太田述正コラム#6404(2013.8.22)
<皆さんとディスカッション(続x1998)>
<太田>(ツイッターより)
 「「韓国排除」が米女子ゴルフ界のホンネ 猛烈育成システムに“危機感”…」
http://news.livedoor.com/article/detail/7970362/
 米国における有色人種差別意識健在なり。
 だって、日本では彼女達に寛容でしょ。
 日本人の諸君、人間主義は長期的には必ず報われると信じようじゃないか。
 「…芥川は『周囲は醜い。自己も醜い。そしてそれを目の当たりに見て生きるのは苦しい』と感じ…<て>自殺<し>…た。振り返って中国の作家を想うと、彼らは周りの醜さだけを見て、己は活き活きと暮らしている。…」
http://j.peopledaily.com.cn/94473/8371579.html
「芥川」は人間主義的な日本人、「中国の作家」は利己主義的な中国人、就中中共当局、ということかな。
見事な韜晦ぶりであり、見上げた批判精神だ。
人民網あっぱれ。
<唯我独尊>
≫原発事故だけに許容度ゼロを主張するのはナンセンスだよ。≪(コラム#6402。太田)
 「あらゆる人間の営みは危険をはらんでおり、例えば、車の使用を許すかどうかは、人命を含むコストの許容度を勘案してなされている」と被爆者の「死」について述べられていましたが、このような見解は、たとえ正論ではあっても被爆者自身にとっては受け入れ難いものだと思います。
 しかしながら 太田さんの考え方に同じ思いでいます。
 ちなみに、『厚生労働省:死因順位』によると
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth8.html
日本人の死因は、
第一位 悪性新生物(癌など)
第二位 心疾患
第三位 脳血管疾患
第四位 肺炎
第五位 老衰
となっており、被爆者の怯える気持ちも痛いほど伝わってきます。
 ところで先日、ある医者と話題になったことは、病による死因を取り除くことができた暁には「老衰」と戦うことになるということでした。
 笑い話にも聞こえましたが、秦の始皇帝の気持ちも理解できるようでした。
<sato>(ツイッターより)
≫日本人の<甲状腺癌の>発症率がどれくらいなのかを知りたいところだ。≪ (コラム#6402。太田)
 今回の「被爆者」36万人中発症者18名、ということは発症率0.005% これについてだけれど、【甲状腺がんは珍しい病気で、子どもに甲状腺がんができる可能性は、通常では「100万人に1人」だというのが通説です(検討委の鈴木真一・福島県立医大教授)】
 自分のような素人があちこちの数字を寄せ集めて検証しても、結局はどれかを「信仰」する形で自己完結する事になりがち。
 まして今回の罹患18人の病状など知る良しも無い。
 現場にいた親の心情を思うのがせいぜい。
 甲状腺癌の発症は四年後からだと広く言われているけれど、これだって、一年後から通常の発生とは異なる罹患報告がある。
 初動でヨウ素を配布しなかった行政の不手際が悔やまれるけれど、誰が当時の責任をとったか、国民は全く承知の外。まして菅さんに反省など見られない。
 太田さんが 、「人命を含むコストの許容度を勘案してなされている。 原発事故だけに許容度ゼロを主張するのはナンセンスだよ。」 と、いう通りなのだけれど、避けられたかもしれないリスクを、まざまざ逃したと思う親心は実に切なく、理解できる。
 正しい情報とは何か、誰が発信すべきなのか。
 己の保身や利得や利権に事実が封印される事の無い正義感に基づく情報を、おそらくは福島県民ひいては日本国民は欲していると思うにつけ、お寒い情報がマスメディア発で出るのみの現状がとっても不幸だと思う。
<iVQxgWYM0>(「たった一人の反乱」より)
 ナンセンスは貴様だ愚か者。
 福島原発、汚染水の外洋流出濃厚 東電「否定しない」 
http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082101001806.html
 原発推進派の愚か者共は現実を見て猛省せよ。
<太田>
 やれやれ、親から言葉遣いのしつけ教育も受けていないと見える。
 いずれにせよ、「直接外洋に流出していたとすれば、より深刻な事態だが、既に海水に混ざって<放射線量の>確認は困難」という程度のハナシだろが。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 「8月15日にNHKが放映した「戦後68年 いま“ニッポンの平和”を考える」という番組<で、>・・・歴史家の半藤一利氏<は、>・・・「近現代史を学べ! きちんと日本の近現代史を学べば、日本の地形は軍事力によっては守れないことが明らかになる。日本の防衛のために軍事力を強化する必要などない」という主張<をした。>・・・
→これは論外。(太田)
 佐藤鉄太郎は、・・・大著『帝国国防史論』・・・の中で、「四囲を海に囲まれている島嶼国家の国防は、第一義的には強力な海軍力により維持することになり、強力な陸軍力と海軍力の双方によって国防を維持しなければならない海岸線も陸上国境も共に有するロシアのような大陸国家に比べると、軍事経済的に極めて有利である」という主張を古今東西の戦史を例示して説明し、日本の国防は“海主陸従”の原則によらなければならないと主張した。・・・
→核戦力じゃあるまいし、海軍力を主とするだけで(すなわち、朝鮮半島に陸上防衛拠点を設けずして)当時の日本防衛は不可能だった。また、当時のアジア大陸東部の日本の経済上の重要性を無視している(=日本が自由に貿易や投資ができなくなったら日本経済が立ち行かなくなる)。決定的なのは、佐藤の議論には人間主義的観点が欠如していることだ、すなわち、周辺諸国もロシアから守ってあげようとしたことは当然。(太田)

 現在、アメリカ海軍内部の幹部教育などでは、「佐藤鉄太郎などが唱えた海軍至上主義的国防戦略に則って強力な日本海軍が建設されていれば、アメリカ海軍は日米開戦には踏み切れなかった。もっとも、その場合には、満州や中国に大規模に展開する日本陸軍は存在しなかったであろうから、日米間に干戈を交えるほどの対立は生じなかったであろう」といった具合に、佐藤鉄太郎をはじめとする“海主陸従”構想を評価している。・・・」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38507
→ホントにそんな教育をしているのかどうか知らないが、「日米間に干戈を交えるほどの対立」が生じた理由はそんなところにはない。(「日支戦争をどう見るか」シリーズが公開された時に読んでね。)
 アサド政権がダマスカス市東部の反体制派拠点を化学兵器で大規模攻撃したらしい。↓
 Hundreds of people are believed to have been killed in an apparent gas attack on rebel-held parts of eastern Damascus that is thought to be the most significant use of chemical weapons since thousands of Kurds were gassed by Saddam Hussein in Halabja 25 years ago.
 <死者は200から1400超まで、様々な見積もりが出ている。↓>
 Medics, as well as opposition fighters and political leaders, said the death toll had reached 1,400 and was likely to rise further with hundreds more critically wounded in districts besieged by the Syrian military. Other estimates put the current death toll at between 200 and 500. None of the figures could be independently verified.・・・
http://www.theguardian.com/world/2013/aug/21/syria-conflcit-chemical-weapons-hundreds-killed
 <ワシントンポストは社説で、オバマ政権に軍事介入を要求。いつまで全球的覇権国のつもりでいるのさ。アホちゃうの?↓>
The United States should be using its own resources to determine, as quickly as possible, whether the opposition’s reports of large-scale use of gas against civilians are accurate. If they are, Mr. Obama should deliver on his vow not to tolerate such crimes — by ordering direct U.S. retaliation against the Syrian military forces responsible and by adopting a plan to protect civilians in southern Syria with a no-fly zone.
http://www.washingtonpost.com/opinions/syrian-attack-should-prompt-us-investigation-into-chemical-weapons/2013/08/21/92d263f4-0a7b-11e3-8974-f97ab3b3c677_story.html
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太田述正コラム#6405(2013.8.22)
<日支戦争をどう見るか(その31)>
→非公開