太田述正コラム#8259(2016.3.7)
<皆さんとディスカッション(続x2925)>
<太田>(ツイッターより)
 クリントンが1州、サンダースが2州、トランプが2州、クルーズが2州で勝利し、民主、共和両党の候補者はそれぞれ2名に絞られると同時に、どちらもスリリングな展開になってきた。
http://edition.cnn.com/2016/03/05/politics/kansas-kentucky-louisiana-maine-nebraska-results-recap/index.html
 こんな面白い米大統領予備選は、私が物心がついてから初めてだな。
<太田>
 関連記事だ。
 サンダースが更に1州で勝利。↓
 Bernie Sanders wins Maine caucuses as Marco Rubio takes Puerto Rico・・・
http://www.theguardian.com/us-news/2016/mar/06/marco-rubio-wins-puerto-rico-primary-election-2016
 トランプの相手がクルーズに絞られたことで、むしろ、トランプは高笑いだとさ。↓」
 Ted Cruz’s Great Night Is Great News for Donald Trump・・・
 <クルーズは、共和党お歴々にもメディアにも不人気で、しかも、クリントンの相手としては、トランプ並みに分が悪いと来ている。↓>
 If Ted Cruz is the only alternative to Trump, it’s hard to see the Republican establishment uniting behind him. Cruz is hated in Washington D.C., and by media elites like Rupert Murdoch; he is also the only candidate thought to be as unelectable as Trump. If the choice is between these two men, it’s possible that #NeverTrump becomes #WhoCaresWe’reScrewedNoMatterWhat.・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/03/05/ted_cruz_s_wins_in_maine_and_kansas_are_great_news_for_donald_trump.html
 トランプは、拷問を撤回したんじゃなく、単に、米国内法で合法化した上でやらせようとしているだけだったのね。↓
 Donald Trump Vows to Legalize Torture・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/03/06/donald_trump_vows_to_legalize_torture.html
 そのトランプの言ってることの8割近くは、大部分間違ってるか完全に間違ってる内容だとさ。↓
 ・・・ 78% of what Donald Trump says ranges from “mostly false” to entirely untrue・・・
http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/mar/06/donald-trump-caution-to-wind-leftwingers-stymied-pedantic-reserve
<qytLa2wU>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 <太田さんが引用したワシントンポスト>の記事に乗ってないけど、<民主党のウェブ元上院議員が>クリントンに投票しない<(コラム#8255)>理由は9/11以降、間違い続きのクリントン外交。
https://youtu.be/knGnPkkfADw?t=4m18s
 そのウェブ元上院議員がクリントンには投票しないが、現時点では他の候補誰一人と支持はしていないと釈明
https://twitter.com/JimWebbUSA/status/705785511676387328
 そしてGabbard下院議員を称賛
https://twitter.com/JimWebbUSA/status/706276328870379529
 軍人で戦闘経験者の両議員はクリントン外交の評価で一致
 Specifically, Gabbard said those “high stakes” were the nation’s ongoing war efforts and the fact that she disagrees with Clinton’s foreign policy record.
http://www.politico.com/blogs/2016-dem-primary-live-updates-and-results/2016/03/tulsi-gabbard-bernie-sanders-220103
 Gabbard下院議員は以前にもFox NewsでDNC副委員長の立場でクリントン外交批判してたのね。
https://youtu.be/yyldWxeRNUA?t=3m39s
 でもお二人さんの奮闘もヒラリー支持者の黒人インテリには通用しないだろうね。
 逆にこういう黒人の支持を得ていないサンダーズがまともに見えてくるわ。
 Like many left-radical voters during this election season, I find myself conflicted. I like Hillary Clinton and unequivocally think she is the most qualified candidate to sit at the head of American empire. But my like for her has far less to do with policy and far more to do with something more ephemeral and affective. I like bawse chicks and badass women. I like a woman who can roll into a room full of ego-driven, testosterone-fueled dudes, and tango like she was born for it. Call it the feminist in me. Call it the badass in me. I see this in Hillary and game recognize game.
http://www.cosmopolitan.com/politics/a54512/whichhillary-hillary-clinton-race-sexism/
 <この>ウェブ元上院議員が日本の刑務所に関してレポートしてた
http://www.jameswebb.com/articles/economic-fairness-social-justice/what-we-can-learn-from-japanese-prisons
 1984年の記事で、米国関係者に日本の刑務所システムを導入できないか聞いてるけど、人権vsフェアかで締めくくってる
<WOprZT2A>(同上)
 「インパール作戦」から72年、戦没者が“帰国”
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000069672.html
 「英国の著名な歴史家でありロンドン大学教授のエリック・ホプスバウは、二十世紀を回顧した近著「 過激な世紀 」の中で、「インドの独立は、ガンジーやネールが率いた国民会議派による非暴力の独立運動によってではなく、日本軍と チャンドラ・ボース率いるインド国民軍(INA・・・)が協同して ビルマ 現 ミャンマー )経由インドへ進攻した インパール作戦によってもたらされた。」と述べました。」
http://homepage3.nifty.com/yoshihito/genin-2a.htm
 著名かどうか分かりませんが英国人としては珍しくインド独立のまともな考察だ。
<太田>
 どなたか、この「歴史家」の名前の英語表記を含め、この「歴史家」のインパール作戦観について、調べていただけるとありがたいですね。
<shihouen>
 –”女性上位”  女性の仕切りが・・・!–
≫一年空費する・・・諸君、どー思う?≪(コラム#8257。太田)  
 風土記(天草)的には女性がつよい!芯は弥生モードか、男は漁に出て女は家を守る。漁が少ないと「シリ」を叩かれるが情は篤くやさしい。少年は「何か」を理解してない。・・・お江戸を目指す志向は現在もあるか!
http://birthofblues.livedoor.biz/archives/51622021.html
<太田>
 この事件に関しては、TV報道をキャリーしてるだけなのかもしれないけど、東大受験説、という誤情報がネット上でも流れ続けましたね。
http://www.j-cast.com/tv/2016/03/01259955.html
http://news-strike.com/archives/1958781.html
 昨年九大合格ってのも、TVとネットだけで流布してる情報なんですが・・。
 確かに、その方が話としては面白いですからねえ。
 さて、私が最も違和感を覚えたのは、「毎日」の記事の「少年と被害者らグループで勉強」って部分です。
 受験勉強の仕方や、特定の分野についての質問は、せっかく予備校に在籍しているのですから、専門家である(はずの)予備校の先生にすべきではないか、ということです。
 そんな質問を浪人予備校生同士でし合っていても、ただでさえ「空費」してしまっている貴重な時間の無駄じゃないか、一種の遊びじゃないか、とさえ思うのです。
 (受験までに自分の潜在的学力を、どれだけ顕在化させることができるか、そのために不必要なものをどれだけ削ぎ落とし続けられるか、が勝負なんですからね。
 果たして、そのような形の受験制度でいいのか、という問題には立ち入りません。)
 もちろん、加害者が一方的に責められるべきだけど、被害者の側が、相手にいらざる誤解を生んでしまった、という可能性もなきにしもあらず、とね。
 ところで、下掲のコラム主が間違っているのは、人生そのものは、その一コマであるところの、受験、のようなものとは根本的に異なる、ということです。↓
 「・・・僕は、人間の人生において「これだけはやりきった!」と言えるほど、やり切れることは、1つか2つではないかと思い、好きな事、やるべきことに専念しながら暮らしている。
 やり込めること、1つか、2つ。
 私見だが、これは、僕の目に映るこの世の定理だ。
 万人において、一日は24時間しかなく、人間どんなに生きても100年、日本人の平均寿命は男なら80歳、女で85歳ほどだ。
 昨今の女性の多くは、どこかおかしい。
 僕の目には、おかしく映る。
 いろいろやりすぎているように思うのだ。
 もっと言うと、「やらされすぎてる」「やることが当たり前にされている」。
 仕事、結婚、子育て。(当然、家事も料理も付いてくる)
 この3つが、同時進行で普通に達成できる(ように見せかけている)世の中になっている。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/030400007/030400002/?rt=nocnt
 どこが違うかって?
 人生から不必要なものを削ぎ落として行ったら、何も残らなくなっちゃうからです。
 というのも、「人」生そのものには、目的も、意味もない、そいう観点からは、「人」生は不必要なものでしかないからです。
 (お釈迦さまが喝破したように、「生」まれたこと自体が苦なんですよね。)
 そう達観すれば、LGBTの人々は別にして、「人」生はあくまでも、他の生き物同様、単なる「生」、すなわち、子孫の維持・増殖を「目的」とする営みでしかない、という無味乾燥、かつ冷厳な事実と向き合い、他の全てのものは、そのための手段でしかない、と割り切ることができます。
 ただし、人が他の生き物と一番違っているのは、このような目的にせよ、手段にせよ、それを積極的に楽しんでしまう、遊びに変えてしまうことができることである、と私は考えています。
 とまれ、上掲コラム主の言ってることは200%間違っているのであって、女であれ、男であれ、子供を作り、その子供を育てることこそ、基本中の基本なのです。
 LGBTの人々だって、それに協力することが自然な姿なのです。
 かつての日本人にとって、そんなことは常識でした。
 (下掲のコラムの筆者は、家の存続だの、共同体規制だのを持ち出していますが、そんなことはどうでもよいので、引用しませんでした。)↓
 「・・・林子平の『父兄訓』が象徴するように、育児の監督責任は父親にあり、父親向けの心得を説くことが、育児書でも一般的でした。
 そればかりでなく、陣屋という見張り小屋での宿直に、父親が日常的に子どもを連れて泊まったとの記録があります。また、公事という裁判を覗きに行った子どもが、公事方である父親の姿を誇らしく見ていたという日記もあります。
 花見などの行事や子どもの遊びに父親が関わるのもしごく普通のことでした。・・・
 農家でも父親の子育ては重要でした。作物を工夫し、土地を富ませ、それを次代に譲ることが人生の一大事。・・・
 18世紀初頭、会津の篤農家は、子どもをよく教え育てることが大切で、うまく育てられないのは親の恥であるという和歌を残しています。・・・
 しかし、明治以降、日本が西欧に追いつこうと邁進する中で、職場と家庭は分離し、子育てにおける父親の役割も次第に消失していきました。・・・」
http://blogos.com/article/165052/
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 横山秀夫
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E5%B1%B1%E7%A7%80%E5%A4%AB
の『64(ロクヨン)』(2013年)の英訳本の好意的書評だ。↓
 Six Four by Hideo Yokoyama — the crime thriller that is a publishing phenomenon in Japan・・・
http://www.theguardian.com/books/2016/mar/04/six-four-hideo-yokoyama-review-crime-thriller-phenomenon-japan
 お定まりの、中共当局の日本礼賛をどーぞどぞ。↓
 「程永華駐日大使 日本の経験を参考に貧困扶助策を提案・・・
 今年の提案は、日本の「ふるさと納税」の経験を参考にした。これは、西部の山岳地帯や農村地帯に寄付をすることで、個人の納税額を控除するというもので、中国の貧困削減を助ける。
 ふるさと納税とはつまり、「寄付による税控除」を指す。山岳地帯から都市に出て生活している人々は、戸籍も都市に移しているが、農村の山岳地帯に対する感情を持っている。このような人々が、寄付という形で故郷に貢献することができる。・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2016/0306/c94474-9025866.html
 「・・・中国メディア・捜狐は3日、<かつて、反日>「愛国志士」だった1人が自身の日本に対する無知と好奇心を告白したうえで、このほど日本への自由旅行に出かけて「本当の日本」を理解したとする文章を掲載した。
 文章はまず、自身が歴史や古い文化を好み、日本の伝統文化が中国を源としながら明らかに中国とは異なっている部分を持っていることに興味を持ち、それを旅行のテーマにしたことを紹介。・・・
 文章はそのうえで、靖国神社、一般の神社、明治神宮、皇居といった場所を巡ったとし、靖国神社については「決して大きくなく、参拝するのも政治家や戦争の罪を頑なに認めない年配の人が多い。日本の主流文化や大衆の視点を代表するものではないことが見て分かった」と説明。一般の神社については、静かな雰囲気と簡素なしきたりを特徴する、日本人にとって最も純朴な宗教信仰であると紹介している。
 明治神宮と皇居に関しては、おもに明治天皇について言及。朝鮮や中国との戦争を発動したことで議論はあるものの「何といってもアジアを率いて現代化と向かわせた君主なのである」とした。
 そして記事は最後に、実際に目で見た日本人について論じている。日本人は礼儀正しく友好的であるほか、年配者を敬うという儒家の精神が根付いていると紹介。「日本人は儒家文化の道徳を伝承してきたことで、礼儀の国となったのだ。中国人はその品位を捨ててしまった。どうやってこの優れた伝統を復活させ、日本人より秩序正しく、礼儀や友好を重んじるようになるかこと、愛国志士が考えるべきことなのだ」と論じた。
 そして「日中両国が早く恨みを離れ、ともに東アジア文化を発揚させるために努力するようになることを願いたい」と結んでいる。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6%e4%bd%95%e3%82%82%e7%9f%a5%e3%82%89%e3%81%aa%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%83%bb%e3%83%bb%e3%83%bb%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%84%9b%e5%9b%bd%e5%bf%97%e5%a3%ab%e3%80%8d%e3%81%8c%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e6%97%85%e8%a1%8c%e3%80%81%e7%9c%9f%e3%81%ae%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ab%e8%a7%a6%e3%82%8c%e3%81%a6%e6%84%9f%e3%81%98%e3%81%9f%e3%81%93%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f/ar-BBqq0sl?ocid=iehp#page=2
 
 またまた、常識が覆されたー。↓
 「え、寝る前に食べていいの? 睡眠の質を高める食材がありました。・・・」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/06/best-bedtime-snacks-for-sleeping_n_9392646.html
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太田述正コラム#8260(2016.3.7)
<生態系について(その3)>
→非公開