太田述正コラム#7075(2014.7.24)
<皆さんとディスカッション(続x2333)>
<太田>(ツイッターより)
「米「ロシアに艦船売るな」 フランスに求める…」
http://digital.asahi.com/articles/ASG7R3CHMG7RUHBI00Q.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7R3CHMG7RUHBI00Q
英も米に同調してるが、自国は、昨年ロシアに売る契約をした282件の武器輸出中31件しか凍結していない。
http://www.bbc.com/news/uk-politics-28424395
手前ーらやる気あんの?
1988年の米艦艇によるイラン民航機撃墜事件・・死者数は今回のとほぼ同じ・・を回顧する衝撃的コラムだ。
結論部分はズッコケるが・・。
米国はロシアよりひでー悪であることがよーく分かるで。
謝罪しなかったどころか、イラン領海に侵入しててこの撃墜事件をやらかした艦長にその艦長時代の功績を称えて勲章を与えてんだからな。
http://www.slate.com/articles/news_and_politics/war_stories/2014/07/the_vincennes_downing_of_iran_air_flight_655_the_united_states_tried_to.html
当時のレーガン大統領やブッシュ(父)副大統領や国防長官ら米国政府高官連中が、揃いも揃ってどんな人非人揃いだったか、慄然とするぜ。
繰り返す。
日本国民の諸君、こんな宗主国から一刻も早く「独立」を!
<安積>(同上)
≫ろくでなし子逮捕を大々的に報じるガーディアン。なんで英紙電子版でだけ彼女の「作品」が拝めるんだよ。http://www.theguardian.com/world/2014/jul/15/vagina-selfie-for-3d-printers-lands-japanese-artist-in-trouble この記事が示唆してるように警察がやったことは男女差別だと言われても仕方がない。本件に限らず、性超先進国の日本に誇りを持てと言いたいねえ。≪(コラム#7060。太田)
いずれ3Dプリンターを使ったアートが現れるっだろうと思っていたが、これほどの傑作があらわれるとは。
ことさらフェミと関連づけない方が良い。
村上の注文制作も、会田のパフォーマンスも、アラーキーの写真も、ろくでなし子の《デコまん》の前では貧乏臭く見える。
<太田>
多分、大部分の読者には、一連の鯨馬さんとのやりとりのポイント、依然、十分理解できていないでしょうから、補足しておきましょう。
私のコラムの注意深い読者ならば、日本とイギリス以外で私自身が、(仏教に基づく統治を行った)人間主義的君主として、マウリア帝国のアショカ王(コラム#776、778、2097、2648、6049、6325、6411)をあげていることを思い出されるはずです。
しかし、私が既に何度か指摘したように、だからこそ、マウリア帝国は、アショカが死ぬまでに早くも事実上滅亡してしまいます。
ですから、アショカも名君であったとは言えそうにありません。
(平和で被支配者達が人間主義的であった)日本とイギリス以外の世界の大部分において、君主は、恒常的に内外からの大きな脅威に晒されていたことから、最大限の軍事力を維持しなければならず、その原資は領域内からの搾取か領域外からの略奪に求めるしかありませんでした。
後者のためには更なる軍事力が必要であって話が元に戻ってしまうので、前者についてですが、そのためには、搾取を、被支配者達から叛乱の原資を奪う程度以上でかつ被支配者達が餓死・病死しない程度以下・・これはほぼ一義的に決まる・・にとどめることが不可欠でした。
まさに、「百姓を生かさず殺さず」ってやつですな。
以上、やや極端なケースの話をしましたが、少なくとも、そんなところにおいては、人間主義的統治を行う余地などありえなかったことが、なんとなくご理解いただけたのではないでしょうか。
なお、趙匡胤が名君ではない理由は昨日ご説明しましたが、どうして、彼に人間主義的事績がないと言えるのか、念には念を入れ、この際、説明しておきましょう。
(ここでの説明は、サラディン等についても、当然、相当程度、当てはまります。)
趙匡胤の文治主義とは、軍人勢力の力を削ぐことによってクーデター的なものを防止するとともに、科挙の本格化によって文人官僚を登用することで特定の豪族が政治に容喙することを防止することであって、それらでもって、自分の権力の安定的維持を図ろうとした、ということです。
「禅譲」を受けた前王朝の関係者や降伏した国の関係者を殺さず優遇したのも、狙いは全く同じです。
以上は、人間主義的統治でも何でもなく、要は、潜在的競争相手の排除と籠絡による統治なのですが、その場合、安定的な協力者層の形成と潜在的競争相手の粛清による統治を併せて行わなければならない・・というか、両者の最適組み合わせを追求しなければならない・・というのに、趙匡胤の場合、前者だけの片手落ちの統治であった上、その結果として、肝心要の軍事力の維持を手抜きすることとなったため、本人自身が殺されるに至った可能性があるだけでなく、本人死亡後間もなく、彼が創建した統一王朝(宋)が名存実亡状態に陥ってしまったわけです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%99%E5%8C%A1%E8%83%A4 (←事実関係のみ。)
まだ、疑問があったらどーぞ。
それでは、その他の記事の紹介です。
「・・・栩内香澄美被告<の>・・・弁護団に名を連ねる・・・黒田修一<は>・・・検察出身の弁護士、通称“ヤメ検”で1992年9月に弁護士登録し、これまで2001年のハンナン牛肉偽装事件や、05年のJR福知山線脱線事故などで、被告弁護団メンバーを務めた。
法曹関係者いわく「地検特捜部出身で、関西では五本の指に入る大物ヤメ検弁護士。現役・OB問わず検察に顔が利くし、根回しもできる。はっきり言って、一介のOLでしかない栩内被告の弁護団に入るレベルの人ではありません」。・・・
黒田氏という“切り札”が用意された背景には栩内被告が勤めていた大手人材派遣業「パソナグループ」があるとみられる。・・・
いわば検察VSパソナという構図・・・
元社員が薬物逮捕というのはイメージ的によくない。だから必死なのだろう・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/9073451/
⇒黒田ヤメ検の経歴がよく分からなかったが、「・・・『特捜検事』として数々の事件を手がけた黒田修一弁護士・・・」
http://www.asyura2.com/0403/nihon13/msg/740.html
というのだから、いいところまで行きながら先行きに見切りをつけてあざとく転身したのか、悪くすると、もともと単に箔付けだけのために検事に任官した、計算高い人間だったのか、どっちかである可能性が高いな。
私の経験から言うが、中途半端な時点で検事を辞めた人間は要注意だからね、皆さん。
さて、この記事がおおむね正しいとして、パソナと黒田ヤメ検の判断は完全に間違いだ。
「覚醒剤中毒」と「セックス中毒+10年間の不倫」とじゃ、後者は形式的には罪には問われないが、対世間的にはむしろより白眼視されるだろうからだ。
どっちみち後者は消せないだろって?
だからこそ、後者を胸張って強調して前者の無罪を追求するなんて下の下だってことさ。
これで有罪になったら目も当てられないでえ。(太田)
もう、言葉もないわ。↓
「STAP細胞解析結果は誤り 若山氏、会見内容を訂正・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG7Q63YZG7QULBJ011.html?ref=reca
軍も治安機関も裁判所も近代国家の域に達してないねえ。↓
「韓国捜査当局、兪氏発見できず 別荘の隠し部屋に潜む・・・」
http://www.asahi.com/articles/ASG7R6D87G7RUHBI02Q.html?iref=comtop_list_int_n03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/07/24/2014072400848.html
こちらは、あらゆるものが近代国家の域に達してないねえ。↓
「中国当局、期限切れ肉で5人拘束 米企業たたきの側面も・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM23H1I_T20C14A7EA2000/
http://mainichi.jp/shimen/news/20140724ddm003030043000c.html
「戦犯」シリーズの続き。↓
http://j.people.com.cn/n/2014/0723/c94474-8759762.html
テルアビブへの航空便を停止するとともに、短期間の休戦に向けてイスラエルに圧力をかける米国政府に対するイスラエル国民の怒りが高まっているとさ。↓
http://www.newsweek.com/tel-aviv-diary-israelis-grow-impatient-obama-and-kerry-260899
マレーシア機の犠牲者の搬出、フライトレコーダーの引き渡し、現場の国際調査、を叛乱側に飲ませた・・その代わり、事実上この勢力を「承認」した・・のは、決断力あるマレーシアのナジブ首相の功績だとさ。↓
http://online.wsj.com/articles/malaysias-risky-talks-with-rebels-in-ukraine-paid-off-1406147380
日本と比較して、どうして米国の数学教育がなってないか、詳細かつ自虐的に説明されている。↓
http://www.nytimes.com/2014/07/27/magazine/why-do-americans-stink-at-math.html?hpw&action=click&pgtype=Homepage&version=HpHedThumbWell&module=well-region®ion=bottom-well&WT.nav=bottom-well&_r=0
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太田述正コラム#7076(2014.7.24)
<米独立革命とキリスト教(その5)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2333)
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