太田述正コラム#5659(2012.8.14)
<皆さんとディスカッション(続x1633)>
<GEr9PLaF0>(「たった一人の反乱」より)
 太田先生の大好きな大日本帝国のメダル数への言及がありませんね。
日本、7+14+17=38
韓国、13+8+7=28
北朝鮮、4+0+2=6
台湾、0+0+0=0?
ロシア帝国、24+26+32=82
大日本帝国、24+22+26=72
ドイツ帝国、11+19+14=44
<太田>
 台湾(Chinese Taipei)は0+1+1=2 だぜ。
http://www.bbc.co.uk/sport/olympics/2012/medals/countries
 さて、そんなこと言い出したら、拡大英国にインドやトリニダード・トバゴを始めとする旧大英帝国植民地を全部加えなきゃ。
 
<ZKrQfHWn0>(「たった一人の反乱」より)
≫何度もボクが指摘してきたように、自国の近代化を自分ではなしとげられず、日本によって強制的に近代化させられたことが韓国民のトラウマになっているんだよ。だから、韓国民が時々起こすヒステリーめいた「反日」言動は、反日言動というより、自分自身に対して抱いている嫌悪感の噴出であり、反韓言動である、といっていいんじゃないかな。≪(コラム#5655。太田)
 何をどうすればこういう結論に行き着くのかが解らない・・・。
 日本は自力で近代化を遂げた事が自信となっているけど、韓国はそれが出来なかった為に自信喪失に陥ってるって事なんだろうか?
<74yB0pJm0>(同上)
 ただ、ねらーは嫌韓・反韓が圧倒的に多いが、保守系の知識人・ジャーナリストでそういう人いるかな?
 小林よしのり、石原慎太郎も嫌韓な発言はないような気がするんだが。
 太田さんの韓国に対するスタンスは問題ないと思う。
 問題は原発推進に関してだ。
 太田さんはスタンスは変えないというスタンスでしょ。
 原発推進でありながら、現在分が悪いから原発関連の発言を控えているのが、さすが元官僚。
<A3PebpVR0>(同上)
 日本の安全のためには自前の核武装がベストだと長いあいだ主張してきた過去があるからねえ。
 今回の事故で管理体制も含めて原発が実はまったく安全ではないことが判明して日本の状況はガラッと変わったけど、過去に一度決めた信念は貫き続けるのが保守派ということなんだろう。
<太田>
 いつの間にか、「保守系」ということにされちゃったみたいだねえ。
 ボク、反市場原理主義者だから、英米じゃれっきとした左翼で通ると思うけどな。
 また、ボクはいやいや核武装派・・しかも、太田コラムを始めてからしばらくして転向した遅れてきた核武装派・・だから、そこのところ、お間違えのないように。
 なお、菅前首相の脱原発方針を支持したのは、原発に係る政産官学四位一体的癒着態勢を粉砕するとともに、原発推進派の間に安全に係る情報公開を徹底して行うというカルチャーを植え付けるには、そう言って連中を脅かすしかないと思ってるからさ。
 (そもそも、日本で原発全廃は論理的に不可能だという判断、ちゅうか安心感、があってのことだけど・・。)
 それでは、その他の記事の紹介です。
 確かに、仕掛け人は李雪主じゃなくって金ヨジョンなんだろな。↓
 「着ぐるみダンス、夫人公表…金正恩氏の行動、妹が演出?・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201208050539.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201208050539
 薄熙来の話は周知の事実だし、習近平の話はブルームバーグ記事(コラム#5568)の剽窃って言われても仕方ないぜ、朝日サン。↓
http://digital.asahi.com/articles/TKY201208130509.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201208130509
 日韓中の微妙な経済関係が良く分かる記事2つ。↓
 「・・・ゴールドマン・サックス(GS)の7月27日付リポートによると、日本の株価は円・韓国ウォン相場に強く相関する。GSの分析によれば、ウォンの対円相場の下落幅以上に日本株が下方に振れるのは電気機器や鉄鋼である一方、自動車など輸送機器はほぼ同じ割合で変動する。電機産業は韓国のサムスンを筆頭に、半導体、液晶、携帯電話など一部は日本企業に追いつき追い越す具合で、製品品質の区別がつかない。残る国際競争条件の差異は価格に絞られるのだから、為替相場が決定要因になる、と日本株投資家の多数が受け止める。
 自動車産業はその点、日韓の間の実力差が電機ほど縮まっていない。それでも、日本の自動車産業株の下落幅はウォン安と同じ度合で下がる。日本株投資家の多くはまた、円・ウォンの下落は日本の対韓貿易黒字を減らすと評価して、日本株売りをもう一つ、動機付けしている。韓国当局がウォン安政策を続けるほど、日本株全体を押し下げて、日本経済のエンジンを消沈させるのだが、真の問題は日本の当局にある。
 財務省は円高と表裏の関係にあるデフレ容認路線で、野田司令部は消費増税がデフレと円高を招くことに無頓着だ。日銀は政府の無策をよいことに、円高の進行に何のアクションもとらないのだ。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120814/plc12081409070010-n1.htm
 「・・・日本は不景気が続いており、人件費も高額なため、スーパーや大売り場にかぎらず、高級デパートにも多くの中国製品が並べられている。中国製品は人件費も原材料も安いため、高い競争力を持つ・・・<しかし、>中国で製造されている多くの高級品は、中国ブランドとしてではなく、日本もしくはその他の国家のブランドとして販売されている。洋服の青山はその典型的な例で、実際にはメイド・イン・チャイナであるにも関わらず、多くの日本人に喜ばれている・・・」
http://j.people.com.cn/94476/7908932.html
 米保守派は、アイン・ランド等、教祖的知識人を何人も抱えているが、米リベラル派にはいないことを嘆いたコラムだ。↓
 ・・・ Any self-respecting young conservative knows the names you’re supposed to spout: Hayek, Rand, Ludwig von Mises, Albert Jay Nock. There are some older thinkers too–Edmund Burke, for instance–but for the most part the favored thinkers come out of the movement’s mid-20th century origins in opposition to Soviet communism and the New Deal.
 Liberals, by contrast, have been moving in the other direction over the last half-century, abandoning the idea that ideas can be powerful political tools.・・・
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/history/2012/08/paul_ryan_and_ayn_rand_why_don_t_america_liberals_have_their_own_canon_of_writers_and_thinkers_.single.html
 ガーディアンが早くも米共和党の副大統領候補のインサイダー取引疑惑報道。(米国の主要メディアは取り上げていない。)
 当時は違法じゃなかったというんだけど、ロムニー同様、ライアンも、カネ儲けのためには犯罪に当たらない限りは何でもやるってわけだ。↓
 ・・・Paul Ryan, Mitt Romney’s vice-presidential running mate・・・ is facing questions about whether he profited from information gleaned from the meeting on 18 September 2008 when Federal Reserve chairman Ben Bernanke, then treasury secretary Hank Paulson and others outlined their fears for the banking sector.
 <ゴールドマン・サックス出身のポールソン財務長官(当時)らから非公開情報を議会で聴取したライアンは、ワコビアとシティーグループの株を売り、ゴールドマンサックス株を買った。↓>
 Public records show that on the same day, Ryan sold stock in troubled banks including Wachovia and Citigroup and bought shares in Goldman Sachs, Paulson’s old employer and a bank that had been disclosed to be stronger than many of its rivals. The sale was not illegal at the time.
 <その後、ワコビア株は暴落し、ワコビアはウェルズファーゴに吸収合併された。↓>
 Not long after the meeting, Wachovia’s already troubled share price went into free fall. It plunged 39% on the afternoon of 26 September alone as investors worried the bank would collapse. It was eventually taken over by Wells Fargo for $15bn, a fraction of its former value.
 <シティグループ株も暴落したが、米国政府は同グループを始めとして救済策を講じた。↓>
 Citigroup’s share price fell soon after the meeting. In October 2008 Citigroup was among the largest beneficiary of the troubled asset relief program (Tarp), the taxpayer-funded bailout of the banking sector.
 <そして、ライアンは、こうして自分の懐を潤した上で、政治的便宜を図ってやった金融2社・・シティグループとウェルズファーゴからがっつり政治資金の提供を受けてきた。↓>
 Ryan was a supporter of the Tarp bailout — a position that has put him at odds with the right wing of his party despite his otherwise conservative credentials. Goldman Sachs and Wells Fargo are now among his largest financial supporters・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2012/aug/13/paul-ryan-sold-shares-banking-crisis
—————————————————————————————————————————————————-
太田述正コラム#5660(2012.8.14)
<欧米帝国主義論再考(その6)>
→非公開