太田述正コラム#5211(2012.1.2)
<皆さんとディスカッション(続x1422)>
<太田>(ツイッターより)
2012年に期待される科学の5大ブレークスルー。
ヒッグス粒子の存在証明、地球並みに生命を宿しうる惑星の発見、人類とネアンデルタール人等の遺伝子関係の完全解明、メタ物質の発明(うーんよう分からん)、NASAによる火星探査、の5つだとさ。
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-16070460
米フォーリン・ポリシー誌が選んだ世界の有識者100人(オバマ等)中に日本人3人(組)…福島瑞穂/海渡雄一「夫妻」、伊藤穰一、倉石真理。
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/11/28/the_fp_top_100_global_thinkers?page=full
最後のは誰だ?
彼ら100人の世界認識をご覧あれ。
http://www.foreignpolicy.com/articles/2011/11/28/the_wisdom_of_the_smart_crowd?page=full
<γηγη>(「たった一人の反乱」より)
≫<山本五十六は>自分で指揮したミッドウェイで大敗北したのにな。≪(コラム#5209。γηηγ(前回ハンドルネームつけ間違えた。ブログは訂正済み(太田)))
その事実一つとってもおかしいよね。
冷静に見れば少なくとも山本=無能くらいの認識持っても当然なのにね。
残念ながらこんなのが邦画メジャー会社から配給される位だから、山本アゲが日本の主流なんだろうね。
やっぱり司馬史観に代表される、日本の一般層から知識層までの主流の戦前史観が事実を直視せず、ねじれ史観なんだろうね。
なんとかしたいなぁ。
<ηηγγ>(同上)
山本アゲは男の美学なんだろうw。
人間は、負けるとわかっていても、戦わねばならない時がある。
だから、たとえ負けても勝っても、男子は男子なり。
勝負をもって人物を評することなかれ。
福沢諭吉
<ηγγη>(同上)
「人の好みにクチコミは効かない」──ハーヴァード大学チームの研究結果より
http://wired.jp/2011/12/26/%e3%80%8c%e4%ba%ba%e3%81%ae%e5%a5%bd%e3%81%bf%e3%81%ab%e3%82%af%e3%83%81%e3%82%b3%e3%83%9f%e3%81%af%e5%8a%b9%e3%81%8b%e3%81%aa%e3%81%84%e3%80%8d%e2%94%80%e2%94%80%e3%83%8f%e3%83%bc%e3%83%b4%e3%82%a1/
この研究結果を信じれば、太田コラムを、ネットを通じて世間へと拡散させようとすることは難しそうだな。
太田コラムは内容が高度すぎるし、日本が属国であることは認めたく無い人も多いだろうね。
<ΒΒΘΘ>(同上)
好き嫌いで「支持」されても、太田さんも困るでしょ。
<ΒΘΒΘ>(同上)
<ηηγγクンの言う>男の美学(笑) 。
前々々々防衛大臣殿もそうみたいね。→石破茂 御用納め で検索。
<また、ηγγηクンが言うように>SNSは嗜好が共通した、遠隔地の人間との繋がりを形成するツールに過ぎない、か。
一般層に太田論を広めるアプローチは何が最適かな?
<ΒΘΘΒ>(同上)
小林よしのりが政治評論を漫画というメディアをつかって拡散することに成功したから「漫画 太田理論」だとある程度売れるかも。
太田さんはフンと鼻でせせら笑うだろうけどね。
<太田>
一年半くらい前、某漫画雑誌の女性編集員だったかが、防衛問題での取材をEメールで申し込んできたので、取材は受けるが、その代わり、太田戦前史観を漫画にする企画を編集部に売り込んでみて欲しい、と返事したところ、それっきり音沙汰がなくなったってことがあったな。
<ΒΘΘΒ>(「たった一人の反乱」より)
外交・安全保障は、石原慎太郎がかつて言った様に実際に京都にでもミサイルが着弾しないと世論は盛り上がらないね。
明治維新もきっかけは黒船の来襲だし。
<ΘΒΘΒ>(同上)
「脅威」を感じることでしか「独立」の気運が盛り上がらないってのも、寂しいな。
日本人らしく、利他主義(人間主義)にもとづく「独立」気運が盛り上がってほしいね。
<ΘΘΒΒ>(同上)
利他主義じゃなくて利他的だと思うよ。利他主義じゃ範囲が狭いし、説得力にかけるから。
<ΘΒΒΘ>(同上)
イミフ。
<太田>
前にも言ったことあるけど、人間主義=利他主義、じゃあないんだよ。
「情けは人のためならず」という考え方をするのが人間主義なんだわさ。
だから、「利他主義(人間主義)」→「人間主義」と記すべきだったのさ。
<TA>
あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。
<太田>
こちらこそ、どうぞよろしく。
<TA>
≫ <(日本において、防衛予算に占める研究開発費が低いにもかかわらず高性能の兵器を開発できるのは、日本企業の優れた技術力等を転用出来るからだ、という井上和彦の主張に対し、)>試験の回数とか実戦的な試験の実施を確保するためのカネがなくっちゃ、いくら一所懸命で匠の技だなどとほざいたところで、まともな兵器の開発などできるわけがない・・・。≪(コラム#4759。太田)
世界第三位の武器輸出国であるドイツ(コラム#3900)の研究開発費はそれほど高くないように読めます。(PDFファイル20頁)↓
国防に関する各国基礎データ(米・英・独・仏・中・露・印・韓・台・瑞西・瑞典)
http://www.kaikosha.or.jp/doc/anpoken-data.pdf
少なくともイギリスやフランスと比べ、明らかに、というか極端に低いです。このこととドイツの国際競争力の高さは、どう考えればよいでしょうか。
<太田>
お示しの典拠の20頁の表を見ると、ドイツの正面装備費・・戦車、艦艇、航空機の類いの予算と考えればよい・・の国防費に占める割合が先進国の中では際立って低いのですね。
これは、私にとっては意外でした。
どなたか、その理由をご説明いただけるとありがたい。
さて、軍事研究開発には、正面装備以外に係るものも含まれています・・例えば糧食とか被服・・が、そういうものは民生品が使える場合が多いし、そもそも、単品のお値段がそれほどはるものでもないので、軍事研究開発は正面装備に係るものが大部分です。
そこで、軍事研究開発費を正面装備費で割ってみると、ドイツが34.6%であるのに対し、日本は22.0%ですから、やはり、ドイツの方が日本に比べるとはるかに研究開発を重視していることが分かります。
もとより、フランスのそれは65.0%ですし、英国のそれは52.8%ですから、ドイツも仏英と比較すると顔色なしですが・・。
<TA>
あと、武器輸出三原則の見直しに関して、太田さんは大して喜んでもいないように感じます。緩和の経緯や内容について何か引っ掛かる点があるのでしょうか。それともこの件は大した話でもないのでしょうか。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
金正日の長男の金正男が、17日の父親の死亡後、ただちに弔問に平壌に行ってたって讀賣が報じてたみたいね。↓
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2012/01/02/2003522222
大恩人の天才アラン・チューリングに戦後の英国はなんと野蛮な仕打ちをしていたことだろうか。
英国に比べてさえ、どれだけ日本は文明度が高いことよ。↓
The mathematician and second world war codebreaker Alan Turing・・・ was convicted of gross indecency in 1952, when homosexual acts were illegal in the UK, and sentenced to chemical castration(化学的去勢). He killed himself two years later by taking cyanide. ・・・
In 2009, the then prime minister Gordon Brown issued an unequivocal apology on behalf of the government to Turing, describing his treatment as “horrifying” and “utterly unfair”. Brown said the country owed him a huge debt.・・・
http://www.guardian.co.uk/artanddesign/2012/jan/02/codebreaker-alan-turing-stamp-approval
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太田述正コラム#5212(2012.1.2)
<ダニエル・カーネマンの世界(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1422)
- 公開日:
>英国に比べてさえ、どれだけ日本は文明度が高いことよ。
これに関しては補強をば
当時のソドミー法の故であり、英国の官憲としては仕事をしただけだった。(a)
不幸にもチューリングは当時”大恩人”とは思われてなかった。
「暗号という重要な機密事項を扱う仕事柄ゆえにブレッチレイ・パーク(以下BP)から
一歩外に出ればチューリングの仕事を知る者は誰一人いなかった。・・・
BPに関係する事柄は引き続き機密とされ・・・1974年夏、BPの活動について書かれた
「ウルトラ・シークレット」出版、チューリングらの功績について世間の知るところとなる。」(b)
ソドミー法はキリスト教由来の悪法といえる。
英国はまだましだった。逆に日本、中共や北朝鮮では罪にはならない。
イスラム教国ではより罪が重く死刑を採用する国が現在もある。
この悪法の禍を断ち切る先鞭をつけたのもまた英国人であった。
「『ウォルフェンデン委員会のレポート』が1957年に出された後、
アメリカ合衆国を含む多くの西側諸国で同性愛行為に限定して
禁じる法律の撤廃に動き始めた。」(b)
当時も同性愛者は多数いたが皆上手くやっていた。
ケインズにもバーンスタインにも同性の愛人はいたし
、公然の同性愛者ディアギレフもチューリングのような目にあってない。(c)(d)(e)
逮捕のきっかけの19歳の青年(b)はチューリングが”買ってきた相手”
ではないか。恋人ならば盗みの手引きなどしない。
彼が”上手くやれない”人間だった可能性がある(筆者推測)
ja.wikipedia.org/wiki/ソドミー法(a)
ja.wikipedia.org/wiki/アラン・チューリング(b)
ja.wikipedia.org/wiki/セルゲイ・ディアギレフ(c)
ja.wikipedia.org/wiki/ケインズ(d)
ja.wikipedia.org/wiki/レナード・バーンスタイン(e)