太田述正コラム#7601(2015.4.13)
<皆さんとディスカッション(続x2596)>
<太田>(ツイッターより)
 朝日が取り上げた本(コラム#7507)を産経が、より詳細に取り上げた。↓
 「古代「女性」の輝きに学ぼう…官僚<の>…俸給<も>…男女同額だった。…」
http://www.sankei.com/column/news/150412/clm1504120007-n1.html
 日本の「左」と「右」が、この種の歴史認識の共有を通じて脱皮することを期待したいね。
<w/D.OmXI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫今回のように、コンピューターが△2八角と打ってしまう評価ロジックを(ソフト開発者が介入して)変更するには、どうしたら良いと思いますか。≪(コラム#7599。komuro)
 特定の局面のための評価ロジックでないのなら、それをいじる影響はあらゆる局面の評価全体に及ぶでしょう。
 ある局面に対して2八角と打たないようにすることは可能なのでしょうが、その結果他の局面で(これまで同様のレベルで)悪手を指さない、かつ良い手を逃さないかどうかをどうやって確認するかの方が難しそうです。
 それを実際に動かしてみることなく影響度が分かるのなら、その開発者はそのソフトより桁違いに棋力があることになるでしょう。
 AWAKEが機械学習を使っているのか知りませんが、一般論として機械学習もやればやるほどいいというものでもなくて、過学習はよく知られていますよね。
http://gihyo.jp/dev/serial/01/machine-learning/0021
 そもそも何を学習して何を無視すればいいか分かっているなら学習に頼る必要もないではないか・・・という茶化しもあります。
 棋譜で学習するのでも、何がよい棋譜か選別できるなら、その労力があれば、という問題がすぐに出てくるでしょうから、現実的にはデータの選別ではなく学習のパラメータをいじって試行錯誤してるのではないかと思います。
 最近はスマホでも顔認識できますが、顔認識のための学習の結果、木のうろも顔とご認識することは知られています。
 その対処が木のうろを何度も撮らせて不正解とすることでいいかどうか、という問題と似ているかもしれません。
≫あと第2局の永瀬六段戦での△2七角不成へのSeleneの応手を見ても、まだ人間が介入しないといけない箇所があると、私は見ています。≪(同上)
 この問題に限っていえば、Selene開発者さんの枝刈りに関するポカミスではないか、と言われています。
http://yaneuraou.yaneu.com/2015/03/22/selene%E3%81%8C%E5%8F%8D%E5%89%87%E8%B2%A0%E3%81%91%E3%81%97%E3%81%9F%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%81%8C/
 後の検討でもその前の1六角を打たせた時点で相当に人間有利だったとのことで、永瀬六段の△2七同角不成は開発者にとってはサービスというかデバッグありがとう、と思うべきところかなと思います。
 局後の西海枝さんの態度に感銘を受けた視聴者の方も多かったのではないでしょうか。
http://toyamayusuke.hatenablog.com/entry/2015/03/22/131240
 なおこのバグは先の件とは異なり「修正」は可能であろうと思います。
≫プロが相手(コンピューターソフト)の弱点を突かないと勝てないほど、強くなったということなんでしょう。≪(同上)
 将棋に限らずチェスも囲碁も、人間に自然に生活していては鍛えられない計算や記憶の力、自分の行為に対する相手のリアクションを考慮する力を要求するゲームだと思っていますが、運の要素がなく手順で解ける問題である以上、コンピューター向きのゲームであって、性能向上によって人間を追い越すのは自然の成り行きと思います。
 電王戦を勝った負けたで見るのではなく、何手先まで解析できるとプロに匹敵するのか、計算で解けるゲームに能力で及ばない人間が、さらに長手数の罠を張って出し抜くことができるか、というのが人間の本質的な長所を知る上で良い試みになっていると思います。
 一方、年中勝負し続ける中で勝率の問われるプロの強さは相手の弱点を見つけるところにあると思っています。同級のプロ同士で地力において圧倒的な差がない以上、相手に対する研究や対策を素早く立てる力がないとその中で勝ち残っていけないでしょうから。
 なので、プロが限りある時間の中でも研究し対策を編み出して相手の弱点を突いてきたのは自然なんじゃないのと思いましたし、逆にソフトが機械であるために弱点を突かれたという認識を持てずに(要はまだ知能ではない)敗れたのは、大変にいい勝負だったと思いました。
 ですので、ソフトだけ力戦でやりなさい、というのはプロたる能力の半分を発揮させないことではないでしょうか。ドワンゴの川上会長が終了後の記者会見の中、ソフトの事前貸出すらバランスを取ったことにならないと言っていた(偽りのフェアネスとも言いましたね)のは、正しい感覚だと思いました。
<LymAvtf.>(同上)
 仏教について考えるだけで思いやりが深くなることが判明
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/11/buddhism-compassion_n_7045246.html
 なんぼなんでも無理があるような…
 それに向こうの人にとっての仏教イメージって映画リトルブッダで描写されていたようなオカルト要素が主だろうし。
<8ufVPk0A>(同上)
 意外に思われるかもしれないが事実だと思う。
 意味不明のお経を読むだけで顔つきも変わってしまう。
 これは、実体験したからよくわかる。
 ちなみに自分の知っている運動・健康法の指導者は健康法の一つとして、読経を毎日、行っているそうだ。
 文章の意味は考えたこともないそうです。
<太田>
 今度のオフ会
http://www.ohtan.net/meeting/
で仏教と人間主義について話をするので、それを参考にしてね。
<8ufVPk0A>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫えーい、<貿易収支は黒字化傾向なのか赤字化傾向なのか、>一体どっちが正しいんじゃい?≪(コラム#7591。太田)
 日本の2014年の貿易収支
http://ecodb.net/article/news/309.html
 原油急落の恩恵が顕在化するのは4月以降
http://news.mynavi.jp/column/jijishinsou/010/
 貿易収支、近づく黒字化 2月の赤字4000億円減
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF08H0X_Y5A400C1EE8000/
貿易収支<を見ると、>
2014年上半期 赤字7.6兆円 下半期 赤字5.1兆円
2015年1月 赤字1兆1,775億円
2015年2月 赤字1431億円
<と、>2014年1月の貿易赤字2兆4169億円から劇的に赤字は減ってきている。
 原油急落の恩恵は今年の4月から更に本格化すると考えられるので黒字転換は目前か?
<太田>
 太田さん、2014年および2015年送受信メールの再仕訳の手順を送付いたします。
 後述のようにGmailに仕様変更があり、IMAPとBccを利用してもBccの内容が保全されるようになったようです。
 尚、太田さんのメールアドレスのうち、ohta@ohtan.netは公開されている、ohtan.net@gmail.comは太田さんから送信されたメールのヘッダで確認できる(つまり、半公開)ですので、xxx@ohtan.net等の表記は用いませんでした。
一.IMAPアカウントとPOPアカウント
 太田さんのThunderbirdは、1つのGmailアドレスに対してIMAPとPOPの2つのアカウントを設定してあるわけですが、 [ohtan.net@gmail.com]がIMAPアカウント、[ohta@ohtan.net]がPOPアカウントであろうと思います。POPアカウントの方は自動受信を止めてあります。
 何故2つのアカウントを設定したかというと、Bccを利用してIMAPでメールを送信すると送信後Bccの中身が確認できない、一方POPで送信すると確認できるので、コラム配信はPOPで行うようにしていたわけです。ところが、本日、Thunderbird(Ver31.6)で検証した結果、IMAPで送信してもBccの中身が確認できるように仕様変更が行われたようです。(Thunderbirdではなく、Gmail側の仕様変更?)
 そういうわけで、今日、有料読者向けのコラム配信をIMAPアカウントから行って、コラム配信後Bccの中身が確認できるか検証してください。念の為、Gmail上でも確認してください。
 Thunderbirdの場合は、本文の上のところ(ヘッダの設定が[標準]であるとして)に[差出人][件名][宛先][Bcc]と並んでいるはずです、そこの[Bcc]のところに有料読者の方のアドレスが並んで表示されるか確認してください。Gmailの方は、件名の右隣に有料読者の方のアドレスが表示されているか確認してください。
⇒このコラムを送ってみて確認したいと思います。(太田)
 IMAPアカウントで送信してもBccの中身が失われないことが確認できれば、POPアカウントは不要になると思います。ただし、今まで送信したコラムメールのBcc確認のために、半年ぐらいは削除は待つべきだと思います。
二.2014年と2015年の受信メールの再仕訳
 2014年と2015年に送受信したメールに対して、不要なラベルを剥がし、適切なラベルを付ける操作を行います。(←Gmailで行うのでこういう表現になりますが、フォルダ管理でいうところの移動です。)
1.2014年受と2015年受信メールに対する操作
1)ブラウザでGmailにアクセスしてください
2)画面上部のテキストボックスに次の[ ]内を入力して、検索ボタンを押してください。
[to:(ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com) after:2014/01/01 before:2015/01/01]
3)検索結果が表示されます。検索結果が正しいか、軽く確認してください。
4)画面上の方に[その他▼]ボタンがあるのが確認できると思います。[その他▼]ボタンの左(おそらく左2つ目)にチェックボックスがあるのが確認できると思います。そのチェックボックスにチェックを入れてください。
5)上記手順4)の結果、画面上部に[この検索条件に一致するすべてのメッセージを選択してください]と表示されるはずです。これをクリックしてください。
6)上記手順5)の結果、手順5)の表記が[選択を解除]に変わったことを確認してください。
7)[その他▼]ボタンの左隣の[”ラベル”]ボタンをクリックしてください。
8)ラベルの一覧がドロップダウンリストで表示され、ラベル名の左にチェックボックスがあります。
9)[2014]ラベル”以外の”チェックボックスで、[レ]もしくは[-]がある場合はクリックして、チェックを外してください。今一度、[2014]チェックボックス以外のチェックボックスが[□]であることを確認してください。
10)次に、[2014]チェックボックスにチェック([-]ではなく[レ])を入れてください。
11)操作の結果、ドロップダウンリスト下部に[適用]と表示されるはずですので、これをクリックしてください。一括操作の確認」が出た場合は、「OK」をクリックしてください。
12)[2014]ラベルをクリックして、操作の結果を確認してください。
⇒2015年の受信メールも混在していましたが、先に進むことにしました。(太田)
13)2015年の受信メールの再仕訳は、上記手順2)の検索条件を
[to:(ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com) after:2015/01/01 before:2016/01/01]
に、チェックを入れるチェックボックスを[2015]に読み変えて、上記手順2)から12)を行ってください。
⇒「画面上部に[この検索条件に一致するすべてのメッセージを選択してください]と表示され」ませんでしたし、そもそも、検索結果が2015年4月10の途中から現在までのものだけとなっていました。
 よってここで作業を中止しました。(太田)
2.2014年と2015年送信メールに対する操作
1)ブラウザでGmailにアクセスしてください
2)画面上部のテキストボックスに次のの[ ]内を入力して、検索ボタンを押してください。
[from:(ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com) after:2014/01/01 before:2015/01/01]
3)検索結果が表示されます。検索結果が正しいか、軽く確認してください。
4)画面上の方に[その他▼]ボタンがあるのが確認できると思います。[その他▼]ボタンの左(おそらく左2つ目)にチェックボックスがあるのが確認できると思います。そのチェックボックスにチェックを入れてください。
5)上記手順4)の結果、画面上部に[この検索条件に一致するすべてのメッセージを選択してください]と表示されるはずです。これをクリックしてください。
6)上記手順5)の結果、手順5)の表記が[選択を解除]に変わったことを確認してください。
7)[その他▼]ボタンの左隣の[”ラベル”]ボタンをクリックしてください。
8)ラベルの一覧がドロップダウンリストで表示され、ラベル名の左にチェックボックスがあります。
9)[14送信済みメール]ラベル”以外の”チェックボックスで、[レ]もしくは[-]がある場合はクリックして、チェックを外してください。今一度、[14送信済みメール]チェックボックス以外のチェックボックスが[□]であることを確認してください。
10)次に、[14送信済みメール]チェックボックスにチェック([-]ではなく[レ])を入れてください。
11)操作の結果、ドロップダウンリスト下部に[適用]と表示されるはずですので、これをクリックしてください。一括操作の確認」が出た場合は、「OK」をクリックしてください。
12)[14送信済みメール]ラベルをクリックして、操作の結果を確認してください。
13)2015年の送信メールの再仕訳は、上記手順2)の検索条件を
[from:(ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com) after:2015/01/01 before:2016/01/01]
に、チェックを入れるチェックボックスを[15送信済みメール]に読み変えて、上記手順2)から12)を行ってください。
三.フィルタの修正
 先日設定していただいたフィルタの設定に誤りがありましたので、下記の手順で修正してください。
1)Gmailにアクセス→右上の歯車アイコンクリック→設定クリック→青い字の[フィルタ]クリック、してください。
2)先日設定したフィルタの右の方にある[編集]をクリックしてください。
3)[To]テキストボックスの内容が、
[to:(ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com)]
である場合は、
[ohta@ohtan.net OR ohtan.net@gmail.com]
に変更してください。(検索ボックスで検索する場合は、”to:”が必要、フィルタの場合は不要、というのを混同していました。)
4)右下の[続行]をクリックしてください。
5)左下の[フィルタを更新]をクリックしてください。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 見出しの部分に関する限り、広島市長のマケ。↓
 「「ロシアの核を責める前に、原爆投下したアメリカに抗議を」 広島市長に<ロシア>駐日大使が反論・・・」
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/12/hiroshima-russia-nuclear_n_7049196.html
 私に言わせりゃ、日本の「下方向への格差拡大」の最大の原因は、戦後日本が男性差別社会で、女性の多くが未婚のまま父親を搾取したり、専業主婦として夫を搾取したりして、自らの社会的価値向上を怠っていることだよ。↓
 「・・・一般的に貧困の度合いは「相対的貧困率」(可処分所得が中央値の半分以下の人の割合)で表されるが、2012年における日本の相対的貧困率は16.1%となっており、先進国の中では突出して高い。福祉政策が手厚いと言われる欧州各国は1ケタ台のところがほとんどであり、これほど高い貧困率となっているのは米国と日本だけである。・・・
 日本の可処分所得の中央値は約244万円と なっており、貧困レベルはこの半分の122万円以下ということになる。生活保護の給付総額を給付者数で割った単純平均は175万円なので、122万円は日本においてはかなりの貧困レベルだということが分かる。この水準の生活を強いられる世帯が全体の16%、数にすると900万に達する状況なのである。・・・
 子供がいる世帯全体の貧困率は約15%だが、大人が1人という世帯の貧困率は大幅に上昇し50%を超える。大人1人の世帯の多くはシングルマザーと考えてよいので、この数値はシングルマザーの貧困率と言い換えることも可能だ。・・・
 他国の場合、シングルマザーでも仕事を持っている世帯の貧困率は低くなるのが普通だが、日本の場合、仕事を持っているシングルマザーの貧困率と、仕事を持っていないシングルマザーの貧困率がほぼ同じレベルとなっている・・・。つまり、日本では働いても働かなくても、収入がほぼ同じという状況なのだ。・・・
 このような事態が発生している原因は、極めて短時間な就労機会しか与えられていないか、もしくは労働法制が守られていないかのどちらかということになる。・・・
 職があっても貧困に陥るというのは、先進国ではちょっとした異常事態であり、日本の労働市場の硬直性が極限まで来ている可能性を示唆するものといえるだろう。・・・
 ピケティ氏が主張する全世界共通の格差拡大メカニズムは、バブル崩壊後の日本経済にはあまり当てはまっていない。・・・
 2010年における日本のトップ1%の平均年収は約2100万円となっている。・・・給与所得者のうち上位1%に該当する年収は1500万円以上となっており、思いのほか低い(個人事業主を含めるともう少し上がる)。ちなみに米国におけるトップ1%の年収は1億円を突破している。・・・
 日本における格差は、上方向ではなく下方向への格差拡大と考えた方がよいだろう。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43479
 印象派時代以来の日本芸術ブームのフランス?↓
 「パリを席巻する日本人アーティストの巨大フィギュア–ゆるキャラ? アート? ・・・
 日本人アーティスト、吉井宏氏の「ローズ」・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43392
  In a global ranking of 65 countries, the UK came six places from last, with 30% of the population calling themselves religious.・・・
 <宗教信者が多いのは、タイ、次いでアルメニア/バングラデシュ/ジョージア/モロッコの順。
 (これら諸国は、他の世界宗教との境界線に位置しており、恐らくは、宗教が国家アイデンティティの拠り所になってんだろ。(太田))↓>
 This compares with 94% of people in Thailand and 93% of people in Armenia, Bangladesh, Georgia and Morocco who said they were religious.
 <無宗教者が多いのは、支那、日本、スウェーデン、チェコ、オランダ/香港、英国の順。↓>
 At the bottom of the list was China where only 6% of people said they were religious ・・・
 This was followed by Japan, where just 13% of people were religious, Sweden with 19%, Czech Republic with 23%, and the Netherlands and Hong Kong with 26%.・・・
 <世界的には、3分の2が宗教信者であり、若年者に宗教信者が多いので、宗教信者の割合は今後増加して行くだろう。
 (この点でも、日本と支那は生来的同盟関係、日本と拡大英国は準生来的同盟関係にあるってこと。(太田))↓>
 ・・・globally an average of two-thirds of people still consider themselves religious. ・・・
 ・・・with the trend of an increasingly religious youth globally, we can assume that the number of people who consider themselves religious will only continue to increase.・・・
http://www.theguardian.com/world/2015/apr/12/uk-one-of-worlds-least-religious-countries-survey-finds
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太田述正コラム#7602(2015.4.13)
<『大川周明–アジア独立の夢』を読む(その8)>
→非公開