太田述正コラム#7969(2015.10.14)
<皆さんとディスカッション(続x2780)>
<太田>(ツイッターより)
 <日本人の体力は85年がピークという点について、あなたが>疑問な理由は?
<永井佑来>(ツイッターより)
 ・・・85年にピークができる原因は何かなと悩んでまして・・・
 ゆとり教育が原因ですと80年か92年にピークができるのではと・・・
 ピークが85年ならビデオゲーム(ファミコン)普及か、プラザ合意以降の円高不況とかが原因になるのかな・・・と。
<太田>(同上)
 「80年か92年」というのはどうしてですか?
<太田>(同上)
 東京は世界一のグルメ都市で、例えば、ミシュラン掲載店数は226で2位のパリの94を何光年も引き離したぶっちぎりであるとし、在日や在外の日本人や外国人のシェフ達等にその理由を問い質した記事だ。
 匠の精神に高品質の多彩な食材等だって。
http://edition.cnn.com/2015/10/12/foodanddrink/tokyo-world-greatest-food-city/index.html
 ウクライナ東部で墜落したマレーシア機は露製のブーク地対空ミサイルで撃墜されたと蘭政府が発表。
 発射地点も叛乱側地区であったことを示唆。
 その直前、同ミサイルのメーカーがそれを否定、その直後、露政府が政治的調査だと非難。
http://www.wsj.com/articles/dutch-investigators-say-mh17-hit-by-russian-made-missile-1444735772
 蘭に拍手だ。
<太田>
 関連記事だ。
 ロシアがいかに人智を尽くし、途方もないウソを繰り返して責任逃れを試みてきたかが説明されている。↓
http://foreignpolicy.com/2015/10/13/russias-reality-trolls-and-the-mh17-war-of-misinformation-buk-missile/?wp_login_redirect=0
<AnZm7OcY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 「学級秩序では世界トップであった日本であるが、師弟関係のランクは低水準である。先生が生徒の言いたいことを聞いてくれるかについての第1設問では41カ国中、下から10位、困ったときに先生から助けてもらえるかについての第2設問では下から2位である。」
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3942a.html
 これって、教師一人あたりの生徒数を考えなけりゃ先生が可哀想だよ↓
 「日本は、34人と、OECD諸国の中で、韓国に次いで平均学級規模が大きい。欧米諸国が10人台~20人台前半であるのと比べると、クラス人数が多い点が目立っている。」
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/3870.html
<太田>
 愚文科官僚達が、戦後一貫して敵対関係にあったところの、日教組の勢力を大きくさせないために、教師の数を増やそうとせず、日本の学級規模が大きいままに留め置いた、という要素もありそうだが、学級規模が大きいままでも、人間主義の日本では学級秩序が保たれ続けた、ということなのではなかろうか。
 更に言えば、人間主義の日本では、できる生徒ができない生徒に教えるのが当たり前であったから、学級規模が大きくても、学業成績が(国際的に見て相対的に高位で)維持できた、ということなのではないか。
 以上は、あくまでも私自身の、半世紀以上前の、カイロの英国系小学校(少人数学級)と、帰国してからの東京の小学校(大人数学級)での個人的体験に基づく仮説なので、批判を歓迎するが・・。
 (カイロの件の小学校は、成績順座席配置、成績上位者の飛び級、という制度であり、生徒間の競争は激しく、学級内の生徒の年齢がバラついていることもあり、凝集力に乏しかったような記憶がある。)
<fA.CXyHQ>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 「「岸信介を傘下に納めた」米の戦略 双方の思惑が築いた蜜月関係・・・
  「傘下に納まった」の原文は「cultivate」。和訳は文書を見つけたオーストラリア国立大のテッサ・モーリス・スズキ教授と吉見俊哉東大大学院教授の共著「天皇とアメリカ」=2010年刊から・・・」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/200541
 接触するとか交際する、ではなくて傘下に納める、というニュアンスなんですか。
 実際対等ではなかっただろうけど。原文も見てみたくなった。
<太田>
 cultivateは、この場合、「培養した」が一番適訳じゃないかな。
 もちろん、文中で、「米アリゾナ大のマイケル・シャラー教授」が、「岸氏は米国に取り込まれたというより、むしろ積極的に取り入ろうとしていた・・・」と言う通りだろうがね。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 本来のトップが支払い停止中でもユネスコが仕事をどんどん増やしてるってのは、いかに経費が水膨れしてたかってことだな。↓
 「ユネスコ分担率、日本トップも影響力なし 米は支払い停止中・・・」
http://www.sankei.com/politics/news/151014/plt1510140009-n1.html
 困ったもんだな。↓
 「<日本で>外科医のなり手減少・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/science/20151013-OYT1T50101.html?from=ytop_main6
 屠おばさんの自業自得というより、彼女も含め、支那人の阿Q度(非人間主義性)のひどさってことなんだろな。
 それにしても、余りにひどい。↓
 「・・・1981年、WHO(世界保健機関)主催のアーテミシニンに関する会議が北京で開かれ、屠氏が首席発表者として研究成果を発表して、ようやくその 偉業を世界が知るところになった。だが、生薬の黄花蒿は、中国政府が戦略物資として管理していたこと、またその成分を抽出するために大量の有機溶剤が必要なことなどで、俗に“貴族薬”と呼ばれるほど高価な薬でもあった。治療薬を開発できたとしてもコストがかかり過ぎるとみられて、実用化に向けた研究はなお 10年以上の歳月がかかった・・・
 彼女に再度、スポットライトが当たり始めたのは、2011年に、ノーベル医学・生理学賞の前哨戦といわれているラスカー賞を受賞したあたりからだ。・・・
 北京大学生命科学院の饒毅院長のコメント。「過去十数年、屠呦呦先生は業界ではとかく話題の人。名誉欲が強く、個性的で頑固な性格。言い争う以外の方法で、屠先生と交流するのは困難。彼女は中医研究院の材料・データなどを自分の家に隠し込んで、独り占めして我々には見せてくれることがなかった」。
 香港大学の金冬燕教授は「彼女のアーテミシニン発見に対する功績は、例え問題があっても、まあ納得できるのだが、彼女の科学者としての限界、その人格の欠陥については、あえて直言したい」。
 さらには科学啓蒙作家である方舟子氏。「屠氏が研究報告書を発表した当時、厳格な学術規範による監修はなかった。基本事実をあまり尊重せず、自分の功績を誇張し、研究チームの協力者を蔑ろにしていた。このため、チームの同僚から評判が悪く、だから彼女は院士試験に三度も落ちたのだ」。・・・
  彼女が批判される背景について、一般に言われているのは、屠氏一人が、アーテミシンの発見に関わったのではなく、当時からすでにアーテミシン研究の同業者の間で、彼女の研究成果、功績の独り占めに対する批判があった、というもの。さらに言えば屠氏は、行政権力を通じて、こうした批判を封じ込めた、 とも言われている。
 アーテミシンの活性単体を分離し結合を測定したのは、彼女の同僚(鐘裕容という名前らしい)であり、このことについての彼女自身の実質的貢献はなかった、とも言われている。ただ、研究チームの組長であったので、その功績を自分のものとしたのだ、という。523任務は、当時のエース級研究者をまとめた研究チームであり、メンバーに上下はなく、対等な同僚関係であった。そして、お互いをライバル視して、比較的独立した形で競うように実験を行った結果、 アーテミシニンの発見がもたらされた、らしい。
 当時は、誰が分離に成功したのか、ということについて、上層部も真剣に審査したそうだが、何せ文革後期のもっとも人の心が荒れていた時代でもあ り、チーム名義で報告書が出されたのち、讒言や誹謗中傷、足の引っ張り合いが研究チームの中で起きた。結局のところ、組長の屠氏の功績にするのが一番いい と、上層部が決定したのだという。
 だが、研究チームのメンバーのほとんどが納得していなかった、という。以来、彼女に対する密告や讒言の手紙は山のように研究院や当局に届き、彼女の院士試験落第の原因になったとか。中国の院士試験というのは、科学者としての功績だけでなく「政治的正しさ」も審査される。こうした恨み妬みが長らく続き、彼女は学会では半分「干されていた」状態にあった。
 だが、アーテミシニンのグローバルヘルスへの劇的な貢献度に、世界の方が彼女の名前を思い出した。彼女がラスカー賞を受賞し、国際社会でもてはやされるほど、中国医科学界の重鎮たちは何となく面白くなく、中国の公式メディアの科学記者たちも、その不満を知っているだけに、あまり派手な報道もできない、といった様子である。中国当局としても、今までさんざん、院士試験に落としてきたわけで、あまり彼女を持ち上げすぎると、中国の科学アカデミズムの最高学位に瑕疵があることを露呈してしまう。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/101200017/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
 まだ、犯人を突き止めることもできてないのに、どうして本が出せ、どうしてその本に基づく映画制作の話が出てくるんだよ。↓
 「独VW排ガス不正スキャンダル、ハリウッドが映画化権獲得・・・」
http://www.asahi.com/culture/reuters/CREKCN0S711A.html?iref=comtop_fbox_d2_02
 米国政府に、プーチンと手を組んでシリア戦略にあたれ、と訴えるアメちゃん2人によるコラムだ。
 (困ったちゃん達だよな。米国は単に手を引けば、全て目出度しなんだよ。(太田))↓
 A Road to Damascus, via Moscow・・・
http://www.nytimes.com/2015/10/13/opinion/a-road-to-damascus-via-moscow.html?ref=opinion&_r=0 
 アフガニスタンは、(タリバンがクンドゥーズから撤退したけど、)Isis系の伸長が著しいんだね。
 (ま、予想通りだけど・・。
 アフガニスタンもイランにまかせりゃいいのさ。
 早く経済制裁を解いて、イランの軍資金を増やしてやんなさい。(太田))↓
 Afghan ISIS Branch Makes Inroads in Battle Against Taliban・・・
http://www.nytimes.com/2015/10/14/world/asia/afghan-isis-branch-makes-inroads-in-battle-against-taliban.html?ref=world
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太田述正コラム#7970(2015.10.14)
<キリスト教の天使と悪魔(その6)>
→非公開