太田述正コラム#7159(2014.9.4)
<皆さんとディスカッション(続x2375)>
<太田>(ツイッターより)
ウ大統領がプーチンと恒久的停戦で合意と発表→露政府は露は当事者じゃないので停戦に合意する立場にないと否定→ウ政府は停戦へのプロセスについて合意と訂正→叛徒側は我々が停戦することなどありえないと表明。
http://www.bbc.com/news/world-europe-29042561
もうダウン寸前のウ政府。
憐れだねえ。
「(池上彰の新聞ななめ読み)慰安婦報道検証…」
http://www.asahi.com/articles/ASG935H4GG93UPQJ008.html?iref=comtop_6_06、
「 週刊新潮の広告、「売国」「誤報」黒塗りで掲載へ 朝日新聞…」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/140903/ent14090322290016-n1.htm 。
慰安婦報道で謝罪しない点はともかく、朝日の自信喪失ぶりは目も当てられない。
日経は別にして、朝日の記者、記事の質は日本紙中ダントツであり、吉田ドクトリンの呪縛さえ解ければ、いずれ世界の高級紙と伍していけるようになると期待していたが、その期待は完全に裏切られた。
テレ朝は絶好調のようだし、経営的にはまだ体力は残ってるようだが・・。
<太田>
最後の部分の典拠だ。
http://matome.naver.jp/odai/2134154759578295501
<Toshi>(ツイッターより)
朝日も吉田ドクトリンの呪縛…。
なるほど…。
不勉強で気がつきませんでした。
ご教示感謝します(有料読者Sより)。
<神聖キュウシュタニア帝國皇帝>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
穢れの一件は失礼しました。
≫ナチスの最初の計画的大量殺害の対象になったのは精神障害者・知恵おくれの人だったが、そのことの認知は不十分であったところ、このほどベルリンに慰霊碑が建てられた。≪(コラム#7157)
それはテーフィア作戦の事なのかな?
https://ja.wikipedia.org/wiki/T4%E4%BD%9C%E6%88%A6
政府高官の密告、教皇庁の反発、そらによる中止命令での部分的規模の縮小職員が絶滅収容所の運営に携わり、今までのノウハウを遺憾なく発揮。
ホロコーストの先駆けだね。
<UAftvg.6>
「歴史の上ではどの国も加害者だった」、日本非難の大合唱に異を唱えた元太平洋軍司令官デニス・ブレア
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41631
彼は中国と日本と韓国について次のような指摘をした。
・中国は現在のような形の政府の下では、歴史に関して誠実であり続けることは難しいだろう。独裁政権は自国自身の歴史に脅かされることがよくある。
→米国のような国も歴史に関して誠実であった事は無いんじゃない。
・日本は自国より強いことが明白な米国に対して、なぜ戦争を仕かけたのか。この点を徹底的に調査して理解しなければ、これからの前進と進歩の前に多様な障害が立ちはだかるだろう。
→『歴史の上ではどの国も加害者だった』ならなぜその加害者と同様の安全保障政策を戦後に導入したのかねぇ。そこに日本の戦争決意の理由があるのに。
・韓国は自国の軍隊がベトナム戦争でどのような行動を取ったかを調査すべきだ。ベトナムでの韓国将兵は残虐だったと言われる。
→東京大空襲や原爆投下なんてやっといて韓国将兵は残虐だったなんて自国の非道を希釈させんな。そもそも中国も日本も韓国も米国の所作による被害者なんですがね。
<太田>
下掲の投稿のように、自分の見解を裏付ける典拠を付けるようにして欲しいねえ。
</fDj4gXX>
インド人の知識人であるパンカジ・ミシュラ氏が、モディ首相の外交戦略と日本をケチョンケチョンに貶しています。↓
India’s Foolish Crush on Japan – Bloomberg View
http://www.bloombergview.com/articles/2014-08-31/india-s-foolish-crush-on-japan
モディ氏来日 両首相の親密ぶりはパフォーマンス? 両国の思惑を海外メディア分析
http://newsphere.jp/politics/20140901-4/
要は日本型政治経済体制は時代遅れで、中国及び韓国の方が重要だとの事ですが、
両者ともその貶されている日本型だと彼が全く気付いていないのは何でだろう?と思って調べていたら、興味深いブログ記事に出くわしました。↓
インドにおける保守とリベラル
http://ameblo.jp/mintelligence/entry-11600673485.html
これによれば、どうもインド知識人の日本批判・中韓賞賛の背景には、タゴールの思想が有るのではないか、と言う事です。
私はてっきりインドの知識人はイギリス一辺倒の人が多く、そのせいで東アジアに関して無知なのではないかと思っていったので、こういった要素も有ったのかと感心しました。
<太田>
ガンティー(1869~1948年。英留して英弁護士)
http://en.wikipedia.org/wiki/Mahatma_Gandhi
やネルー(1889~1964年。ハーロー校・ケンブリッジ大卒、英弁護士)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%AF%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%BC
同様、タゴール(Rabindranath Tagore。1861~1941年)も、「イギリス一辺倒の人」どころか、「イギリス人」そのもの、なんですよ。
タゴールの超大金持ちの生家は、イギリス式の邸宅を本拠とし、イギリス人の不動産業者達を請負人とする事業をやっていて、彼の兄の一人は、インド人として史上初めて(それまではイギリス人が独占してきた)インド帝国官僚になっている、という、買弁そのものでした。
また、タゴールは学校嫌いで、父親等によって教育を受けるのですが、小さい時の愛読書として挙げられている3冊中、インドのものは詩集だけで、後は、フランクリン自伝とギボンのローマ帝国衰亡史ですし、1878~80年のイギリス「遊」学の際に、読み耽ったのはシェークスピアです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Rabindranath_Tagore
だから、タゴールが親日から反日に変わって行ったのは、単に、イギリス「本国」の日本観の変化を忠実に反映しているに過ぎない、と考えるべきでしょう。
今でも、パンカジ・ミシュラ等のインドの知識人の多くの頭の中はイギリス人そのものであり続けていると私は見ているところ、そうだとすれば、彼らが、モディ首相が「本国」より先に、よりにもよって、日本風情を訪問したことを快く思わないのは当然でしょう。
(ミシュラ(1969年)は、ニオール・ファーガソンの英帝国観を批判し、ファーガソンは人種主義者だと攻撃しています
http://en.wikipedia.org/wiki/Pankaj_Mishra
が、私見では、ガンディーの「思想」がそうであった(コラム#省略)ように、あくまでも、イギリス国内での「議論」の範囲にとどまっています。)
ちなみに、モディ(貧しい少年時代。1950年~。デリー大通信制・グジャラート大修士)
http://en.wikipedia.org/wiki/Narendra_Modi
は、「英語は流暢に話せるが、外国の要人との会談では英語ではなくヒンディー語を使い、通訳を介して話す。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%87%E3%82%A3
という人物です。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
ハローキティーがネコじゃなかったことの衝撃は、米英において、いまだ収まっていない。↓
How a Revelation About Hello Kitty’s Identity Blew Everyone’s Mind・・・
http://op-talk.blogs.nytimes.com/2014/09/03/how-a-revelation-about-hello-kittys-identity-blew-everyones-mind/?ref=opinion
今まで、見過ごしてきたが、自衛隊も米軍と同じことをやれと言ってるおバカ・コラムを読んで、一体、米海軍のP8が何をやってたのかが、気になってきた。
だって、P8はP3(海自も持ってる)の後継機であって、
http://en.wikipedia.org/wiki/Boeing_P-8_Poseidon
最後に撃沈させる時にしか、潜水しっぱなしの敵性の原潜に対しては役に立たないはずだからだ。
P3と違って、電子情報収集(エリント)機能も持っているらしい(上掲)から、海南島の軍事基地に係る電子情報を収集していたということかもしれないが、それなら、エリント専用機を使った方がいいからねえ。↓
「・・・8月19日、中国海南島220キロメートル沖合上空の国際空域(公海の上空)をアメリカ海軍P8ポセイドン対潜哨戒機が偵察飛行していたところ、中国軍のJ-11戦闘機が・・・6メートルにまで・・接近した。・・・
日本としても同盟国アメリカにのみ海南島周辺の偵察を任せるのではなく、海上自衛隊P-3C哨戒機や新鋭P-1哨戒機を海南島周辺の国際空域に派遣して、日本にとっての脅威となる中国海軍攻撃原潜の情報収集を強化しなければならない。」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41637
こんなところに胡錦濤が名を連ねる、ということは、習近平体制が、胡錦濤体制の(対日戦略を含めた)忠実な後継体制であることを示しとるね。↓
「香港誌「争鳴」9月号は、中国共産党の指導部である政治局常務委員、政治局員の経験者28人が8月、2022年までの「2期10年」とされている習近平・・・総書記の任期を27年まで延長するよう求める連名の建議書を、党政治局に提出したと報じた。
提出者には胡錦濤・・・前総書記や李鵬・・・元首相らも含まれているという。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/world/20140903-OYT1T50062.html?from=ytop_ylist
韓国が落ちた落ちたと騒いでる、競争力指数、台湾も落ちたんだね。↓
Taiwan’s global competitiveness fell two notches to 14th place this year, its worst showing since 2008・・・
http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2014/09/04/2003598962
フランスが、ロシアへの新造艦艇の引き渡しを、ようやく凍結した。↓
France is to suspend delivery of a state-of-the-art Mistral warship to Russia in protest at Moscow’s continued role in unrest in eastern Ukraine.・・・
<2隻中の一番艦。↓>
France is building two of the Mistral-type helicopter carriers for Moscow at a shipyard in Saint Nazaire. The controversial –1.2bn (£960m)deal was signed in 2011 and the first ship, the Vladivostok, was due to be delivered next month. There are currently 400 Russian sailors — making up two crew — in France carrying out training and sea trials on the vessel.
<後ろ半分はサンクト・ペテルブルクで建造され、再び、フランスに回航されて、艤装中で、既に露兵400人が艤装員としてフランスにいるんだね。↓>
The rear half of the ship was built by a Russian shipyard at St Petersburg and towed to France where it was assembled in July 2013.・・・
http://www.theguardian.com/world/2014/sep/03/france-halts-delivery-warship-russia
プーチンは冷戦での敗北(領土喪失)に対する報復主義者で、第一次世界大戦での敗北(領土喪失)に対する報復主義者だったヒットラーと同じだとするコラムだ。
(分かっとらんねえ。そんなこと言ったら、スターリンは、日露戦争での敗北(領土喪失)に対する報復主義者だったんじゃなかったんだっけ。(太田))↓
・・・Putin’s essence is anger. It is a smoldering amalgam of resentment (of Russia’s diminishment because of the Soviet Union’s collapse), revanchist ambitions (regarding formerly Soviet territories and spheres of influence), cultural loathing (for the pluralism of open societies) and ethnic chauvinism that presages “ethnic cleansing” of non-Russians from portions of Putin’s expanding Russia.
<ヒットラーがフランスの降伏式をどこでやったかを思い出せってさ。↓>
This is more than merely the fascist mind; its ethnic-cum-racial component makes it Hitlerian. Hence Putin is “unpredictable” only to those unfamiliar with the 1930s. Regarding the roles of resentment and vengeance, remember where Hitler insisted that France formally capitulate in 1940 — in the railroad carriage, near the town of Compiegne, where Germany signed the 1918 armistice. ・・・
http://www.washingtonpost.com/opinions/george-will-the-putin-threat-to-the-baltic-states/2014/09/03/e4d0b3a0-32dd-11e4-a723-fa3895a25d02_story.html
プーチンが1年前はウクライナ全体をロシアに「吸収」しようとしていたことからすれば、現在のプーチンは極めて抑制的だとさ。↓
・・・the Kremlin has drastically scaled back its hopes from where they stood a year ago, when Moscow wanted to bring the whole of Ukraine into a Russian-dominated bloc, and even from its initial response to the revolt in Kiev. ・・・
http://www.nytimes.com/2014/09/04/opinion/a-way-out-for-kiev-and-moscow.html?ref=opinion
ドイツの女性哲学者が、ユダヤ人たる女性哲学者の故ハンナ・アーレントのアイヒマン観・・どこにでもいる陳腐(banal)な人間・・が誤りであることを新刊本の中で明らかにした。↓
<アイヒマンによるカントの道徳哲学を批判する高度に知的な文章を「発見」。
(カントをヒットラーの知的祖先だと思ってる私に言わせれば、アイヒマンがカントの何を批判したのかよー分からんけどね。(太田))↓>
・・・Ms. Stangneth came across a long note he wrote, dismissing the moral philosophy of Immanuel Kant, that flew in the face of Arendt’s notion of Eichmann’s “inability to think.”・・・
“I was totally shocked. I could not believe this man was able to write something like this.”・・・
<その上で、彼は命令を忠実に遂行したのではなく、自ら正しいと確信していたことを遂行した、と結論付けた。↓>
Eichmann, who was hanged in 1962, wasn’t the order-following functionary he claimed to be at his trial, but a fanatically dedicated National Socialist.
If previous researchers have seriously dented Arendt’s case, Ms. Stangneth “shatters”・・・
<書評子は、これで、アーレントは知的巨人の座から引きずり降ろされたとさ。↓>
While Ms. Stangneth maintains that Arendt, who died in 1975, was fooled by Eichmann’s performance on the stand, she sees her less as a foil than as an indispensable intellectual companion.・・・
http://www.nytimes.com/2014/09/03/books/book-portrays-eichmann-as-evil-but-not-banal.html?hpw&rref=books&action=click&pgtype=Homepage&version=HpHedThumbWell&module=well-region®ion=bottom-well&WT.nav=bottom-well&_r=0
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太田述正コラム#7160(2014.9.4)
<新しい人類史?(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2375)
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