太田述正コラム#6343(2013.7.22)
<皆さんとディスカッション(続x1968)>
<太田>(ツイッターより)
 維新が何とか踏みとどまったね。
 自民と維新で過半数を超えたことは大きいぞ。
 次の衆参両院選挙までの3年間が楽しみだ。民主党の予定通りの敗北により、野田前首相の再活躍のお膳立てもできたし・・。
http://www.asahi.com <←昨夜深夜時点のもの。>
<TA>
≫米国大嫌いランキング<に>・・・中共とアルゼンチンがランクインしたこと<は>、なぜかはよー分かる。(アルゼンチンについては、理由、諸君に分かるかね?)≪(コラム#6341。太田)
 これですか?↓
 「欧州の外延たる中南米諸国が米国(及びカナダ。以下同じ)に対して抱いている劣等感と怨念は、欧州諸国がイギリスに対して抱き続けて来た劣等感や怨念と同質のものであり、米墨戦争という米国によるメキシコ侵略戦争を除けば、欧州のように、ほぼ一丸となってイギリスと繰り返し戦い、ことごとく敗れ去るという経験すらできていないだけに、中南米諸国の米国に対する怨念はたまる一方で現在に至っている、と私は思うのです。
 そして、このような怨念があるからこそ、・・・中南米のほとんどすべての国が中共との経済関係強化に無警戒的にのめり込んでいる、というのが私の見解なのです。」(コラム#4152。太田)
 「ベネズエラの作家カルロス・ランゲル(Carlos Rangel)は、「中南米の人間にとって、少しばかりのアングロサクソンの連中が、スペイン人よりずっと後<新大陸>にやってきて、しかも<北米大陸東海岸地方が>あまりに過酷な気象であることから最初のうちは冬を何回も越せなかったというのに、いつの間にか世界一の大国になってしまったということは、考えるだけでも耐え難いのだ。この格差の根本的原因を抉り出すには、中南米の人々が総出で全力を挙げる必要がある。<そうしないまま、>それが偽りであることを知っていながら、中南米の政治家や知識人はことごとく、自分達のあらゆる問題は米帝国主義のせいだ、ということを馬鹿の一つ覚えのように口にしてきたのだ。」と告白しています・・・。」(コラム#0330。太田)
 アルゼンチンと中国の接近?↓
 中華人民共和国とアルゼンチンの軍事的接近
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%B4%9B%E4%BA%89#.E4.B8.AD.E8.8F.AF.E4.BA.BA.E6.B0.91.E5.85.B1.E5.92.8C.E5.9B.BD.E3.81.A8.E3.82.A2.E3.83.AB.E3.82.BC.E3.83.B3.E3.83.81.E3.83.B3.E3.81.AE.E8.BB.8D.E4.BA.8B.E7.9A.84.E6.8E.A5.E8.BF.91
<太田>
 残念でしたー。
 「米国が好きな国民」10傑にエルサルバドル(6位)、ブラジル(10位)が入っている(コラム#6341)の、見てなかったようですね。
 イイ線まで行ってたのに・・。
 ちゅうのも、カギは、上記ウィキペディアのタイトルの「フォークランド紛争」にあるからです。
 その中に、「アメリカ合衆国の対応」という項があるでしょう。
 そこに解答が書いてありますよ。
 それはさておき、引用してもらった私の文章は、あくまでも一般論であって、中南米諸国だって様々なので、一般論がそのままの形で全ての国にあてはまるわけではない、ということを、自戒の念も込めて、注意喚起しておきたいと思います。
<gDhz5/.g>(「たった一人の反乱(避難所)より)
 電車とホームに挟まれた女性を乗客総出で車両押して救出…さいたま
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1768786.html
 これも太田さんが言う所の人間主義?
<太田>
 イエースと言いたいところだが、これはどんな国でも起こりうるんじゃないか?
 だって、車内に残ってたら、重りになっちゃうわけだし、外に出たら一緒に押した方が楽しいに決まってるもんね。
 (もっとも、この種のことを疑似人間主義体験ととらえることはできるだろな。
 コラム#6315に出てくる、ボクの選挙体験のハナシを参照のこと。)
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ゾンビに率いられた自発的ロボトミー集団の断末魔ってところだな。↓
 「生活は議席ゼロ、岩手も敗北…小沢氏「驚いた」・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/7879469/
 結果がゼロじゃなくって残念。
 いずれにせよ、解党の時期じゃない?↓
 「福島党首「全ての責任は私にある」…社民1議席・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/2013/news/20130722-OYT1T00568.htm?from=ylist
 これは惜しい。
 なんで山本太郎(後出)は「みどりの風」から立たなかったんだろう。
 一人じゃ何もできないだろうに。↓↓
 「谷岡代表が辞意表明「みどりの風、役割終えた」・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130722/elc13072208390118-n1.htm
 私は鈴木寛を全く評価しない・・吉田ドクトリンに毒された通産(経産)官僚の典型だからだ・・が、東京で、民主も維新もゼロってのはひど過ぎらあ。↓
 「20人の候補が乱立した東京選挙区では、最後の5議席目が特に激戦になった。僅差で涙を飲んだのが現職の鈴木寛氏(民主)だ。元通産官僚でIT政策通の鈴木氏は、楽天の三木谷浩史氏らIT業界からも後押しされ、民主党広報委員長としてネット選挙の解禁にも尽力した。しかし、皮肉にも初のネット解禁選挙で苦杯をなめることに。とくに鈴木氏を苦しめたのは、ネット発のネガディブ情報だった。・・・
 急進的な反原発を主張する無党派に支えられていた山本太郎氏は、・・・<こういったネガティブ情報にも支えられて当選した。>
 元々は民主党は、鈴木氏以外にも現職の大河原氏を公認していた。しかし、都議選で惨敗したため、「共倒れ」を恐れた執行部が、公示直前の7月2日になって大河原氏の公認を取り消した。大河原氏は納得する訳もなく、無所属での出馬を強行。菅直人元首相は「脱原発」を理由に大河原氏の支援に回<った。>」
http://news.livedoor.com/article/detail/7879266/
 東京に比べて関西(近畿)の方がまともだなあ。
 かつての民主支持者の相当部分が維新に移って、そのかなりの部分がテコでも動かねえってカンジか。
 ボクとほぼおんなじパターンだな。
 ボクもそう言えば、もともとは関西人だが・・。↓
 「・・・民主、近畿で議席ゼロ・・・」
http://digital.asahi.com/articles/OSK201307220019.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_OSK201307220019
 「維新、関西で踏みとどまる 大阪と兵庫選挙区で議席確保・・・」
http://digital.asahi.com/articles/OSK201307210039.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_OSK201307210039
 菅首相(当時)に関しては、消費増税やTPP参加の方針の表明も国営諫早湾干拓事業の開門問題での対応もいずれも正しかった(ただし、消費増税を言い出したタイミングは最悪だった)し、東日本大震災での対応も決してひどくなんかなかったぜ。
 言及されていないが、菅氏の反原発姿勢についても、それなりの評価をしていいだろ。 結局、民主党については、安全保障政策をつめなかったことが、あらゆる政策で党内がてんでバラバラになった根本原因さ。(I told you so!)
 もっとも、つめなかったからこそ、自民崩れや非自民や反自民のあらゆる勢力を結集できて政権も取れ、短期間ではあれ、権力の美酒に酔うことができたわけだが・・。↓
 「民主王国の長崎、完全崩壊 大久保氏「菅元首相が最悪だった…」・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130721/elc13072123590135-n1.htm
 ハムレットじゃないが、自民と「みんな」がホントに改憲勢力かってのが問題なんだよ。
 (自民とみんなの議員を少なからず個人的に知ってるボカァ断言できるが、両党とも大部分の議員はエセ改憲だぜ。)
 3年後に「改憲勢力」が3分の2に届いた・・その可能性は、中共さんの頑張りにもかかってるが、大きい・・時にはっきりするだろうが、「右」の人達、その時のために心の準備を!
 いずれにせよ、解釈改憲はいつでもできまっせ、安倍サン。
 歴史が、そして世界がキミを見とるんよ。↓
 「改憲勢力、3分の2に届かず 「加憲」の公明加えると到達・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013072101001756.html
 これは、朝日による(意図的?)誤報に近い。
 これじゃ、産経を嗤えないな。↓
 「日本、英の脱EU論に「警告」 雇用への影響を懸念・・・」
http://www.asahi.com/international/update/0721/TKY201307210057.html
 <朝日は、英紙を読んで書いたことを隠してるし、別に日本政府が好んで「警告」したわけじゃないことにも言及していないからだ。毎日は花丸!↓>
http://mainichi.jp/select/news/20130722k0000m030018000c.html
 本日のネタが少ないので、オモロイ記事からの抜粋を和訳しとこう。
 どんだけ米国がひでえ国だか、繰り返しアタマん中に叩き込んでくれたまえ。↓
 「・・・米国人は、他の金持ちの諸国の人々よりも若くして、また、より大勢が、傷害や疾病によって死ぬ。
 一人当たりの健康支出は<これら諸国の>2倍だというのに・・。
 それが、今年に入ってから、少し前に米国立研究評議会(U.S. National Research Council)と医学研究所(Institute of Medicine)が出した驚くべき結論だった。・・・
 米外交評議会(U.S. Council on Foreign Relations)は、超党派のシンクタンクだが、この報告書を恐怖のカタログである、と描写したものだ。・・・
 どうして、米国<人>はこんなに<体の>調子が悪いのだろうか(unwell)?
 その答えは、実のところ、単純であると同時に見かけによらず複雑だ。
 というのも、<その原因は、米国に係る>殆んど全ての事柄だからだ。・・・
 一つの主要な障害は、自助、個人主義、そして自由諸市場を強調する米国は、社会主義を示唆するように単に見えるところの、あらゆるものに対して抵抗感があることだ。
 興味深いことは、より少ない、規制、税、政府サービス<を求める、すなわち、>自由市場志向であるところの、米国や英国のような古典的な自由主義諸国は、グループとして、金持ちの民主主義諸国中で最も非健康的であることだ。・・・
 <その一方で、>実のところ、米国は社会福祉にたっぷりカネを使っているのだ。
 大部分の金持ちの民主主義諸国よりも、米国は税金が少なく<政府>支出も少ないかもしれないが、税控除の形での諸補助金や民間の社会的消費を付け加えれば、米国は、<社会福祉で>スウェーデンに次ぐ世界5番目の順位なのだ。
 米国がどこが違うかと言えば、そのカネがどのように使われているか、なのだ。
 その多くが健康面に使われてはいるけれど、いまだに健保のない人や健康サービスへのアクセスのない人が大勢いるし、とりわけ、子供達や家族や恵まれない人々のためには使われていない。・・・」
http://www.slate.com/articles/health_and_science/new_scientist/2013/07/health_in_the_u_s_and_other_rich_countries_we_pay_more_in_health_care_but.html
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太田述正コラム#6344(2013.7.22)
<日支戦争をどう見るか(その3)>
→非公開