太田述正コラム#6007(2013.2.4)
<皆さんとディスカッション(続x1800)>
<太田>(ツイッターより)
 石垣島よいとこみんなおいでみたいな長い記事がCNNに出てた。
http://travel.cnn.com/tokyo/visit/deep-south-living-slow-life-okinawa-520630?hpt=hp_c4
 尖閣問題なんて影も形もないけど、新石垣空港が3月に開港するんで、東京等からも直行便で行けるようになるんだね。
 いざちゅう時は自衛隊の戦闘機も利用できて結構なことじゃん。
<0Wx6VzRw0>(「たった一人の反乱」より)
≫太田コラム読者にこれほどAKB「ファン」が多いとは。≪(コラム#6005。太田)
 ファンだから盛り上がってた訳では無く、今回の騒動で期せずして共犯者にさせられてしまった事に対してみんな心がザワ付いたせいじゃないかなぁ。
 守銭奴が野心家共と女性に虚像求める馬鹿共相手に何をやろうが知ったこっちゃないが
 そのせいで海外における日本(自分達)の評価まで下げられるとなっちゃ黙っていられなくなった。
 身の程知らずの野心家の一人が自身の失脚を恐れた結果取った見苦しい行動で何で俺達まで悪く言われなくちゃいけないんだ?って感じ。
 ましてや中国や韓国に日本を叩くネタを提供するなんてとても我慢出来ない。
 今回の騒動に関係したスレッドを見てると丸坊主にした事よりも、その事で海外から叩かれてる事に対してみんな反応してる。
 AKBのファンどころかむしろ今回の騒動で今まで興味の無かったAKBに対して嫌悪感持った奴が増えたんじゃないかな?
<AZtIDimQ0>(同上)
 一方そのころアメリカでは……。
 「レオン・パネッタ(Leon Panetta)米国防長官とマーチン・デンプシー(Martin Dempsey)米統合参謀本部議長は、女性兵士にも直接戦闘に参加する任務を認める方針を24日にも発表する」
http://www.afpbb.com/article/politics/2923129/10160402
 それに対して米海兵隊員は……。
 ”Male Marines listed being falsely accused of sexual harassment or assault as a top concern in a survey about moving women into combat jobs, and thousands indicated the change could prompt them to leave the service altogether.”
“About 17 percent of male Marine respondents and 4 percent of female respondents who planned to stay in the service or were undecided said they would likely leave if women move into combat positions.”
http://hosted.ap.org/dynamic/stories/U/US_MARINES_WOMEN_IN_COMBAT?SITE=AP&SECTION=HOME&TEMPLATE=DEFAULT
 これに対する兵頭二十八さんの見解は……。
 「スーパーボウルに出てくるアメフト・チームに女子選手はいないじゃないか。軍隊で実験をする前に、そこから試みに「改善」をしてみたらどうなんだ? 大量の死人が出る前に阿呆らしさに気づくだろう」
http://podcast28.blogzine.jp/milnewsblog/2013/02/201323_c85d.html
 日本の性差別はまだまだ改善の余地があるが、アメリカではその信念がカルトの域に達してないか?
<太田>
 イスラエルじゃ、2000年からそうなってるよ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Israel_Defense_Forces#Women
 四方八方を敵に囲まれている常在戦場の国ができることを他国ができないワケがない。 また、カナダと豪州でもそうなっている。
 例えば、戦車兵は40ポンド(18.2kg)砲弾を戦車砲に装填できなきゃならないし、100ポンド(45.4kg)の背嚢を背負って歩兵は行動できなきゃならない
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2013/02/02/marines-army-standards-women-combat/1884141/
けど、それくらいできる女性ならいくらでもいるだろ。
 近接戦闘は格闘じゃないんだからね。
<tZWqC2+P0>(「たった一人の反乱」より)
≫何でこれが構造的女性差別になるのか誰か説明してくれ ≪(コラム#6005。es/wqalO0)
 説明なら<8Rgib2Rd0クンによってコラム#6005>に書かれている。
 女性に対する差別意識が皆無で、人並みの理解力を持ち、当たり前の権利意識さえて持っていれば理解できるはず。
 <また、上出の0Wx6VzRw0クンは、>被害者である女性ではなく、メンツを気にしている所が駄目だね。
 典型的な構造的女性差別を証明する事象だ
<Jl7xwirM0=0Wx6VzRw0>(同上)
 構造的女性差別については別に否定してないだろ。
 アホか。
<L3+6j01a0>(同上)
 アメリカでの報道だとこんな感じ
http://www.youtube.com/watch?v=V_sioHocH9A
<ekZupx7o=WPdIOfko>
 「アメリカ側にそんな発言があれば『太田テーゼ』に矛盾している」って書いたから批判されたと思って<太田は>反論したんだろうけど、逆だね。
 今回の『共同』の(外務省あたりの属国官僚から流された可能性の高い、ヤラセ)記事の背景(事実)を(観念や意見を交えずに)明らかにすることこそ、属国にしがみついている(しがみついてきた)のは日本のほうという『太田テーゼ』を国民に確信させる絶好のチャンスなんだ。
 オレの経験から言えば、『太田テーゼ』を説明しても99%の人間は『属国にしがみついている(しがみついてきた)のは日本のほう』という現実(歴史)を絶対に認めないからね。逆に言えばそれが『太田テーゼ』の最大のそして致命的弱点。
 『そんなリクツをこねる米国務省の人間なんかいるわけない、そんなことしたらクビだ』というオータンの『意見・見解・推測』には反対どころか賛成。しかし『意見』じゃなく(そして過去の米高官・指導車の発言等や過去の太田コラムからの『典拠・引用』じゃなく)、『(現在進行形の)客観的事実』を突きつけなけりゃ無意味だ。『百聞は一見に如かず』だ。今すぐには無理かもしれないけどこの件の背景をきちんと明らかにするのは重要だと思うね。個人的にはアメリカ側がどう発言したかにも興味があるね。
 べじたんには悪いけど、彼とオータンの集団自衛権に関するやりとりなんて素人は読まないし、日本人を改心させることはできないと思う・・・自分の経験からそう思うね。
<太田>
 集団的自衛権の話は、噛みしめれば噛みしめるほど味が出て来るよ。
 ケルゼンは生誕地のチェコ、育ったオーストリアをナチスドイツによって侵略された経験を踏まえ、アングロサクソンの地中米国を選んで渡米し、英米法の(正当)防衛の考え方をそのまま国際法上の自衛(権)の考え方に適用したってことだろう。↓
 「<ケルゼン>は1881年にプラハで生まれたが、彼が2歳の時に一家はウィーンへ移った。ギムナジウムを卒業した後、ウィーン大学で法学を専攻し、1906年、学士号を取得した。・・・1919年に、彼はウィーン大学で公法・行政法の教授となった・・・1930年にはケルン大学へ招聘された。1933年、ナチスがドイツで権力を握ると、彼は職を辞し、1940年までジュネーヴにある国際連盟の機関で国際法を教えた。また、チェコスロバキアがドイツに併合されるまでは、彼はプラハ・ドイツ大学の教授でもあった。・・・1940年になると彼はアメリカへ移り、1942年にはハーバード・ロー・スクールでオリバー・ウェンデル・ホームズ記念講義を担当した。1945年、彼はカリフォルニア大学バークレー校で政治学の教授になった。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%82%BC%E3%83%B3
 オッペンハイムは、ドイツにおけるかつての中心都市であり、自由都市となり、かつユダヤ人の中心都市でもあったフランクフルト
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%B3
に生まれ、かつて英国と同君連合下にあったゲッチンゲンにおけるかつての英国王の名前の大学(通称ゲッチンゲン大学=正式名称アウグスト・ゲオルク(=ジョージ2世)大学)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%B3
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B82%E4%B8%96_(%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E7%8E%8B)
で博士号を取得し、フランクフルトともども、非自由民主主義的なプロイセン「支配」に屈してしまったドイツを去って英国籍を取得し、自由民主主義的な英米等が、ソヴィエト・ロシアやナチスドイツのような非自由民主主義的な侵略的国家を適時適切に掣肘できるよう、英米法の(正当)防衛の考え方を国際法上の自衛(権)の考え方に拡大適用したってことだろう。↓
 ・・・Oppenheim(オッペンハイム) was born in Windecken near the Free City of Frankfurt, German Confederation and educated at the Universities of Berlin, Gottingen, Heidelberg and Leipzig. In 1881 he obtained his PhD of Law at the University of Gottingen. Then he completed his Habilitation at Freiburg (Breisgau). Oppenheim moved to the United Kingdom in 1895, acquired citizenship in 1900 and lived there until his death.
 He first lectured at the London School of Economics and in 1908 became the Whewell Professor of International Law in the University of Cambridge・・・
http://en.wikipedia.org/wiki/L._F._L._Oppenheim
 ラウターパクトは、ソヴィエト・ロシアとナチスドイツによって翻弄されるガリチアで生まれ、ナチスドイツによって侵略されることとなるオーストリアで育ち、英国に憧れて英国に渡り、オッペンハイムの国際法観に共鳴し、ラウターパクトの主著の編纂を行ったってことだろう。↓
 「<ラウターパクトは、オーストリア帝国のガリチア(現在はウクライナ領)で生まれ、>オーストリア<で育った>イギリスの国際法学者。ウィーン大学,ロンドン大学に学んだ後ロンドン大学助教授,1938年からケンブリッジ大学の教授となり,55年国際司法裁判所判事となっ・・・た。・・・最初の著作で私法原理がいかに国際法に類推導入されてきたかを論じ<た>・・・(1927)・・・」
http://kotobank.jp/word/%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%91%E3%82%AF%E3%83%88
http://en.wikipedia.org/wiki/Hersch_Lauterpacht (<>内)
 日本の法学者、更には国際政治学者等には、ぜひとも、もっと、英米法(というかアングロサクソン的物の見方)の基本(横軸の拡大)、アングロサクソンと欧州の歴史の骨子(縦軸の拡大)、そして、何よりも、かかる視点の拡大を支えるところの常識(common sense)を身に付けてもらいたいもんだ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ホッ、これで助かる。改めて繰り返す、後生だから、後一声、領空侵犯を!!!↓
 
 「中国監視船2隻、尖閣領海内に侵入・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130204-OYT1T00386.htm?from=main6
 
 ミネルヴァのふくろうは…の類の話で、ソフトパワー大国になることは、実は没落の兆しなのかもしれないね。
 邦画の隆盛も手放しでは喜べないや。↓
 「・・・ハリウッド、心つかめず 国内の洋画シェア低下・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201302030368.html?ref=comkiji_txt_end
 中共によるハッキング問題の続報だ。
 いよいよ問題は深刻化してきたぞ。↓
 <ファーウェイ(Huawei)が外国の規制当局から厳しい目を向けられるに至ったことについては、中共当局がそのイニシアティヴの下で遂行して来たハッキング戦略に責任がある。↓>
 ・・・When Chinese officials wonder why companies such as Huawei face an increasingly tough time making inroads and winning regulatory approval abroad, they might consider what their own Soviet-style snooping and stealing have done to China’s international reputation. ・・・
 <中共は次の超大国だとほざいているが、むしろ巨大な窃盗会社と見られてもやむをえまい。↓>
 ・・・the FBI is investigating China’s media hacking and treating it as a national security issue. It’s also a plain-old crime, undertaken by a government that fancies itself the world’s next superpower but acts like a giant thievery corporation.
 <中共は、かつては人間文明の中心だったかもしれないが、現在は門外にたたずむ野蛮人集団だ。連中は我々を盗み見て何がしのことを学んでいるかもしれないが、その行為によって、世界は、それ以上のこと、すなわち連中がどんな輩かを学んだ。↓>
 The Middle Kingdom might once have been the center of human civilization. But in the digital world, the Chinese are the barbarians at the gate. Whatever they think they’ve learned about us by sneaking around our inboxes, the world has learned a great deal more about them.
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323701904578275920521747756.html?mod=WSJ_Opinion_carousel_1
<太田>
 iphone5弥次喜多道中だ。
 siriちゃんの「出世」に目を細めるボク。↓
 「ホンダ、Appleの音声アシスタント「Siri」を一部車種に採用・・・」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20130201/1078249/?set=ml
 いくら「高機能」かもしれんが、2580円なんて高すぎらあ。
 バカチョンでいいから、ケース、早く100円(消費税込みで105円)で百円ショップコーナーに並ばないかなあ。↓
 「サンワサプライ、スタンドにもなる手帳型iPhone 5ケース・・・」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/news/20130201/1078182/?set=ml
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太田述正コラム#6008(2013.2.4)
<米国前史(その9)>
→非公開