を言い換え、国民の目をそらした▼同じようなことが今、政府や東京電力の記者会見で起きている。事故やトラブルの危険性を小さく見せるために「事象」という言葉を連発。記者が原発の「老朽化」に言及すると「高経年化」と言い直すと、本紙記事が報じていた▼原子力建屋の中にたまった高濃度の放射能汚染水は「滞留水」。これでは危険性は伝わるわけがない。極め付きは、正常な原子炉を定期検査で止める時などに使う「冷温停止」に「状態」を付けた「冷温停止状態」だろう▼事故が収束に向かっていると強調したい政府の常套句(じょうとうく)であるが、圧力容器から格納容器に溶け落ちた核燃料の状態が十分把握できていないのに、その言葉を平然と口に出せる感覚を疑う・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011120702000043.html
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太田述正コラム#5160(2011.12.7)
<映画評論32:初恋のきた道(その3)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1399)
- 公開日:
これ、太田さんの言ってることそのまんまです。
「ルーズベルトは狂気の男」 フーバー元大統領が批判
産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111207/amr11120722410009-n1.htm
講演のビデオのアップありがたいです。
TUさんのコメント(Freedom Betrayed: Herbert Hoover’s Secret History of the Second World War and its Aftermath – Hoover Institute Press 2011)に関してですが・・・
産経が日米関係の話題で何か持ち出すときには、ウラを読んで警戒するのと、まだこの重要な本(大作920ページ)読み終わってないのでコメントする資格ないんですが、英語のリンクも貼っておきます。
1. The Hoover Institute のニュースとプレスリリース
http://www.hoover.org/news/100486
http://www.hoover.org/news/press-releases/99026
2. National Review Online にあるレビュー。7ページと長いのはthe introductionの引用があるからです。
本を買わなくても、一部読めます(笑)。
The Blunders of Statesman
http://www.nationalreview.com/articles/283064/blunders-statesmen-herbert-hoover?pg=1
3. Amazon
http://www.amazon.com/Freedom-Betrayed-Herbert-Aftermath-PUBLICATION/dp/0817912347
4. The editor であるGeorge H. Nash の顔と履歴を知りたい方へ
http://www.kirkcenter.org/index.php/nash/
上記2と3にある読者のコメントも米国人の対日(戦争)観を知る上で参考になります。
すみません。The Blunders of “Statesmen”の間違い。“the introductionと Chapter 89: A Review of Lost Statesmanship — 19 Times in Seven Yearsの両方の引用があるからです“の間違いです。
余計なことですが、この本はフーバーの(そしてフーバー自身が一冊の本としてまとめる意図をもって書いた)外交史考察・メモランダムをナッシュ氏が編集したものであって、産経のいう『歴史家ナッシュ氏の著作』によるとという記述には強い違和感を感じます。私が産経並びに日本の新聞を全く信用しない根拠のひとつです。