太田述正コラム#6446(2013.9.12)
<皆さんとディスカッション(続x2019)>
<太田>(ツイッターより)
「<企画>「日本おめでとう!」2020年夏季五輪が東京に決定…」
http://j.peopledaily.com.cn/206603/8395831.html
いじらしいまでのゴマスリぶりであるな。
よちよち。
「…福沢諭吉が提出した「脱亜論」は日本の思想史に対して深く影響を与え、… 「脱亜入欧」(後進世界であるアジアを脱し、ヨーロッパ列強の一員となる)の機運が盛り上がった後、…岡倉天心は「アジアは一つ」とするアジア主義を打ち出し、日本と中国とインドは文明的にも共通性があることを強調した。この2つの見たところ相反する思想は…第2次世界大戦において完全に結合する。これが、大東亜共栄圏のイデオロギー、すなわち「満州・中国と同盟し、アジアを統一して、アングロサクソンの世界に対抗しよう」というものだった。…」
人民網の記者による、対話に値する鋭い分析だな。
http://j.peopledaily.com.cn/94473/8396555.html
明日<(12日)>、僕のコメントを「ディスカッション」に載せるけど、君ならどんなコメントをするかい?
<太田>
この記者、大東亜戦争のイデオロギーを構築しようとした京都学派(コラム#6397。未公開)の勉強もしてると思うなあ。
それにしても、日本の侵略といった言葉を全く使わず、できるだけ客観的に当時の日本人の考え方を紹介しようとしている点は出色ですね。
というか、やはり、中共当局は、日本とよりを戻そうとしているのではないでしょうか。
それにしても、日支戦争ではなく太平洋戦争(第二次世界大戦)に焦点をあてることで、東アジアにおけるこの一つながりの戦争を日本が一貫して対ソ抑止のために戦ったことに言及しないで済ませているのは、恐らく意図的であったのでしょうが、巧妙です。
それでは、その他の記事の紹介です。
シリアのアサド政権に化学兵器を放棄させるとのロシアの提案をアサド政権が「受け入れた」が、実行可能性が物理的にない、というオハナシ。↓
Russia’s proposal for Syrian President Bashar al-Assad to place his chemical weapons under international supervision and then destroy them is quickly gaining steam. ・・・
There’s just one problem: the plan would be nearly impossible to actually carry out. ・・・
http://thecable.foreignpolicy.com/posts/2013/09/10/theres_almost_no_chance_this_russian_plan_for_syrias_chemical_weapons_will_work
私が、「日支戦争をどう見るか」シリーズ(未公開)で彼の新著を俎上に載せ、台北タイムスに掲載された彼のコラムにも反論投稿を行った(コラム#省略)ところの、ミター(RANA MITTER)が、今度はフォーリンポリシー誌にコラムを掲載したので、これにも反論投稿をしておいたよ。↓
<支那と米国は同盟国としてファシズムと戦っただと。↓>
China and the United States really were allies in the battle against fascism・・・
<日本帝国主義による満州占領は支那侵略企図が露呈したものだと。↓>
・・・an ever-more aggressive Japanese imperialism, with the occupation of Manchuria in 1931 the clear signal that Tokyo had aggressive designs on China.・・・
<蒋介石が真珠湾より前に降伏していたら支那は日本の植民地になってただろうだと。そうなっていたら、引き続き日本は東南アジアどころかインドまで進出しただろうだと。↓>
If they had surrendered <in 1941> — or even earlier, in 1938 — China would have become a Japanese colony, and Tokyo could have moved much earlier against Southeast Asia or even British India, making Allied victory in the Pacific far more difficult. ・・・
<米国は、1942年2月に渋る蒋介石を対日ビルマ戦線に派兵させた。↓>
Stilwell pressured Chiang into taking part in an ill-advised dash to recapture Burma from the Japanese in February 1942. ・・・
<1944年6月、当時の駐重慶米国大使は、米国政府に対し、上記を批判するとともに、そもそも米国が蒋介石に武器を十分提供していないと訴えた。↓>
Even Clarence Gauss, the U.S. ambassador to wartime China, and no friend of Chiang’s, noted in a message to Washington in June 1944 that critics might upbraid the United States because “we have not supplied the Chinese with arms” and “that the excursion into northern Burma was a mistake.” ・・・
<共産党はこれまで蒋介石の功績を認めなかったが、台湾戦略もこれあり、最近変化がみられ、米国が蒋介石を蔑ろにしたことに批判の声を挙げ始めた。↓>
In recent years, however, the situation has changed radically. Chinese scholars have been given leeway to examine the war with more nuance (in part because politicians thought that being more favorable toward Chiang Kai-shek’s memory might aid reunification with Taiwan), and it is now quite common to see praise for Chiang’s contribution to the war effort in the mainland.
Yet this more sympathetic attitude within China toward the old Nationalist enemy has had an unexpected effect: the creation of a new sense of resentment about America’s record as China’s wartime partner. Chinese analysts have begun to link the treatment of Nationalist China with contemporary American attitudes in international society.・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/09/11/bad_manners_us_china_relations_wwii?page=full
私の反論投稿は以下の通り。(<>内は、本ディスカッションのために私が要約等を行ったもの。)
This is half-baked revisionism.<蒋介石の「功績」を持ち上げる等、歴史の修正主義的見方だが、不十分だ。>
>China and the United States really were allies in the battle against fascism
→Japan was a liberal democracy. Whereas Nationalist China was fascist.<日本は自由民主主義国であり、蒋介石政権はファシスト政権だった。>
>・・・an ever-more aggressive Japanese imperialism, with the occupation of Manchuria in 1931 the clear signal that Tokyo had aggressive designs on China.・・・
If they had surrendered then — or even earlier, in 1938 — China would have become a Japanese colony, and Tokyo could have moved much earlier against Southeast Asia or even British India, making Allied victory in the Pacific far more difficult. ・・・
→Sheer fantasy . Japan was simply pursuing deterrence strategy against communist Russia.<ばかこけ。日本は共産主義ロシアに対する抑止戦略を追求していただけ。>
>Chinese analysts have begun to link the treatment of Nationalist China with contemporary American attitudes in international society.・・・
→This is simply the precursor of coming eruption of rage by the Chinese people toward America, who crushed Japan’s afore mentioned deterrence strategy and then sold China to the cruel Mao. <(最近の中共における当時の米国への批判は)来たるべき支那の人々の、日本の上記抑止戦略を粉砕し、支那を狂った毛沢東に売り渡した米国に対する怒りの噴出の前兆さ。>
上記投稿に対して、誰かの投稿がなされていたけれど、意味がイマイチよー分からん内容。
次の記事だ。
米国政府が反日親中の韓国にうんざりしてる様子が窺えるね。↓
「・・・2012年11月に米・戦略国際問題研究所のエドワード・ルトワック(Edward N. Luttwak)上級アドバイザー・・・は・・・以下のように書いた。
–卑日で現実逃避する韓国–
・韓国は米国には北朝鮮による全面戦争への抑止力を、中国には一時的な攻撃に対する抑止力を依存している。だがこれは、米国にとって満足できる状況ではない。韓国を守るリスクとコストを独力で負わなければならない半面、韓国への影響力は中国と折半せねばならぬからだ。
・韓国の安全保障面での責任逃れの姿勢は「日本との争いを欲する熱意」という歪んだ形で現れる。韓国沿岸での中国漁船による不法操業が拡がり、同胞(海洋警察官)が殺されようと、韓国はいつもの、まったく無害の標的に怒り続けている。「従軍慰安婦」を示す、上品ぶった韓国人少女の像がソウルの日本大使館の前に設置された。
・こうした現実逃避は国際政治に携わる実務家の力や同盟国としての影響力を損なう。さらに、実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130910/253197/?n_cid=nbpnbo_mlt&rt=nocnt
皆さんとディスカッション(続x2019)
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