太田述正コラム#7315(2014.11.21)
<皆さんとディスカッション(続x2453)>
<太田>(ツイッターより)
 「…高倉さんは、暗殺されそうになる東京地検検事・杜丘冬人を演じ、その寡黙で男らしい姿が、改革開放(78年)を実施したばかりの中国の人々の心を鷲掴みにした。
 そして、中国は、高倉さんや同映画を通して、日本や現代化された社会を知った。
 当時、中国の人々の「君よ憤怒の河を渉れ」に対する理解や想像は、同映画の本来の意義をはるかに超えていた。
 当時、「日本」と「現代化」を重ね、多くの人が同映画を通して、日本のスタイルが中国に与える意義を考えていた。
 当時の日本の映画は、改革後間もない中国にとって、現代化社会の窓口のような存在で、多くの人が感動を覚えた。…」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2014/1120/c94473-8811735.html
「…正直で、何事にもまじめに取り組み、人生において何度も遠回りする。そんな男の姿に、多くの人が自分の人生を重ね、涙を流した。
 <このような>日本<人>…の高倉さんに対するイメージは、コートを着たクールな男性を思い浮かべる中国の人々の印象とは大きく異なっているのだ。」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2014/1120/c94473-8811754.html
 前者は、やっぱりそうだったのかと膝を叩いた。
 後者は、日中での高倉観の違いに迫りつつあえて寸止めせざるをえなかった論評だ。
<太田>
 関連記事だ。
 「・・・俳優から監督に転向した・・・姜文「私も母も高倉健さんが大好き」・・・
 高倉健さんが主演した『君よ憤怒な河を渉れ』は1970年代の中国の人々が外の世界を知ることに大きな役割を果たした・・・」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2014/1120/c204149-8811691.html
 <TVニュース映像付だが、言葉が分からなくても熱の入れ方がよく分かる。↓>
 「高倉健 80年代の中国人男性の「ファッションのライバル」・・・
 当時中国のある衣料品生産工場は高倉健が映画内で着用したスタイルのコートを10万点生産したが、わずか半月で全て完売した。おしゃれな中国人男性はこのベージュ色のコートを着ながら、ひそかに彼を「ファッションのライバル」とみなしたものだ。・・・」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2014/1119/c94657-8811110.html
<Unb8EanA>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 二か月前、雑誌に米人俳優マーク・ウォールバーグの記事(翻訳)が載ってった。
 10代で、ヤクの売人、15歳で黒人に投石、16歳でベトナム難民2人を棍棒で襲撃、内一人の片目が失明。現在は更生して教会に通い、映画スタッフを率いる。
 日本にも、暴走族の総長だった宇梶剛士のような人がいるが、失明させたのに、たった45日で出所したことを含め、そこに流れる野蛮さが日本と違うことに呆然とした。
 マーク・ウォールバーグ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B0
</57SnhCQ>(同上)
 これは笑えたけどね。
 日米野球「メジャーのベンチ」に球場関係者呆然
http://xxxkaigaixxx.blog.fc2.com/blog-entry-2915.html
<太田>
 上の話と下の話は無関係じゃないぜ。
 占領や在日米軍勤務等を通じて、上の話のようなことを常識として知ってる人がアメちゃんの中に広範にいても不思議じゃないというのに、下の話のようなことが今更米国で話題になるってのは、アメちゃん達がいかに人種差別意識を引きずってて、日本に住んでる最中にも日本になんか何の関心も持たないままであり続けてるかってことさ。
 高倉健出演の『レイン』がありながら、米国の主要メディアが彼の死に何の反応も示していないことも、その例証の一つだな。
 話は全く変わるが、下の話の典拠繋がりで、下掲に遭遇したが、面白かったよ。
 リニア試乗映像とガイジンの反応
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1369.html
 「駅長」たまの映像とガイジンの反応
http://xxxkaigaixxx.blog.fc2.com/blog-entry-2915.html
http://blog.livedoor.jp/otataho/archives/41996893.html
http://www.liveleak.com/view?i=3e3_1416353041
<komuro>
 <昨夜、>送料元払いで荷物を送り出しました。到着予定日は・・・11/21・・・です。・・・
 箱の中身は以下のとおりです。
・USB DAC styleaudio CARAT-TOPATZ signature
・ヘッドホン AKG K501
・USBケーブル オヤイデ電気 d+USB class A
・スピーカーユニット PARK AUDIO DCU-F121W 2個
・小型アンプ TOPPING TP20 MARK2
・スピーカーケーブル 2mくらい
・USBメモリ I-O DATA 4GB
 USB DACの使い方は簡単です。PCに接続して、電源onで使えます。
 電源のトグルスイッチを上にすると、ヘッドホン出力になります。
    〃      下にすると、アンプへ出力(ライン出力)になります。
 USBケーブルは、端子にオレンジ色ラインがある方を使うと、より音が良くなります。
 具体的には、低音の伸びが増します。
 サンプル音源・・・のウッドベースの音など<で確かめてください。>
 ・・・
 以上、何かご質問があるときは、メールかコラム・掲示板上でお願いいたします。
 PC上のトラブルの場合は K.K さんにお任せします。
 では、良きオーディオライフが楽しめるよう願っています。
<太田>
 15:00頃届きました。
 その際、旧著の『防衛庁再生宣言』を逆に託しました。
 明日には届くと思います。
 有料会員大福帳を見ると、komuroさんの旧住所が記されているので、ひょっとすると、昔、この本をお買い上げをいただいているのかもしれません。
 その場合、今回のには署名を入れたので、前のは処分されるかなどしていただければと思います。
 さて、さっそく、送っていただいた、USB DACとヘッドホンとを用いて、外付けハードディスク内の中島みゆきの歌でチェックした上で、ピアノ部屋からヴェルディのリゴレット(パヴァロッティら)のCDを持ってきて聴きました。
 (途中でご指示を思い出して、付属のUSBケーブルを、端がオレンジ色のUSBケーブルに変えました。)
 終わってから、ご提供のサンプル音源も聴いてみました。
 いやー、素晴らしいですねえ。
 心から御礼申し上げます。
 さしあたり、二点質問があります。
 一つは、パソコンのUSB端子は、USB1の方でもよろしいでしょうか。
 もう一つは、昨日お尋ねしたことですが、送っていただいたスピーカーを入れる箱はどんなものがいいのでしょうか。
 
 それでは、その他の記事の紹介です。
 私自身の経験に照らし、事実は小説より奇なり、が正しい。↓
 「小説が事件を予言? 文芸春秋が異例のプレスリリース 黒川博行『後妻業』・・・
「事実は小説より奇なり」か、あるいは「小説は事実より奇なり」なのか。」
http://book.asahi.com/booknews/update/2014112000001.html?iref=comtop_list_cul_b03
 ピリングは、ちゅうか、最近のイギリス人は、ホントに凡庸になっちゃったねえ。↓
 「・・・今や日本は、歴史的に日本がしたことを今も強く根に持っている中国と向き合っていかなければなりません。・・・
 日本の市民社会は、世界で最も堅固な市民社会というにはほど遠いと思いますが、一般に思われているよりはずっと健全です。・・・
 日本も他国に対して何をしたかを議論するだけでなく、日本の市民社会がなぜあのような事態の発生を許すに至ったのか、日本の民主主義の弱点は何なのか議論することは大切です・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20141120/274108/?n_cid=nbpnbo_mlp
 
 一見もっともらしい主張だが、中共の台湾侵攻意思の有無を問うまでもなく、日本の軍事力、及び、米国の西太平洋軍事力、プラス台湾の軍事力、で考えればいいのであって、台湾の軍事力が自己完結性を有する必要性はなかろう。(例えば、現状では、日本も台湾も核戦力は持っていない。)↓
 「潜水艦技術を供与して台湾の苦境を救え台湾防衛は日本防衛に直結している・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42243
 いつもの、中共人民の日本礼賛の声と中共当局の日本ヨイショをどーぞ。↓
 「台湾人が日本の駅で「身の毛がよだつ」思い=「3回生まれ変わっても日本人のようにはできない」・・・」
http://www.recordchina.co.jp/a97461.html
 「・・・『日本人は極端に他人に迷惑をかけたくない民族なんだな』と感じた・・・」
http://www.recordchina.co.jp/a97552.html
 「・・・いったん問題が起きると、生産した食品はすべて売れなくなる。食品業界の厳しさによって、日本全体に安全安心な食品が提供されているのだ。」
http://www.recordchina.co.jp/a97456.html
 「・・・自分は日本が好きだ。明日の中国が今日の日本のようになることを、中国の子どもたちが日本の子どもたちと同じように、恨みや洗脳教育の下ではなく、濃いスモッグの中で呼吸するのではなく、自由で健康的にたくましく成長することを、心の奥底から願っている。」
http://www.recordchina.co.jp/a97141.html
 「西島秀俊さん結婚発表、中国女性ファンは悲鳴・・・」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2014/1120/c94473-8811820.html
 なんで、噂の彼、朝鮮日報や産経新聞は訴えてないんだろね。↓
 「朴槿恵・・・政権の「影の実力者」との疑惑が報じられたチョン・ユンフェ氏(59)が、週刊誌「時事ジャーナル」を相手取り損害賠償と訂正報道を求めた訴訟の初の口頭弁論が19日、ソウル中央地裁であった。チョン氏側は「(時事ジャーナルの)根拠のない虚偽報道に家族が精神的な衝撃と苦痛を受けた。・・・
 時事ジャーナルは今年3月19日から7月9日にかけて掲載した5件の記事で、チョン氏が朴大統領の「秘線」(秘密裏に接触する人物)であり、現政権に政治的影響力を行使しているとした・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/20/2014112001383.html
 オルド自由主義なるものは、企業国家主義やコーポラティズムと思想的基盤は同じだろ。
 プロト欧州文明の経済体制マークIIのバリエーションの一つなのさ。↓
 「・・・ドイツ人には、ドイツ独特の経済的枠組みを表す言葉がある。「オルド自由主義」がそれだ。
 その起源は完全に理にかなっていた。1933年の自由民主主義の崩壊に対し、ドイツのリベラルなエリート層が出した答えだったのだ。
 オルド自由主義は、制限のない自由主義体制は本質的に不安定であり、自らを支えるためには規則と政府の介入が必要だとの見解から生まれた。政府の仕事は、市場の欠陥を正すことではなく、規則を定め、執行することだというわけだ。
 1945年以降、オルド自由主義は中道右派の支配的な経済原理となった。1990年代になると、ドイツ社会民主党(SPD)がオルド自由主義を取り入れ始め、最終的にゲアハルト・シュレーダー首相による2003年の労働・福祉改革に至った。
 現在、政府はオルドリベラルだ。野党もオルドリベラルだ。大学はオルドリベラル派の経済学を教えている。・・・
 オルドリベラルの教義は、ドイツにとってはうまくいった可能性もあるが、筆者としては、ドイツの経済的な成功は、経済政策よりも、むしろ主に技術と高いスキルと一部の優良企業の存在によるところが大きいのではないかと思っている。
 ドイツはユーロ体制の支配を通じて、オルド自由主義のイデオロギーを他のユーロ圏諸国へ輸出している。これほど多様な法律の伝統と政治体制、経済状況を持つ通貨同盟にとって、これ以上に不適当な教義を思い浮かべるのは難しい。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42255
 不幸せな結婚は心身の健康を蝕むが、累積効果もあり、高齢の女性をとりわけ蝕むことが分かった。↓
 ・・・ People in unhappy marriages are at a much higher risk for heart disease than people in more joyous unions,・・・
 That negative effect on cardiovascular health was even more pronounced for women and older adults・・・
http://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2014/11/20/a-bad-marriage-can-literally-break-your-heart-especially-if-youre-a-woman/?hpid=z5
<太田>
 USさんに作り直していただいた、次回(2015年1月24日)の東京オフ会申込みフォームを使って既に申し込まれた読者がおられますが、皆さんにお知らせするのが遅れました。
 下掲から、申し込みをどうぞ。↓
http://www.ohtan.net/meeting/
——————————————————————————————————————————————-
太田述正コラム#7316(2014.11.21)
<同じ声で吠え続けることしかできないフクヤマ(その5)>
→非公開