太田述正コラム#5391(2012.3.31)
<皆さんとディスカッション(続x1508)>
<太田>(ツイッターより)
 「…日本の男尊女卑の思想は深刻で、男性は社会において主導的な地位を占め続けている。女性に媚びる<男性>ホストたちは、日本の伝統的価値観からは全く受け入れられない存在だ。…」
 またまた中共サマに言いたい放題言われちゃってるぞ。
http://j.people.com.cn/94476/7772548.html
 米国では、少女の第二次性徴が、7歳までに、白人の10%、黒人の23%、ヒスパニックの15%、アジア系の2%で始まるんだって。
http://parenting.blogs.nytimes.com/2012/03/30/helping-girls-through-early-puberty/
 (この記事には出てこないが、全般的に時期が早まりつつあるらしいぞ。)
 ところでこれ、人種別IQとは逆相関だねえ。
<太田>
 ただし、第二次性徴は、乳房→恥毛→初潮、の順序に進行するところ、完結する時期はほとんど早まっていないんだと。↓
 ・・・ Now most researchers seem to agree on one thing: Breast budding in girls is starting earlier. The debate has shifted to what this means. Puberty, in girls, involves three events: the growth of breasts, the growth of pubic hair and a first period. Typically the changes unfold in that order, and the process takes about two years. But the data show a confounding pattern. While studies have shown that the average age of breast budding has fallen significantly since the 1970s, the average age of first period, or menarche, has remained fairly constant, dropping to only 12.5 from 12.8 years. Why would puberty be starting earlier yet ending more or less at the same time? ・・・
http://www.nytimes.com/2012/04/01/magazine/puberty-before-age-10-a-new-normal.html?_r=1&hp=&pagewanted=all
<XXXX>
 
 今日、予告していた資料を送付しました
 今回お送りした資料内容は以下の通りです。
倉松中 大橋真貴子 「日英同盟復活論–1928年の英国陸軍省覚書」(『青山国際政経論集 61号』 青山学院大学国際政治経済学会 2003年 収録 )
村島滋 「ピゴットと日英関係–一「知日」イギリス人の軌跡」(『政治経済史学300号』日本政治経済史学研究所 1991年 収録)
平間洋一 「対華21ケ条の要求と日英関係–シンガポール駐屯インド兵の反乱を軸として」(『史学雑誌100号』 山川出版社 1991年 収録)
芳井研一 「第1次北伐の進展と日本陸軍–張作霖爆殺事件の一前提 」(『人文科学研究 76号』 新潟大学人文学部 1989年 収録 ) 
戸部良一 「陸軍「支那通」と中国国民党–国民政府否認論の源流 」(『防衛大学校紀要 社会科学分冊 68号』 防衛大学校 1994年 収録)
村中朋之 「山県有朋の「利益線」概念–その源泉と必然性 」(『軍事史学 42巻一号』 錦正社 2006年 収録)
種稲秀司 「一九二九年中ソ紛争の「衝撃」–満州事変直前期における日本陸軍のソ連軍認識 」(『軍事史学 42巻一号』 錦正社 2006年 収録) 
 「日英同盟復活論―1928年の英国陸軍省覚書」は、日英同盟の果たした役割によって全球的に広がるイギリス帝国の安定にどれだけ寄与したかをイギリスの立場から振り返り、そしてなぜ現在、イギリスが直面する状況において同盟の復活が軍事的観点から「望ましいばかりでなく必須である」のかを説明した文書です。
 すなわち、20世紀の初めイギリスは拡大するドイツの脅威に対抗するため軍事力を何よりもヨーロッパへ集中する必然性があった。然るに財政上の限界からヨーロッパ以外の地域に全球的に展開しているイギリス軍の削減無しには実行不可能であり、イギリスにはインドや極東権益に対するロシアの脅威が存在した。
 このような状況にあって、1902年に始まった日英同盟・・・1905年に活動範囲を広げ、1911年にいくぶん修正され戻された・・・は権益防衛を日本と分かち合う事によって、イギリスがインド以東へ過度に首を突っ込まなければならないような状況から脱却させ、注意と努力とを本国のより近くで発生する極めて重要な諸問題に集中する事を如何に可能にしたかを述べる事によって、同盟の廃棄以前、イギリスが帝国の維持にどれだけ日本の
軍事力を必要とし依存しなければならなかったかを指し示し、現在及び近い将来にイギリスが直面すると予期される困難に日英同盟の復活が「望ましいばかりでなく必須であ」り、同覚え書きの「見解を受け入れるならば、軍事上自明な動機に基づいた同盟関係は復活するだろう」と述べたモノであります。(上記典拠:同覚え書き導入部分) 
 
 自分は同覚書きが太田さんの下記の考えと、軌を一にするものであり、この英陸軍の議論の延長上にクレイギーの最終報告書が存在するのだろうと思っています。
「改めて思うのは、第一次世界大戦と第二次世界大戦は一つながりの大戦であって、違うのは、(どうでもよいイタリアのことを捨象すれば、)日本が米英の同盟側から敵側に変わった点だけであるところ、この形式・実質両面における相違点にあえて付け加えれば、実質面な相違点として、第一次世界大戦開始時点では、 米英と一応価値観を共有していたロシアが、敵対的な価値観を抱くに至っていたというのに、第一次世界大戦同様、第二次世界大戦においても、米英の同盟国と して戦ったことです。
 このように、日本についてもロシアについても、考えられないこと、ありうべからざることが途中で起こったわけであり、そんなことになったのは、一義的に米英両国の責任である、と言わざるを得ません。 」
http://blog.ohtan.net/archives/52075727.html
備考
・「第1次北伐の進展と日本陸軍–張作霖爆殺事件の一前提 」は引用されている史料が良いので、以前に送るといってまだ送っていない『対ソ情報戦資料』の代わり
です。
・「山県有朋の「利益線」概念–その源泉と必然性 」は以前に送った山縣の史料だけでは不十分だったように思い、また、シュタインと山縣の考えにも触れられているのでお送りしました。
<太田>
 届きました。
 防衛大学校時代にご一緒した、平間さんと戸部さんの名前は懐かしいですねえ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ミサイルの脅威の前に、「敵」の沿岸近くを空母等に航行させることでプレゼンスを維持してにらみをきかせる、という米海軍の伝統的態勢が変貌を強いられているとさ。↓
 ・・・The Navy’s task of providing a stabilizing presence in the South China Sea and elsewhere is further complicated the growing anti-ship and anti-aircraft missile threats. These threats are forcing the Navy and the Air Force to develop new ways of operating against adversaries from longer ranges, where ships and aircraft will be less vulnerable to adversary missiles. The missile threat is also encouraging the Navy and Air Force to rely more on out-of-sight platforms, such as submarines, and long-range stealthy aircraft, which purposely stay as hidden as possible. All of these trends work against the concept of a visible forward presence, which the Navy has used to deter threats to the global commons but which may increasingly become untenable due to adversary missiles.・・・
 <哨戒機で情報収集しながら、安価で小さい艦艇群で「プレゼンス」を見かけだけ維持しつつ、「敵」から攻撃を受けたら、これら小艦艇群を犠牲に供した上で、潜水艦やステルス機で反撃するんだって。
 ここでは引用しなかったが、金欠米国は、もう、このような「修正」態勢をとることすら不可能になりつつある、という認識を持たなきゃね。↓>
 As the missile threat matures, the Navy’s new and modestly capable Littoral Combat Ships (LCS), a few of which will be stationed in Singapore, may perform the forward presence mission, showing the flag during peacetime and serving as expendable “trip wires” if shooting breaks out. Meanwhile, the main fleet and other long-range striking power will wait over the horizon and out of sight. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2012/03/30/this_week_at_war_the_navys_pacific_problem?page=full
 自然に触れない生活が普通になった人類は、様々な症候群を呈しつつあるとさ。
 そういう意味でも、人間主義の復権が必要なのさ。↓
 ・・・in less than a generation’s time, millions of people completely decoupled themselves from nature.
 There’s a term for the consequences of this divorce between human and habitat — nature deficit disorder・・・
 Kids who do play outside are less likely to get sick, to be stressed or become aggressive, and are more adaptable to life’s unpredictable turns・・・
http://opinionator.blogs.nytimes.com/2012/03/29/nature-deficit-disorder/?ref=opinion
 あのシンプソン夫人は、性障害者で、かつ、性技の達人であった可能性があるんだと。↓
 ・・・there is “strong circumstantial and psychosexual evidence” that Simpson was intersexual(中性), which refers to a broad spectrum of sexual development disorders. She offers this as a possible explanation for the fact that Simpson never bore any children and flirted(男漁りをする) in an unusually aggressive way. Furthermore, Sebba gives credence to speculation that the couple’s passion was driven by Simpson’s sexual prowess, which may have included a repertoire of tricks acquired during her years in China.・・・
http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/that-woman-the-life-of-wallis-simpson-duchess-of-windsor-by-anne-sebba/2012/03/30/gIQAFUk1lS_print.html
 芥川賞作家の中村文則の初英訳本が刊行され、その書評が出てた。
 書評子が頭を抱えている様子がうかがえる。↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E6%96%87%E5%89%87
http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/book-world-the-thief-by-fuminori-nakamura/2012/03/02/gIQAsSdjaS_print.html
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 ハメリン特集も第31回目を迎え、本日が最終回です。
 少しラクをさせてもらい、NHKのハメリン特集をそのまま転載させていただきましょう。
http://www.youtube.com/watch?v=ORh0OCI_gZ4&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=cIIQK2Pwto0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=xNhp-IReNLo&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=kDjk0vMTodo&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=iMLVzWInJu0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=9hLPIplGgdU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=qPgmUUirI0g&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=D1MsxwMFcqU&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=xMUrqYA-x44&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=JmrUSLhVMMo&feature=related 
↑この最後の、口笛付だぞー。しかも、歌謡曲みたい。
(完)
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太田述正コラム#5392(2012.3.31)
<松尾匡『商人道ノススメ』を読む(続)(その1)>
→非公開