太田述正コラム#5320(2012.2.24)
<大英帝国再論(その10)>(2012.6.10公開)
<追記>
「・・・ナイジェリア東北部の都市のマイドゥグ(Maidugu)の小学校が攻撃を受けた。
複数の教室に夜中に火がつけられたのだが、これは今週、標的にされた2番目の非宗教的学校だ。
報道者達は、イスラム主義者のボコ・ハラム集団のやりくちを帯びていると言う。
この集団は、最近、非イスラムの諸学校を攻撃すると脅していた。・・・」
http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-17147625
(2月24日アクセス)
(3)旧スーダン
ア 序
次は旧スーダンです。
A:http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-south-sudan-oil-20120217,0,5870731,full.story
(2月21日アクセス。以下同じ)
B:http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-17103522
C:http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204880404577230791552464870.html?mod=WSJ_World_LEFTSecondNews
(2月20日アクセス。以下同じ)
D:http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120220/plc12022020430013-n1.htm
E:http://www.nytimes.com/2012/02/18/world/africa/sudan-and-south-sudan-fail-to-end-oil-dispute.html?_r=1&ref=world
F:http://www.nytimes.com/2012/02/20/world/africa/for-south-sudan-woman-misery-on-both-sides-of-the-border.html?ref=world#h[]
(2月18日アクセス)
G:http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203960804577239561300273658.html?mod=WSJ_World_LEFTSecondNews
(2月23日アクセス)
イ 南スーダン
・背景
「・・・22年<という>・・・長きにわたった<イスラム教徒中心のスーダンの国軍とキリスト教徒中心の南スーダンの叛乱者達との間での>内戦によって200万人以上の人が殺され、生存者たちは傷つき、南スーダンの大半が廃墟となった。
2005に締結された平和協定で南スーダンは独立への道が開かれたけれど、多くの問題が未解決のまま残された。
それでも、2011年1月に独立の是非を問う住民投票が行われ、その数か月後に南スーダンはスーダンから分離独立した。・・・」(A)
「国連平和維持活動(PKO)のため南スーダンに展開する陸上自衛隊第1次隊の主力本隊約120人が20日午後(日本時間同日夜)、航空自衛隊C130輸送機2機で同国の<首都ジュバの>ジュバ空港に到着した。今後、本格的な道路や橋梁のインフラ整備を担う2次隊の受け入れ作業にあたる。
主力本隊は施設隊長の坂間輝男2佐以下、陸自中央即応連隊が中心。国連南スーダン派遣団(UNMISS)<傘下となる。>・・・」(D)
・石油
「・・・油井群から産出される石油は<南スーダンの>政府収入の98%を占めているが、それを<スーダンの積出港までつながっているパイプラインに>流すのを止めた<南スーダン政府の>決定は<南スーダン国民の大人気を博している。>・・・
<そもそも、スーダンから分離したことで、>南スーダンは旧スーダンの石油埋蔵量の約4分の3を獲得したところだ・・・。・・・
<とはいえ、>外から見ていると、<南スーダン政府による上記の>この動きは自殺的であって、<同国の>経済を破滅させるだけでなく<、スーダンとの>戦争を再発させる可能性が高い。・・・
外部の専門家達は・・・流すのを止める決定は自分の身に降りかかってきて、半数の人々が貧困のうちに暮らしていて4分の3の人々が文盲であるこの国で生活が更に窮乏することになる、と警告している。・・・
先月、ハルツーム<(スーダン)>は、[昨年7月以来パイプライン使用料を全く受け取っていないとして、]南スーダンの石油を積載した船舶群を接収し、バレル当たり36ドルの<パイプライン使用料を支払えとの>要求に見合う額を確保するために、8億5,000万ドル相当を押収したため、両国間の交渉はとん挫してしまった。
南スーダンは、(全球的規範に近いところの、)バレル当たり1ドル<(Eによれば3ドル(太田)>なら払うと主張してきたところだ。・・・
南スーダンは、平和協定締結後の5年間、石油収入を<両者で>分かち合うこととされていたにもかかわらず、ハルツームがごまかしをしていたという非難も行っている。
先月、南スーダンが油井群を閉鎖した時に、同国は、初めてハルツームが言っていた数よりも油井の数が多いことに気が付いたのだ。・・・」(A)(ただし、[]内はEによる。)
「・・・南スーダンは、北方の隣国たるスーダンによって、昨年12月以来盗まれたと主張しているところの、600万バレルを超える石油に関する法的通知を発出した。・・・
南スーダンは、また、油井群の数を少なく申告していたことと、スーダンと示し合わせて12月と1月にパイプラインを通じた石油の出荷を止めたこととを咎めて、中共の複数の会社を非難している。・・・」(C)
「・・・<ちなみに、>中共は石油の7%を南スーダンから輸入している・・・」(A)
「南スーダンは、同国最大の石油生産者にして<上記>パイプラインのオペレーターでもあるペトロダール(Petrodar)の長・・・<の>Liu Yingcai・・・を、スーダンによる石油窃盗の隠蔽工作をやったと非難して追放した。・・・
Liu氏追放の複数の理由の中には、彼が南スーダン政府の同意なくして南スーダンの石油のカネを使ってスーダンに石油通過料を支払い続けたことがあげられている。・・・
この追放は、<旧>スーダンの石油の最大の購入者である中共と南スーダンとの間の仲違いを明示化するものだ。
中共は、<旧>スーダンの盟友であり、その国有石油会社2社の存在感が大きいところの、南スーダンとの関係を強化しようと試みてきた。
先週、南スーダンは、会社名はあげず、複数の中共の社が油田と石油生産量を過小申告しているとして非難した。
ペトロダールの株主は、国有の中国石油天然気集団公司(China National Petroleum Corp)<(注42)>、マレーシアのペトロナス(Petroliam Nasional Berhad)<(注43)>、スーダン政府がコントロールするスーダン石油会社(Sudan Petroleum Co)<(注42)>、中国石油化工集団公司(シノペック=Sinopec Group)、そしてトライ・オーシャン・エナジー(Tri-Ocean Energy)<(注44)>だ。・・・
(注42)「原油・天然ガスの生産と供給、および石油化学工業製品の生産・販売において中国最大の規模を誇る会社」。それに次ぐのが中国石油化工集団公司(シノペック)。両社とも、石油工業部(石油工業省)・・廃止され現在は存在せず・・が形を変えたもの。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%9F%B3%E6%B2%B9%E5%A4%A9%E7%84%B6%E6%B0%97%E9%9B%86%E5%9B%A3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%9F%B3%E6%B2%B9%E5%8C%96%E5%B7%A5%E9%9B%86%E5%9B%A3
(注43)「マレーシアの石油及びガスの供給を行う国営企業である。・・・その本社ビルはクアラルンプールにあり、ペトロナスツインタワー<(コラム#293、2285、5229)>として知られている。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%B9
(注44)エジプトのカイロに本社のある石油会社。
http://www.trioceanenergy.com/page.php?id=43
南スーダンの役人達は、彼らが生産を停止しつつあった先月に、これらの会社からそれまで申告されていなかったところの、200本を超える追加的な油井が発見された、と先週語った。」(G)
(続く)
大英帝国再論(その10)
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