太田述正コラム#8263(2016.3.9)
<皆さんとディスカッション(続x2927)>
<太田>(ツイッターより)
イスラエルと米国のユダヤ人の意識比較調査の結果だ。興味ある人は全体を読んで欲しいが、イ米とも、過半が、神を信じていなくともユダヤ人たりうるが、イエスがメシアであると信じている者はユダヤ人たりえず、と思っている、というのは興味深いねえ。
http://www.haaretz.com/jewish/news/.premium-1.707586
イギリスの白人では、男は背が高ければ高いほど、女性は体重が少なければ少ないほど、収入が高いことが分かった。
https://www.theguardian.com/science/2016/mar/08/genetic-study-shows-mens-height-and-womens-weight-drive-earning-power
昔から、女は高身長の男を、男はスリムな女性を求める、と相場は決まっているが、どうやら、それには科学的根拠があったようだ。
<WOprZT2A>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
<コラム#8261で問われた>WOprZT2Aです。名前や本のタイトルが違ってるのは致命的ですし、どうも胡散臭い情報のようですね。
<globalyst>(同上)
≫しかし「過激な世紀」なる本は見受けられません。インパール作戦及びチャンドラボーズに言及したのは多分これでしょう。≪(コラム#8261。MH)
The Age of Extremesなら全文が見られる。
https://libcom.org/files/Eric%20Hobsbawm%20-%20Age%20Of%20Extremes%20-%201914-1991.pdf
長いし難しいし眺めただけど、Chandra Boseを見つけることはできなかった。
The Age of Extremesを探しているときに、下掲の記事を見つけた。
Not Gandhi but Japan Kicked out Britain from India
(ガンジーではなく日本がインドからイギリスを追い出した)
http://indiafacts.org/not-gandhi-but-japan-kicked-out-britain-from-india/
<MH>
–Eric Hobsbawm 続き–
≫残念ながら、WOprZT2Aサン提供の情報、根拠レスの巷のヨタ話って予感がしますねえ。≪(コラム#8261。太田)
そうでもないかもしれません。
これはあくまでも私の推測に過ぎませんが、Hobsbawmはこれを彼の全盛期の時期・・・に引用した可能性は否定できません。
「Subhas Chandra Bose, The Indian National Army, and The War of India’s Liberation」
<ボースの、>ドイツ軍への協力要請から日本政府への協力要請への変遷を書いてあります。
インパール作戦の記載も随分肯定的です。
and fourthly, Sublias Chandra Bose would hereafter be known and addressed as Netaji, the Indian equivalent of the “leader” or the “Fuhrer.”
Nataji<(ネタジ)>が彼(ボース)の愛称なのですね。
この後は頻繁に使われます。
In February, the Japanese military officer Iwakuro had called a meeting of about three hundred officers of the INA at Bidadri camp in Singapore and spoke to them about the advisability of joining the army, but with no effect.
Iwakuroって、あの「岩畔豪雄」ですよね。(wiki省略)
For the INA the importance of the Imphal campaign was that it was the only major battle in which it would participate with the object of achieving freedom for India. As Salto and Hayashida writes:
サルトと林田(誰?)が書くようにインパール作戦はインド独立に最も重要であったと。
⇒「INA(インド国民軍)にとって」、がついてますよ。
なお、「サルトと林田(誰?)が書くように」は前の文章にかかってはいません。(太田)
The Myth of “Freedom through Non-violence under Gandhi’s Leadership”
ガンジーの非暴力運動(による独立)は神話であるとも。
http://www.ihr.org/jhr/v03/v03p407_Borra.html
著者<の>Ranjan Borra<は、>インド人歴史学者。1984年2月に心臓発作にて62歳没。
http://vho.org/GB/Journals/JHR/5/1/Weber126f.html
チャンドラボー<ス>研究家だったそうですね。
文章は長く、私の英語力不足もありますので、太田さんに是非とも読んで解説して欲しいです。
追記:改めて良く見直しましたが、著者のRanjan Borraの紹介サイトは
「The World’s largest website forHistorical Revisionism!」
http://vho.org/index.html
歴史修正主義と書いてあり、太田さんからすれば英米(特に米国)が間違ってるのだとなりますが、もしかしたらトンデモかもしれません。
前述のボーズ記述のサイトHP
INSTITUTE FOR HISTORICAL REVIEW
http://www.ihr.org/
かなりマニアックなサイトですね。
こんな記事もあります。
「Forgotten: Britain’s civilian mass prison camps from World War I」
忘れら去られたWW1の英国の大量の民間人収容所
http://theconversation.com/forgotten-britains-civilian-mass-prison-camps-from-world-war-i-33514
信憑性に欠けるかもしれませんので、一応、注記します。
<太田>
色々調べてもらって感謝するけれど、インドで、ボースが、一般に、独立に関してガンティーやネールら以上に評価されているのは、かねてからの事実であって、その類のインド人論考は珍しくもなんともないのに対し、欧米で、そのような評価をしている論考に出会ったことがない、という状態に変化はなさそうだ、と改めて申し上げておきます。
<YsWv5AIA>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
恋愛モノの小説・漫画が思春期の少女にはむしろ悪影響を与えるって太田さん紹介の海外記事、当初は(英語が読めないのもあって)よく分からんかったが、恋愛を<太田さんのように>急性精神疾患的に捉えると、思春期の少女に急性精神疾患を推奨するような創作物が害悪にしかならんのは、さもありなんって感じだな。
恋愛(急性精神疾患)に価値を見出すのも人間のユニーク性の一つではあるけれど、本来は、暴力ゲームがレーティングされることがあるのと同様に、恋愛モノもレーティングの対象にさえなり得る産物なんだろうな。
実におもしろいと思った。
<qtE/G0EU>(同上)
あんな人を総理にしたから 天罰が当たったんじゃないかな
http://himado.in/317716
もしくは【http://cdn.streamable.com/video/mp4/uug4.mp4】
こんな連中がトップの状況じゃそりゃ原発反対って言いたくもなるわ。
<太田>
後者の映像とともに、前者に出てくるマンガも全部読んだけど面白かったな。
前者の見出しの言葉と、マンガの中に出てくる下掲のセリフを合わせ読んだだけでも、(マンガの才能はあるけど)斑目センセが原子力安全委員会の委員長の座に座ってたことは、イラ菅が首相だったことの数等倍不幸なことだったなと思うね。
菅:ところで東工大にも専門家はいるか?
斑目:なんだ! この質問は! このおっさん東工大の○○こぼれだったっけ
http://ponpo.jp/madarame/lec5/Chronology3.html
教訓:危機管理の任にあたることがあるべき政府ポストに学者センセを就ける時は、人を慎重に選ばなきゃいけないのはもちろんだが、就任前に防衛省あたりで危機管理講習を受けさせるべき。
危機においては、最悪事態を考えてそれに備える、中間結節を飛ばして情報を上げ指示を下す場合があることを当然視する、最高責任者を誠心誠意支える姿勢を(ウソでも)とる、睡眠中の代理を指定して睡眠時間を確保する、といったイロハのイが斑目サンには分かってないんだよね。
<AM>
空幕を空爆と書く<(コラム#8261)>とは恥ずかしくないですか?
<太田>
質問の意味を明確にしなきゃ、それこそ、恥ずかしいぞ。
下の3つのうちのどれ?
一、航空幕僚監部の略称は空爆ではなく空幕だということを知らないのか?
二、空幕を空爆とあえて書いたとすれば、田母神や彼がかつて代表した組織をおちょくり過ぎではないか?
三、こんなミスプリを見逃すのは問題ではないのか?
まあ、三の可能性が高いんだろうが、そうだとして、全く恥ずかしいなんて思ってないよ。
ツイートにせよ、ディスカッション・コラムにせよ、ミスプリを無くすことよりも早くアップする方を優先してるからね。
それは、読者のニーズにも合致してる、と私は考えている。
大分量であるところのディスカッション・コラムについては、ミスプリだらけとまでは言わないが、毎回、相当数のミスプリ類が付き物であり、気が付いた範囲でその日のうちに訂正しているほか、読者の指摘を受け、後日、訂正する場合がある。
いちいち、訂正した旨、断っていないけどね。
なお、文章をたくさん書いてる人なら誰でも知ってることだが、書いた直後に読み返しても、ミスプリにはなかなか気付かないもんなんだよ。
不思議なことに、少し時間を置くと、より気付き易くなるけど、それでも限界がある。
自分で書いた文章は、無意識のうちに、「訂正」しながら読んじゃうからだ。
良心的な出版社は、本を出版する時、(自社でももちろん校正を行うが、それに加えて、)その分野に土地勘のある人物にカネを払って原稿を校正させて遺漏なきを期すんだな。
ま、これに懲りずに、今後、ミスプリに気付いたら、余計な一言を加えずに、ミスプリじゃないかって指摘してくれたまえ。
キミのような、まぐまぐ無料読者だって、そういう形で、太田コラムに、というか、太田プロジェクトに、貢献ができるんだぜ。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
フリークライミングの白石阿島ちゃんの紹介記事だ。↓
This girl might become the world’s best rock climber・・・
http://edition.cnn.com/videos/world/2016/03/08/pkg-amanpour-ashima-rock-climbing.cnn/video/playlists/amanpour/
それでは、米大統領選予備選小特集です。
<クリントンがミシシッピ、サンダースがミシガンを制し、サンダースは、代議員数では更に差を広げられたが、ミシガンは非白人人口も多いので、今後への展望をつないだ。↓>
・・・While strengthening Mr. Sanders’s hand as the race turns to a series of large states next week, his victory in Michigan did not drastically alter Mrs. Clinton’s delegate lead, as she won overwhelmingly in Mississippi・・・
Mr. Sanders’s Michigan triumph also offered much-needed proof that he could win over voters in the populous, racially diverse swing states where the eventual Democratic nominee will need victories in November.・・・
<トランプは、ミシガンとミシシッピ両州を制し、勢いを取り戻した。↓>
On the Republican side, Donald J. Trump easily dispatched his rivals in Michigan and Mississippi, regaining momentum in the face of intensifying resistance to his campaign among party leaders.・・・
<キリスト教原理主義者層にもクルーズよりも食い込んだことを示している。↓>
He continued his dominance among low-income voters in Michigan and Mississippi but, in a foreboding sign for Mr. Cruz, also narrowly won among white evangelicals in both states.・・・
http://www.nytimes.com/2016/03/09/us/politics/primary-elections-michigan.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=span-ab-top-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
<そのクルーズ、上院の同僚達で彼を推す者は皆無。それほど嫌われている。↓>
・・・Interviews with a dozen Republican senators on Tuesday morning failed to yield a single endorsement for Mr. Cruz, even though Senator Marco Rubio of Florida, a fellow freshman, has a dozen or so colleagues backing him.・・・
http://www.nytimes.com/2016/03/09/us/politics/ted-cruzs-prospects-ascendant-though-perhaps-not-with-senate-peers.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=a-lede-package-region®ion=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
<サンダースの対外政策は、オバマを承継するものであり、抑制的。他方、クリントンは、実質ネオコン。
(このコラムの掲載は、ワシントンポストが事実上サンダース支持を打ち出したに等しく画期的。サンダースが急速にクリントンを追い上げることになるんじゃないか。(太田))↓>
・・・when it comes to foreign policy, there is little question that Sanders is closer to Obama’s sensibility than is Clinton.・・・
Clinton, as Vice President Biden noted, is by temperament an “interventionist.” She believes the United States is an “indispensable nation,” that, in Biden’s phrasing, “we just have to do something when bad people do bad things,” whether our vital interests are involved or not. Leading neoconservatives such as Robert Kagan (a Post contributor) who touted the Iraq War declare themselves “comfortable” with Clinton’s views. “If she pursues a policy which we think she will pursue,” Kagan said in June 2014, “it’s something that might have been called neocon, but clearly her supporters are not going to call it that; they are going to call it something else.”
Barack Obama and Bernie Sanders, on the other hand, share a perspective of “skeptical restraint.” They worry about the unintended consequences of regime change. They are more aware of the limits and costs of military force. They don’t believe the United States can or should police the world. They understand that without restraint abroad, we will never be able to focus on rebuilding our country at home. ・・・
After she left office, Clinton criticized Obama’s quip that a central principle of his foreign policy was “don’t do stupid s—,” saying that “Great nations need organizing principles, and ‘Don’t do stupid stuff’ is not an organizing principle.” Maybe so, but it reflects a common sense that Sanders and Obama exhibit, and Clinton consistently does not.
https://www.washingtonpost.com/opinions/bernie-sanders-foreign-policy-realist/2016/03/08/c7f3422e-e48a-11e5-a6f3-21ccdbc5f74e_story.html?hpid=hp_no-name_opinion-card-c%3Ahomepage%2Fstory
シャワーを週一日浴びるのがイチバンだとさ。
(バッカモン。少なくとも冬は、シャワーじゃなく風呂に毎日入らにゃ。
だから、お前らは早死にすんだよ。(太田))↓
I shower once a week. Here’s why you should too・・・
http://www.theguardian.com/commentisfree/2016/mar/08/shower-once-a-week-polluting-environment
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太田述正コラム#8264(2016.3.9)
<私の現在の事情(続x76)/20世紀欧州内戦(その1)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2927)
- 公開日: