太田述正コラム#6998(2014.6.15)
<皆さんとディスカッション(続x2295)>
<太田>(ツイッターより)
「…小保方氏の研究室には、STAP細胞を改変したとされるSTAP幹細胞や、STAP細胞からつくったマウスの組織とされる試料が凍結保存されている。CDBは、5月から外部の専門家とも議論しながら、これらの調査などを進めている。結果がまとまれば公表するが、時期は未定という。理研は当初、STAP細胞を実際につくる再現実験を優先させたいなどとして、保存試料の調査には否定的だった。」
http://www.asahi.com/articles/ASG6G3PPLG6GULBJ001.html?iref=comtop_6_02
5月から、遅まきながら、「犯罪捜査」に乗り出してたってわけね。
過ちを認めるに憚ることなかれ。
とにかく、早急に決着をつけようぜ。
イランは部隊のイラク派遣は行っていないし今後とも行わないと明言。
また、イラクのスンニ派の部族長達が次々にIsis支持を表明、バグダード攻略に更に弾みをつけた。
http://edition.cnn.com/2014/06/13/world/meast/iraq-violence/index.html?hpt=hp_t2
後者の方はそれに近いニュアンスの報道がこれまでもなかったわけじゃないが、前者の方はCNN以外の英米の主要メディアは一切報じていない。
仮にこれが正しいとすると、米国も、地上兵力を派遣する気0、爆撃機の派遣も事実上不可能に近い(爆撃機に地上情報を送る米兵がいない状況で空爆をやったら民間人の殺傷が避けられない)以上、イラク政府はもう終わっとることになるね。
<太田>
関連記事だ。まず、昨日分から。
ドローンは移動標的攻撃には向いておらず、Isisのような動く標的の爆撃は有人機でというのがセオリーだってことが話の前提。↓
Drone strikes remain under consideration, but manned aircraft are said to the preferred option, owing to their superiority against moving and manoeuvrable targets.・・・
the US does not have forces on the ground to aid air targeting.
<イラクの兵士に米爆撃機を誘導させるのはムリ。↓>
”Are we really going to trust [Iraqi soldiers] to call in US air strikes?” Harmer said. “If the US is going to act, sooner is better, unless you want to get involved in urban combat.”・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/jun/13/obama-urgent-air-assault-isis-syria-iraq
クルド人とIsisの直通ルートはないが、Isisを支援しているスンニ派の諸集団とはルートがあり、密接に連絡を取り合っている。↓
・・・The Kurds have no sympathy for the ISIS radicals, but they are in touch with other elements, including tribal leaders and commanders of the Military Councils of Iraqi Revolutionaries (MCIR), which includes many experienced former Iraqi army officers.
<両者間で、クルド人地域を侵害しないとの「約束」あり。↓>
The Kurds have been given assurances from the latter that they will not encroach on the borders of the KRG autonomous region, according to an MCIR spokesman.
The MCIR claims that overall, its fighters are the most significant element in the revolt, with tribal militants in second place, and ISIS only third despite the media attention they command. ・・・
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-27836520
Isisの進撃は、兵站線が伸び切りつつあることから止まる寸前、と米軍関係者達語る。(どうやら、当たったみたい。(太田))↓
・・・ISIS will probably encounter a major roadblock on its proclaimed march to Baghdad, say current and former US military officials. “They are going to reach a natural culmination point: Their supply lines are going to get stretched, and they will enter an area with a much greater Shiite presence,” says Mr. Dubik, now a senior fellow at the Institute for the Study of War.・・・
http://www.csmonitor.com/USA/Military/2014/0613/Iraq-crisis-Why-have-US-trained-security-forces-folded
ブッシュ政権が対イラク戦にのめり込んだのも、オバマ政権がイラクから性急に米軍を撤退させたのも、方向が違うだけで、同じ過ちだとさ(アメちゃんは双極性障害的だからねえ。(太田))。↓
・・・the Obama administration has made some similar mistakes made during the early administration of George W. Bush, except in reverse. The dangers of American underreach have been lavishly and horrifically displayed.・・・
http://www.nytimes.com/2014/06/13/opinion/david-brooks-the-sunni-shiite-conflict-explodes-in-iraq.html?ref=opinion
次に本日分。
「イスラム教スンニ派の学者でつくる国際ムスリム学者連盟(本部カタール)は14日、イスラム過激派「イラク・シリアのイスラム国」によるイラク北部進攻は、正当な権利を回復するための「スンニ派による革命」だとする声明を出した。同連盟は、イスラム組織ムスリム同胞団に近いカラダウィ師が会長を務める。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140615/mds14061501120001-n1.htm
関連地図がたくさん載ってるよ。↓
http://www.nytimes.com/2014/06/15/world/asia/iraq.html?ref=world
<太田>(ツイッターより)
ガーディアンが、日本–コートジボワール戦をライブ報道してるどー。
http://www.bbc.com/sport/live/football/27441567
1点リードしてるが、前半をこのままで折り返せられるか?
<太田>
結果は、敗北。
大体からして、ガーディアンじゃなくってBBCだった。
で、口直しで、結果をガーディアンでどーぞ。
http://www.theguardian.com/football/2014/jun/15/ivory-coast-v-japan-world-cup-2014-live-report
<TA>
≫フランス革命は宗教と自由とは相容れないという思想の下で行われたのに、米国独立革命は宗教を排除しない形で行われた・・・どころか、宗教の強い影響の下で・・・行われた・・・。・・・米国独立の思想的源泉は、アングロサクソン文明だけではなく、これと対立する欧州文明、より正確には私の言うところのプロト欧州文明(<宗教権力が世俗権力と連携しつつ個人に対して宗教教義(doctrine)の強制を行うことを最大の特徴とする文明(コラム#0552)>)にも求められる、ということになるでしょう。≪(コラム#529。太田)
独立革命が欧州文明ではなくプロト欧州文明の影響を受けたのは、プロト欧州文明と同時代に移民した者が、その文明(の影響)を移民先で保存し続けたからでしょうか。↓
「評論家の大宅壮一は1954年に取材旅行のためにブラジルに来た際、「明治の日本が見たければブラジルにいけ!」との名セリフを残したとコロニアではいい伝えられている。・・・」
http://www.nipo-brasil.org/?p=2332
<太田>
はい。
しかし、プロト欧州文明の影響だったのか、欧州文明の実施に移されなかった思想の影響だったのか、が悩ましいところです。
結局のところ、プロテスタンティズムの位置づけをどうするかなのです。
それを「小カトリシズム群/脱キリスト教化の口火」と受け止めるのか、それとも「キリスト教原理主義思想の生誕」と受け止めるか、という問題です。
用語も含めて暫定的な定式化であると思ってください。
少し疲れ気味なので、頭が鈍っています。
<太田>
K.Kさん、携帯パソコンも快調に仕事をしてくれました。
OneDriveとロボフォームというクラウド時代の便利さを初めて満喫。
(OneDriveに他のパソコンでアクセスした場合に、ファイルがすぐ最新のものにならないのが不思議ではあります。
例えば、<携帯パソコンからOneDriveに上書きアップしたファイルに、>昨夜、Epsonパソコンでアクセスしたところ、wordの日記<ファイル>は最新になっていたけれど、秀丸の太田コラム・バックナンバー<ファイル>は最新のものになるまで、かなり時間がかかりました。)
さて、Epsonパソコンについてですが、・・インターネットに繋がりにくい状況は変わっていませんが、これは、混戦のせいかケーブルTVの回線のせいかその複合によるものであろう、と考えています。・・最近、極めて快調です。
そのため、どうしても気が緩み、席を長く空ける時に電源を切り忘れたりすることも再び起こっているのですが、自動的に電源が切れてしまうことはありませんし、この前、意図的に放置してみたところ、やはり、電源は切れませんでした。
そこで、Windows再インストールは、当面、行わないこととし、他方、せっかくAcronisをインストールしてあるのですから、Acronisの設定を最適なものにしておくのが望ましいのではないか、と思うに至っています。
この判断でよろしいでしょうか。
また、Acronisの最適設定をご教示いただければ幸いです。
<K.K>
私も不必要なWindowsの再インストールを行う必要はないという点で太田さんに 同意です。
バックアップの手順に関しては、先日送らせていただいた手順から該当する部分 と、やっておいたほうがよい最低限の設定変更をコピペして書き直してみますの で、2・3日時間をください。
OneDriveの仕様は、謎ですね。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
昨日分から。
米国政府、日本の商業捕鯨再開に反対、よって、調査捕鯨の必要性も否定。
こうこなくっちゃあ。↓
「米高官「クジラ殺す必要ない」 日本の調査捕鯨に反対・・・
日本が将来的な再開を目指す商業捕鯨に関しても「米国は大型鯨類の保全に必要な商業捕鯨のモラトリアム(一時停止)を引き続き支持する」と強調、否定的な考えを示した。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140614/biz14061415240010-n1.htm
ロシアからウクライナ東部の叛乱勢力に、3両の戦車等の武器が提供された。↓
・・・The state department said that in recent days three T-64 tanks, several rocket launchers and a number of other military vehicles had crossed the Russian border into eastern Ukraine. ・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/3fac5f2e-f349-11e3-91d8-00144feabdc0.html?siteedition=intl
引き続き、本日分です。
そんなもんより、対地ミサイルを艦艇、航空機に搭載させろってんだ。
もちろん、できりゃ、地上にも・・。↓
「陸自、新型地対艦ミサイルを熊本に集中配備 南西防衛を強化・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140615/plc14061506300003-n1.htm
この分析が全面的に誤ってることは太田コラム読者諸氏にはお分かりでしょ。↓
「・・・<中国の>今回の唐突とも思える中国によるパラセル諸島周辺における海域石油切削作業開始は、明らかにベトナムによる対中抵抗の本気度を伺うとともに、先のアジア歴訪でオバマ大統領が発表した「安保の重心をアジア太平洋に移す」とのピボット戦略の本気度も試す、という、2つの目的があったと思えます。
特に米国がウクライナ情勢にともなう対露外交に関わっているタイミングも計り、またオバマ大統領が「領有権問題に米国は関与しない、それは平和外交的に解決すべきで、力の行使は差し控えるべきである」と自ら警棒を納めた腰の引ける姿勢を続行しているのに乗じて、さらにロシアのプーチン大統領がクリミア併合時に見せた剛腕ぶりにも触発されたものと考えられます。・・・
中国の習近平主席はプーチン氏に触発されたのか、強気一辺倒で領土拡張路線を突っ走っております。欧米や南北朝鮮以外の全アジアを敵に回しているという現実を自覚してないように思え、併せて内政問題の多発による突き上げを外交に振っているとも考えられます。その外的対象である欧米アジアや日本などが、中国経済に深入りしすぎ、投下資本没収や中国資本の逃避などを過剰に恐れた結果、経済制裁まで持ち出せない状況が、中国を強気にさせているようにも見受けられます。・・・
その背景には、支持率が高く長期政権を企図するモスクワ政権に対し、景気下降と格差問題、シャドウバンキング危機、強制併合した異民族諸地区の反政府暴動テロなど、内政に深刻な諸問題を抱え、共産党や軍部に不支持が広がり、突き上げが激化する北京政府とは、大きな隔たりがあるようです。とにかく最近の中国政府の対外姿勢に強い焦燥感がうかがえるのです。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/west/west_economy/news/140601/wec14060112000002-n1.htm
中共人民の間じゃあ、日本のものは何でもモテルのよ。↓
「「太陽が昇る感じ」「唐の音楽」「携帯に入れてる」・・中国で意外と好評な日本の象徴<(「君が代」)>―中国ネット・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/8938851/
おめでとう!↓
「流山の23歳、米ジャズコンペ1位…日本人初・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20140613-OYT1T50068.html?cx_text=02&from=ytop_os_txt2
東大野球部の窮状についての長文記事だ。
NYタイムスもヒマだねえ。↓
http://www.nytimes.com/2014/06/15/sports/baseball/university-of-tokyos-baseball-failures-inspire-fans.html?hp&_r=0
ロシアのウクライナ領土簒奪に、中共だけじゃなく、ブラジル、インド、南ア、イスラエルも反対の意思を明確にしていない。↓
・・・Even Western-friendly governments — including Brazil, India, South Africa and Israel — were not prepared to take sides. Indian journalist Indrani Bagchi referred to the abstentions as a new form of nonalignment.・・・
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2014/06/15/2003592789
<ユダヤ人は悪魔は神の僕と考えていた。(旧約聖書)↓>
・・・The Jewish view is that Satan is always under the command of the Lord. Satan is one of his servants, one of his army.・・・
<非ユダヤ人はユダヤ人の中に悪魔がいると考えた。(新約聖書)↓>
Satan in the gospels is never identified with gentiles but only with Jews. That got me interested in how Christian anti-semitism comes out of this.・・・
<これは、敵味方(悪と善)を峻別し、敵は人間じゃないとして殺傷することにつながる発想。↓>
We are good, and they are evil. It splits groups and is a way of turning people into something less than human beings, making them easier to harm and kill.・・・
http://www.csmonitor.com/Books/chapter-and-verse/2014/0613/The-Origin-of-Satan-author-Elaine-Pagels-discusses-the-religious-figure-s-modern-conception
配偶者が妊娠した瞬間から、男親の肉体にも変化が現れるんだって。↓
・・・men undergo significant changes during their partners’ pregnancies, including growing beards, losing weight and nursing injuries they hadn’t noticed before. These changes are a manifestation of their fears, yet because they think they need to be strong, they don’t express them, instead stewing with resentment. ・・・
<テストステロン分泌が減少し、家庭的になる。↓>
・・・men’s testosterone levels drop during their partners’ pregnancies, which is believed to prepare them to stop strutting their stuff at the campfire and start gearing up to become caregivers. Also, fathers who are more involved with their partners during pregnancy cut the chances that the mothers will get anemia or high blood pressure, and reduce the risk that their children will be born prematurely or die during the first year. ・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/book-review-do-fathers-matter-on-the-science-of-fatherhood-by-paul-raeburn/2014/06/13/05ce2e5c-d465-11e3-95d3-3bcd77cd4e11_story.html?hpid=z2
<太田>
セミナーのには、関西オフ会の「準幹事」のshihouenさんも出席。
会場がガラガラじゃないかと心配していた由。これからの回も出席予定とのこと。
また、市長さん、神戸のオフ会に出たことが一度ある由。
いやー、ぜーんぜん気ー付きませんでした。
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太田述正コラム#6999(2014.6.15)
<平和は経済停滞を招く?>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2295)
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