太田述正コラム#5759(2012.10.3)
<皆さんとディスカッション(続x1682)>
<太田>(ツイッターより)
 アムステルダムの高齢の売春婦の双子だ。
 (片方は関節炎のため引退している。もう一人は年金だけじゃ食えないからと現役。)
 彼女達の伝記が欧州でベストセラーになってんだと。
 写真拝んでごらん。
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-19727455
 立ち姿がかっこいー犬だどー。
 一瞥されたし。
http://www.slate.com/blogs/behold/2012/10/02/theron_humphrey_s_wild_idea_and_dog_photos_you_can_feel_good_about_loving_.html
<9r2EJTpDO>(「たった一人の反乱」より)
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/10/01/fukushima-watch-confessions-of-an-unlikely-anti-nuclear-convert/
<太田>
 この記事、邦訳が出てるね。↓
 「小林よしのりが「脱原発論」を書いたわけ・・・」
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/14284/
 エネルギー安全保障、地球温暖化問題、軍事(核)安全保障、放射能科学、を無視すりゃ、人は何でも言えらあな。
<在中7年>
 –台湾国語–
 「現代の台湾における国語は台湾国語、あるいは台湾華語ともいう。表記は繁体字が正書法(正体字)として用いられ、発音の表記には注音符号を用いる。中華人民共和国(大陸部)の標準語である普通話と相互理解が可能であるが、普通話と比べてr化音や軽声の使用比率が低く、規範的な発音・声調、語彙が普通話と微妙に異なる。また台湾では、台湾語、客家語、日本統治時代に教育を受けていた日本語の影響が国語にも現れている例がある。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E8%AA%9E_%28%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%AA%9E%29
<太田>
 私は、台湾のいわゆる国語が北京語であることはもちろん知っていますが、Tiaoyutaiという発音は、台湾語(ホーロー語)、ひいては福建語の影響を受けているのかな、と思ったということです。
<TA>
 コラム#5756(未公開)で「一揆」のウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%80%E6%8F%86
を引用されましたが、そこからの繋がりで、面白いものを見付けました。↓
 「自検断(じけんだん)とは、中世日本の村落(惣村・郷村など)が、自ら検断を実施することをいう。・・・
 検断とは、統治すること・裁判することを意味する用語であり、中世日本では治安行政と刑事司法、さらに軍事までもが未分化だったため、領地・村落内の内政、外交を行い、統治することが裁判を行うことと密接につながっていた・・・。
 これらの村落では、惣内部の法規定として、明文化された惣掟(そうおきて)を全構成員の合意のもとに制定し、惣掟に違反した者へ厳しく検断権を実行していった。・・・
 検断権は、もともと荘園・公領領主が保有していたと考えられている。鎌倉期には、幕府が中央政府からの委任に基づいて、検断権行使の中枢を担っていたが、あくまで建前上の権限は領主にあった。ところが、室町期になると、自立した百姓らによる自治村落(惣村)の形成が進み、こうした惣村では、惣内部や時には対立する他の惣との紛争解決の検断沙汰についてすら自ら検断権を行使するようになった。これが自検断である。惣内部の事案といえども、本来ならば、領主又はその委任を受けた守護・地頭が検断権を行使するのが、前代までの慣習であったが、惣村などの自治性の高い村落は、領主の検断介入を拒否・排除し、自検断を行うようになっていった。
 戦国期になると、戦国大名の一円支配が進み、自検断は表向き次第に消滅もしくは縮小していったが、・・・大名権力に対する抵抗手段として自検断の論理が展開されたケースもあった。江戸時代以降も村や町(ちょう)といった公認共同体は事実上それに近い自治権を、あたかも自検断権を放棄しているかのごとき建前に立った、政権との妥協と黙認の上に、保持し続けた。こうした自検断権の裏づけとなる軍事警察力の保証としての武器の保有も、建前上は刀狩以降放棄した形式をとり、百姓身分の者は身分表象としての帯刀を放棄することでそれを示していたが、実際は個々の村には膨大な数の刀槍、鉄砲が神仏への献納物、あるいは害獣駆除の名目で備蓄されており、明治維新以降も国家権力はあからさまにこれに手をつけられない状態であった。
 自検断権の象徴たるこれらの膨大な刀槍、銃器が完全に廃棄されたのは、第二次世界大戦の敗戦後、警察が軍国主義の排除という名目と占領軍の武力と威光を背景に、没収の実行に成功してからであった。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E6%A4%9C%E6%96%AD
 戦後、憲法九条がありながら自衛隊を否定しない、「日本では法治主義は貫徹している」(コラム#5125。太田)にもかかわらず憲法に規範性がない。
 これらの前例(類例)を見付けられたように思えます。
 それとも、単に中央の統治が及んでいない、というだけの話なのでしょうか。
 日本での「法治主義<の>貫徹」と憲法に規範性がないこととを、どう理解し、説明し、納得すればよいか、ずっと考えていますが、この自検断の件も含め、私があまりに日本史に疎く、そしてそれ以上に法史学に疎いため、全く歯が立ちません。
<太田>
 件のウィキペディア、一つの論文だけによって書かれているらしいところが心配ですが、なかなか面白いですね。
 仮に、この話が正しいとすると、なおさら、「日本においては、その歴史を通じ、被支配者達が体制変革(政府の転覆)を目指した暴動ないし反乱そのものが、ただの一度も起こっていないこと」(コラム#5756(未公開))が驚異に思えてきます。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 はいはい、二人のうちの前者の方はよくできました。
 だけど、私が言ってるのは、日中の装備や練度を論ずる以前に情報能力の差で勝負は終わってるっちゅうことだからね。
 旧ソ連の西側の広域警戒監視能力についての諜報の程度が推し量れるっちゅうもんだわ。↓
 「・・・ロシア戦略・技術分析センターのワシリー・カシン氏が両国の軍事力を分析、同紙によると「日本の海軍(海上自衛隊)は非常に強力で、中国海軍はとりわけ戦術や人材育成の点で日本と同じレベルに達するまでに何年もかかるだろう」と日本優位とみる。
 一方、ロシア地政学問題アカデミーのコンスタンチン・シフコフ氏は航空戦力について「日本の質的優位は圧倒的だが、数量は中国が優位なため、戦力はほぼ同程度」と分析し、さらに「日本単独では中国は止められない」として中国に尖閣上陸を許す恐れを指摘する。「軍事衝突の際に攻撃的な戦略を取る中国は、ミサイル駆逐艦などを大量に保有している。空軍も中国が数的優位にある」というのだ。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/7007966/
 海自が中共海軍を鎧袖一触、と私が言っているのとほぼ同じ表現をCSモニターの記事で発見。
 当然のことだけど・・。↓
 ・・・Japan’s better-trained and more-professional Navy would likely defeat China’s fleet should it somehow come to a shooting war, according to most foreign security analysts.・・・
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/World/Asia-Pacific/2012/1002/China-and-Japan-face-off-Tiny-islands-big-dispute-video
 中共国民を二つに分断し、多い方を差別してる中共当局、そして、尖閣問題で多い方の若い衆を唆して暴れさせた中共当局。そんな当局の下でぬくぬくと生きてる「生粋の北京人」とやら。お前ら、そんな当局、「絶対嫌」なんてもんじゃないはずだろ。それなのに、よくもまあこんな上から目線で「民工」に嫌悪感を表明できたもんだ。執筆者の福島香織もそう感じたはずだが、そうは書けないのがフリーランサーのつらさだねえ。↓
 「・・・生粋の北京人たちは「今回の反日デモで暴れたやつは、中国人の面汚しだ」と異口同音に言っていた。領土問題については、もちろん中国人としての立場を主張するが、少なくとも政治的立場を、こういう暴力的な形でしか主張できない人間と、同じ人種だとみなされるのは絶対嫌みたいだ。・・・
 「今回のデモで暴れたやつらは第2代農民工(出稼ぎ者子弟)の若いやつらだ。あいつらは、とにかく自分の中にたまりにたまった不満を排泄したいだけなんだ。反日なんて関係ない。機会があれば暴れたいのだ」・・・
 <人間主義経営であるぞな。↓>
 「日本企業が他の外国企業より狙われやすいのは民工を一人前の人間扱いするからだ。彼らに必要なのは厳しい管理」とは、以前のストライキ取材のとき中国人企業家から言われた言葉だが、日本企業は中国の矛盾を利用しながらも、中国企業のような非情さが備わっていなかったということかもしれない。個人的には、私はそういう日本企業の在り方の方が好ましいと思うのだが。今回の反日暴動で被害をうけ、再開のめどが立っていない日系工場や企業も、多くが従業員を解雇せず、有給のまま従業員に自宅待機を命じているらしい。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121001/237503/?mlp&rt=nocnt
 確かに欧州人はアングロサクソンに比べてでき悪いねえ。
 いくらドイツに経済水域がほとんどないったって、経済水域の価値分かんないのかねえ。
 また、外交官だろうに、「共同管理」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%B8%BB%E6%A8%A9
なーんて簡単に言って欲しくないねえ。
 それに、中共がどんな国か(コラム#5758「世界の顰蹙を買う中共」(未公開))も忘れてもらっちゃ困るわね。↓
 「・・・ドイツの外交官<は、>・・・尖閣問題への意見を聞くと「小さい無人島でしょ。日中で共同管理すればいい。なぜ対立するのかわからない」と言う。・・・」
http://mainichi.jp/opinion/news/20121003k0000m070143000c.html
 世論調査結果を並べてみると、なんだこりゃ?↓
 <新しく選ばれた安倍に対して野田は善戦だよな。日本維新の会の短期間での凋落は民主の挽回もありうることを示してる。↓>
 「・・・野田佳彦首相と自民党の安倍晋三総裁のどちらが首相にふさわしいかを聞いたところ、安倍氏が39%で、野田氏の34%を上回った。衆院比例区の投票先でも、自民が30%(9月の緊急調査は23%)に伸び、民主の17%(同15%)を引き離した。・・・日本維新の会は比例区投票先では4%だった。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201210020586.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201210020586
 <讀賣の調査結果も上記朝日のと似通ってるな。↓>
 「・・・「野田首相と安倍総裁のどちらが首相にふさわしいと思うか」という質問では、安倍総裁44%が、野田首相34%を上回っている。
 政党支持率は、自民が28%(前回21%)に上昇し、2009年9月の野党転落以降、最高となった。民主も18%(同15%)に上昇したが、維新は横ばいの2%(同2%)、無党派層は43%(同51%)だった。・・・
 次期衆院比例選の投票先も、自民が36%(同31%)、民主が18%(同14%)といずれも上昇。前回2番目だった維新は13%(同16%)に下がり、3番目だった。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/news/20121002-OYT1T01216.htm?from=main2
 <ところがこの共同の調査では全然違う。ただし、まだ解散の時期ではない、との結果には民主党も一安心?↓>
 「・・・自民党の政党支持率は30・4%で9月調査より11・1ポイント上昇、民主党は12・3%で0・6ポイント下がった。・・・
 「日本維新の会」の政党支持率は10・7%となり、12・3%の民主党に次ぎ3位だった。次期衆院選比例代表投票先では13・9%で、12・3%の民主党を上回る2位。
 野党第1党自民党は衆院解散を求めるよりも公債発行特例法案など政策課題の処理をすべきだとの回答は81・5%を占めた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121002/stt12100217000005-n1.htm
 ユーロファイターがF-22と互角の戦いを演じてたんだね。
 やたら高くて性能がさほどでもないことがバレたF-22。↓
 ・・・German pilots flying Eurofighter Typhoons successfully engaged the larger, heavier F-22 in visual range mock dogfighting last June. ・・・
http://nation.time.com/2012/10/02/adventures-in-babbleland-technological-bloat/
 ホントかねえ。
 本来の発言は「モード変更は行わない」だったんじゃないの?
 誰か知ってる人、教えてー。↓
 「・・・ 在沖縄米海兵隊トップのグラック中将は配備前の8月に「人口密集地上空ではヘリモードで飛ばない。保証する」と強調。ヘリモード飛行は「普天間飛行場の敷地内だけだ」と明言していた。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012100201002117.html
 こういう愚民的説明をしちゃいけませんや、産経さん。
 中共軍が尖閣を奪取する前に米海兵隊(陸自?)を同島に展開させる? 奪取された尖閣に敵前着陸して米海兵隊(陸自?)による攻撃を敢行させる? 
 冗談でしょ。(太田コラムの読者ならなぜかは分かるよね。)↓
 「・・・オスプレイは、老朽化が進む現行のCH46ヘリと比べ速度、積載量、行動半径が2~4倍になる画期的な輸送機だ。とりわけ行動半径が600キロに広がり、尖閣有事に普天間からノンストップで即応できるなど、中国の海洋進出や北朝鮮を牽制(けんせい)・抑止する能力が格段に強化される点は大きい。
 日本の安保環境が悪化する中で離島防衛のカギを握る輸送力、展開力、速度のどれをみても日米に必須といえ<る。>・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121003/plc12100303110005-n1.htm
 こういう贔屓の引き倒しのコラムを掲載しちゃいけませんや、産経さん。
 「戦後レジームからの脱却」を志しているらしい安倍が、じゃ、なんで長ーく「戦後レジーム」そのものの自民党にいることに耐えられたんだよ。
 また、そんだけ精神的にタフ(マゾ)な人間がなんで首相の時にダウンするんだよ。
 ついでに言う。
 どうやら「戦後レジームからの脱却」を産経も望んでるらしいが、そんな産経が、長ーく「戦後レジーム」そのものの自民党命でやってきたことに慚愧の念を全く表明しないってのは一体どうしてなんだい?↓
 「埼玉大学名誉教授・長谷川三千子 時代が安倍氏に追いついてきた・・・
 当時、安倍政権のかかげた「戦後レジームからの脱却」といふスローガン<は>・・・壮大な日本再生の大事業だつた」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121003/stt12100303100002-n1.htm
 それでは、その他の記事の紹介です。
 シリアのクルド人達は、体制派にも反体制派に与せず、アサド政権崩壊後の自治権獲得を虎視眈々と目指しているとさ。↓
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/syrias-kurds-prepare-for-life-after-assad/2012/10/02/13076e92-0cae-11e2-a310-2363842b7057_print.html
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太田述正コラム#5759(2012.10.3)
<私の現在の事情(続x28)>
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