太田述正コラム#6181(2013.5.2)
<皆さんとディスカッション(続x1887)>
<太田>(ツイッターより)
史上7つの有名な出会いってんだけど、BBCだから、我々にとってはおよびじゃないものもいくつか入ってるね。
2番目のからは、回答をしないと先に進めないのでご注意。
モンローとフルシチョフの出会いが一番オモロイかな。
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-22350999
「万歳三唱した安倍首相に怒り心頭の沖縄「独立したい」…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/02/2013050200466.html
この記事を邦訳する際、「日王(原文ママ)」は「日王(原文のママ。以下同じ)」とすべきだったし、元記事が、沖縄戦中の住民の集団自決を、あたかも極右勢力(右翼勢力)だけが<「>住民の自発的な自決だった」と主張しているかのように記しているのも間違い。
とまれ、沖縄での米軍基地撤廃論や沖縄独立論、カネ目当てを脱した真剣なものにぜひとも早く脱皮して欲しいねえ。
<ybr22Q8g>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
朝鮮人は抹殺しろ!
<dBvZqAgc>(同上)
穏やかじゃないね?
君が妄信している思考が透けてみえそうだよ
中世以来の小中華意識を抱えた、現代的目線で見たところの狂人(金正恩)と、大日本帝国の影響化により近代化した朝鮮人( 朴正煕)を峻別する眼を持とうよ。
金太郎飴じゃないのだから朝鮮人と一口に云っても様々だ。
こんな板に反応してないで広範な歴史を学びなされ。
<TA>
笠原十九司(注1)の『日中全面戦争と海軍――パナイ号事件の真相』という本を読んだのですが、パナイ号事件(注2)に対する太田さんのご意見を伺いたく、また、太田史観とも関連があろうことから(注3)、同著をお送りしたいと思うのです・・・。
(注1)笠原十九司
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%A0%E5%8E%9F%E5%8D%81%E4%B9%9D%E5%8F%B8
→経歴を拝見しましたが、資料検証能力が欠如している「学者」らしいので、相当眉に唾をつけながら、彼の本を読む必要がありそうです。(太田)
(注2)パナイ号事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%8A%E3%82%A4%E5%8F%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6
→今のところ、私としては、明白なる(過失による)誤射事件だと思っています。この事件の過程で、帝国海軍は友軍相撃(帝国陸軍に対する攻撃)まで起こしていますが、そもそも、戦場においては、友軍相撃すら日常茶飯事であることを認識しなければなりません。(超近代情報機器を駆使しつつも、湾岸戦争、対イラク戦、アフガニスタン戦でさえ、しばしば生起しています。)いわんや、戦場をうろうろする第三者たる武装勢力なんぞは、攻撃してくれ、と言ってるようなものでしょう。(太田)
(注3)<本の>内容は概ね↓のとおりです。
http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20060906/p2
また、「パナイ号撃沈のニュースが流れると、民間でアメリカに謝罪する運動が自然発生的にはじまった」(同著230~231頁)こと及びその「運動」の内容についての太田さんの見解も併せて伺いたく思います。私は「戦後日本人のマッカーサーに対する拝跪的態度」(コラム#5354)を考察する上で重要だと感じました。
次回のオフ会の議論テーマ「日本人は本当に潜在的には反米なのか?」とも無関係ではないと考えます。
→「<戦後の>日本人は本当に潜在的には反米なのか?」という問題提起ですからね。念のため。(太田)
そして、
「日本では、ドイツが無制限潜水艦戦を開始し、英国の客船ルシタニア号が米国人乗客を128名を載せてドイツの潜水艦に撃沈されたことで米国が第一次世界大戦(1914~18年)に参戦したと思いこんでいる人がいますが、ルシタニア号事件は1915年のことであり、当時の米大統領のウィルソンは、(客船への攻撃を含む)無制限潜水艦戦を止めよとドイツに要求しただけでした。1917年1月にはドイツが無制限潜水観戦の再開を宣言しましたが、それでもウィルソンは2月にドイツと国交を断絶しただけでした。米国の政府と世論が対独戦へと一挙に傾いたのはティンメルマン電報が暴露された同年3月の時点です。そして、ドイツの潜水艦によって米国の商船3隻が撃沈された後、同年4月6日、ついに米国はドイツに宣戦するのです。米国のオーストリアへの宣戦は同年12月になったことを見ても、米国の参戦は英仏に加担するためというより、米国による対ドイツ防衛戦争として開始されたことが分かります。」(コラム#1634。太田)
や、
「<1919~1933年まで施行された>禁酒法制定の背景や直接的契機<(禁酒法支持議員の協力を得て第一次世界大戦への参戦の議会承認を得るため、酒造・酒販業界を牛耳るドイツ系への反発)> は、要するにドイツ人等に対する人種差別意識が・・・大きな原因であったことを示している。<第二次世界>大戦が始まった頃までには、(アイルランド系はもとより、)ドイツ系米国人に対する差別意識は解消されていた。」(コラム#0258。太田)
との、パナイ号事件に対するアメリカの反応との比較についても、併せてご意見を伺いたく思います。
<太田>
読ませてもらいます。
ただし、著者の引用している資料(史料)だけを、しかも、吟味しながら読むことになるでしょう。
それでは、その他の記事の紹介です。
ちょっと数字がおかしいってカンジだけど、前から言ってるように、国民投票にかけて賛成票が過半数を超える保証はないってこと。
とにかく、憲法には規範性はないし、国民にも今更規範性を与える気はない、と割り切った方がよろしい。↓
「改憲手続き緩和 賛成38%、反対54% 世論調査・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201305010546.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201305010546
この際、総論「だけ」では天才のジェファーソンの言に耳を傾けよう。↓
「・・・後にアメリカ合衆国大統領となるトマス・ジェファーソンが1789年にジェームズ・マディソンに宛てた手紙の中で、世界は生きている人々のものであり、ある世代が後の世代を拘束することはおかしい、変えにくい憲法<(要するに憲法)>は民主主義に反すると説いている。・・・」
http://book.asahi.com/reviews/column/2013043000011.html?ref=comtop_list
駐米大使の佐々江君はゴマスリのためなら反論するけど、直接ゴマスリにならないから、慰安婦記事には沈黙するってことね。↓
「安倍政権は「歴史と謙虚に向き合っている」 駐米大使が米紙社説に反論・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130502/amr13050209580007-n1.htm
この記事↑見て、読んでなかったところの、ワシントンポストの社説を読んでみたが、ひどいねえ、人民網じゃないかと思ったぜ。
韓国、満州、その他の支那を占領し、マラヤに侵攻したという「事実(fact)」を安倍首相は否定しておらず、これらが侵略(aggression)にあたるかどうかを問題にしてるわけだが、これらが侵略であったことは事実だとこの社説は断定している。この類の話になると、米国のエリート紙、イエローペーパ以下に豹変するんだから呆れちゃうね。↓
・・・Yes, history is always being reinterpreted. But there are such things as facts. Japan occupied Korea. It occupied Manchuria and then the rest of China. It invaded Malaya. It committed aggression. Why, decades after Germany solidified its place in Europe by facing history honestly, are facts so difficult for some in Japan to acknowledge?・・・
http://articles.washingtonpost.com/2013-04-26/opinions/38843096_1_defense-spending-china-south-korea
「トルコ青年スポーツ相、猪瀬知事の謝罪受け入れ・・・」
http://www.asahi.com/international/update/0501/TKY201305010435.html
「猪瀬氏発言 IOC処分せず 「問題終結を通知」・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013050202000120.html
ということを踏まえれば、下掲は言いすぎだろ。↓
「・・・猪瀬さんが都知事の座を降りるか、都知事の座に居座って東京五輪を諦めるか、の二択になっている・・・」
http://blogos.com/article/61390/
↑自民党命の産経であることが、石原慎太郎の維新、ひいては猪瀬知事叩きになって現われたとも言えそうなブログだけど、それはそれとして、やっぱ、評論家が政治家になっちゃいかん、ということだろうね。(文学者が歴史家になってもダメ。文学者が政治家になることは必ずしもダメじゃないが・・。)
李承晩なんてのを「親日派」に入れないでくれー。↓
「・・・『百年戦争』は、過去100年間の韓国の歴史が「李承晩、朴正煕(パク・チョンヒ)両元大統領に代表される親日派と、安重根(アン・ジュングン)や金九(キム・グ)などの反日派による戦争だった」という主張を盛り込んだ動画だ。・・・
動画には「李元大統領が米国で不倫行為のため起訴された」「ハワイの韓国系住民たちからの寄付金をだまし取り、財テクにのめり込んだ」などといった描写がある。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/02/2013050200629.html
韓国じゃ(李承晩についての上出の話の真偽は知らないが、)このところ、歴代大統領が辞めてから不祥事で捜査対象になったり有罪判決を受けたりしているからなあ。
朝鮮は明や清の属国だったけど、朝鮮人の多くも支那人(阿Q)的(下出)になっちゃってたところ、日本帝国から「独立」して次第に地金が出て来たのかしら。↓
「韓国で5月のSAT中止、問題漏えい疑惑で・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/02/2013050200638.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/02/2013050200634.html
産経サン、そうじゃなくて、支那においては、その歴史を通じて、阿Q的人物が過半を占めてきたってことなんだわさ。↓
「論文不合格の中国人留学生、教授の机に現金積み上げ「合格点をくれたら…」・・・
<現在の>中国社会が内包するひずみが・・・中国社会に・・・腐敗・・・<を>蔓延<させている。>・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130502/chn13050208060001-n2.htm
習近平は全方位領土奪取作戦を展開中だな。
中共当局も、また、最高指導者に就任したばかりの習自身も、それほど追い詰められてるってことなんだろうが、彼ら、及び彼の心中、察するに余りある。↓
「中印国境、中国軍がインド側支配地域に標識増設・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130501-OYT1T01129.htm?from=ylist
1609年の冬に食べるもののなくなった北米ヴァージニア植民地で人肉食が行われた決定的証拠が出て来た。↓
<300人中、生き延びたのは60人のみ。↓>
The vicious winter of 1609, dubbed the Starving Time by historians, saw the colonists at Jamestown, Virginia, who had consumed every scrap of food in the settlement, turn to cannibalism. When help and supplies finally arrived the following spring, only 60 of the original 300 settlers were still alive. The skull of a 14-year-old girl, excavated last year from a rubbish dump at James Fort, has revealed a mass of cut marks, at first tentative, then fiercely smashing the skull apart to extract the brain and other soft tissue for food.・・・
<食糧を供給してくれていたインディアンとの関係が断絶してしまったことが、飢餓の一つの原因だと。↓>
A complete breakdown of relations with the initially friendly local people, who had originally helped with food supplies, was part of the cause of the winter of starvation.
http://www.guardian.co.uk/world/2013/may/01/jamestown-cannibals-skull-excavated
—————————————————————————————————————————————————-
太田述正コラム#6182(2013.5.2)
<ドイツ中心近代史観(その5)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x1887)
- 公開日: