太田述正コラム#5397(2012.4.3)
<皆さんとディスカッション(続x1511)>
<太田>(ツイッターより)
 黙示録の本がネタの僕のコラム・シリーズ(未公開)に係る新書評を発見。
 その投稿欄を一瞥したけど、キリスト教に悪罵を投げつける人が多い。
 同教は先進国では崩壊寸前?
http://religion.blogs.cnn.com/2012/03/31/four-big-myths-about-the-book-of-revelation/?hpt=hp_mid
 とまれ、黙示録のような大悪書の出現にはイエスにも大いに責任があると僕は思うな。
 クーデターが起こったマリでツアレグ族叛徒達がティンブクイトゥを占領したというので、地の果てと同義語であったこの町の話題で英国が盛り上がっている。
 そこは、サハラ砂漠が終わり河が流れる本来のアフリカが始まる地、かつての交易、イスラム教学の地だ。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-17583772
<ΒΒβΒΒ>(「たった一人の反乱」より)
 銀河英雄伝説ならまずこれを見るべきでしょ?
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 1/6
http://www.youtube.com/watch?v=i38WA41OOH8
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 2/6
http://www.youtube.com/watch?v=DQ6WjZ7tNKA
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 3/6
http://www.youtube.com/watch?v=z63nMNq6ecM
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 4/6
http://www.youtube.com/watch?v=R47RLJJBG7U
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 5/6
http://www.youtube.com/watch?v=oLweLnrmRoU
【LoGH DVD.ver】My Conquest is the Sea of Stars 6/6
http://www.youtube.com/watch?v=wJPIJpyqtvc
↑『わが征くは星の大海』(劇場用映画・60分)1988年2月
今見ると色々ツッコミどころの多い作品ですが、四半世紀前でこのクオリティは素晴らしいの一言。
<太田>
 情報提供、深謝。
 今んところ、『ワンピース』鑑賞だけでアップアップだけど・・。(昨夜も寝不足に!)
<ΒΒΒβΒ>(「たった一人の反乱」より)
 韓国の教育情報化に驚いた。
http://blogos.com/article/35604/
 デジタル化すれば、すべて良いというわけではないが、韓国の実行スピードには日本はもう完敗だし、羨ましいのだが、一方でまたまた起源を捏造しているからうんざりしてしまう。
 なんとかならんものなのかね。(笑)
 なぜなんだ?
http://news.livedoor.com/article/detail/6430990/
 『革命的飲酒主義宣言 ノンストップ時評50選!』(坪内 祐三・福田和也対談)を最近読んだ。
 福田曰く
 「朝鮮半島は朱子学のせいで、理や気といった概念が発達して物事を正邪で見るくせがあり、それがキリスト教にうまくはまってしまった。日本では、伊藤仁斎が「人外無道」を唱え、抽象的概念を排除した。」
 と言っていた。
 「人外無道」とは、元々は論語の言葉であり、人の外に道なく、道の外に人なし、ということのようだ。
 この言葉はまさに人間主義そのもののようなので驚いた。
http://ir.library.osaka-u.ac.jp/metadb/up/LIBKIYOK02/KJ00004305034.pdf
 この<子安宣邦の論考の>100/200ページに「人外無道」に関する考察がある。
 コラム#1648「昭和日本のイデオロギー(その6)>」
http://blog.ohtan.net/archives/51000503.html
 これを読み返して妙に納得しました。
<太田>
 紹介してくれた子安宣邦の論考、斜め読みを始めたけど、長いし、小むつかしいので、「人外無道」に行きつくまでの四0頁あたりで読むの止めた。
 伊藤仁斎(注i)(コラム#1648のQ&A)の言に「惟<=おもふに>孝弟<(注ii)は>忠信を言て足れり」があり、「仁斎の思想とは、人々の日常の交わりに尽きるともいいうる人道を根幹として、人間の世界をとらえきろうとしたものということができる。」(五頁)というわけか。
(注i)1627~1705年。「<そ>の学問手法は、当時支配的だった朱子学的経典解釈を廃し、直接テクストを検討するというものである。朱子学は・・・、その成立過程に流入した禅学や老荘思想といった非儒教的な思想のために経書の解釈において偏りがあった。仁斎はそのような要素を儒学にとって不純なものとみなし、いわば実証主義的な方法・・・<である>古義学・・・を用いた。このような傾向は同時代の儒学研究に共通にみられるものである。・・・<彼は、>日常生活のなかからあるべき倫理と人間像を探求して提示した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E4%BB%81%E6%96%8E
(注ii)孝弟とは、「父母に孝行をつくし、兄など年長者によくつかえること。」
http://www.weblio.jp/content/%E5%AD%9D%E5%BC%9F
 伊藤仁斎も今まで取り上げたことがないなあ。
 確かに、彼、江戸時代における、荻生徂徠、安藤昌益、本居宣長らと並ぶイデオロギー排斥論者であったことに加えて、日本で人間主義を唱えた最初の人物、とみなすことができるのかもしれないね。
 そのうち、改めてコラムで取り上げようかな。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 (ボクに言わせりゃ、属国化は日本人が選択したものだけど、)パン食・麺類食の普及は宗主国サマの陰謀だったってさ。↓
 ・・・As bread became popular, so did cheap, belly-filling Chinese-style fare made from wheat. As Japanese historian George Solt argues, the abundance of meriken-ko (American wheat flour) combined with war vets returning from China with knowledge of that country’s cuisine led to a flourishing of gyoza (dumplings) and chuka soba (wheat noodles in broth, which were eventually known as ramen).
In the mid-1950s, having averted a red scare in Japan, America’s rationale for providing aid to Japan took on a more commercial dimension—and the Japanese government, eager to rebuild its arms industry, was happy to strike a deal. Between 1954 and 1956, the two nations signed a series of agreements in which Japan consented to buy U.S. surplus wheat (of which there was plenty). In return, through a series of clever maneuvers, the United States loaned money to the Japanese weapons industry.
 It was during this phase that the propaganda came out in full force, starting with a nationwide campaign led jointly by the Japanese and American governments to persuade the Japanese to trade their rice for bread. ・・・
 What made the biggest impact of all was the school lunch program. The project, initiated by the U.S. government during the occupation, guaranteed that Japanese schoolchildren were provided a daily meal that included bread, powdered milk and a meat-based stew. ・・・
 Once instant ramen entered the scene, there was no going back. Created in 1958 by Taiwanese-born businessman Momofuku Ando to absorb the influx of American wheat, instant ramen was at first much more expensive than a bowl of fresh noodles from a street stall. But it quickly evolved from a middle-class novelty to an economical and convenient staple for time-strapped workers. In 1961, Ando’s company Nissin sold 500 million packets; by 1966 that figure had eclipsed 2.5 billion. ・・・
http://www.slate.com/articles/life/food/2012/04/wheat_in_japan_how_the_nation_learned_to_love_the_american_grain_instead_of_rice_.single.html
 ・・・。↓
 「・・・北朝鮮が今年3月から、朝鮮人民軍への兵役対象者の最低身長基準を3センチ引き下げ、142センチにしたと報じた。食糧難の影響で対象者の発育が遅れていることが原因とみられる。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120402/kor12040214320004-n1.htm
 北朝鮮も、やっぱ、三代目でつぶれるか。↓
 「・・・スイスの公立校に留学していた北朝鮮の新指導者、金正恩氏の成績は・・・6点中4点が合格点とされる同校の試験で、正恩氏はドイツ語、数学、芸術などが4点。自然科学は3・5点で不合格だった。英語は、当初は「上級クラス」だったが、途中で「中級クラス」に変更されたという。運動と音楽は6点中5点だった。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120403/kor12040300450000-n1.htm
 アウンサン・スーチーの党が地滑り的勝利を挙げた。↓
 「ミャンマー連邦議会補選で、・・・改選四十五議席のうち、これまでに下院三十五議席と上院三議席、地方議会二議席が確定し、いずれもNLDが勝利を収めた。ロイター通信によると、NLDは独自集計を基に四十四人の候補者全員が当選したとしている。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012040302000123.htm
 もともと米国の女性には民主党支持者が多かったところ、ピルを常に保険でカバーすべきかどうかという共和党との論争において、カバーすべきだとしている同党を支持する女性が更に増え、民主党と共和党が競り合う伝統的な各州でオバマが共和党のロムニー候補に対してリードしているとの世論調査結果をもたらしているってさ。↓
 ・・・Even with improving employment figures, Mr Obama has struggled to win voters’ trust on the economy. Despite this, over the past month he has turned a slight deficit with voters in 12 battleground states into a nine-point advantage, according to a poll by USA Today, largely on the basis of a surge in support from women. The US president leads Mr Romney by a margin of nearly two-to-one among women, the survey found, more than wiping out the Republican’s advantage with white male voters.・・・
 The contraception debate might have had the effect of baking a lot of support in for Mr Obama and could make it difficult for Mr Romney to make inroads with women from hereon in・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/9f10f208-7ce1-11e1-a676-00144feab49a.html#axzz1qrEKBXAx
 エッフェル塔からの180度パノラマだ。この光景を目にしたのは1958年、54年前だったな。
http://www.latimes.com/travel/destinations/europe/france/la-tr-eiffel-tower-pano,0,2756388.htmlstory?track=ud
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太田述正コラム#5398(2012.4.3)
<黙示録の秘密(その6)>
→非公開。