太田述正コラム#7540(2015.3.13)
<「個人」の起源(その6)/私の現在の事情(続x53)>(2015.6.28公開)
サイデントップは、自分達の諸観念の深い歴史的ルーツを無視することをにこだわる、リベラル志向の世俗主義者達に対する遅ればせながらの譴責として彼の主張を提示する。
しかし、ある意味で、フリードリッヒ・ニーチェ(Friedrich Nietzsche)<(コラム#471、496、1149、1485、3457、3517、3636、3678、3684、3710、3997、4481、4864、6046、6070、6477、6570、7110、7142、7148)>は、彼よりも先にそこに到達していたと言えるのかもしれない。
ニーチェは、彼の短いけれど焼夷的な経歴を、古代世界のバラ色の古きイメージに異を唱えることで始め、次いで、近代の革新的(progressive)諸価値である華やかな勢揃い・・民主主義、社会主義、フェミニズム、平等と諸人権・・の全てをキリスト教の興隆と結び付けた(trace)。
違いは、ニーチェは、ニーチェが古の英雄達、家父長的僭主達、そして、無答責の貴族達、の側に立ったことだ。
彼は、キリスト教徒達を、辛さ(bitterness)、怒り(resentment)、そして羨みから生まれたところの、復讐心・・それは、やがて、ギリシャの栄光とローマの壮大を破壊した・・の強い(vindictive)奴隷道徳を売りさばいた(peddle)、隷属的平民達(servile plebeians)であると見なした。
この挑戦的な威張り歩きと彼の眼の中の狂信の煌めきでもって、彼は、勇敢にも幅広い考えを持っていると自分達自身を見なした多くの人々の役割モデルとなった。
しかし、サイデントップの本を読んだ者なら、誰でも、我々は、ニーチェを廃棄し、平民達や奴隷達の側に立った方が賢明であることに気付くことだろう。」(E)
⇒ニーチェを改めて取り上げて論じるつもりはありませんが、「<一旦成就していた>失恋による傷心・・・などの一切から解放されるため、ニーチェはイタリアのラパッロへ逃れ、そこでわずか10日間のうちに・・・主著であるとされて<いる>・・・『ツァラトゥストラはかく語りき』の第1部を書き上げ<た>」というのですから、彼もまた典型的な、失恋の昇華による創造を行った人物であったところ、「ソクラテス以前のギリシャに終生憧れ、『ツァラトゥストラ』などの著作の中で「神は死んだ」と宣言し、西洋文明が始まって以来、特にソクラテス以降の哲学・道徳・科学を背後で支え続けた思想の死を告げた」点に関しては、私は、全面的にニーチェを支持します。(太田)
(G:http://www.newrepublic.com/article/119511/how-liberalism-lost-its-way-religious-roots-ideology
(2月4日アクセス)
を引用し忘れていたので、この書評から、以下の、サイデントップのこの本に肯定的評価をしている箇所を転載し、私のコメントを付したいと思います。)
「フランス革命の初期段階において、偉大なホィッグの政治家にして思想家であったエドマンド・バーク(Edmund Burke)<(コラム#81、511、3148、3329、3338、3479、3830、4007、4247、4524、4683、4782、4816、4910、5186、5277、5882、6158、6277、6966、6968)>は、自分は、「自由(liberty)の素晴らしい(splendid)炎」には賛成だけれど、「あたかも、全ての人間は彼の行いの全てを彼自身の意思で規制(regulate)しなければならないかのような、孤独で、相互に繋がっていない、各個人の(individual)、利己的な自由」には反対だ、と宣言した。
彼が捜し求めた自由(liberty)について、彼は、「社会的自由(social freedom)」という、含蓄に富む成句を付け加えた。
同様に、その70年後、ジョン・スチュアート・ミル(John Stuart Mill)<(コラム#54、1677、3148、3152、3218、3622、3702、4085、4887、5277、5648、6453、6467、6703、7051、7262)>は、人間達を「気高い存在(noble)」にした資質(quality)であるところの、個人的人格(individuality)は、公的領域における根気強い活動を通してのみ育ちうる、と主張した。・・・
(続く)
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–私の現在の事情(続x53)–
1 私の健康懸念
昨日、大学時代の同級生達と年一回の会合を持ち、(あるカーキチの出席者が、今までオーディオの話などしたことがなかったというのに、私がその話題を出すと、購入時価格で、外国製のそれぞれ、400万円くらいと300万円くらいの2つのシステムを保有している、と言い出したので、目を丸くした、ということもあったのですが、)私の健康上の懸念が2つ浮き彫りになりました。
一つ目は、この前、映画を見に行った際、老眼鏡を持参したところ、老眼鏡を使うとかえってパンフレットが霞んで読めなくなってしまって困ったということがありました。
(それだけ、最近、本を自宅で読んでいなかった、というわけです。)
この話をしたところ、白内障の懼れだってあるぜ、と白内障になって手術をしたことがある出席者が、私に言うのです。
そこで、朝方ネットにあたってみたのですが、これは、加齢と共に、老眼の度数が変わっていく
http://www.老眼.net/
ことに伴う、「正常」な現象ではないかと思います。
そもそも、その後、自宅で、従前と余り変わらない感じで、これまでの老眼鏡で本が読めるところまで「回復」している、ということもあります。
ですから、眼鏡店に赴くのは、もう少し様子を見てからにすることにしました。
二つ目ですが、会の途中で、突然、声が殆んど出なくなってしまったのです。
ある出席者からはポリープができた可能性がある、もう一人の出席者からは癌の懼れだってある、と散々脅されました。
うち一人がくれたのど飴をなめたら、声はすぐ回復したのですが、本日朝、最寄りの耳鼻咽喉科に(引っ越ししてきてから初めて)駆け付けました。
結果は、「加齢に伴って声帯が少し痩せてきているだけで、全く心配ありません。もちろん、声は出した方がいいです」、でした。
日頃、殆んど声を出す機会がないので、かねてから心配していたところでした。
そこで、YouTube上のカラオケで時々歌おうかな、と思い立ったのですが、果たしてどうなりますことやら・・。
なお、私の右の親指の痛みの件ですが、おかげさまでたまに痛む程度になったので、この前の日曜日に、前回のオフ会以来、初めて、ピアノを30分だけ弾いたところ、痛むことはありませんでした。
明後日の日曜日には、1時間弾いてみるつもりです。
(私がかかった開業医の整形外科医、レントゲンを撮ってくれたのだけど、右膝の痛みの時にそうしたように、病院に行ってMRI
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E7%A3%81%E6%B0%97%E5%85%B1%E9%B3%B4%E7%94%BB%E5%83%8F%E6%B3%95
を撮ってもらうのが正解だったのかな、と反省しています。)
2 食の質の向上
先日、私の保有マンションの新賃借人が決まったのですが、昨日、敷金等が支払われ、契約が確定しました。
長期入居を前提として敷金をとりあえず収入と捉えると、前賃借人の退去に伴う、清掃代や小リフォーム代や新賃借人が決まるまでの機会家賃を踏まえ、約3か月半、私の収入に穴があくだけで済み、ほっと胸をなでおろしています。
で、この際、一定のカネをかけて、私の食の質の向上に引き続き取り組むことにしました。
TSさんのご助言を得つつ、コーヒーの質の向上を果たし、次いで、緑茶の質の向上を果たしたわけですが、その他の飲み物としては、(紅茶の他には)市販の100%ジュースを飲んできたところ、甘味の取り過ぎにならないように、その相当部分を、野菜スープで代替させるべく、スープメーカーを買うことにしました。
次は、米ですが、通常のスーパーではオカズやオカズの材料が単身者用の分量では売られていないので、買ったものを一日で消費する場合、米(やパン)を食べるとカロリー過多になってしまうので、かなり前から、たまにしかご飯を炊かない生活をしています。
(スーパーで買ったオカズないしオカズの材料を2~3日かけて消費すれば問題ないわけですが、そうしてしまうと、スーパーでの買い物が私の唯一の運動であるところ、運動へのインセンティヴが損なわれてしまいかねません。)
しかし、これでは、炭水化物の摂取が少なく、栄養のバランスがよくありません。
そこで、ご飯中心でおかずが従の食生活の数日、及び、従来通りの食生活の数日、を繰り返すことを思いつきました。
そうなると、飛び切りおいしいご飯が食べたくなります。
で、羽釜の高級炊飯器を買うことにしました。
また、朝、(時々、前夜にスーパーで半額で買った握りずしを食べる時以外は、)結構トーストを食べているのですが、割引になった市販のもともと安価な食パンを冷凍しておく方式を、ご飯の質を向上させたこととの見合いで、今回改め、ホームベーカリーを買って、数日おきに、朝、焼き立てのパンを食べ、冷凍など原則せずに1斤を一日で食べ終えることとし、その日はパンにあうオカズを食べることにしました。
こういうわけで、昨夜遅く、以上の3つの電気製品をヨドバシカメラで注文し、本日18:30頃にそれらが届き、セッティングをしました。
パンの材料も揃えたので、まずは、これから、ホームベーカリーを初めて使うこととし、明日は、パンの日にする予定です。
「個人」の起源(その6)/私の現在の事情(続x53)
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