太田述正コラム#5419(2012.4.14)
<皆さんとディスカッション(続x1522)>
<太田>(ツイッターより)
米国の、最も知能が高い(高かった)俳優10選だ。
あのラマー嬢(コラム#5129)が入ってるのは当然だろうが、その他の9人もスゴイぞ。
まいったー。
http://entertainment.time.com/2012/04/13/top-10-wicked-smart-actors/#dolph-lundgren
今回の韓国での議会選挙で与党の総指揮を執って予想外の勝利を収めた朴槿恵(故朴大統領の令嬢)の年末における大統領選出馬と当選の可能性が大きくなったことに注目しよう。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/13/2012041301055.html
台湾でも総統選挙で女性候補が健闘を見せた。
日本の女性達よ、奮起しなくっちゃ。
<apollo>(同上)
政治に性別は関係ないのでは?正しい政治感覚こそ大事でしょう。
果たして、韓国の今の政治感覚、特に韓国民主党の北朝鮮よりの姿勢が及ぼす近隣諸国への影響を考えたら、一概に女性云々を議論すべきではないでしょう。
日本人なら日本を守る意識こそ大切なのでは?
<太田>
次元の違う話をしてもしゃあないよ。
政治家に女性が向いてないわけがない。
(もはや、政治に腕っぷしが必要だった時代は遠い昔になったからには、むしろ、一般的に言って、利害調整に長けているところの、男性に比べてより人間主義的な女性は、男性よりも政治家に向いているとも言える。)
にもかかわらず、日本では女性の政治家が余りにも少ない。
ということは、政治家たるにふさわしい潜在能力を持っている日本人のうちの半分ちょっとしかその潜在能力を生かしてないってことになる。
こいつは国家的損失だってこと。
このことは、政治以外のあらゆる分野についても多かれ少なかれ言えることだけどね。
<ねこ魔人>
–法学部の廃止と政策学部の新設–
最近、法学部は高等教育機関ではないと思えてきました。
学部の勉強では、勉強することが多くて自分で考える余裕がなく、ひたすらこれまで蓄積された法学体系を覚えることに費やすからです。
例えば、大学の授業で、ディスカッションする授業は、とりわけ司法系にはあまりないし、ましてや、卒論を書く機会はないです。
政治系は、その学問が巨大な一大体系を為しているわけではなく、したがって、法学部と比べると、ディスカッションをしたりすることは多いものの、卒論を書く必要まではないです。
実際、政治コースだろうが、日本の法学部では卒論は必修ではないです。
この状態は、いわば、中等教育機関です。
ひたすら正しい学問的事実を勉強することに費やし、知の最先端について議論することはない。
政治学科に至っては、本来は、学生が卒論を書けてしかるべき程度の内容を教えているはずなのに、卒論が必修ではないという、なんともおかしな状態に陥っています。
太田さんがこれまでおっしゃってきた通りです。
それでは、いよいよ本題に入ります。法学部を高等教育機関にすればどうすればよいのか。私が思うに、法学部は一旦廃止して、その後、法学部の後継として、政策学部を新設すれば良いと思います。・・・
<太田>
関心がある方はこの先は太田掲示板で読んでいただくとして、私が、かねてより主張しているのは、経験科学に係る学問的訓練を受けた人が法科大学院に入学し、法曹になるべきだ、ということなので、学部は基本的にどこでもいいんです。
そして、法科大学院は、国家公務員類似の試験で入学者を選考するところの、一律3年(以上)のコースとし、卒業した人が原則として法曹資格を得られるようにしたらどうか、という風に考えています。
ただ、私は米国のロースクールについてはある程度知っているけれど、英国等の「まともな」アングロサクソン諸国の法学教育や、大陸法系の国(ドイツ、フランス等)の法学教育についてはほとんど知らないので、これらについて詳しい方が議論に加わっていただけるとありがたいですね。
それでは、その他の記事の紹介です。
木嶋佳苗被告の死刑判決直後のインタビューの冒頭部分を読んだだけで、彼女が「顧客」達を次々に籠絡して行った秘密・・言葉の力・・が窺える。「女性の機能」云々に至るまでに勝負はついていたってことだ。↓
http://www.asahi.com/national/update/0413/TKY201204130674.html
その木嶋被告、世界の有名人になっちゃった。↓
’Black widow’ sentenced to death for murder in Japan・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-17702029
山手線の紹介記事が出てた。↓
http://www.bbc.com/travel/feature/20120412-seeing-tokyo-along-the-yamanote-line
産経のソウル「終身」特派員の久々のクリーンヒットだな。↓
「ソウル・黒田勝弘 朝鮮半島は新・三国時代へ・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120414/kor12041407470005-n1.htm
エホバを崇拝するイスラエル人の中で多数を占めていたサマリア人が没落したのはいかなる経緯でかが説明されている。サマリア人って今でも残ってるんだね。↓
The Jews had significant competition in antiquity when it came to worshipping Yahweh. Archeologists have discovered a second great temple not far from Jerusalem that predates its better known cousin. It belonged to the Samaritans, and may have been edited out of the Bible once the rivalry had been decided.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,827144,00.html
創造力にはディオニソス的瞬間(躁)とアポロ的完璧性の追求(鬱)の両方が必要なんだね。
双極性障害者はそういう意味じゃ、ホント、恵まれてるなあ。↓
・・・Whereas the eureka moment will most likely come when you are happily day-dreaming in a grassy meadow, the drive to perfect your creation is strongest when you are depressed and undistracted.・・・
Friedrich Nietzsche, as Lehrer acknowledges, traced this distinction back to ancient Greece: the moment of inspiration he associated with Dionysus, god of wine and ecstasy; whereas the impulse to impose a perfect order Nietzsche attributed to Apollo, god of knowledge, music and poetry.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/8a9e7c2e-7f10-11e1-a06e-00144feab49a.html#axzz1ryiQfzXR
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一人題名のない音楽会です。
今回は、著名クラシック作曲家の最後の作品をご紹介しましょう。
ネタにした記事は、これ↓です。
http://www.slate.com/articles/arts/music_box/2011/11/famous_classical_composers_the_last_piece_they_wrote_before_they_died_.single.html
(11月30日アクセス)
「最後」と言っても、この記事の筆者がかなり緩やかな基準を採用している、ということをお断りした上で、この記事が引用していたところの、ユーチューブにアップされている演奏をそのまま掲げ、それに私が適宜選んだ関連演奏を挿入する、というやり方で進めました。
果たして、「鳥の将に死なんとする、その鳴くや哀し。人の将に死なんとする、その言ふや善し。」(『論語』泰伯より)
http://www2.odn.ne.jp/~hag38830/BBS/RONGO-4ji-igai/58-torino-masani.htm
かどうか、ご自分の耳でお確かめください。
J.S. Bach ↓バッハの心身の衰えを感じさせる作品だとあえて言わせてもらおう。
BWV 668 – Vor deinen Thron tret’ ich hiermit オルガン:Ulrich Bohme
http://www.youtube.com/watch?v=WADlPMY_OKc
そのピアノ編曲。Naoumoff
http://www.youtube.com/watch?v=UmfTAAgXggc
Mozart ↓最後の作品中、他を寄せ付けない、隔絶的に優れたものだと思う。
レクイエム KV 626 in d
指揮:Sir Neville Marriner 室内楽:Academy of St. Martin In the Fields 合唱:Academy of St. Martin in the Fields Chorus
http://www.youtube.com/watch?v=MoLjwMjDZ34&fmt=18
http://www.youtube.com/watch?v=7Fbc9ALdk_U&fmt=18
http://www.youtube.com/watch?v=QryZDn0t5mQ&fmt=18
(残念ながら、それ以降の部分はアップされていない。)
恐らく同じ組み合わせによる、この曲の演奏(ハイライト)もどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=Zi8vJ_lMxQI&feature=related
(続く)
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太田述正コラム#5420(2012.4.14)
<イスラム教の成立(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1522)
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