太田述正コラム#6664(2013.12.30)
<皆さんとディスカッション(続x2128)>
<太田>(ツイッターより)
「韓国:防衛交流協議取り消し 首相の靖国参拝受け…」
http://mainichi.jp/select/news/20131229k0000e030147000c.html
具体的抗議行動を取ったのは米韓。中共は、いつもの海警船尖閣領海侵入のみ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131229/crm13122916280004-n1.htm
ってことは口先抗議だけということ。
もう明白。
「中国、反日カード出尽くし? 連日批判もデモなし 国内安定優先…」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131229/chn13122922200008-n1.htm
プッ、産経が当惑しとるねえ。
「…70年前、大日本帝国は「大東亜共栄圏」という夢を掲げて太平洋で米軍と戦い敗北した。…」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131230/chn13123003240001-n1.htm
という(村井友秀さんが語るところの、日本の「右」に共通する)俗論歴史認識を克服しない限り、その当惑は解消できないぜ。
それにしても、来年、東アジアがどうなるのか、ワクワクするねえ。
<名無しさん@安全保障>
コラム#6652においてお答え頂きありがとうございました。
≫この「外交的保護」とは何を指すのでしょうか?≪(コラム#6652。)
≫「協力」と「安全保障<の提供>」です。「安全保障<の提供>」の方法には「外交」と「軍事」が含まれますが、「軍事」抜きでももちろんかまわないわけです。≪(コラム#6652。太田)
具体的にはどのような「協力」や「安全保障<の提供>」があるのですか?
→ボカァ自動無償回答機械じゃあない。
ここ、自分がどんだけ恥晒しの質問をしてるのか分かんないのか。
喝!(太田)
新しい疑問が3つ浮かびましたのでお答え頂けたら幸いです。
ANZUS条約(オーストラリア,ニュー・ジーランド及びアメリカ合衆国の間の三国安全保障条約)
第四条
各締約国は、太平洋地域におけるいずれかの締約国に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19510901.T1J.html)
北大西洋条約
第五条
締約国は、ヨーロッパ又は北アメリカにおける一又は二以上の締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなすことに同意する。
したがつて、締約国 は、そのような武力攻撃が行われたときは、各締約国が、国際連合憲章第五十一条の規定によつて認められている個別的又は集団的自衛権を行使して、北大西洋 地域の安全を回復し及び維持するためにその必要と認める行動(兵力の使用を含む。)を個別的に及び他の締約国と共同して直ちに執ることにより、その攻撃を 受けた締約国を援助することに同意する。 (後略)
(http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19490404.T1J.html)
ANZUS条約では発動要件が「自国の憲法上の手続きに従つて」となっており、北大西洋条約では「そのような武力攻撃が行われたときは、(略)直ちに執る」となっている。
≫日米安保に基づく「協力」や「安全保障」ですら、「自国の憲法上の手続に従つて」行われるわけですから、米議会が反対すれば、大統領はできないのですから、米国は何の義務も法的には日本に負っていません。≪(コラム#6652。太田)
ということだから、ANZUS条約は(新日米安保条約や米比相互防衛条約、米韓相互防衛条約と同じように)締約国に自動参戦義務を課したものではなく、北大西洋条約は締約国に自動参戦義務を課したものである。
という認識は正しいのでしょうか?(疑問1)
→先ほどの最初のセンテンスと同じ。
サービスでちょっとだけ言えば、条文をちゃんと読めってんだ。
北大西洋条約だって、「必要と認める行動(兵力の使用を含む。)・・・を・・・執る」というのだから、「必要と認め」なかったら何の行動も執らない余地すら残しているし、何らかの行動を執ることにした場合でも、「兵力の使用」以外の行動を執ることだってできるんだからな。(太田)
また、米国が結んでいる条約で自動参戦義務を課しているものは北大西洋条約以外にあるのでしょうか?(疑問2)
また、なぜ北大西洋条約とその他の条約(新日米安保条約、米比相互防衛条約、米韓相互防衛条約、ANZUS条約)にこのような差があるのでしょうか?(疑問3)
宜しくお願い致します。
→宜しくもくそも先ほどの最初のセンテンスと同じ。
なぜ差があるかについて、自分で調べて仮説を立てた上で、なお質問する必要があると思った場合に限り、再度、その仮説を踏まえた質問をするのが礼儀ってもんだ。(太田)
すみません、過去コラムを見ていたら疑問を抱いた箇所があったので質問させて下さい。
≫(広く世界を見渡しても、外国軍の駐留経費を負担している独立主権国家は、日本と韓国・・近傍の日本に米国によって強引に倣わされた・・以外は皆無であるわけはこういうことなのです。)≪(コラム#491。太田)
これはどういうことなのでしょうか?ドイツや他の国も駐留経費を負担していると思っていましたが…
国防総省の報告書(http://www.defense.gov/pubs/allied.aspx)にも、例えばU.S. Cost Offset Percentagesとしてドイツや他の国が駐留経費を負担している旨書いてあります。
何か含意があるのでしたらご教授ください。
→てめー、ひょっとして大学かシンクタンクでレポートの作成を命ぜられてて、ボクにその助手役をやらせてんじゃないけ?
英語文献を提示するってーことは、英語が少しはできんだろ。
Cost sharing dataの定義のところくらいは読んでから質問しろ!
バッカモン。(太田)
<太田>
ボクが今回指摘したことを全部ちゃんと理解するまでは、2度と投稿すんなよ。
さてと、フォーリン・ポリシー誌の件の記事への投稿についてだが、もともと低調であったところ、ボクの投稿以降も、投稿は2つだけで閑散としているね。
http://blog.foreignpolicy.com/posts/2013/12/28/yasukuni_shrine_pearl_harbor_abe_september_11
そもそも、靖国問題等に関心がないのか、ボクの投稿に口(くち)ポカーンなのか。
一発目は、ヒステリックな罵倒だ。
<urnotgodhito>
<敗北した時の我々による扱いに感謝しろい。日本は永久にオレ達に綱でつながれてなきゃならんのさ。↓>
Japan should grateful that they did not receive the treatment that they had in store for us when defeated in WW2.Japan must remain on a leash ALWAYS.
<さもないと何をしでかすかはご承知の通りだ。↓>
You have already shown earth how you operate unleashed.
<卑怯な騙し討ちをしやがって。だからNSA等が必要なんだ。↓>
And we have seen nothing but unhonorable, cowardly sneak attacks from you.Japan is reason we need intelligence agencies.
<八紘一宇。↓>
Hakko Ichiu
<日本対全地球。↓>
Japan vs earth.
二発目は、直接ボクを名指ししてないが、内容的にはボクの投稿を受けたものだ。
遊就館史観がボクの述べた史観とは違うことを彼は知ってるね。↓
<Michael Griffin>
<オバマが靖国参拝に踏み切ったらどうしよう。遊就館がインチキ史観を並べ立ててるのに・・。↓>
I wonder what would happen if our President visited Yasukuni himself–paying respects to their war dead but also noting biases, inaccuracies and falsehoods in their museum’s take on the war
それでは、その他の記事の紹介です。
まず、昨日の取り残し分から。
支持率が下がらなかったってのは安倍首相にとっては大成功だな。↓
「・・・首相参拝について「よかった」との回答は43.2%だったのに対し、「よくなかった」は47.1%と、批判的な意見が多かった。安倍内閣の支持率は55.2%と、横ばい。・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20131230k0000m010022000c.html
NYタイムスが、安倍政権の教科書政策を非難する記事を載せた。
南京事件の死者数と慰安婦の強制性について当たり前の記述にすることをあげつらってんだ(けど、ひでーもんだ)。↓
http://www.nytimes.com/2013/12/29/world/asia/japan-fights-a-political-battle-using-history-texts.html?hp
関連資料として、「左」系と「右」系の中学校歴史教科書の憲法等についての記述ぶりを対照させている。(それが何かってカンジだな。)↓
http://www.nytimes.com/interactive/2013/12/27/world/asia/A-Shifting-View-of-Japanese-History.html
オバマ政権がいかに中共当局と仲よくやってきたかがよく分かる記事だ。
リムパック演習にも入れたし、TPPにも招待したし・・。
(一人調子っぱずれなのが、安倍秀秋クンの中共包囲外交だ。)↓
http://www.latimes.com/opinion/commentary/la-oe-hachigian-u-s–china-relationship-20131227,0,666640.story#ixzz2oq1oHl9a
中共で人民公社を再結成した村があるんだね。
まあ、イスラエルにもキブツがあるからねえ。↓
http://www.theguardian.com/world/2013/dec/26/nanjiecun-commune-capitalism
次に、本日分です。
おお、虎ちゃんは人間主義者だったー。↓
「・・・徳田はいつものように文字盤を通してこう語ったという。
「ひとの ために つくさずに なにが じんせいか せかいじゅうに びよういんを つくる それに じんせいは いつまでも すりるが なくちや」・・・」
http://book.asahi.com/ebook/master/2013122500024.html?ref=comtop_fbox_d2
ああ、ここにも旧日本帝国臣民同士の麗しい連帯が。↓
「・・・韓国の民主労総が親北朝鮮・左派であることは周知の事実である。・・・
その民主労総傘下の主要労組である韓国鉄道公社労組と、日本の過激派、革マル派が浸透しているとされるJR総連が共闘態勢を取っているという事実。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/131230/kor13123007010001-n1.htm
朝日に続き、同じ「左」の毎日が「右」の『永遠の0』宣伝の片棒を担ぐ。
明日あたりには、「左」三兄弟の末弟の東京新聞が続くかな。↓
「ゼロ戦:原寸大模型、駅前に登場--30日まで 鹿児島・・・」
http://mainichi.jp/select/news/20131230k0000m040062000c.html
ハーヴァード大のルトワク、村井友秀さんのよりはマシだが、傑作なハズレ分析をしてるな。↓
<米艦カウペンスに挑んだり、尖閣で挑発行動をとったり、という万一軍事衝突が起きたら、それぞれ、米軍と自衛隊に一方的に叩きのめされるというリスクのある火遊びを中共はやり出した。↓>
・・・the USS Cowpens was monitoring・・・China’s first aircraft carrier・・・from a safe distance from the Dec. 5 incident occurred, today’s Chinese navy is nothing more than a set of easy targets for America’s aircraft carriers and attack submarines. The USS Cowpens itself is a near 10,000-ton missile cruiser.
Likewise, Japan’s navy could sweep the seas around the Senkakus of any intruding Chinese coast guard or naval vessels, including the entire Liaoning flotilla. So why is Beijing risking humiliating defeat?・・・
<また、突然、インド国境や南シナ海、東シナ海で領土攻勢に出て来た。↓>
Beijing abruptly revived its long-dormant claim to most of the Indian state of Arunachal Pradesh, rebuffed friendly overtures from Japanese politicians and instead demanded the Senkakus, and declared ownership of vast portions of the South China Sea hundreds of miles from any Chinese coast but well within the exclusive economic zones of the Philippines, Brunei, Malaysia, Indonesia and Vietnam.・・・
<おまけに、防空識別圏の設定までやってのけた。↓>
China’s bombastic proclamation last month of an Air Defense Identification Zone that overlaps with both Japan’s and Korea’s, may even improve the fraught relationship between those two countries. ・・・
<(今まで中共の経済政策も対外政策も見事なものだったが、)ついに中共もアホになり、1914年以前のドイツの轍を踏み始めた。↓>
Unfortunately, the actual evidence so far is that we are witnessing a prolonged outbreak of feckless nationalism and militarism that evokes the sinister precedent of pre-1914 Germany.・・・
http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303345104579286480552285954
→もう諸君もお分かりのように、インド、東南アジア諸国、そして米国に対する挑発は、日本に対する挑発の刺身のつま、いや、イチジクの葉、なんだわさ。
日本がどうしても再軍備・独立してくれないので、そこまで中共は思いつめてるってことなんよ。(太田)
習近平が突然北京のファーストフード店に現われて、列に並んでカネ出して買って店内で食べた、というのが大ニュースになってた。
習ちゃん、パーフォーマンスにしても、なかなかやるじゃないの。↓
http://www.theguardian.com/world/2013/dec/29/chinese-president-xi-lunch-bun-shop
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太田述正コラム#6665(2013.12.30)
<『チャイナ・ナイン』を読む(その5)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2128)
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