太田述正コラム#5619(2012.7.25)
<皆さんとディスカッション(続x1613)>
<太田>(ツイッターより)
「美女5人を合成した「完全な美女」…」
http://j.people.com.cn/94638/94657/7885024.html
最近精彩を欠く人民網のエロ路線だが、これは努力賞。
次のは素材が悪過ぎて不合格。
http://j.people.com.cn/94638/94657/7880499.html
<瀨戸弘幸>(2–7.12.13?)http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51744776.html
–ピンはね寄生社会への怒りと告発–
最近、人気ブログ・ランキングを見ていて気がついたというか、感心していることがあります。それはお二人のブログについてです。
天木直人ブログ http://www.amakiblog.com/
大田述正ブログ http://blog.ohtan.net/
このお二人には共通点があります。それは天木直人氏は京都大学法学部、大田述正氏は東大法学部という最高学府を卒業後、国家公務員のキャリアとして人生を歩まれてきたこと。
天木氏は外務省、大田氏は防衛省(旧防衛庁)と役所は違っても役人という立場は同じです。そして、もう一つの共通点は共に政治家を目指して落選をして挫折した経験をお持ちということです。
このお二人が、私の目には今、一生懸命に日本のためにブログを書かれているように見えてきます。私などとは立場も違えば考え方も違うでしょう。
しかし、何となく熱いものを感じます。天木氏のブログは最近読んでいて、実に多方面にわたって論評をしています。この方を私は選挙の時に2回ほどお見受けしました。
とてもダンディーな方だなと感じました。勿論、北朝鮮の傀儡政党のような9条ネットから出馬されたわけですから、私にとっては敵であり許せない人物であることは今でも変わりません。
しかし、最近のブログの論調はそのような左派のイデオロギーに染まることなく、社会の不条理を嘆き、現代社会の構造的腐敗からの脱却に主眼を置いているように感じています。
さて、大田述正氏ですが、私はこの方を以前自分のブログで紹介しています。もう一年半前ですから、まだブログをおやりになっていない頃でした。
その頃はHP上でご自分の意見を主張していましたが、自民党の加藤紘一に対するエントリーの中で取り上げています。昨年の8月22日のエントリーです。
http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/51029518.html↓
この加藤紘一とその周辺の闇の部分を徹底的に浮かび上がらせることによって、利権屋という顔を隠したエリートの姿を国民の前に暴き出し、加藤紘一が民主主義の守護者のような扱いを受けることのないように警鐘を鳴らしたい。
それでは先ず加藤紘一とはどのような人物なのか?
その人物評をネットで書いている人がいたので、それを今日は紹介することにしましょう。
太田述正という方のHPがある。この太田さんは東大法学部から防衛庁に進んだ異色の経歴の持ち主である。30年間防衛庁に勤務、2001年の参院選挙に民主党から出馬したが落選している。
この太田述正氏が2002年4月に書いた記事の中に次のような文章があった。
(2)ケーススタディー・・・加藤紘一
私は、拙著「防衛庁再生宣言」(2001年6月)の中で次のように書きました。
「昨年、自民党内で「反乱」を試み、一転悲劇(喜劇?)の人となった加藤紘一氏こそ、宮澤氏の愛弟子であり、保守本流のなれの果てを象徴する人物である。評論家の屋山太郎氏は、「加藤さんの周囲から聞こえてくるのは鉄鋼加工メーカー『共和』から金が流れたという話や北朝鮮のコメの利権に絡んでいるといった利権の話ばかり。
あるいは山形県内の建設業を仕切って、“山形の金丸信”と呼ばれているとかね。要するに加藤紘一は斡旋利得を政治と心得ている。少なくともそれを保守本流だと思い込んでいる」と言っているが、このことは、山形県を管内に抱える仙台防衛施設局の局長であった私が、職務上実感したことだ。
加藤氏が、防衛庁長官として初入閣した1984年(すでに宏池会のプリンスと言われていたが)、年末の防衛庁キャリアの会に出席して次のように挨拶した。「防衛庁長官にという話がきたとき、なんで自分が防衛庁長官なんぞにならなきゃいかんのかとがっかりした。しかし、ヨーロッパでは、国防大臣になるのは一流政治家への登竜門だ。とすれば、防衛庁長官を経験することも、悪くないかもしれないと思い直した。それにしても、皆さんは、よくもまあこんなところで一生勤めておられますね」と。
このような志の低さ、政治の矮小化(=ハイポリティックスの放棄)が、政治家をして利益誘導・斡旋利得に勤しませ、政権政党たる自民党を中心とした政治の構造的腐敗をもたらしたのである。このことこそが、自民党と結びついた既得権益グループを通じて日本の社会全体を腐食させ、現在の日本の長期にわたる閉塞状況をもたらしているといえよう。
この文章を読まれて皆さんはどのように思われたでしょう。まさに加藤紘一という人間性が垣間見れるのではないか。この太田氏は多分このような加藤氏が許せないと思い政治家を志したのかも知れない。
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この大田氏も今回自分が防衛庁施設局にいたときに、口利きを依頼してきた政治家を実名で告発されています。
さて、今日のエントリーの本題について書くことにします。この太田氏の告発を見るまでもなく、現在の社会は政界は勿論のこと、経済界においてもピンはね社会となっています。
派遣社員というシステムこそ、まさに労働者の賃金をピンはねするものであり、政界における口利き行為なども、公共事業費のピンはねです。
このような社会システム全てを悪いとは言いませんが、それが政治権力と結びついていたり、規制緩和という名目の中で、情報がある特定の企業にだけ漏らされて事前に準備されるといったことが行われて来ました。
我々一般の人間が知らないところで、政治家や企業家、そして役人が自らの私腹を肥やそうと暗躍しているわけです。そのようなことをこれまでの体験を通して知り尽くしてきた、天木氏や大田氏がそのような行為を告発することを歓迎したい。
今、日本社会は本当に根元から腐朽しそして倒れかかっています。いやこのまま行けば間違いなく倒壊するでしょう。それを防ぐにはどのような方法が残されているのか。
在日・解同・マル暴・左翼・エセ宗教が国家を蝕んでいます。その勢いは周辺の危険な国家の工作や介入によって益々強まるばかりです。
この亡国的な状況から、国家を再興させる道は生半可な手段ではなしえないと思います。歴史を振り返るなら“維新”という社会の大変革を果たさなくてはならないのです。
この日本の現状に憂いを抱く人は、一般の国民からキャリア官僚まで幅広く存在していると思います。特に霞ヶ関にいる優秀な官僚がいつまでも、この日本国家の堕落と退廃に我慢できるとは思えません。
その意味からすると天木氏と大田氏の現代日本社会に対する憤りと告発は大きいものがあると思います。二人のブログを見てる現職官僚も多いのではないでしょうか。
<neophilia>(2012.6.30)http://twitter.com/neophilia_/status/219071015165231104
江戸時代と現代日本(続)太田述正コラム#1482
http://blog.ohtan.net/archives/50954351.html
江戸時代の教育機関の優秀さと占領軍の介入による戦後日本のエリート教育の廃棄について言及されている。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
政府広報としては、全体的には読ませる内容だが、以下のくだりはいけませんや。
太田コラム読者には常識だろうが、ベルギーは国家解体危機を孕んでるんだぜ。↓
「・・・ベルギーは南欧諸国などと違い、日本と同じく対外純資産は一貫してプラスで、基本的には経常収支黒字基調の国でした。
また、一人当たりGDP(国内総生産)もイタリアやスペインより高い国です。・・・<ところが、>国債の信用リスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の水準<が>、2010年4月頃は日本とほぼ同水準で<あったものの、>その6カ月後の同年10月ごろからCDSレートが高くなり始め、翌年にはイタリア並みの水準になってしまいました。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120720/234701/?mlp&rt=nocnt
「北朝鮮が農業改革に着手 協同農場組織を4-6人に、家族農業形態へ 作物の自主的な処分権を拡大・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/07/25/2012072500863.html
米大使館の閉鎖に伴い、CIA要員が今、シリアに全然いないんだってさ。
リスクを回避する諜報機関があるなんて呆れちゃうなあ。↓
・・・CIA officers largely have avoided entering Syria or traveling to the battle zones since February, when the U.S. Embassy in Damascus was shuttered for security reasons after threats by groups allied with the Assad government. Closing the embassy left the agency without a secure base from which to operate, and CIA personnel left the country・・・
<ジャーナリストは潜入取材をしているというのに・・。↓>
Several journalists have been spending time with rebel groups in Syria, living and traveling with them for days. But the CIA as a rule has been unwilling to let its officers do that, officials said. There would be no air support and limited rescue capability should the agents get into trouble.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-syria-cia-20120725,0,4586560,print.story
米国における殺人率はかつてより減ったのに、大量殺人率は減っていないって。↓
・・・The United States is a less violent country than it was two decades ago. The homicide rate, which hit a peak in the early 1990s at about 10 per 100,000 people, has been cut in half, to a level not seen since the early 1960s.
But there has been no corresponding decline in mass murder — these sudden, stunning eruptions of violence with multiple victims,・・・
The United States experienced 645 mass-murder events — killings with at least four victims — between 1976 and 2010, according to Northeastern University criminologist James Alan Fox. When graphed, these incidents show no obvious trend. The numbers go up and down and up again. The total body count: 2,949. ・・・
<もっとも、殺人率は今でも加の3倍、豪の4倍、英・支の5倍、日の12倍。↓>
The U.S. homicide rate of roughly five per 100,000 people is about three times that of Canada, about four times that of Australia, nearly five times Britain’s rate and about 12 times the rate in Japan. The U.S. rate is also roughly five times that of China.・・・
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/colorado-shootings-add-chapter-to-long-unpredictable-story-of-us-mass-murder/2012/07/24/gJQAK6Xe7W_print.html
経済原理だけで運営されていた都市国家ヴェネティア。
ただし、それが英国を始めとする海洋国家のモデルになった、というのはどうかな。↓
・・・ Venice was “the first virtual economy”. From the 11th to the early 16th century, this “city of fantasy” grew fabulously wealthy on trade. Unlike any other state at the time, Venice was “shockingly modern”, deciding its policies solely on the basis of economics. This “empire of cash” was run by and for entrepreneurs, replacing “the chivalrous medieval knight with a new type of hero: the man of business”. Venice became a role model for other maritime states, such as Britain, and for better or worse, such attitudes eventually shaped the modern world.・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2012/jul/24/city-of-fortune-roger-crowley-review
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太田述正コラム#5620(2012.7.25)
<米国と黙示録的思想(その3)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1613)
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