太田述正コラム#6982(2014.6.7)
<皆さんとディスカッション(続x2287)>
<太田>(ツイッターより)
韓国の高校生達は、幸福にとって一番重要なものは、カネ(19.2%)、学業成績(18.7%)、家庭内調和(17.5%)、自由(13%)と答えた。
ちなみに、韓国の子供達の幸福度は世界100カ国中74位。
http://english.chosun.com/site/data/html_dir/2014/06/06/2014060600493.html
韓国が儒教の国だなんて、誰が言った?
<太田>
<USさん、レジメ中の>板倉勝重のところを、以下のように拡充<してください>。
板倉勝重:法令、先例に羈束されない司法/行政 (コラム#5105、6717参照)
江戸町奉行(2名)
警察・司法:奉行→与力→同心→小者・手先(アルバイト)
一般行政 :奉行→町年寄→名主→地主→家主
(若桜木虔『誰も書かなかった 江戸町奉行所の謎』)
・・・
<TA>
・・・<レジメの中の「>米は反当収量が他の穀物、とりわけ小麦に比べても、ダントツに高い。<」ですが、>・・・例えば(新世界原産の)とうもろこしは「それまでの穀物に比べて圧倒的に高い収穫率」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%83%A2%E3%83%AD%E3%82%B3%E
3%82%B7
らしいです<ので>、話がややこしくなるので、「他の穀物」に言及するのはやめて小麦との比較だけでいいのでは、と思います。参考。↓
主食
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E9%A3%9F ・・・
<太田>
ご指摘のように変えましょう。
なお、米は、栄養的に、そして連作可能性の点で、トウモロコシより優れていますね。
「トウモロコシ主体の食事ではナイアシン欠乏によりペラグラの発症リスクが高まり、白米主体の食事ではビタミンB1欠乏により脚気を患う恐れが高くなる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%BB%E9%A3%9F
「江戸時代以前は米飯は玄米を炊いたものが普通であり[要出典]、特に農民の多くは雑穀や芋や野菜を混ぜたかて飯を食べていたため、脚気とは無縁であった。しかし、玄米を炊くには白米よりも時間がかかり多くの燃料を必要とするため、薪を買わなければならない都市生活者にとっては、白米の方が都合が良かった。このような経済的事情と、白米の食味が喜ばれたことから、江戸時代以降の都市生活者には白米を炊いた飯を常食する習慣が普及した。副食を満足にとらずに白米のみを大量に摂取する当時の庶民の食習慣から、江戸では脚気が流行し「江戸患い」と呼ばれた。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%84%E7%B1%B3
「トウモロコシは「あまり連作障害はでませんが、連作すると生育が悪くなります。少なくとも1年は栽培しないほうが無難です。 」
http://www.atariya.net/yasai/tomoro.htm
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
フランスの元首相が、(シュピーゲル誌に続き、)英国のEUからの追放を呼びかけた。↓
<お前らが自分の歴史に誇りを持つのは当然。↓>
There is, between you and us continental Europeans, a disagreement which is turning ugly. Your immense history justifies a limitless admiration for you.
<民主主義、人権を発明し、世界を何世紀も、最初は海を、次いで金融を統治することで支配した。↓>
You were the inventors of democracy and of human rights, you dominated the world for centuries, first ruling the oceans and after that the world of finance.
<ナチスドイツに対し、米露が手を差し伸べるまでに単独で抵抗した。↓>
And when apocalypse threatened, your courage and tenacity – you held on long, American and Russian help arriving late in the day – saved our honour and freedom.
<我々がお前らに負っているものはかくも大きい。しかし、だからと言って、我々を侮蔑し続けたり、心にもない言葉を投げかけるのは止めて欲しい。↓>
We know this and we have never shied away from saying, including in this commemorative week, that we owe you an immense debt. This should not, however, allow you to treat us with contempt and double-dealing.
<お前らが欧州が嫌いなのは勝手だし、嫌いなのは理解できる。だけど、41年前にお前らがEUに加入するずっと前の1946年に、チャーチルは欧州は欧州合衆国を目指すべきだと述べたじゃないか。↓>
You do not like Europe – that is your right and it is understandable. You nevertheless joined 41 years ago, but on a misunderstanding. You never shared the true meaning of the project which Winston Churchill, speaking on your behalf, set out in Zurich in 1946 with his incredible words: “We must build a kind of United States of Europe … Great Britain, the British Commonwealth of Nations, mighty America – and, I trust, Soviet Russia … must be the friends and sponsors of the new Europe and must champion its right to live.”
<ドゴールもまさにそう考えていた。↓>
Were you not listening? These were the thoughts of a giant, shared by another giant, Charles de Gaulle.
<だがお前らは貿易のことだけしか考えていなかったんだ。加入以来、一貫して欧州の合衆国化に反対し続けた。↓>
You wanted trade, and you thought about nothing else. With President de Gaulle gone, you were able to join. But from this point you never, ever allowed even the smallest step towards greater integration, or even the smallest expansion of genuinely joint decisions.・・・
<だから、EUを破壊する前に去れ。↓>
So go before you wreck everything.
<かつて英国はエレガンスと同値だった。だから我々の自由にさせてくれ。そうすりゃ、英国は再びエレガンスを取り戻すぜ。↓>
There was a time when being British was synonymous with elegance. Let us rebuild Europe. Regain your elegance and you will regain our esteem.
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/jun/06/french-message-britain-get-out-european-union
これに対し、ガーディアンは弁明のコラムを載せたが、その内容は、論点はずしも甚だしい。↓
・・・ for a continent ravaged by war twice in 30 years, and for centuries before that, the European project was a matter of life and death – of replacing bloody conflict with co-operation, allowing dilution of national sovereignty to be the price.・・・
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/jun/06/britain-fight-europe-beaches-d-day-eu-heroic-conflict
インドと中共の女性差別の現状が分かる、男女産み分け比率の数字だ。↓
・・・By 2008, the peak, there were 121 boys born for every 100 girls. By this reckoning girls are even less valued in China than in India, where the equivalent figure is 110 boys for every 100 girls. ・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/2/beba2500-eb2c-11e3-bab6-00144feabdc0.html#axzz33uoTIrrX
過剰適応人間のフランシス・フクヤマが歴史の終わり論考は間違いではなかったとくどくど言い訳をしてるよ。↓
<非自由民主主義諸国の多くは、産油国。↓>
・・・Many of the world’s most stubborn bastions of authoritarianism are oil-rich states such as Russia, Venezuela or the regimes in the Persian Gulf, where the “resource curse,” as it has been called, gives the government enormous revenues from a source other than the people themselves.・・・
<欧州だって、1848年の革命から70年かかってようやく民主主義が確立した。↓>
We forget that following the revolutions of 1848—Europe’s “Springtime of Peoples”—democracy took another 70 years to consolidate.
In the realm of ideas, moreover, liberal democracy still doesn’t have any real competitors.・・・
<自由民主主義に対峙しているのは、実質支那モデルのみ。(べらぼうめ。日本モデルじゃー。(太田))↓>
The only system out there that would appear to be at all competitive with liberal democracy is the so-called “China model,” which mixes authoritarian government with a partially market-based economy and a high level of technocratic and technological competence.
<だけど、50年後、米国も欧州は支那化してないだろうが、支那は米国・欧州化してるだろう。(さあてね。(太田))↓>
Yet if asked to bet whether, 50 years from now, the U.S. and Europe would look more like China politically or vice versa, I would pick the latter without hesitation. ・・・
<(ついでだが、)インドの総選挙で選ばれた議員の34%はお尋ね者、インド最高裁には6万件も裁判が滞留している、若干の州では、先生の半分が無断欠勤状態。↓>
34% of the winners of India’s recent elections have criminal indictments pending against them, according to India’s Association for Democratic Reforms, including serious charges like murder, kidnapping and sexual assault. ・・・
The Indian Supreme Court has a backlog of more than 60,000 cases・・・
In some Indian states, 50% of schoolteachers fail to show up for work・・・
<ただし、米国政府についても、誰も見習おうなんて思っていない。(ここは正直でよろしい。そりゃそうだろ。行政府と立法府の対立で何もできず、しかも、不平等度はひどくなるばかりだもんね。(太田))↓>
American government is hardly a source of inspiration around the world at the present moment. ・・・
http://online.wsj.com/articles/at-the-end-of-history-still-stands-democracy-1402080661
睡眠中に、脳細胞の間の新しい結びつきがつくられ、記憶が形成されるんだって。↓
http://www.bbc.com/news/health-27695144
アシュレイ・マディソンからセックス・ロボットまで、セックスの最前線を追った長編記事だ。↓
http://www.theguardian.com/lifeandstyle/2014/jun/06/teledildonics-interactive-porn-sex-in-digital-age
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一人題名のない音楽会です。
John Ogdonの9回目で、リストの2回目です。
2 Polonaises(注) No. 2 E dur 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=GV4XFLxFkH8
(注)「1851年作曲・・・。ポロネーズはもともとポーランド宮廷儀式中にある行進時の音楽から発展したとされるが、特にショパン作品が有名である。リストのこの二つのポロネーズは、ショパンの死後に彼をしのんで作曲されたもの。」
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/2231/
Two Concert Studies(注) 1. Waldesrauschen 2. Gnomenreigen まあまあの曲
https://www.youtube.com/watch?v=-rD7XRsi7SY
(注)怒りをこめて&2つの演奏会用練習曲(1862年作曲。於ローマ) 1.森のざわめき 2.小人の踊り
http://www.panamusica.com/goods/detail/828
http://www.boosey.com/shop/prod/Liszt-Franz-Concert-Studies-2-Piano/2043319
’Dante Sonata’ Apres une lecture de Dante, Fantasie quasi Sonata. Annees de Pelerinage, deuxieme annee, Italie まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=enrfeCuhiG8
https://www.youtube.com/watch?v=gvPXDQ3Wss8
(注)「巡礼の年 第2年:イタリア」より、ダンテを読んで。「《ダンテ・ソナタ》とも呼ばれる。・・・標題自体は<ヴィクトル・>ユーゴーの詩集『内なる声』の中の一篇からとられており、ダンテの『神曲』<の>「地獄篇」のすさまじい情景を幻想的に描き出している。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%A1%E7%A4%BC%E3%81%AE%E5%B9%B4
なお、Tarantella(コラム#6968)参照。
Un Sospiro Trois Etude de Concert No. 3 in D flat Major(注) 名曲
https://www.youtube.com/watch?v=31UYCUxOKUA
(注)1848年までに作曲。これは第3曲: ため息であり、「後半には「タールベルクの三本の手」の技法が典型的な形で用いられる。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/3%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%BC%94%E5%A5%8F%E4%BC%9A%E7%94%A8%E7%B7%B4%E7%BF%92%E6%9B%B2
「タールベルクの3本の手とは19世紀のピアニスト・作曲家であるジギスモント・タールベルク(Sigismond Thalberg)が用いたピアノ演奏の技法である。右手・左手単独の演奏に加え両手の主に親指を組み合わせてあたかも3本目の手があるかのような演奏を行う。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/3%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%89%8B
Ballade No. 2 in B minor(注) 駄作。
https://www.youtube.com/watch?v=AdzTO2EW-fU
(注)1853年作曲。「リストはピアノ独奏のバラードを2曲書いているが、特に何かの物語について音楽にしたと言うわけではなく、詩的で劇的な叙情を盛り込んだ作品としている。リストの2曲のバラードの内、圧倒的に演奏される機会の多い<のが>この第2番」
http://www.piano.or.jp/enc/pieces/1476/
Czarda Macabra(注) まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=s6ql6FVIARw
(注)リストが3曲作曲(1881~82年(1曲)と1884年(2曲))したところの、ハンガリーのジプシーの舞踏曲から想をとったCzardasのうちの最初の曲で一番有名なもの。
http://en.wikipedia.org/wiki/Cs%C3%A1rd%C3%A1s_(Liszt)
’Feux Follets’ Transcendental Etude No. 5 in B-flat(注) まあまあの曲。
https://www.youtube.com/watch?v=ZfxQZQSxgio
(注)超絶技巧練習曲(1826年作曲、52年まで改訂を重ねる)。「<12曲が>すべて異なる調で書かれている。2曲組で同じ調号の長調と短調(平行調)とし、2曲ごとに調号の♭がひとつずつ増えていく。この事とタイトルから、・・・全ての調性を網羅しようとしていたが結局断念して12曲に落ち着いたと考えられる。」その5番は「鬼火」。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E7%B5%B6%E6%8A%80%E5%B7%A7%E7%B7%B4%E7%BF%92%E6%9B%B2
Paganini Etude No. 2 E Flat(注) 佳曲。
https://www.youtube.com/watch?v=UfuZyiD5gRw
(注)「パガニーニ練習曲(パガニーニによる大練習曲)」(1838年作曲・51年改訂)は、「パガニーニの『24の奇想曲』やヴァイオリン協奏曲の中から6曲を抜粋し、ピアノに編曲したものである。」その第2番は、「オクターヴのための練習曲である。・・・リストの半音階が印象的。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E5%A4%A7%E7%B7%B4%E7%BF%92%E6%9B%B2
なお、Grande Fantaisie de bravoure sur La clochette(コラム#6968)参照。
(続く)
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太田述正コラム#6983(2014.6.7)
<長い19世紀(その6)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2287)
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