太田述正コラム#7783(2015.7.13)
<皆さんとディスカッション(続x2687)>
<太田>(ツイッターより)
<昨日>21:00過ぎ、ギリシャ問題について、BBCはトップで扱い、CNNはべた記事扱い。
英国は、やはり地理的意味での欧州の国だった、とヘンな感心をした。
<一>昨日の段階じゃ、フィンランドが突出して、対ギリシャ強硬意見を吐いてたみたいね。
このままだと、経済力でウェート付けした採決に持ち込まれる可能性があるらしい。
その場合、85%の票を得たら、その案は通るんだと。
取りあえず、日曜中に予定されていた各国首脳会談は開かれないことになった。
ギリシャ政府が何を言ってきても、全く信用できない、という空気が漲ってるんじゃ厳しいわ。
http://www.bbc.com/news/live/world-europe-33491952 等
「日本の「神薬」が中国人観光客に大人気の理由…
日本の製薬メーカーが常備薬市場で念入りな商品開発を絶えず進めていることに根本原因がある…」
http://j.peopledaily.com.cn/n/2015/0713/c94476-8919315.html
人民網日本ヨイショ記事という「神薬」を朝読めば、日本人のキミ、一日、気分良く過ごせるってもんだぜ。
ギリシャ危機に対するユーロ圏諸国の態度一覧だ。
http://www.theguardian.com/business/2015/jul/12/eurozone-crisis-which-countries-are-for-or-against-grexit
ほぼ見事に、地中海諸国とそれ以外とに分かれてるね。
ラテン圏とゲルマン圏、或いは、かつてのカトリック圏とプロテスタント圏、ないしは、旧ローマ帝国圏と蛮族圏、と言ってもいい。
独仏蜜月終焉へ?
<14:00過ぎ現在、>ギリシャ危機ユーロ圏首脳会議、合意なる。
中身はまだ不明。
http://www.bbc.com/news/world-europe-33503955
ってことは、後はギリシャ次第ってことだな。
<GecF1+ii>
≫貴方の仰るとおり、軽く過去のコラムを読みました≪(コラム#7781。an4YsmSq)
軽く読んだ程度では太田さんの真意を理解する事は出来ないくらい太田コラムの難易度が高すぎるのか、それとも単なる読解力不足なのか。
ハタで見ていると新聞の内容読まずにタイトルだけ読んで噛み付いてる残念な人にしか見えない。
<e.nF5iLo>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
<an4YsmSqサン、>太田さんの主張の概要ぐらいは、これで大体わかるよ。↓
皆さんとディスカッション(続x2294)/セミナー1:はじめに 我らの日本(コラム#6996)
皆さんとディスカッション(続x2329)/セミナー2:イギリスとヨーロッパの違い(コラム#7066)
皆さんとディスカッション(続x2370)/セミナー3:アメリカって何だろう(コラム#7149)
皆さんとディスカッション(続x2384)/セミナー4:隣国のロシア、そして中国(コラム#7177)
皆さんとディスカッション(続x2412)/セミナー5:イスラム世界、インド、人間主義(コラム#7233)
※なんでか、NGワードに引っかかるからURLは省略させてもらったよ。
<通りすがりの読者>
前回、集団的自衛権に反対する日本の高齢者知識人たちは戦中戦後の経験から信念を形成しており、救いようがないのではないか?というコメントを残したものです。
いつも目から鱗が落ちるようなブログアップお疲れ様です。
安全保障の専門家の太田さんに質問がありメッセさせて頂きます。
【質問】WWIIの沖縄戦やマニラ市街戦の時に、米軍上陸後に日本軍は予め設定した非武装地帯に民間人の収容所を作り、適宜米軍に通知し、コラテラル・ダメージを防ぐことはできなかったのか?
太田さんのブログの主張で一番興味をもった主張として、そもそも軍隊の最大の目的は主権を維持することで、国民の生命財産を守ることではない、という現在の防衛省の広報『守りたい人がいる…』的なキャッチコピーと真逆なこと言っており、逆に信憑性がある説だと感じました。
また太田さんが兼ねて毒づいている司馬遼太郎の本の中でも同氏が終戦の年に陸軍士官として栃木だか群馬だかの戦車連隊に配属されて首都圏で戦闘が起きた場合に東京への道を進撃するが、首都から逃げてくる避難民が逆走して道が一杯になることが予想できるが、どうすればいいか?ということを上官に質問したら、『轢き殺せ』という一言を言われたという話と一貫性があり合点がいきました。
<太田>
ご自分で答えておられるのではないですか?
有名な、マニラの無防備都市宣言問題については、下掲に出ています
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A9%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84_(1945%E5%B9%B4)
が、そこにも、「市民の犠牲を避ける理由もあっ」て、宣言の是非が検討された、とあるように、主として考慮されたのは、軍事上の是非でした。
それより、「市民の犠牲を避ける」配慮を全くせずに、マニラ攻略作戦を行い、同市を徹底的に破壊した挙句、(抗日ゲリア容疑者処刑に関し)日本軍トップの山下奉文大将や(捕虜取扱に関し)洪思翊中将に対し、戦後事実上の報復リンチ殺人を行った(上記、及び、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%AA%E6%80%9D%E7%BF%8A )米側こそ、咎められるべきでしょう。
<k.k>
≫”Windows10″にアップグレードすることには同意しかねます。”Windows7”は完璧とも言えるOSだと考えています。(医学、芸術にはアップルを推薦しますが) ”Windows8~8.1″のズバ抜けた点が見当たらず、不具合さえ感じます。ほぼ完成されたOSと思われた”Windows7”から順次アップグレードを余儀なくされた(Microsoft)ユーザーは哀れでもあります。・・・ ≪(コラム#7781。唯我独尊)
≫この議論、太田コラム上で行う意味が余りないと思いますが、私にとっては、例えば、win7から8に変わったおかげで、パソコンの起動が飛躍的に速くなったことは大変助かっています。K.Kさん、何か、読者の皆さんに参考になるようなサイトをご存知なら、教えていただけませんか。≪(コラム#7781。太田)
・Windows7/8/8.1からのWindows10へのアップグレードは、1年間無償。
・Windows10のシステム要件は、Windows7/8/8.1と同じ。
・システムバックアップを取っておけば、Win10→Win7/8/8.1、Win7/8/8.1→Win10ともに10分程度。
上記については過去に書きました。さらに、
・Windows7のメインストリームサポートは既に終了している。
http://www.microsoft.com/ja-jp/windows/lifecycle/eos/consumer/default.aspx
上記4点から、現時点でWindows10が必要でなくても、必要になる場合に備えて、アップグレードを行うことによって、Windows10のライセンスを”無償で”手に入れておくべきだ、という見解です。
太田コラム的に言いますと、Microsoftが”人間主義的”見地(?)から、一年間はアップグレードは無償だといってくれたので、ユーザーとしても人間主義的見地から、Microsoftのサポート等の負担を減らすためWindows10へのアップグレードをとりあえず行う、という感じでしょうか。
<ねこ魔人>
ご無沙汰しておりまして大変申し訳ございません・・・。
今回仕事がひと段落いたしましたので、メールマガジン購読を再開させていただきたいです。
連絡を全く何もしてきておらず申し訳ございません。
よろしくお願いいたします。
<太田>
私が、禅の瞑想法は不十分である、と指摘したことに抵抗感があったのかと思ってましたが、安心しました。
それでは、その他の記事の紹介です。
日本の武器産業の世界市場参入がおずおずと進められている、という記事だ。
(この記事に対する、アメちゃんと思しき連中の投稿群の多くは読むに堪えないが、痛ましい限りであるな。(太田))↓
With Ban on Exports Lifted, Japan Arms Makers Cautiously Market Wares Abroad・・・
http://www.nytimes.com/2015/07/13/business/international/with-ban-on-exports-lifted-japan-arms-makers-cautiously-market-wares-abroad.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=first-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
任天堂岩田聡社長の逝去を、英米の主要メディアはこぞって大きく取り上げている。
このNYタイムス記事に掲載されている、彼の写真には男でも惚れるね。
ご冥福を祈る。↓
Satoru Iwata, Nintendo Chief Executive, Dies at 55・・・
http://www.nytimes.com/2015/07/13/business/satoru-iwata-nintendo-chief-executive-dies-at-55.html?ref=world
経済力でウェート付けされた投票は前例がないし、そもそも、ギリシャ問題がこういう投票になじむのか、という指摘がなされている。↓
・・・Potentially, eurozone governments could override Finland, or another small country, by resorting to an emergency voting procedure that requires only 85% of eurozone governments to support a bailout. But this could be politically explosive, as well as uncharted legal terrain. To use the special voting rule, eurozone leaders would have to agree that “the economic and financial sustainability” of the eurozone is at stake. But many governments have spent weeks arguing exactly the opposite.・・・
http://www.theguardian.com/business/2015/jul/12/eurozone-crisis-which-countries-are-for-or-against-grexit
メルケルは、財政主権を寄越せば助けてやるとチプラスに通告、だとさ。↓
Greek crisis: surrender fiscal sovereignty in return for bailout, Merkel tells Tsipras ・・・
<こりゃ、ギリシャに対する水責め拷問に等しい、とも。↓>
・・・a senior EU official described as an “exercise in extensive mental waterboarding”・・・
http://www.theguardian.com/business/2015/jul/12/greek-crisis-surrender-fiscal-sovereignty-in-return-for-bailout-merkel-tells-tsipras
中共は、改革開放前は消費支出がGDPの半分だったのを、その後、35%まで落としたが、それをまた、元の水準に戻す取り組みが必要だし、現にその努力がなされている、とさ。↓
・・・Consumer spending has fallen from 50% of GDP — low by western standards — to 35% since Deng Xiaoping began his reform programme a little more than three decades ago. Moving to a model where growth is slower but of higher quality is not easy.・・・
http://www.theguardian.com/business/2015/jul/12/china-stock-market-turbulence-is-over-dont-count-on-it
下掲のような言を、かつて女性がイギリスで残したらしいが、イギリスだって、女性差別社会であった点じゃ、欧州といい勝負だった。↓
・・・The chief obstacle to a woman’s success is that she can never have a wife,・・・
http://www.theguardian.com/books/2015/jul/11/the-street-of-wonderful-possibilities-devon-cox-review-wilde-whistler-sargent
また、奴隷貿易でしこたま儲けた点でも、欧州といい勝負だった。↓
http://www.theguardian.com/world/2015/jul/12/british-history-slavery-buried-scale-revealed
ハリウッドで活躍した、オマル・シャリーフのカイロでの葬儀の記事だ。
中での写真に女性は皆無、外での写真にも女性はちらほら・・イスラム世界はホントにダメだよな。↓
http://www.bbc.com/news/entertainment-arts-33501573
そのシャリーフ、トルコじゃ、出演作の「アラビアのロレンス」等が反トルコ的だとして長らく上映禁止だったが、人気は絶大だった、とさ。↓
Omar Sharif Was a Hero to Many in the Middle East–Even Where Lawrence of Arabia Was Banned・・・
For years, Lawrence of Arabia was banned in Turkey, because authorities deemed the film to be anti-Turkish. As with Midnight Express, many of the people associated with the film were regarded unofficially as enemies of the country.・・・
<トルコを含む、中東世界じゃ、彼は希望の象徴だった。↓>
To young people in the Middle East, Omar Sharif was an icon, an ideal: He was the promise of a better world・・・
<彼が演じた「ドクトル・ジバゴ」に、中東の女性達はみんな恋をした、とさ。↓>
・・・when Dr. Zhivago eventually opened in Turkey a few years after its original release, every single girl aged 15 to 20 fell in love with his eyes, which always looked tearful even though they never shed a single tear. The girls fell in love with the way Yuri Zhivago fell in love.・・・
http://www.slate.com/blogs/browbeat/2015/07/10/omar_sharif_dead_the_lawrence_of_arabia_star_was_a_hero_to_many_in_the_middle.html
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太田述正コラム#7784(2015.7.13)
<現代米国人かく語りき(その2)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2687)
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