太田述正コラム#6792(2014.3.4)
<皆さんとディスカッション(続x2192)>
<太田>(ツイッターより)
 「生まれつきの音痴、人の気持ちが分からない…」
http://j.people.com.cn/94475/8551923.html
 音痴は人間主義者になれないってことか。
 だけど、人民網がネイチャー誌(の一つ)に載った研究成果を紹介してるんじゃ、二重に眉に唾を付けなくっちゃ。
 おお失礼、そんな偏見はよろしくないな、と反省。
 クリミアのウクライナ海軍司令部で、新旧司令官の「交代式」が行われた。
 後任が、先任はキエフ政府によって解任され大逆罪の嫌疑がかけられている旨発言する一方で、先任は、改めて露(前ウクライナ大統領)側への寝返りを呼びかけた。
 結果は、一人も先任に従う者はなかったとさ。
 この司令部、露軍に占拠されているのではなく、一時、先任に先導されて露特殊部隊が構内に入り、あえて誰も武力抵抗をしなかった、というだけのことだったらしい。
 どうやら、今は、露軍はこの司令部を取り囲んでいるだけのようだ。
 なお、露艦艇群がウクライナ艦艇群を取り囲んでいるという。
 プーチンに次の手はあるんだろうか。
 ウクライナ軍がこれほど結束が強く、自制心もあるんじゃ、プーチンの負けか。
http://www.theguardian.com/world/2014/mar/03/ukraine-navy-officers-defect-russian-crimea-berezovsky
<太田>(Mixi太田コミュより。2014年03月03日 22:35)
 プーチンのクリミア侵攻のおかげか、ついに<僕のツイッターのフォロワー数、実に11か月かかって10名増えて>1280名<に>。
<太田>(ツイッターより)
 「…ロシア黒海艦隊のビトコ司令官がウクライナ南部クリミア半島に展開する同国軍に対し、投降を求めた…ウクライナ南部クリミア半島のベルベク軍用空港で同国空軍部隊が親ロシアの自治共和国側に投降した…」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140304/erp14030407260001-n1.htm
 前段は露国防相によって否定されているし、後段は、報じられてないぞ。
http://www.theguardian.com/world/2014/mar/03/ukraine-crisis-russia-control-crimea-live
 産経は宗主国サマの広告塔であり続けることだけでは飽き足らず、露の諜報員までかって出たと見える。
 おい、冗談じゃないぞ。
 恥を知れ!
<太田>
 毎日も、産経同様の誤り2点セットを含む記事を掲載していたね。
 「右」も「左」も真っ暗闇でござんす。↓
http://mainichi.jp/select/news/20140304k0000m030157000c.html
<太田>(ツイッターより)
 「ロシア黒海艦隊が最後通告否定 ウクライナの情報操作示唆…」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014030401001130.html
 一見産経よりまともそうだが、これも露の諜報に踊らされている点では同じ。
 在クリミアのウクライナ軍基地には、それぞれ、露側から、期限等がまちまちの最後通告が発せられているからだ。
 その中には既に期限を過ぎたものもある。
 (先ほどのガーディアン記事参照。)
 有事には政府だって嘘をつく、いや、有事に対処するためには嘘はつきものであること、とりわけ、専制的政府の流す情報は常に疑ってかかる必要があること、を日本のマスコミ人は肝に銘じてもらいたい。
 やれやれ。
<野良猫@祈NHK再国有化>(同上)
 大元である政府に嘘つかれたら、いくらネットで情報漁りしても無駄やんw
<太田>(同上)(間違えて、自分自身に答えちゃった形になってる。)
 若干誤解が? 相手のある有事の場合は、心理戦を行うことになり、それには欺騙工作も含まれるってことを言ってるんだよ。
<太田>(同上)
 「米、対ロ制裁「幅広く検討している」 …欧州連合(EU)も6日、臨時首脳会議を開き対ロ制裁を検討する見通し。…」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140304/amr14030409050000-n1.htm
 これも共同/産経の誤報だ。
 独等は露にガス供給で依存しており、英はシティーの超国家的金融機能が損なわれることを懸念し、経済制裁に反対しており、米は孤立している。
http://www.theguardian.com/world/2014/mar/03/ukraine-crisis-us-europe-putin-crimea
 日本政府は諜報機関を持っておらず、外務省も無能なわけだが、日本の主要マスコミもひどすぎる。
 全く取材能力も分析能力もないね。
 もはや嘆息を通り越して絶望のみ。
<野良猫@祈NHK再国有化>(同上)
 NSCわ?
<太田>(同上)
 NSCは対外諜報機関じゃあないよ。
<Wf1hd19o>(「たった一人の反乱(避難所)より)
 若山教授「STAP細胞が簡単にできるというのは小保方氏の誇大広告だった」理研が詳細な作成方法公開へ
http://sp.mainichi.jp/select/news/20140302k0000e040115000c.html
 小保方氏の「簡単」という言葉の綾が原因?
 いずれにしろマスコミは、(ウクライナ情勢などについての報道も)猛省すべき。
<太田>
 まだまだ、報道ぶりが及び腰過ぎらあ。
 読売にも記事が出てたね。↓
 「STAP論文、迅速な調査結果公表を…学会要求・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/8593532/
 また、自民の米事大主義病がぶり返したか。↓
 「河野談話の検証、見直しに直結せず…菅官房長官・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140303-OYT1T01018.htm?from=ylist
 習近平のドイツ訪問の際、ホロコースト関係施設への公式訪問は盛り込まれないことになったってさ。ドイツ側が拒否したんだね。↓
 ・・・ a visit to the Memorial to the Murdered Jews of Europe — Berlin’s largest Holocaust memorial — requested by Beijing will not be part of the itinerary of Xi’s trip at the end of March. German Chancellor Angela Merkel has also declined to accompany Xi to the Memorial to the Victims of Fascism and Militarism, a smaller monument across from Humboldt University known as the Neue Wache. ・・・
 <中共側だけで勝手に行くのは自由とさ。↓>
 ・・・of course, welcome to visit World War II memorials on his own time.・・・
http://www.spiegel.de/international/germany/no-holocaust-memorials-for-china-president-xi-on-trip-to-berlin-a-956574.html
 在英日本人男性が英語で書いた自筆の絵入り小説を絶賛している書評だ。↓
http://www.theguardian.com/books/2014/mar/03/just-so-happens-review-fumio-obata-graphic
 苗字分析でもって、日本で、現在でも武士の子孫が幅を利かせていることが分かった。↓
 Some 140 years after the samurai gave up their swords, their descendants still enjoy an edge in Japanese society.
 That’s according to a new study, which finds that people carrying surnames associated with Japan’s feudal ruling class tend to be overrepresented among those high up on the social ladder today.・・・
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/03/04/samurai-spirit-progeny-of-japans-warrior-elite-retain-edge-today/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
 欧州の啓蒙主義哲学者達も、ドイツ観念主義哲学者達もドイツ浪漫主義哲学者達も、そしてマルクスも、はたまた、20世紀の欧米の近代主義者達も、(キリスト教の)神観念から脱することはできなかったとさ。
 (私のかねてからの指摘通りであり、欧州じゃ、神が形を変えただけなんよ。
 もっとも、こう書いた人間の結論はひどい・・欧米におけるキリスト教の復活・・けどね。)↓
 ・・・First there were the fabled philosophers of the Enlightenment, leading the charge against priestly infamy and angels-on-a-pin theology; but none of them could envisage a world without God, even if they preferred to worship him in the guise of reason or science. Any damage they may have done to religion was repaired by the German idealists with their woolly notion of spirit, and by their followers the romantics, who reinvented God as either nature or culture. You might think that Marx made a better job of deicide, but on close examination the communist hypothesis turns out to have been a surrogate for the heavenly city. And poor old Nietzsche, for all his bluster and derring-do, ended up resurrecting Christ in the form of the Ubermensch. The 20th-century modernists fell into the same trap, vainly appealing to art to plug “the gap where God has once been”, and if a few freaky postmodernists have managed to break away from religion in recent years, it was at the price of a complete denial of hope and meaning, which no one else is willing to pay.・・・
http://www.theguardian.com/books/2014/feb/27/culture-death-god-review-terry-eagleton
 科学的に誤った観念を持ってる人間を矯正してやろうとどれほど他人が試みても、かえって逆効果であることが分かった。
 (キリスト教徒やオウム真理教信者のマインドコントロールを解いてやろうとするのは逆効果だってことだな。相手が拒否しないことが前提だが、座禅をやらせるのがやっぱ最適じゃないかな。)↓
 ・・・This reaction, where people become more assured of their stupid opinions when confronted with factual or scientific evidence proving them wrong, has been demonstrated in similar studies time and time again.・・・
http://www.slate.com/blogs/xx_factor/2014/03/03/effective_messages_in_vaccine_promotion_when_it_comes_to_anti_vaxxers_there.html
http://www.bbc.com/news/world-asia-26413101
 以下は、ウクライナ問題がらみの記事だ。
 露・ウクライナ両軍の配備状況等が分かる記事だ。↓
http://www.bbc.com/news/world-europe-26421703
 米黒人評論家が、さんざ同じこと・・他国への(国際法違反の)軍事介入・・を世界中でやらかしてきた米国が、プーチンを、今度のことで批判するわけにはいかないとした上で、クリミアをロシアにくれてやることしか解決方法はない、と勇気ある主張をしている。↓
 ・・・the United States, frankly, has limited standing to insist on absolute respect for the territorial integrity of sovereign states.
Before Iraq there was Afghanistan, there was the Persian Gulf War, there was Panama, there was Grenada. And even as we condemn Moscow for its outrageous aggression, we reserve the right to fire deadly missiles into Pakistan, Yemen, Somalia and who knows where else.・・・
 ・・・if Putin is being smart, he will offer a solution: Russia gets sole or joint possession of Crimea. ・・・
 Sadly for Ukraine, but realistically, that may be a deal the world decides to accept.
http://www.washingtonpost.com/opinions/eugene-robinson-with-ukraine-crisis-the-us-has-a-credibility-problem/2014/03/03/f8f6a58a-a311-11e3-8466-d34c451760b9_story.html
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太田述正コラム#6793(2014.3.4)
<江戸時代における外国人の日本論(その9)>
→非公開