太田述正コラム#7749(2015.6.26)
<皆さんとディスカッション(続x2670)>
<太田>(ツイッターより)
このところ、シリア北東部一帯でクルド人勢力と死闘を繰り広げているIsisが、1月までにほぼ撤退させられていたところの、コバニに、この都市内外から再び一斉攻勢をしかけた。トルコがIsisの領内からの浸透を許した可能性も取り沙汰されている。
http://www.bbc.com/news/world-middle-east-33266399
「小林よしのり氏<いわく、>… 安全保障法制をみても、安保環境の変化というのは、中国が怖いから対米追随を強めるんだ、と。
つまり、安倍政権は、中国へのおびえから、立憲主義が崩壊するほど切迫した事態があるのだと言っているわけで、そんなのは強迫神経症だ。
憲法を変えずにやって、さらに憲法を改正しようとしたら、国民は「まだ足らんのか」となり、国民投票で負けてしまう。
改憲派のわしには、それじゃあ困る。安倍政権は取り返しのつかないことをやっているのだ。」
http://www.asahi.com/articles/ASH6T4RNHH6TUTFK00F.html?iref=comtop_list_pol_n03
前半は正しいが後半は誤り。
規範性なき憲法を改正する必要なし。
<太田>
関連コラムだ。
こんなん、タイトル見ただけで読む気しないが、本件での「精神障害」の典型的症状の一つだね。↓
「国家消滅を招く憲法違反の「集団的自衛権–歴史が教える怖い真実:本当に必要なら正々堂々と憲法改正を・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44124?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=list
<太田>(ツイッターより)
「韓国が<日本>批判をやめないのは、韓国の方が日本よりも道徳的に絶対優位だと信じる気持ちがベースにあるためだ。
しかし、韓国の看板作家が日本を代表する作家の作品を盗作したという騒動は、そう信じる気持ちを揺るがす。
しかも、「申京淑氏の描写の方が(日本の作家の作品より)比較的優位にあると評価する」という大手出版社「創批」の反論は、韓国が主張する道徳的優越性がどれだけお粗末な基盤の上にあるのかをありのままに示している。…
韓国文化界による日本の作品からの盗作・模倣は昨日今日の話ではない。…
「社会」<も、>… 憲法第1条に出てくる「共和」「主権」「国民」「権力」も日本で作られた訳語をそのまま受け入れたものだ。
いや、そもそも「憲法」がそうした単語だ。
これは幸いなのか、それとも不幸なのか。
近代西欧文明の概念を大して苦労することなく理解できたのは幸運だ。
だが、近代的な単語が似てしまい、日本をまねするのにだんだんと慣れていったのは不幸だった。…
他人が真剣に悩んで生み出した結果物を恥じることなくまねる習慣、問題が発生したら外国のシステムから拝借する習慣は大して変わらない。
「まじめな努力と蓄積」という一流の条件がまだ不十分なのだ。
「日本に比べ優位」と自慢している分野のほとんどが今、中国に追い付かれ、追い越されているのもこのためではないだろうか。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/26/2015062600431.html
そーだ、そーだ、その通りだよ。
朝鮮日報、その調子だよ。
<5on5rChk>(「たった一人の反乱」より)
≫何代にもわたって安全でない環境での生活を強いられた米国の黒人奴隷の場合、テロメアだけじゃなく、遺伝子にも傷や欠損が生じ、奴隷制がなくなった以降も継承されている、と見ることができるんじゃないかな。≪(コラム#7747。太田)
↑
獲得形質は遺伝しないのでは?
<5zgt56A.>(同上)
>獲得形質は遺伝しないのでは?
オレもおんなじこと思ったけど、多分こういう話じゃないの、知らんけど↓
「遺伝子の」か「遺伝的」か。あと「エピジェネティクス」をむずかしい単語で訳さないでほしいことなど。
http://d.hatena.ne.jp/aggren0x/20120514/1336987659
<太田>
コラム#7663で、既に、「・・・苦しい生活環境が貧困者のDNAに影響を及ぼすことが明らかになった。暮らしのストレスは彼らの遺伝子に長期にわたって悪影響を残し、DNAの質を低下させるという。・・・彼らの一部のテロメアは、良好な環境で暮らす同年齢の人よりも短い。・・・」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0514/c95952-8891966.html
という記事からの抜き書きを紹介しているが、この記事が拠っている元記事にあたってみたところ、下掲のような記述があった。↓
・・・low-income residents・・・, no matter their race, have shorter telomeres than the national average.
<However, b>lack residents had about the same telomere lengths regardless of their income level・・・
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3077314/Poor-people-s-DNA-declining-quality-say-scientists-Study-reveals-stressful-upbringings-damage-genes.html
つまり、米国の黒人は、米国人の平均よりも、押しなべてテロメアが短いってわけ。
で、「親が獲得した経験は遺伝しない。これが定説」ではあるものの、一昨年の「12月、」ネズミの実験で、「「恐怖の記憶」<(白人による拷問の恐怖に怯えた記憶!(太田))>が子や孫に伝わ」ったように見えるとした研究が発表されており、「遺伝子自体には変異がなくても、遺伝子の集合体であるDNA<(遺伝子)>に他の分子がくっつくことで遺伝子の働きが制限されることがある」ところの、「<5zgt56A.クンが言及した>「エピジェネティクス」と呼ぶ現象が・・・<こ>の実験に関わる可能性」が示唆されている
http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/186.html
ところだ。
(この研究、恐らくコラム#6608で取り上げたのと同じやつだろう。)
となると、例えば、黒人の「恐怖の記憶」が白人を見るたびに蘇り、ストレスを生じさせ、黒人のテロメアを短くする、という、あたかも、獲得形質が遺伝した(遺伝子が変改され・・正常者から見れば、傷や欠損が生じ・・た)かのような仮説が成り立つのでは?
<5zgt56A.>(「たった一人の反乱」より)
≫Au revoir!
(ところで、フランス語を齧った人、まさか、このフレーズを単に「さようなら」だと思ってやしないだろうね。’See you’と同じ意味なんだからな。)≪(コラム#7747。太田)
アニオタにとっては常識ですな(20:30ごろ)↓
ベルサイユのばら 第36話 The Rose of Versailles E36 The Watchword is Au Revoir
https://www.youtube.com/watch?v=JwF1qaxSgWg
<太田>
結局、第36話、全部見ちゃったよ。
あの有名なベルバラってこんなカンジなのね。
原作者の池田理代子の再々婚相手の賀来景英
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E7%90%86%E4%BB%A3%E5%AD%90
とは、ひょんなご縁があったんだけど、奥さんの方とは、今回初めてご縁ができたってわけだ。
<唯我独尊>
MHさんの投稿–「外国人社長役員」–(太田述正コラム#7745)に関連して雑言を。
「ゴミ大学」の対極にある「優等大学」を卒業された人々が活躍されている省庁に対して不信感を持っているのですが、このことは「ゴミ大学」から見るゆえの想念なのでしょうか。
<太田>
その不信感は私も完全に共有しています。
しかし、それは中央省庁に勤務している官僚達のせいというよりは、彼らの使用者である政治家の質や志の低さのせいであり、その根源は、外交安保の基本を宗主国たる米国に丸投げしているところの、携わる魅力なき日本の中央政治にある、とかねてより私は訴えてきているところです。
蛇足ですが、じゃ、どうして、そんな魅力なき中央政治の下請けをやるだけの中央省庁に「優等大学」卒業生が入るのか?
どんな分野(種目)でも見られるところの、オリンピック精神ってやつですよ。
文系で、一番行くのが容易じゃない学部に行きたい、更には、一番合格するのが容易じゃない試験・・メインは法律職・・にできるだけいい成績で合格したい、と思って努力を重ねた結果、気が付いたら中央省庁の官僚になっちゃってたってだけのことです。
(法「学」を学んだ結果として、大集団のルールの策定・改廃をやってみたくなるってことも、最終段階で、この精神に拍車をかけさせます。)
三島由紀夫までもが、エントリー種目を間違えて、東大法学部を出て、一時大蔵官僚(当時)になっちゃったことを思い出してください。
<1W15geJT>
【円安?】アメリカ企業が日本人エンジニアを雇いたがる理由
・・・シリコンバレーで働くエンジニアたちの給料が高いことがしばしば指摘されますが、実際に暮らすとなると、安全な暮らしと適切な教育環境のためには家族持ちは高級住宅地に住まなければならず、そうなると、10万ドルの年収でも厳しいというのが現実なのです。
10万ドルの年収は今の為替相場だと1,250万円ですが、実際の生活実感としては、
シリコンバレーで1ドル80円ぐらい、シアトルで90円ぐらいでしょうか。
http://www.mag2.com/p/news/19040?utm_medium=email&utm_source=mag_news_9999&utm_campaign=mag_news_0625
この視点は無かった。
米国企業の高給の理由は、個々人の安全保障に掛かる費用が大きい為でもあるのね。
<太田>
シリコンバレーにあるスタンフォード大学でだって、構内で、毎年必ず殺人事件が起きるし、強姦事件はもっと起きるし、チェーンで繋いである自転車の泥棒なんて日常茶飯事だからねえ。
アメちゃんが、どんな高級住宅街に住んでたって、ストレスを感じ、早死にするわけだ。
<K.K>
太田さん、Windows 10に関してなのですが、事前にドライバや説明書を調べたいと思っています。そこで、EpsonPC以外のどのパソコンにWindows 10のインストールを希望するかお伺いしたいです。
下記の点を踏まえまして、Windows10のインストールを希望するパソコンの型番を、希望が決まり次第、教えてください。
・一昨日、Windows10 Insider Preview 64bit (お試し版)を一台のパソコンにインストールし、更に、その他のソフトウェア等もインストールし、現在、試用しています。
あくまで2日間の試用からの判断ですが、太田さんのコラム執筆に必要不可欠なソフトウェアのうち、ロボフォーム以外は、ほぼ問題なくWindows10上で動作するだろう、という感触です。
ロボフォームに関しては、無料版がインストールでき、IE11・Chrome・Firefoxにロボフォームのアイコンが表示されるようになり、ログインが必要なサイトでログインを行うと記憶するかロボフォームが聞いて来ましたので、大丈夫だとは思うのですが、登録はしていないのでこれ以上の検証はできないという状況です。(Microsoftの新しいブラウザのMicrosoft Edgeには、当たり前ですが、ロボフォームのアイコンは表示されませんでした。)
また、Canon PIXUS MG6530は、Windows 8のドライバで正常動作(無線LAN接続で)しました。(PIXUS MX513は、所有していませんので、わかりません。)
・Windows 10の無償アップグレードの対象は、Windows7/8/8.1。また、その期間は、7月29日から1年間。
・太田さんは、確か、Windows 8のライセンスを3つ所有していて、現在2つしか使用していないという記憶があるのですが(違っていたらすみません)、余っているWindows 8のライセンスがアップグレード版であれば、そのライセンスはNECパソコン(Windows Vista)に移行可能な”はず”ですので(←”はず”というのは、ライセンス認証が電話認証になり、事情を説明すれば、認証が通るはず、ということです。)、ライセンス的には、NECパソコンもWindows 10に無償アップグレード可能だと思います。
ただし、この場合、Windows10インストール前に、NECパソコンにWindows8/8.1をインストールすることが必要になります。
・Windows10のシステム要件は、下記の通りです。(Windows 7/8と同じです。)
1:CPU: 1 GHz 以上
2:メモリ: 32 ビット版では 1 GB、64 ビット版では 2 GB
3:HDD: 32 ビット版 OS では 16 GB、64 ビット版 OS では 20 GB
4:グラフィックス カード: DirectX 9 以上 (WDDM 1.0 ドライバー)
5:ディスプレイ (画面解像度): 1,024 x 600
(1と2は、[エクスプローラ]を起動→何もないところで右クリック→展開したリストの一番下[プロパティ]をクリック→開いた[システム]ウインドウで確認できます。
3は、太田さん所有のすべてのパソコンが満たしているだろうと思います。
4と5は、現時点では考えなくてOKです。)
・Windows10のインストールを行う前に、システムバックアップを取っておけば、いつでも現在の環境(Windows Vista/7/8.1)に戻せます。
・「Once you upgrade W10 w/ the free upgrade offer you will able to clean reinstall Windows 10 on same device any time」
(一旦無償アップグレードでWindows 10にアップグレードしたら、いつでも同じデバイスにWindows 10をクリーンインストールし直すことができるよ)
http://kiritsume.com/2015/06/05/free-upgraded-windows10-can-be-clean-reinstalled-anytime/
とあるように、Windows 10をクリーンインストールできることは、ほぼ確実なのですが、「upgrade=上書きインストール」という意味かもしれず、7月29日にどういう形でWindows10の提供が始まるかは、現時点では不明です。
(つまり、クリーンインストールする為には、1)Windows 7/8.1にWindows 10を”上書き”インストールを行う、2)上書きインストール後、初めてクリーンインストール可能となるのでクリーンインストールを行う、という2回のWindows 10インストールを行わなければならない可能性がゼロではありません。)
・Windows10 Insider PreviewのUSBディスクからのインストールは、30分程度で完了しました。ですから、上述のように、クリーンインストールの為に、2回のWindows 10インストールが必要だとしても、それほど時間はかからないだろうと思います。
<太田>
NECパソコンをwin8.1経由で10にアップグレードするってのは、とりわけ魅力的ですね。
Vistaの保証期間が過ぎたらオシャカにする覚悟だったので・・。
システム要件はクリアしているので、折を見て、8.1にアップグレードしておきます。
ところで、富士通パソコンの8.1への再アップグレードを断念したのは、富士通提供の種々のソフトに8.1アップグレードに対応できるように措置を施さなければならず、それが余りにも面倒だったためですが、富士通パソコンに限らず、そういったオマケソフトは全て捨て去る覚悟さえあれば、今度の10へのアップグレードを躊躇する理由はありません。
<K.K>
それでは、Dellパソコン・新富士通パソコン・富士通パソコン・NECパソコンの型番がわかり次第、送付してください。急ぎではありませんので、今日でなくてもOKです。
なお、Windows 10のインストールは、コラム執筆に影響が少ないDellパソコンを1番に行おうかな、と思っています。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
告別式はまだだが、こりゃ素晴らしい弔辞だね。↓
「・・たま<は、>・・・たくさんの方に愛され、猫を超えた神様のような猫でしたが、本当に神様になってしまいました・・・。」
http://news.livedoor.com/article/detail/10271412/
警察、嵩にかかってるねえ。↓
「麻薬密輸容疑:過去にも送ってもらった…トヨタ役員が供述・・・
オキシコドンを海外から郵送で輸入することは禁じられており、携帯して持ち込む場合は医師の証明書などが必要とされる。ハンプ容疑者は4月にトヨタ役員に就任した後、いったん米国に帰り、今月再び日本に入国していた。警視庁は、こうした機会がありながら宅配便で取り寄せた経緯を調べている。」
http://mainichi.jp/select/news/20150626k0000m040131000c.html
平壌空港の新ターミナルを金正恩夫妻が視察したが、奥方の麗しきご尊顔を久しぶりに排し奉り、それだけは執着至極に存ずるである。↓
http://foreignpolicy.com/2015/06/25/behold-the-glorious-new-gateway-to-north-korea/?wp_login_redirect=0
1989年にスーチーの息子2人はミャンマー国籍を剥奪されている
https://en.wikipedia.org/wiki/Alexander_Aris
んだから、ミエミエのひでー話だよ。
ま、彼女の亡くなった夫が英国人じゃなくって日本人だったら、軍部の対応も違ってたかもしれないけどね。↓
「・・・ミャンマーの国会は二十五日、憲法改正手続きの緩和を含む与党提出の憲法改正案を否決した。最大野党・国民民主連盟党首アウン・サン・スー・チー氏の大統領就任を阻む憲法条項は変更されず、スー・チー氏が次期大統領になるのは事実上不可能となった。
現憲法には、外国籍の配偶者や子どもがいる場合に大統領に就任できない規定があり、英国籍の息子を持つスー・チー氏は大統領になれない。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2015062602000133.html
大西洋奴隷貿易の航跡群早分かりだ。↓
http://www.slate.com/articles/life/the_history_of_american_slavery/2015/06/animated_interactive_of_the_history_of_the_atlantic_slave_trade.html
—————————————————————————————————————————————–
太田述正コラム#7750(2015.6.26)
<内藤湖南の『支那論』を読む(その26)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2670)
- 公開日: