太田述正コラム#5421(2012.4.15)
<皆さんとディスカッション(続x1523)>
<太田>(ツイッターより)
 いくら我が「母校」のスタンフォード大のアメフトの選手をヨイショしてくれている映像とはいえ、単に体重の重い米国人らしき2人をロープで引っ張り倒して、相撲取りも彼には敵わないはねえだろ。
 日本のアマチュア相撲界の誰かが返り討ちにしてくれないかな。
http://blog.sfgate.com/stanfordsports/2012/04/13/stanford-football-can-coby-fleener-send-2-sumo-wrestlers-flying/
 「…出版界で静かなブーム、米原万里さん 無名だった作家が没後6年で14冊翻訳出版、累積販売数6万8000部…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/15/2012041500056.html
 なかなかいい記事だが、6万8000部で「ブーム」という点に驚いた。
 韓国人、本読まないのねえ。
 中共人はもっと読まないと聞いたが。
<βΒβββ>(「たった一人の反乱」より)
 なんとなくウィキペディアを見ていたらこういう記述があった
 「英第14軍司令官ウィリアム・スリム中将が回想録Defeat into Victoryでインパール作戦を痛烈に批判しており、「日本陸軍の強みは上層部になく、その個々の兵士にある」と下士官兵を賛辞する一方で、「河辺将軍とその部下」ら高級指揮官については、「最初の計画にこだわり応用の才がなく、過失を率直に認める精神的勇気が欠如」、「日本の高級司令部は我々をわざと勝たせた」と皮肉っている。」
< http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%9F%E7%94%B0%E5%8F%A3%E5%BB%89%E4%B9%9F >
 あとこういうジョーク(?)
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/4336236.html
があるように、国内外問わず、日本軍の評価というのは基本的に下士官までは優秀だけどそれ以上は無能ってことになる
 でもそれっておかしくないですかね。
 大多数の日本人(兵)は縄文人な訳だから戦下手のはずなのに評価は逆になってる。
 これは大田さんの説が間違っているのかそれとも日本軍の評価が間違っているのか、どう思われますかね。
 仮に評価が間違ってないとするならば、弥生人(モード)ですら軍隊を運用できないんだから、縄文人(モード)での軍隊の運用なんてとてもじゃないけどできない、という結論になるんだけど・・・。
<太田>
 典拠を私につけさせないでね。
 さてとだ、スリム的な先の大戦における日本軍の評価等についてどう説明したらいいのか、といったことから、私は、何十年もかけて、逐次、日本型政治経済体制論や縄文モード・弥生モード論等をひねり出したわけだが、キミの抱いた疑問は、せっかくの私のそれらの補助線的概念を「正しく」使わないと、かえって五里霧中になっちゃうってことのいい例だな。
 少なくとも第一次世界大戦までは、日本軍は、将校はもとより将官だって「優秀」だったのに、一体全体どうして「無能」になっちまったんだろうか。
 将校以上について、陸士海兵出身者がかつての武士にとって代わったから、ということもあるけど、決定的なのは、世の中が縄文モードになり、大企業はもとより、帝国陸海軍までも日本型政治経済体制的運営がなされるようになったからなんだな。
 恐ろしく単純化して言うと、この体制って、情報は全員で共有され(=秘密は守られないってこと)、ボトムアップで時間をかけて意思決定がなされる(=おみこし経営であるということ)というわけで、秘密裏に、トップダウンで、迅速に動かなきゃならないところの、軍隊には全く合わないんだよね。
 頼むから分かってちょーだい。
<ββΒββ>(「たった一人の反乱」より)
 あの護憲派の内田樹氏が、左翼をディズるとともに、日本は安全保障を考えなければならない、と提言してるぞ!
 「反米は日本の場合、左翼の思想的な柱なんです。でも、左翼は戦後も負け続けなわけですよ。そして、負け続けた政治運動は自分の弱さを認めるより、敵の強大さを大きく見積もることで、敗北を正当化する傾向がある。
 日本の左翼はそうなんです。「米国の支配を脱する」ということを口では言うけれど、そんなこと実現するはずがないとひそかには思っている。
 そんな力が自分たちにあるはずないと思っている。でも、実行力の裏付けがないままにスローガンだけ掲げていると、思考がだんだん鈍ってくるんです。
 「われわれには現状を変える能力がない」という事実認識が、「現状を変える権限がない」という権利問題になり、やがて「現状を変える責任がない」という責任問題にずれ込む。だって、権限のない人間に責任の取りようがないもの。
だから、左翼は「米国の支配を脱する」と言いながら、もし実際に米国が日本列島を軍事的放棄した場合に国防をどうするかといったタイプのリアルなシミュレーションをしたことがない。
 国防ということを考えたら、反対派もふくめて国民的統合を果たし、敵対者の政治的意見をも代表しうるようなスケールの大きな「国民国家についての物語」を提示できなければいけない。
 でも、左翼はそういうことは考えないんです。それだと、さきの戦争に負けたことの責任は左翼にもあるということを認めることになるから。
戦争を始めて、負けたことを左翼もまた自己責任として受け入れるという決断をしない限り、国民的統合は果たせない。
 でも、左翼はそのような「責任の割り前」を絶対に受け容れない。あれは一部の軍国主義者たちがやったことで、われわれは純然たる被害者である、と。そういう話になっている。
 安全保障について政治家たちも官僚たちもメディアも「日米基軸」しか言いませんね。でも、「日米基軸」というのは要するに「安全保障の手立てについては米国が考えるので、日本はそれについて考える権利も能力もない」という意味です。
問題はそのような「国家主権の放棄」に長くなじんでしまうと、もし米国が宗主国であることの負荷に耐えきれず、日本の安全保障を「代わって考える」仕事をやめると言い出したとき、日本は「丸裸」にされて国際社会に放り出されるリスクを負うということなんです。そのリスクを真剣に考えている一つ今の統治機構の内部にはたぶんほとんどいません。
 米国の国力が衰退してきた今、日本人が自国の安全保障について考えなければならない時期が刻刻と近づいていると僕は思います。
でも、そのような政策的負荷に耐えるだけの知的体力が今の日本にはない。政治家にも官僚にも学者にもメディアにも、ない。「知的体力がない」という痛苦な事実を直視するだけの知的体力もない。」
http://blog.tatsuru.com/2012/04/13_1524.php
<太田>
 ボクは、日本の、国のあり方論、安全保障論に係る論壇については特にそうだが、論壇全般を10数年前からほとんどフォローしていない。
 だから、内田樹なんて知らないし、いわんや彼が「護憲派」かどうかなど全く知らない。
 そんな彼をせっかく紹介されたわけだけど、上掲引用を読んだ限りでは、彼の主張は、確かに、一見私の主張と同じだな。
 問題は、主張を裏付ける根拠だ。
 だけど、インターネットで、「属国」がキーワードになっているところの、『属国の防衛革命』という本のタイトルをチラ見した上で、その共著者の1人である私のコラムにあたる努力すら惜しんだらしく、私という元「官僚」の存在を無視して、「そのような政策的負荷に耐えるだけの知的体力が今の日本にはない。政治家にも官僚にも学者にもメディアにも、ない」と言い切るような知的に怠惰な人物のサイトなんて見る気もしないね。
 (だから、上記引用が正確かどうかもチェックしてないからね。)
 内田には、せいぜいマスターべションごっこを続けてなさいね、と言うだけだな。
<太田>(Mixi太田コミュより)
 2012年03月21日 23:27:・・・<本日>夕刻、 映画『ギルティ 罪深き罪(Guilty as Sin)』(1993年)を途中から最後まで鑑賞。レベッカ・デモーネイ(Rebecca De Mornay)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%82%A4
の恐るべき魅力に息を飲む。
 しかし、写真を捜したが、一つも彼女の魅力を引き出していない。
 この程度がせいぜいだ。↓
http://www.google.co.jp/imgres?start=150&hl=ja&sa=X&rlz=1T4GGHP_jaJP428JP428&biw=1920&bih=873&tbm=isch&prmd=imvns&tbnid=V5Siy7Us26Oa0M:&imgrefurl=http://www.char-kob.com/Actress/Rebecca_Demornay.html&docid=gnTbaafUsLZPfM&imgurl=http://www.geocities.jp/char_kob/Actress/image/Rebecca_De_mornay.jpg&w=250&h=250&ei=bONpT-HJLsnimAXB0N35CA&zoom=1&iact=hc&vpx=1510&vpy=528&dur=3378&hovh=200&hovw=200&tx=159&ty=100&sig=106849452102225711174&page=3&tbnh=134&tbnw=134&ndsp=80&ved=1t:429,r:37,s:150
 こんなこともあるんだな。
 2012年04月15日 09:08:・・・昨夜、映画『エスター(Orphan)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC
http://en.wikipedia.org/wiki/Orphan_(film)
を途中から最後まで鑑賞。
 B級映画としては素晴らしい出来だと思う。
 hypopituitarism(下垂体機能低下症)
http://en.wikipedia.org/wiki/Hypopituitarism
という言葉を知る。
 しかし、実際の下垂体機能低下症患者であんな異常行動をとる例が本当にあるのかどうか、判然としない。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ポットマン偽教授(コラム#5268、5269)のネタ元は鹿島茂
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B9%BF%E5%B3%B6%E8%8C%82
だったのね。
 鹿島の本にあたらずコメントしてはいけないのだけど、SとMが単独では成り立たちえないこと等、及び、SM関連の英語ウィキペディア
http://en.wikipedia.org/wiki/Sadomasochism
http://en.wikipedia.org/wiki/Bondage_(BDSM)
http://en.wikipedia.org/wiki/Discipline_(BDSM)
を斜め読みした限りでは、鹿島の言ってることは、ことごとく、デタラメじゃないけ?
 詳しい読者ににぜひウンチクを傾けてボクに反論して欲しいところだ。↓
 「・・・仏文学者、鹿島茂さんは、SMの源流は、自己処罰を科して、あえて苦痛をもとめるキリスト教にあり、荒ぶる神に恐れおののくキリスト教者は本質的にM的だという。しかし、自己処罰の願望などなかった日本ではの望みは苦痛ではなく、拘束されて自由を奪われることだ。だから、SMで愛用される小道具もヨーロッパではムチだが、日本では縄なのである。・・・」
http://book.asahi.com/reviews/column/2012041300006.html?ref=top
 米シークレット・サービスの士気は弛緩し切っとるな。↓
 <米軍兵士もシークレット・サービス要員の買春スキャンダルに関与してたらしい。↓>
 The US secret service says it has put 11 agents on leave while it investigates alleged misconduct before a summit attended by Barack Obama in Colombia, as it emerged that five soldiers are also facing investigation.・・・
 The misconduct being investigated involved prostitutes・・・
  ・・・”close to” all 11 of the agents involved had brought women back to their rooms at a hotel separate from the one where Obama is staying.・・・
 ・・・the agents had arrived at the beachfront hotel about a week ago and left on Thursday, a day before Obama and other regional leaders arrived for the weekend summit. ・・・
 <そもそも、連日痛飲してたらしいぞ。↓>
 ・・・the agents <were> drinking heavily during their stay.
http://www.guardian.co.uk/world/2012/apr/15/us-secret-service-scandal-military
 ハリー・ポッターの著者肝いりの公式サイトがオープンしたぞー。(英語、フランス語、スペイン語、イタリア語版しかないけど・・。)↓
http://www.pottermore.com/
http://www.guardian.co.uk/books/2012/apr/14/pottermore-jk-rowling-harry-potter
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太田述正コラム#5422(2012.4.15)
<イスラム教の成立(その2)>
→非公開