太田述正コラム#6073(2013.3.9)
<皆さんとディスカッション(続x1833)>
<太田>(ツイッターより)
「…日本の家庭は普通、姑と一緒に住むことはなく、嫁姑問題が大きく発展することが少ない。また小さな家庭が多く、年上の人を敬うという伝統的な家庭観念があるため、良い関係が保ちやすい。さらに、日本は控えめな態度や妥協することが美徳とされ、嫁と姑が殴り合いの大喧嘩をするということはめったにない…」
http://j.people.com.cn/206603/8159146.html
そう、それが人間主義というもんなんだよ、キミ達。
「日本のデザイナーが語る「原宿スタイル」…」
http://j.people.com.cn/94475/8159302.html
これもいい記事だ。
パチパチパチ。
米国のマッチメーキング業者が作った二枚のグラフ中の細い線の方を見てごら<ん>。
上のは男達が女達の美女度を判定したもの、 下のは女達が男達の美男度を判定したもの。
太い線の方は、それぞれ、どれくらい、男が女に、女が男にデートを申し込んだかを示す。
実に女は男の8割の美男度を並以下だと見ている。
ところが、太い線は細い線のほんのちょっと右に移行しているだけだ。つまり、女は醜い男に平気でデートを申し込んでいる。
つまりは、美男度以外の要素、例えば社会的地位、カネで男を選んでいるってこと。
他方、男は女の美女度をありのままに見ているが、美しい女に殺到する形でデートを申し込んでいる。
男選びに関しては、女はまことにもって残酷かつ現実的な動物だってことだな。
他方、男は、女選びに関して、美女度を正確に判定しつつも、ロマンを求めるってわけだ。
いやー、オモロシねえ。
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324582804578348392622848154.html?mod=WSJ_Opinion_MIDDLETopOpinion …
<RArkjF26>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
「慰安婦問題は朝日新聞による捏造だった」 維新・中山成彬氏、国会で当時の新聞報道を用いて解説
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1753737.html
アフィブログネタで申し訳無い。
どこの報道機関もこのネタを取り上げていないのは取り上げるまでも無いネタだって判断からなのだろうか?
<太田>
その通り。
「朝日新聞による・・・」なんてこと、今や日本国民の間の常識だからだ。
ただ、そんな常識を今更蒸し返した中山議員はイカレてるって感じでどっかが記事にしてもよかったと思うけどね。
それでは、その他の記事の紹介です。
おのおのがた、こういうことを言うのが一番タチの悪い政治屋なんだからね。
(彼は、政府憲法解釈の変更にはもちろん反対している。)↓
「憲法改正「その前にやるべきことがある」みんな・浅尾氏・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0309/TKY201303090001.html
米国のイラク占領政策の不手際が、一体何をもたらしたのかを記したコラムだ。↓
<後世の歴史家は、それを、(冷戦終焉後の)単極世界の終焉を象徴する出来事だと見るだろうってさ。↓>
・・・No one is blind to the military might the US possesses in unique abundance. But after Iraq there are real doubts – seemingly in America as well as the wider world – about its ability to use this power competently to shape intractable events (current agonising over whether to arm Syrian rebels comes to mind). When future historians date the end of the brief, post-cold war, unipolar moment, they will surely pinpoint Iraq.・・・
<(既に死に体だったフセイン政府を打倒したこと)より大きな影響は、米国がイラクの権力をシーア派に与えた結果、アラブ世界でファーティマ朝以来のシーア派国家が生誕し、スンニ派とシーア派の対立が激化したんだと。
(ボクは、君主制/制限民主制の復活を推奨したんだけどね。アホな米国が後先のことを考えず、即時完全民主主義化をやっちゃったんだな。)↓>
The bigger impact of the invasion was to catapult the Shia minority within Islam (a majority in Iraq) to power in an Arab heartland nation for the first time since the fall of the Fatimid caliphate in 1171. As well as leading to a sectarian bloodbath in Iraq, this reignited with a millenarian spin the simmering conflict between Sunni and Shia, from the Levant to the Gulf and across to the Indian subcontinent.
<対テロ戦争の一環としての狙いもあったが、むしろ(スンニ派の過激派たる)アルカーイダ系勢力を拡大させてしまった。
(米国が、イラクでスンニ派を突然権力の座から逐ってしまったこと、つまりはバース党・イラク軍の解体と即時完全民主主義化をやってのけちゃったのがその原因だ、と言いたいのかな。)↓>
The assault on Iraq, while purportedly striking a decisive blow in the “war on terror”, managed to proliferate the anti-western bigotry and messianic jihadism franchised by Osama bin Laden, and immeasurably strengthen the aggressive Shia theocrats in Iran, the main beneficiary of the war.・・・
<その帰結が(ここでは引用しなかったが)ヒズボラとイスラエルの戦争だったし、現在の、アラウィ派(広義のスンニ派)体制派とスンニ派反体制派の間のシリア内戦だ。
(ま、そう見てもいいかもしれないが、アラブの春をどう位置付けるか、がこのコラムには欠けてるな。)↓>
In Syria, for example, a downtrodden people inspired by the revolutions in Tunisia, Egypt and Libya is fighting for its freedom from the tyranny of Bashar al-Assad, who is prepared to wade through their blood to stay in power. But the majority of Syrians are Sunni. The rulers of the Gulf and the Sunni supremacists of the Arabian peninsula are backing them in large part to take out the Assad regime, built around the heterodox Shia Alawite sect and allied with both Iran and the Lebanese Shia Hizbollah movement, Tehran’s spearhead in the Levant.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/1805afe2-869a-11e2-b907-00144feabdc0.html#axzz2N0rcbgFy
ベネズエラのチャベス体制の光と影を描いたコラムだ。↓
<キューバの指南と石油高価格のおかげで、教育、住宅、医療と食糧は充実し、愛国心は高まり貧民の疎外感は軽減したが、国有化や行政の肥大化と経済運営の不手際、そして、しのびよる専制主義はこの国の将来に懸念を生じさせた。↓>
・・・Over the next 14 years, access to education, housing, medical care and food did increase, thanks to Cuban advisers and high oil prices. Chavez, who died this week after a two-year battle with cancer, built a deep well of support – love is not too strong a word – among those whose lives he improved. But the bluster, the provocations, the nationalisations and the executive power grab left another significant swathe of Venezuelans ready for an alternative to chavismo. National pride and social inclusion commingled with economic mismanagement and a creeping authoritarian streak.・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/dbf99356-871b-11e2-9dd7-00144feabdc0.html#axzz2N0rcbgFy
いかにもイギリス人によるものらしいけど、宗教は本来的に専制主義的である(からなくさなきゃならない)、と主張する本が出た。↓
・・・left to themselves, religions are not good at respecting rival faiths or indeed atheism: they are inherently authoritarian. ・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/5dec347c-85c8-11e2-bed4-00144feabdc0.html#axzz2N0rcbgFy
人を侮辱するというのは、社会的階統制を所与のものとした上でのゲームであるとよ。
(ここでは引用しなかったが、)侮辱されたら、自虐チックに笑い飛ばすのが、一番いい対処方法だってさ。↓
・・・It is the social hierarchy game that makes insults sting. We are wired so that it feels bad to lose social status and feels good to gain it.・・・
http://ideas.time.com/2013/03/08/why-insults-hurt-and-why-they-shouldnt/
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一人題名のない音楽会です。
20世紀民俗音楽特集の第二回目です。
<ロシア>
Igor Stravinsky(注)
(注)1882~1971年。「サンクトペテルブルク近郊・・・に生れた<ロシア人>。・・・1914年、第一次世界大戦勃発とともにスイスに居を定める。・・・1939年秋に<ナチスドイツを逃れ、米>国へ亡命する。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
ペトルーシュカ(Petrushka)(注) ? コミックバレエ用の曲だったんだね。(だけど、一体どこが民俗音楽?)
http://www.youtube.com/watch?v=JbWDG3LU4bc
http://www.youtube.com/watch?v=bmf5T57sFHw
http://www.youtube.com/watch?v=wekV-tQb-xs
http://www.youtube.com/watch?v=kSssKEYzRJY
ピアノ版 Grigory Sokolov演奏
http://www.youtube.com/watch?v=MevesVV79Uo
http://www.youtube.com/watch?v=5O5dLLekqQA
http://www.youtube.com/watch?v=VJVoBD9s0Hc
(注)「おがくずの体を持つわら人形の物語で、主人公・・・は命を吹き込まれて恋を知る。ペトルーシュカ(ピョートルの愛称)は、いわばロシア版のピノキオであり、・・・時おり引き攣ったようにぎこちなく動き、人形の体の中に閉じ込められた苦しみの感情を伝え・・・る。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%AB
春の祭典(The Rite of Spring)(注)(コラム#5431) ? やっぱ、どこが民俗音楽?
http://www.youtube.com/watch?v=Z0xNo2894Fw
全曲(曲のみ) Michael Tilson Thomas指揮 San Francisco Symphony
http://www.youtube.com/watch?v=Vf0e_n49dcQ
http://www.youtube.com/watch?v=qphUZIAZn1k
http://www.youtube.com/watch?v=TlpTZ5CtLBE
http://www.youtube.com/watch?v=VIjlXYQzO7w
(注)「<彼が>見た幻影(”輪になって座った長老たちが死ぬまで踊る若い娘を見守る異教の儀式”)から新しいバレエを着想し<た。>・・・キリスト教化される以前のロシアの原始宗教の世界が根底にあるといわれる。・・・複雑なリズム、ポリフォニー、不協和音に満ちていて、初演当時けが人も出る大騒動となったことで知られる。・・・ウォルト・ディズニー制作のアニメ映画『ファンタジア』にも使われ、地球の誕生から生命の発生、恐竜とその絶滅までのドラマがこの曲に合わせて繰り広げられる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%98%A5%E3%81%AE%E7%A5%AD%E5%85%B8
結婚(Les Noces)(注) Royal Ballet こんなバレエ曲もあったんだ! やっと民俗音楽的な背景がうかがえる曲だ。
http://www.youtube.com/watch?v=yi-5mugSiX4
http://www.youtube.com/watch?v=EiazdmmZF_8
http://www.youtube.com/watch?v=0-ni8XUOqdM
(注)「<彼>はキエフでロシア民謡の収集を行い、その中に含まれる結婚についての複数の民謡詩から本作品の台本<(??(太田))>を構成した。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%A9%9A_(%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)
それにしても、どうしてロシアの民話に基づくバレエ音楽である「火の鳥」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E3%81%AE%E9%B3%A5_(%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)
http://www.youtube.com/watch?v=yzPsJ_ikpGE (本人による指揮 N響)
が登場しないんだろう?
(続く)
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太田述正コラム#6074(2013.3.9)
<愛について(その6)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1833)
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