太田述正コラム#6386(2013.8.13)
<皆さんとディスカッション(続x1989)>
<コラム#6384の訂正>(ブログは訂正済)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201308090375.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201308090375
→トル
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<太田>(ツイッターより)
 「【コラム】日本の外交官から届いた手紙…私は、安倍首相が就任後に引き起こした歴史認識をめぐる論争にはくみしません。…韓国が、問題を引き起こす政治家たちと日本国民を同一視するのは問題があると思います。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/12/2013081201309.html
 「米国」の外交官から届いた手紙?
 1931年に世界史を一枚のチャートにしたものが紹介されてた。
http://www.slate.com/blogs/the_vault/2013/08/12/the_1931_histomap_the_entire_history_of_the_world_distilled_into_a_single.html
 各民族(people)の横幅はdominationだっちゅうんだけど・・。
 ま、当時の欧米人の観点がよく分かるな。
 (米国の)学校で教えない40枚の世界地図だって。
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/08/12/40-maps-that-explain-the-world/?hpid=z4
 今度は、現在の米国人の観点がよく分かる。
 だけど、思考を刺激されてオモロイぜ。
<TA>
≫何も日本も空母、特に原子力空母を持つべきだと言っているのではなく、かかるオプションを確保しておくことに意味がある、と思うのだ。≪(コラム#1057。太田)
≫日本も原潜、空母を持つべきだ。≪(コラム#6384。太田)
 太田さんの考えが変わったのでしょうか。それとも、状況が変わったのでしょうか。
 空母という兵器は、現在、すでに脆弱化しているのでは?↓
 「現時点<(2005年)>ですら、台湾海峡危機が再燃した場合、用心のため、当初は米空母機動部隊は台湾東方500マイルにまでしか接近しない、と考えられています。こんな遠距離からでは、台湾海峡上に出撃させることができる艦載機の数は1996年当時に比べて大幅に減ってしまったことになります。」(コラム#697。太田)
 「東アジアの海域はゆっくりとだが、それでも着実に米海軍、とくに空母が立ち入れない海域になりつつある。」(コラム#5674。クレピネビッチ)
 「ゴンズは、・・・空母搭載の海軍の航空機の戦闘半径が相対的に小さいこと、他方、中共の対艦ミサイルの脅威が増大していること、から、提督達は<空母(艦載機)による>台湾上空の航空作戦の危険を冒すことを逡巡するだろう、と推測する。」(コラム#5194。米フォーリン・ポリシー誌)
 (太田さんがこのような空母脆弱化論には必ずしも与しない旨を述べているコラムを読んだような記憶は有りますが、)日本があえてすでに脆弱化した空母という兵器を持つべきとする理由について、その使用目的、費用対効果、開発・建造・運用ノウハウの構築までの期間等、詳細な説明が必要であろうと考えますが、いかがでしょうか。
<太田>
      
 まず、「使用目的、費用対効果」から。
 空母は、海兵隊同様、近代的な軍隊を持つ(中共のような)国に侵攻したり、その近傍で活動するためにはあまり役に立たない存在になってしまったけれど、(部分的にはともかく、全体として)非近代的な軍隊しか持たないならず者国家に人道的介入を行う場合等には有効です。
 現地や周辺の飛行場が利用できないうちは、投入地上兵力掩護のための戦場航空阻止や近接航空支援
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%A1%93%E7%88%86%E6%92%83
を行う攻撃機や戦闘爆撃機を、全て本国や与国から空中給油機随伴で飛ばすわけにはいきませんからね。
 「開発・建造・運用ノウハウの構築」については、大変インドに失礼な言い方ながら、インドができることが日本にできないわけがありません。
 レシプロ機とジェット機の違いこそあれ、日本はかつて大空母国でしたしね。
<はま>
≫私のささやかな経験(コラム#6149)からしても、楽天が人間主義的経営をしているとは到底思えません。≪(コラム#6382。太田)
 目標とする主義と、実際の達成度とは、全く別の話ではないですか。混ぜこぜにするのは間違っていると思います。
 100%の達成度ということはありえないわけですし。
 イギリスは個人主義ですが、貫徹できないから時々、人間主義的なこともするのでしょう。
 日本も人間主義といっても、集団的自衛権を放棄して、自分の国の中さえよければいいという個人主義的なことを何十年もやってきてるわけですし。
 女性は人間主義的といっても、恐ろしく個人主義の女の人も、見つけるのに苦労なんてしませんし。
<太田>
 あはは。
 一般論としてはおっしゃるとおりです。
<ねこ魔人>
 –歴史認識のパラダイムシフトについて–
 勝手な思い付きですが、戦前と戦後の日本人の意識のパラダイムシフトはなぜ発生したかという問いに対して、問題設定として、日本が先の大戦まで一度も他国に占領されていなかったことに着目すれば、解決の糸口が見えてくるのではないでしょうか?
 比較するに、朝鮮半島や、イスラエル人、フィンランド人がかくも自己の歴史認識を強固に持っていたのは、彼らが何度も占領を経験していることが背景にあるやもしれません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%B5%B7%E6%BA%90%E8%AA%AC
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%AA%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2
 また、もう一つの着眼点として、日本を占領したのは、同じ文明を持ち、したがって、お互いの文明の共有がありうるアメリカであり、アメリカの歴史観が日本に流入した一方で、上の諸国を支配してきたのは、専制国家たるシナ、イスラム諸王朝、ロシアであり、自由主義と全体主義という異文化同士で、文化的交流が発生しにくかったという点も、関係ないのでしょうか?
 (こちらは典拠すらない思いつきです。申し訳ありません。)
→現在有料読者ではないことから、最近の私の畳みかけるような論調に接していないとはいえ、日本と米国が同じ文明だと言われると、太田コラムや私自身を全面否定されたようで、目をシロクロさせるほかありません。
 (もとより、日米とも自由民主主義的であったという点では共通してましたが・・。)
 せめて、米国の日本占領が極めて「優しい」ものであったことに言及すべきでした。(太田)
 さらに、先ほどの、日本が一度も他国に占領されたことがないとの言葉と矛盾するようですが、縄文人のみが住み着いていた際の日本で、弥生人の集団が渡来し、日本の支配層となった以後と、それ以前との歴史観で、パラダイムシフトが起こったことが見れないでしょうか?
→何が言いたいのかさっぱり分かりません。(太田)
 また、純粋に国内の歴史のみに着目すると、江戸時代の人々の歴史認識は、平安時代の人々の歴史認識とは違う可能性もひょっとしたらあるのではないでしょうか?
 全て根拠がない、もしくは薄弱で申し訳ないです。
→根拠云々以前に、主張に中身がないじゃあーりませんか。(太田)
 読み飛ばしていただいてかまいません。
 もし目に留まり、太田さんの探求のお役に立てば幸いです。
<太田>
 残念ながら・・。
それでは、その他の記事の紹介です。
 おお、昭和の時代の香りがする東京新聞!↓
 「米空軍の演習「レッド・フラッグ・アラスカ(RFA)」で、航空自衛隊のF15戦闘機の編隊が米戦略爆撃機B52の爆撃援護訓練に参加していたことが分かった。・・・専門家らは、憲法で禁じられた集団的自衛権の行使を想定した訓練だと批判している。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013081390070449.html
 時期遅れだけど紹介しておく。↓
 「・・・男装女装が許されなくなった歴史上の最初の転換点は明治だと思う。欧米に追いつこうと欧米の思想を輸入した際、「男は男らしく、女は女らしく」という規範が庶民にも広まった。
→欧米の男性(女性差別)原理を直輸入した、ということだ。(太田)
 次は、戦時体制になった昭和10年代から。「お国のために戦う」という時代で、男性が男性性を捨てることは許されなかった。
 第2次世界大戦後、それまでの軍の締め付けが緩み、1940年代後半から50年代にかけて女装の男娼(だんしょう)やゲイボーイが出てきたが、高度経済成長期を迎えると、再び女装のブームはしぼんでいく。
→本当にそうだろうか。どなたか、ご教示を。(太田)
 高度経済成長期は、24時間働く「企業戦士」という闘争的な男性像が一般的だった。企業戦士たりえない男性は社会から認めてもらえない。一方、女性は「一般職OL」という男性を補佐する存在。こうした「企業的なジェンダー」が社会を覆っていた。
→私の仮説は、縄文回帰が戦時に向けて行われたため、構築された日本型政治経済体制の正規成員(兵士・企業戦士)が男性である、という刷り込みが日本人になされ、それが現在まで尾をひいている、というものだ。(太田)
 明治、戦争、高度経済成長という三つの時代に共通するのは、社会が単一化しているという点。目標に向かって一丸となって戦うというときは、単一化圧力が強くなる。逆に言うと、多様性が失われた社会。そうした時代がいったん崩壊すると単一化圧力が弱まり、男装女装のブームが出てくる。
→明治維新で廃藩置県がなされたこと、敗戦で植民地が失われたことが日本社会の単一化を促進したことは確かだが、そのことと、日本型政治経済体制の正規成員が男性であることとは直接の関係はない。(太田)
 この10年の男装女装のブームは、60~90年代に築かれた企業的ジェンダー観の崩壊の表れではないか。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201308090375.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201308090375
(8月11日アクセス)
→昭和に入ってから現在まで縄文モードが維持されているのであって、「男装女装のブーム」なるものは、縄文モードの一兆表に他ならない。(太田)
 先の大戦での東南アジアでの日本の緒戦の勝利が大英帝国を崩壊させた理由が端的にマレーシアの現地ガイドの口から語られてるね。↓
 「・・・「日本人は幼少からサムライ精神をたたき込まれ、国のために命を捨てるのが潔いと教えられていた。旧日本軍が連合軍捕虜を酷使した理由は、多くの人命を救うためとはいえ、徹底的に戦わずに白旗を上げ、国や家族を侮辱した連合軍兵士たちは罪深い存在で、どうにも受け入れられなかったからなんです」と、ガイドのクェック・ジューリンさんは言います。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38445
 多くの支那人は日本が大好きだって記事をBBCが載せたぞ。
 (人民網の論調がそれを裏付けておるよ、BBCサン。)↓
 ・・・ a lot of Chinese people really like Japan.
 ”Here it is very safe, the air quality and water quality are good,” Ms Lin said “The food is great and Japanese people insist on very high standards. Also the Japanese government supports people who want to have children.” ・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-23462312
 臨死体験には脳科学的根拠があることが分かった。
 分かってみればなーんだってなもんだね。
 (もう日本語ウィキペディアに反映されている
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%A8%E6%AD%BB%E4%BD%93%E9%A8%93
ことには驚いたな。
 なお、このウィキペディアを読むと、臨死体験をして生還した人は、人間主義的になるんだねえ。)↓
 <まばゆい光を見たりや離脱体験をしたりする。↓>
 ・・・From bright white lights to out-of-body sensations and feelings of life flashing before their eyes, the experiences reported by people who have come close to death but survived are common the world over.・・・
 <心停止後のマウスの脳は一時的に全般的に活性化する。↓>
 In the rats, these electrical pulses were found at even higher levels just after the cardiac arrest than when animals were awake and well.
 ・・・it was feasible that the same thing would happen in the human brain, and that an elevated level of brain activity and consciousness could give rise to near-death visions.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-23672150
 統合失調症、鬱、双極性障害、自閉症、注意欠陥多動性障害を発症している人の17~29%に同一の遺伝子変異が見られることが分かった。↓
 ・・・known genetic variations account for 17% to 29% of the risk for schizophrenia, depression, bipolar disorder, autism and attention deficit/hyperactivity disorder (ADHD). And risk for one condition is often strongly linked with risk for others.・・・
 <統合失調症と双極性障害は特に相関度が高い。例えば、躁鬱のゆれと妄想・パラノイアは似ている。だから、時々相互に誤診される。↓>
 Bipolar disorder and schizophrenia were most highly correlated– a finding that jibes with both earlier research and the fact that the conditions can sometimes be mistaken for each other in the clinic. The latest data suggests that seemingly disparate symptoms– patients with bipolar experience extreme mood swings, while people with schizophrenia often suffer from delusions and paranoia — may not necessarily derive from different genes, but rather from different timing of exposures to risk factors, such as toxins or infectious disease during pregnancy, or early life trauma.・・・
 <同じ遺伝子群が、異なった状況下で異なった症状を生み出す、とも考えられる。↓>
 ・・・the same genes can produce different symptoms in different circumstances. ・・・
 <上記に次いで相関度が高いのが、双極性障害と鬱だ。↓>
 ・・・the association between depression and schizophrenia was almost as strong as that between bipolar and unipolar depression. ・・・
http://healthland.time.com/2013/08/12/common-genetic-ground-found-for-depression-schizophrenia-autism/
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太田述正コラム#6387(2013.8.13)
<日支戦争をどう見るか(その23)>
→非公開