太田述正コラム#5341(2012.3.6)
<皆さんとディスカッション(続x1483)>
<太田>(ツイッターより)
東京名所50選が載ってる。 ボクの行ったことのない所どころか、知らない所が一杯出てくるね。
そのうち、少なくとも1~2か所は今年中に訪れてみたいもんだ。
http://www.cnngo.com/tokyo/visit/best-japan/worlds-greatest-city-50-reasons-why-tokyo-no-1-903662?page=0,0&hpt=hp_c2
「「恩人」と苦難を共に 女川町に戻った中国研修生…」
http://j.people.com.cn/94473/7748650.html
人民網あっぱれ。
その対日プロパガンダ能力には端倪すべからざるものがある。
<ααααα>(「たった一人の反乱」より)
英在住の日本人女性が書いた本によれば(タイトルは失念)、英国人男性と結婚した外国人女性の間でしばしば話題となるのですが、英国人男性は休日は、庭いじりをしたりしてすごすことが多く、友人と出かけることがまったくないのだとか。
パブでの飲酒も友人と飲んでいるわけではないので、普段から孤独な状態なのだとか。
太田さんは、常々、イギリスは人間主義<的>社会であると主張されていますが、日本の人間主義的人間関係とはこんなわけで違いがあると思われますが、イギリスの人間関係における人間主義的側面は具体的にどんなものがあるのでしょうか?
<太田>
「理論」の考察については、ヒュームとスミスという、二人の、イギリス人以上にイギリス人的であったスコットランド人について論じたコラム#4174と4176を、まず読んでみてください。
べじたんさんでもどなたでもよろしいが、他にも適当なコラムがあったですかねえ。
また、現実の考察については、イギリスにおける「早熟」な公的慈善の歴史的事例をしばしば挙げてきたところ、こちらについても、べじたんさん等、コラム番号を教えていただければありがたい。
<βββββ>(「たった一人の反乱」より)
↓大意としてはこんな感じ?
・・・第二次世界大戦の間、ヒトラーと彼の信頼できる部下は政治的・遺伝的計画像全体を明らかにした。
それはまさに自然のナチ化であった。人の犠牲は良く知られている――何百万人の皆殺しの一方で、ヨーロッパ中に散在する赤ちゃん農場では、種子たるSS親衛隊の強健な男性と金髪碧眼の女性がヒトラーの新しい支配人種に使用する数千の赤ん坊達を作り出した。――
あまり知られていないが、彼等の自然改造計画は止め処もなかった。
最良の兵士に必要なのは最良の食べ物だが、ナチの生物学の議論上では最も純粋な種子のみが育て上げられるのであった。
従ってナチは優生学の特定の特徴を強める種育の方法を使用する事により、DNAの進化を侵<促(?)(太田)>し、統御(seize control)する事で”適当でない”外国の作物や家畜を純粋なものに取って替えることを望んだ。・・・
その目的の為に、ナチは植物蒐集の為のSS特務部隊を作り出して、世界中の植物園や研究機関を襲撃し、最適な標本を盗みだす事を命じた。
他方で、ナチは自らの作物に適するよう森林を設けて気候を緩和する提案を行い、ナチの心象風景により適合するよう作り替える事について公然と話した。・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2012/03/03/genes-on-the-march/
http://blog.ohtan.net/archives/52123722.html
<太田>
おおむね良さそうだけど、正規に「採点」を求めるのなら、ボクの掲示板に投稿して欲しかったね。
それでは、その他の記事の紹介です。
もはや中共中央による制御が不可能になる寸前って感じだな。↓
「半国営通信の中国新聞社が発行する中国新聞の章文主筆が「脱北者は北朝鮮で悲惨な運命が待っている。朝鮮(北朝鮮)から逃げ出して中国領土にめぐり着いた以上、彼らは難民だ。人道主義は最高の原則だ。国連難民条約に基づいて処理すべき」という考えを、・・・中国版ツイッター「微博」に投稿した。・・・
小説家の劉亜偉氏もウェイボーに「強制送還すべきではない。最低限の人間性に関わる問題だ」と訴えた。画家で音楽家でもある楊林川氏は「個人的に韓国は嫌いだが、脱北者の強制送還に反対する韓国の立場は理解するし賛成する。自分にも人間性が残っているからだ」とコメントした。江蘇省南通市に住むある医師は「脱北者問題が発生した初期のころは、中国が脱北者を捕らえて北朝鮮に送還すると、北朝鮮は中国政府関係者の目の前で銃殺していた」として、送還された後に脱北者が置かれる立場について憂慮を示した。
中国政府を正面から批判する書き込みもあった。中国紙「経済観察報」の劉建鋒記者は「脱北者を送還する(中国)政府の非人道的な行為に反対する」と主張し・・・た。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/06/2012030600628.html
中共当局による、昔の名前で出ています的な雷峰(Lei Feng。1940~62年)
http://en.wikipedia.org/wiki/Lei_Feng
プロパガンダに対するインターネット上の批判を見ても、つくづくそう思うね。↓
http://www.nytimes.com/2012/03/06/world/asia/lei-feng-day-draws-chinese-cynicism.html?ref=world
ミャンマーに対する経済制裁を、依然、維持すべきだとするバカバカしい主張だ。
ミャンマーの変化をもたらした決定的要素は決して経済制裁じゃないというのに・・。↓
<6年前にミャンマーに対する経済制裁はむしろ逆効果である、と指摘した英国の元駐tタイ大使の指摘は、(このコラムニストの意見は違うけど)正しいさ。↓>
・・・ Derek Tonkin, a former British ambassador to Thailand and now chairman of Network Myanmar, which seeks a softer approach to the government, said in 2006: “Sanctions have only made the situation worse, entrenched the military regime in power and delayed the deliverance of the Burmese people from their misfortunes. I have met no one during my visits to Myanmar who thought the sanctions were helping them achieve freedom.”
But that view is no longer valid. ・・・
・・・in Myanmar, which has been ruled for half a century by its army, more than two decades of sanctions finally seem to be doing the trick. That is a good reason to keep the pressure on until the Burmese people are truly free. ・・・
http://www.nytimes.com/2012/03/06/opinion/keep-up-the-pressure-on-myanmars-generals.html?_r=1&ref=opinion&pagewanted=print
収集されて150年間眠っていた500にも及ぶドイツのバヴァリア地方のおとぎ話が明るみに出た。↓
http://www.guardian.co.uk/books/2012/mar/05/five-hundred-fairytales-discovered-germany
そのうちの一つをどうぞ。今イチ、よー分からんオハナシだが・・。↓
http://www.guardian.co.uk/books/2012/mar/05/turnip-princess-discovered-fairytale
米国は依然としてひどい女性差別社会であることを具体的数字で明らかにした記事だ。
だけど、日本はその米国より輪をかけてひどい女性差別社会だからね。↓
<米国の女性達は、16%の壁にぶちあたっているってさ。
まずは、実業界から。↓>
・・・Barnard College president Debora Spar・・・said・・・“We have fallen into what I call the 16 percent ghetto, which is that if you look at any sector, be it aerospace engineering, Hollywood films, higher education, or Fortune 500 leading positions, women max out at roughly 16 percent,” Spar said. “That is a crime, and it is a waste of incredible talent.”
<上下両院の議員、最高裁の裁判官、州知事、州議会議員。↓>
Seventeen percent of United States Senators are women, and only 16.8 percent of the House of Representatives. The Supreme Court has three women justices out of nine, and six women governors out of 50, or 12 percent. In state legislatures, 23.6 percent of elected representatives are female, and only nine percent of mayors are women in the 100 largest cities.・・・
<教授、再び実業界、弁護士、プロテスタント教会。↓>
“Over half of college graduates but less than a quarter of full professors and a fifth of college presidents are female,” reported Deborah Rhode and Barbara Kellerman in their book Women and Leadership. “In management, women account for about a third of M.B.A. classes, but only 2 percent of Fortune 500 CEOs, 6 percent of top earners, 8 percent of top leadership positions, and 16 percent of board directors and corporate officers. In law, women constitute about half of new entrants to the profession, but less than a fifth of law firm partners, federal judges, law school deans, and Fortune 500 general counsels. Half the students in divinity school are women, but they account for only 3 percent of the pastors of large congregations in protestant churches that have been ordaining women for decades.”・・・
<金融界。↓>
“In the financial services industry, 57 percent of the workers are women—but only 1.5 percent of the CEO’s are female,”・・・
<映画界。↓>
Among this year’s Academy Award nominations, 98 percent were given to movies directed by men, 84 percent went to movies written by men, and 70 percent to movies starring men. In the Academy of Motion Picture Arts and Sciences, as elsewhere in American society, the important decisions continue to be made by men: 77 percent of Oscar voters are male.・・・
Nor are such imbalances improving; in most areas, women’s advancement has flatlined in recent years.・・・
<米国の国会議員に占める女性の割合は、バングラデシュ、スーダン、ア首連並み。↓>
・・・the <US> actually ranks 71st in female legislative representation, behind Bangladesh, Sudan and United Arab Emirates. ・・・
http://www.thedailybeast.com/newsweek/2012/03/04/the-stubborn-gender-gap.print.html
世界から急速に貧困が姿を消しつつあるってさ。結構なことだ。
なお、このコラム、その他の部分が大変面白いので、近日中の有料読者向けコラムで活かすね。↓
・・・ In 1981, 52 percent of the planet lived on $1.25 a day or less according to the World Bank’s estimates; today it is around 20 percent. In 1990, around 65 percent of the population lived on less than $2 a day; by 2008 that number had fallen to 43 percent.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2012/03/05/onward_and_upward?page=full
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太田述正コラム#5342(2012.3.6)
<文化について考える(その4)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1483)
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