太田述正コラム#8287(2016.3.21)
<皆さんとディスカッション(続x2939)>
<太田>(ツイッターより)
 レヴァント地域の農業はオリーブやブドウの栽培中心だったが、剪定することで収穫量が増えたのに倣い、人々は男の子に思春期儀礼として割礼を施すことによって子孫を増やそうとし始め、それが猶太(旧約)聖書の中で神との約束にまで高められたんだと。
http://www.haaretz.com/jewish/features/.premium-1.709246
<向井>(同上)
 日米同盟のせいで自衛隊が米軍の子分のようになっているから、アメリカの戦争に巻き込まれることを懸念しているだけで、これがNATO諸国のように、日本も集団安全保障体制の一国としてアメリカと同等の立場だったら、このような懸念は起こらないのですか?
<太田>(同上)
 日本が政府憲法解釈を更に変更して集団的自衛権行使を全面的に解禁した上で、日米安保を改正して双務化すれば、法的には米国と対等になれます。その暁には、自ずから、太平洋地域に、NATOが「拡大」するか、日米がメンバーの新たな安全保障機構が誕生することでしょう。
<向井>(同上)
 ありがとうございます!
 その場合でも、在日米軍が撤退することはないんですか?
<太田>(同上)
 日本にとって、米軍、とりわけその家族が日本にいた方が日米「同盟」の信頼性が高いことは事実ですが、撤退云々は、基本的に米国側の問題です。
 現在、既に(米海兵隊を除く)米海軍以外が日本に前方展開している軍事的意味はなくなっています。
 トランプ大統領なら全面撤退?
<向井>(同上)
 なるほど。
 ありがとうございますm(_ _)m
<shihouen>(2016.3.20)
 酒造蔵元の“きき酒”会に行きました。神戸の友人の主催です。最近は発泡酒もあるみたいで、
 お試しあれ。ゆうパックで明後日頃には届く予定です。観桜会の一助にどうぞ。
http://www.hakkaisan.co.jp/sake/happonigorisyu
<太田>
 届きました。
 あの八海山にこんな発泡の新商品があったとは。
 観桜会を兼ねるオフ会にぴったしですね。
 出席者を代表して、御礼申し上げます。
 その日の楽しみということで、この2本、冷蔵しておきます。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 世界中が日本の三連休につきあってるんじゃないかと思わせるほどのネタ切れですねえ。
 だけど、どんな時でも、たゆむことなく、日本文明継受のために、日本礼賛を怠らない中共当局の熱意を見よ。↓
 「・・・中国メディア・駆動之家は17日、・・・日本の飲食業事情について伝えている。
 まず、厨房について。オープンキッチンでなくとも照明や換気、冷蔵庫、コンロ、洗い場、排水溝などがしっかり標準装備されているとした。そして、原材料の加工から調理に至るまで、食材の洗浄、器具の消毒、服装、作業環境いずれにも厳しい規定が設けられていると紹介。服装は清潔な衣服や靴、マスクを着用し、髪の毛が混入しないよう帽子をしっかり被るようになっていると伝えた。
 さらに、食材管理も厳しく、原産地の明記はもちろん、さらには生産者の名前を公開して販売することもあると説明。品質保持期限も短く設定されており、時間が経過したものは必ず廃棄することになっているとした。これについて、巨大な浪費だとする人もいるが「国民の健康のため、日本では食品の安全に妥協がないのである」と論じた。・・・」
http://m.news.searchina.net/id/1605293
 「中国メディアの中国新聞網は17日、日本人団体が犬の糞拾いを含めてフランスのパリで「清掃作業」を行っていることについて、「パフォーマンス」ではないと紹介する記事を掲載した。同記事は、日本では学校教育で清掃の大切さを強調しており、「よい文化」が定着したと評価した。同記事は新華社系の新華網など、多くの中国メディアが転載した。パリ清掃の発端は「あまりにも汚い。これでは観光客がいやな思いをするだろう」と考えたからという。記事は「パリの汚さについて誇張があるかもしれない」との考えを示した上で「清潔癖のある日本人には見るに見かねたのだろう」と論じた。そして、日本人が「清掃員」となるのはパリだけの話ではないと紹介。2014年にブラジルで開催された男子サッカーのワールドカップでは、日本人サポーターが試合終了後、観客席のごみを全部清掃してから会場を後にしたことに触れ、「ブラジル政府は大いに感動して、彼らを表彰した」と伝えた。そして、「日本人は飲食店で食事をした後も、食器類を整理する」などと、常に次の人のことを考えて行動すると評価。さらに、日本人の清潔嗜好は清掃にとどまらず、「シャワーや風呂好き」、「浄水器」、「排ガス削減自動車」、「有機農法」と広がって行ったと論じた。記事は、「日本人のきれい好きは、決して天性のものではない」と強調。まず、1980年代には社会全体におけるごみ処理能力が不足し、燃焼時に発生する有毒ガスも大問題になったと紹介。そのため行政は分別回収に力を入れ、その他の環境問題の改善も推進したと論じた。さらに、日本の小学校と中学校では、生徒に必ず教室などの清掃をさせると紹介。「この国では教育方式から判断して、人々に公共意識が定着していることは明らかだ。1人ひとりが黙っていても規則を守るように、発展してきたのだ。これはよい文化なのだ」と論じ、日本人が集団で清掃を行うことは「決してパフォーマンスではない」と高く評価した。」
http://news.searchina.net/id/1605282?page=1
 「中国メディアの捜狐は・・・、中国では米を用いて発酵食品を作ることが行われなくなり、明代(1368~1644年)には「鮨」も「鮓」も消失したと論じた。歴史や言葉についてひととおり説明した後には、日本の寿司の豊富さを強調した。まず、太巻き寿司は、複数の具材を使うと紹介。それに対する細巻きは、単一の具材であることが多い。巻き寿司だけでも、日本では「手巻き」、「裏巻き」、「軍艦」など、さまざまな種類が工夫されたと紹介。さらに、握り寿司、いなり寿司、ちらし寿司、箱寿司など、寿司にはさまざまな形態があると、例を多く示した。さらに「発酵食品」としての寿司の古い様式を保ったものとしては、山形県の粥ずし、和歌山県のサバのなれずしを紹介。さらに、酒を用いる鹿児島県の酒ずしも紹介した。記事は最後の部分で、日本の多くの地域に広まった握りずしに改めて注目。「ひとつひとつが、料理の美を追求してきた日本人による芸術作品」と称賛。また、「寿司の秘密」として、わさびには口の中を爽快にしてくれるだけではなく、殺菌作用もあると紹介。さらに生姜の甘酢漬けも、次に食べる寿司の味を改めて新鮮にしてくれると評価した。記事は、日本の寿司は今現在行われている刷新と伝統の結合が具体化している食べ物であり「聡明で勤勉である日本人が、生活の向上を追求してきたことが込められている」と称賛。さらに、効率とスピードが求められる現代において、「寿司は人と人をつなげてくれる」として、「われわれ(中国人)が、いや、全世界が学ぶべき日本の社会と文化の長所が込められている」と、寿司を絶賛した。」
http://news.searchina.net/id/1604967?page=1
 「・・・中国メディアの駆動の家はこのほど、日本に滞在して2歳の子を育てている女性が書いたとする文章を掲載した。「中国国内の教育が失敗していることは間違いない」と論じ、日本について評価するのは「媚びるのではなく学習のため」と主張し、日本式教育の長所を列記した。筆頭に挙げたのは「自分で料理をさせる」機会を設けることだ。中国人は面子(メンツ)のためにたくさんの料理を注文して、ほとんど捨ててしまうことがある。日本では子どもの時期に料理をすることの大変さを理解させるので、食べ物を無駄にすることも少なくなると論じた。中国で賛否のある、寒い時期に薄着で屋外活動をさせる方法も、体を鍛えるために有効と主張。中国人の親によくある「病気になったらどうする」との考えでは、強い体はできないと批判した。さらに、日本では「勉強の際に姿勢を正しくするよう指導する」と指摘。中国でかつて強調された「立った時には立った姿、座った時には座った姿を整える」を日本人は実行していると論じた。また、日本で子どもらに老人用施設の訪問や街頭などでのごみ拾いを実践させていることを評価。成長してからも、社会に対する貢献を忘れない人間になると主張した。その他、趣味の団体に参加させることが多いことや、自分で登下校を指せることも評価した。中国では、日本の教育を称讃する記事が多く発表されているが、本文章の特徴として「早期の恋愛を認める」ことを、日本の教育の長所とした。中国では、中学生や高校生の恋愛が「タブー視」されることが多い。学校が「恋愛禁止」を明言することも多い。日本では親も教師も、子どもは好奇心も反抗精神も強いことを理解しているので、押さえつけても無理だと考えていると紹介。ただし、子との日常の会話で交際のことを話題にして、相手がどのような人物かを正確に理解するようにしていると指摘し、日本の親が自分の子の異性交遊を放任しているのではないと説明した。日本では一方で、早期の性教育も実施されていると指摘。日本も欧米と比べれば性教育のレベルが高度であるわけではないが、同じアジアの近隣国の中国よりも、はるかに充実していると評価した。」
http://news.searchina.net/id/1604766?page=1
 「中国メディアの財経網は2月29日、日本人は20年の時間をかけて、ワインの伝統が根強く、頑固な味覚を持つフランス人の味覚を変え、受け入れられることに成功したと評する論説を掲載した。論説はまず、フランス人がワインなど自国の伝統酒にするのと同様に、日本酒の「テイスティング」を行う様子を紹介。非常に梨や青りんごにも似たデリケートな香り、淡い米の香りと独特の発酵臭。強いアルコール臭はない。陶然とした表情になる。好く知っているようでいて、見知らぬ面がある。それが日本の清酒だと論じた。さらに、フランス人にとって「酒は単なる酒だけの問題ではない」と指摘。日本酒づくりに人と文化の密接な結合がなければ、フランス人に受け入れられることはなかったと主張。具体的には、日本酒の背景には、水質の確保や米づくり、酒造家の不断の努力があったと論じた。すでに、「フランスの高級料理店では必ず、日本人の調理人が働いている」と紹介。フランス料理店でも日本の調理法を生かしたり、和食そのもののメニューを取り入れているとして、そのことがまず、日本酒がフランス人に受け入れられる「最短距離」をもたらしたの見方を示した。しかし、日本酒がすぐにフランス人に受け入れられたのではなく「20年の時間は要した」と指摘。時間はかかったが、非常に着実な“戦略”で日本酒は浸透していたったと批評。日本人は忍耐力と意志力をもって、フランス人の偏狭で自己中心的な心を、ゆっくりと開いて行ったと論じた。・・・」
http://news.searchina.net/id/1603700?page=1
 で、中共以外じゃ、本日はこの記事のみだよーん。↓
 イギリスのエリザベス2世がカトリシズムの欧州と断絶したことにより、遠交近攻的見地からも、イスラム諸国との交流が活発化した、とさ。↓
 ・・・Queen Elizabeth’s・・・official excommunication by Pope Pius V in 1570 allowed her to act outside the papal edicts forbidding Christian trade with Muslims and create commercial and political alliances with various Islamic states, including the Moroccan Sa’adian dynasty, the Ottoman Empire and the Shi’a Persian Empire. ・・・
http://www.bbc.com/news/magazine-35843991
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 休日の臨時一人題名のない音楽会です。
 伊藤悠貴(1989年~。「王立音楽大学<卒>。・・・2010年第17回ブラームス国際コンクール、2011年第3回ウィンザー国際弦楽コンクールにて日本人チェロ奏者として初優勝、それをきっかけにロンドンを拠点に本格的に音楽活動を開始した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E8%97%A4%E6%82%A0%E8%B2%B4 )
の小特集をお送りします。
Rachmaninov Vocalise(コラム#3115、6786、7947、8003) ピアノ:Sofya Gulyak
https://www.youtube.com/watch?v=wCVejXm8OB0
Rachmaninov Cello Sonata Op.19 ピアノ:Daniel King-Smith
https://www.youtube.com/watch?v=sFsDjngsyek
Brahms Cello Sonata No.1 in e minor, op.38(コラム#7877) ピアノ:同上
https://www.youtube.com/watch?v=6WH1CyUNVJQ
Schumann Fantasiestucke(幻想小曲集)(コラム#4219、4355) ピアノ:同上
https://www.youtube.com/watch?v=-bERghF2gF8
Mahler Ich bin der Welt abhanden gekommen(私はこの世に捨てられて) ピアノ:同上
https://www.youtube.com/watch?v=Eu7SxF82CV4
Mahler Ging heut’ morgens ubers Feld(朝の野を歩けば) ピアノ:同上
https://www.youtube.com/watch?v=2Jlbm3XEi2o
Hartzell(ハーツェル)(注) Essie’s Gigue, op.23(エッシーの踊り 作品23)(dedicated to cellist Yuki Ito) ソロ演奏
https://www.youtube.com/watch?v=n3frEOBQKvs
(注)Edmund Hartzell。作曲家、コントラバス奏者、指揮者、ピアニスト
https://www.hellostage.com/profile/2066/repertoire
https://www.youtube.com/watch?v=L66sIh5eeM4
Bridge(ブリッジ)(注) Scherzo(スケルツォ) ピアノ:Daniel King-Smith
https://www.youtube.com/watch?v=VgkwJQiWVc8
(注)Frank Bridge。1879~1941年。王立音楽大学で学んだイギリスの作曲家。
https://en.wikipedia.org/wiki/Frank_Bridge
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太田述正コラム#8288(2016.3.21)
<神聖ローマ帝国史(その2)>
→非公開