太田述正コラム#8305(2016.3.30)
<皆さんとディスカッション(続x2948)>
<太田>(ツイッターより)
 「 「さかのぼって処分することは困難」少女誘拐「卒業取り消し」問題で揺れる千葉大…
 <そこで、取り消すために、既>に卒業した男性が、4月になるまでは同大の学生と言えるのかどうかを調査している…」
http://news.livedoor.com/article/detail/11351877/
 こりゃアポリアだわねえ。
 「…おおさか維新の橋下徹・法律政策顧問<は>…「トランプ氏躍進は平和ボケ意識を改める大チャンス。集団的自衛権の否定は完全自主防衛そして核保有の流れになる」と書<いた>。…
 代表の松井・大阪府知事は…「完璧な集団的自衛権(で日本も相応の負担をする代わりに米軍に守ってもらう)か、自国で全て賄える軍隊を備えるのか(を議論すべきだ)。
 武力を持つなら最終兵器が必要になってくる」と述べた。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e6%a0%b8%e4%bf%9d%e6%9c%89%e8%ad%b0%e8%ab%96%e3%81%ab%e8%a8%80%e5%8f%8a%e2%80%a6%e3%81%8a%e3%81%8a%e3%81%95%e3%81%8b%e7%b6%ad%e6%96%b0%e3%83%bb%e6%9d%be%e4%ba%95%e6%b0%8f/ar-BBr6dDN?ocid=iehp
 慰安婦問題での兄の「妄言」と「みんなの党」との野合とを帳消しにする、日本の小トランプ兄弟による正しい主張だ。
 成長を寿ぐ。
<Yynrv6YY>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 イギリス人はナチ式敬礼がショックなのかな?
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/brussels-riot-police-deploy-water-cannon-against-place-de-la-bourse-fascists-a6955236.html
<hWk951ok>(同上)
≫佐藤公彦「一八九一年、熱河の金丹道蜂起」(1984年)をざっと読ませてもらったが、・・・そうだとすれば、楊の、・・・あらゆる叙述の信頼性は極めて低い、と考えるほかあるまい。≪(コラム#8090。太田)
 当時の反乱者との戦いに書記員として参加したハラチン右旗の汪国鈞の(『蒙古紀聞』)では『一、租額・納租をめぐる対立――土地を清丈して租額の増長を図る蒙古と、それに抗し、納租にあの手この手で抵抗する漢人との対立――、二、柴草、木、土、石など、普通は入会地などで入手すべきものだが、移住漢人はそれから排除され、違反者は王公府から厳しく罰せられたこと、三、王公たちの横覇ぶり、威張り散しである。金丹道反乱の起きた原因はモンゴル人と漢人の雑居によるものであることが分かる。汪国<鈞>は金丹道のモンゴル地域に及ぼした被害について「今〔一九一八年〕は地方匪賊の小さな乱だと言っているが、当時においては、モンゴル二百年以来実に未曽有の大惨禍だと言われていた」10と記している。』
→佐藤の金丹道の原因については正しいと思います。
 でロシア南下については
『・・・実はグンサンノルブの改革は財政困難に直面していただけではなく、旗の官員の中にも、彼の改革に反対する人がかなりいたのである。ジャクチド・スチン『羅布桑車珠爾伝略』によると当時管旗ジャンキンだったアラタンオチルはグンサンノルブと政見を異にし、維新改革に反対していたと言う。グンサンノルブは維新を手段として、モンゴルと清朝の復興を図ろうとし、また外交においては親日政策を採り、ロシアの侵出を食い止めようとした。アラタンオチルは、ハラチン旗の権力と権益を維持し、周辺各県(漢人勢力)の抑圧を受けないようにするのが先決で、ほかの事はその後に検討すべきだと主張した。学校建設費のために漢人を招いて、開墾させることは、周辺の府県の漢人行政の干与を増加させるだけだ、明治維新の経験を借りて、モンゴルの振興を図り、親日政策を採り、ロシアと抵抗するというのは事実に合わない空想だ、下手をすると、両国の勢力争いに巻き込まれ、災いを招くこととなる、と反対意見を言ったという・・・。管旗ジャンキンであるアラタンオチルが改革に反対したということから、グンサンノルブは旗の官員たちの改革への意向を統合することができなくなり、有力な支持を得ることができなかったことが伺えるのである。旗の官員にすら完全に伝えることができなかった彼の改革の意志が旗民にどれぐらい浸透したかは疑問であろう。わたしはこれこそが彼の改革の挫折の主な原因であると思う。』
というものでロシア南下については必須事項であり佐藤の考え方はおかしいですね。
 ↑
 「内モンゴルの近代とハラチン王・グンサンノルブーその近代的改革と独立志向をめぐって」哈申其其格
http://repository.tufs.ac.jp/bitstream/10108/76140/1/lacs019019.pdf
 環境変化、漢人の流入過程は、『・・中国の北辺における山林の伐採が盛んになったのは、一五世紀の中盤以降のことである。・・・しかしながら、一七世紀頃まで、黒河上流域の祁連山脈北麓に広がる山林には、・・・古くから、チベット系やモンゴル系の人々が暮らす世界であったが、森林資源の積極的な開発と利用を推し進めていたのは、主に甘州など中流域に居住する漢人たちであった。一八世紀に入り、黒河上流域における山林の伐採が本格化し始めた。山林の面積が急速に減少して山々の保水力が低下したため、中流域では灌漑農業に必要な水が不足し、局地的な洪水の被害が頻発するようになった。地方官はかかる事態に対処するため、実地調査に基づき山林の果たす機能を充分に理解した。その上で彼らは、山林の利用と管理に関する規定を作り、違反者には厳罰をもって臨んだ』ようです。
http://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/bitstream/10112/3028/1/25-inoue.pdf
<svsmRq46>(同上)
≫若者は軍役なしに日本を本当に守りきれるのでしょうか…心配でたまりません。≪(コラム#8303。赤枝)
 おススメの太田コラムとコラムの抜粋です。↓
 コラム#0021 切迫する危機に備えていない「有事法制」の欠陥
http://blog.ohtan.net/archives/50955814.html
 「「ソ連の脅威」がなかったというのは事実です。
 その理由は次の通りです。
1 当時の米国政府が公開文書で水平エスカレーション戦略を打ち出していた。(欧州正面や中東正面でソ連が軍事攻撃をしかけてきたら、極東正面でソ連を軍事攻撃し部分的に占領するという戦略)(コラムで累次申し上げている)
2 当時、ソ連の対日志向全地上兵力を北海道北部に着上陸させるという図上演習を陸上自衛隊が行っていたが、ほとんど無傷で着上陸されたケースですら、米軍の来援無しで北海道内で陸上自衛隊が勝ってしまうという結果が出ていた。(番組内で初めて申し上げた)
3 当時、最初の日米共同作戦計画がつくられたが、日本有事に際し、米軍は夥しい兵力を日本列島に展開する内容だった。(初出)
4 このような「米日の脅威」にソ連が対抗できるだけの軍事力を極東に展開しなかったのは、地政学的にそれが困難であり、無意味であったためであることを、私自身、個人的検証の結果納得できた。(コラムで申し上げている)
からです。
 そして、この私の認識を、私が編纂した1982年防衛白書に反映させた次第です。
 このソ連が崩壊した現在、中共や北朝鮮の軍事的脅威など、「ソ連の脅威」の頃の軍事的脅威に比べれば、相対的に言って無に等しい、というのが厳然たる事実なのです。」
http://blog.ohtan.net/archives/51165846.html
 「ソ連の脅威華やかりし時・・実はソ連の脅威なんてウソだったのだが・・現在の北朝鮮よりはるかに沢山のスカッド等の弾道弾を極東ソ連軍は持っていたが、これが脅威だという議論も、また、だから弾道弾発射基地を叩く攻めの装備・部隊を自衛隊は持つべきだという議論も当時なかった。要するに在来型弾頭搭載の弾道弾などさしたる脅威ではないのだ。そのソ連も今はない。領域防衛の観点からは、(核の脅威には米国の核抑止力を維持強化すれば足りることから、)現在対処すべきは北朝鮮によるテロリスト的攻撃だけだと言っても過言ではない。この脅威だけに対処するのであれば、防衛予算は半分どころか10分の1にだってできる」
http://blog.ohtan.net/archives/51164495.html
 「何度も言いますが、人道的介入を含む、ならず者国家やならず者集団の懲罰こそ、先進大国の軍隊の最大の実任務なのであり、これこそ、自衛隊に解禁しない限り、自衛隊の存在意義は基本的にないのです。」
http://blog.ohtan.net/archives/52182080.html
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 日本の芸能人は、文枝の場合もそうだったけど、男の方がウソつきが多い?↓
 「三船&ジョージ離婚成立 モラハラ「新資料」大量提出で急展開・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/11354203/
 この書評もまた、度し難いほど自国の歴史に無知なアホが書いてるね。
 日本じゃ、『源氏物語』、『好色一代男』という、それぞれ、平安時代、江戸時代を代表する傑作がポルノ小説で、しかも、どっちも時の政府からお咎めなんて全くなかったっちゅうのにさー。↓
 「・・・フランスの思想家、ジョルジュ・バタイユは、1941年に「マダム・エドワルダ」を地下出版した。優れたポルノ小説にして反ファシズム小説でもある。「伯爵夫人」の値打ちもそうした系譜上に発見できると思う。
 昭和10年代、右翼的思想家、佐藤通次は考えた。人間は孤独だ。肉と肉の交わりを求める。が、性的合体は一時のこと。必ず虚(むな)しくなる。もっと確かなつながりはないか。佐藤は身(み)という日本語に注目した。たとえば身内。家族とか親族とか。やくざ映画なら「俺の身内」といえば組の仲間全部だろう。身は体だ。体は各人ひとつずつ。でもその体は親から生まれた。子も産む。バラバラに見えるが実は一緒。だから身内という言葉がある。先祖も子孫も自分の身の内にいつも居る。変な話だが、日本人はそういう身体感覚を伝統的に持つ。他人でも兄弟の盃(さかずき)を交わせば身内。日本民族の一億人も祖先をたどれば大本の親はきっと一緒。そう自覚すればみな身内。一億一心、一億玉砕。あるいは当世の新語だと一億総活躍。肉で駄目なら身の感覚に従え。さすればみんなつながれる。日本ファシズムの理屈の典型だ。
 この論理を阻むのは? 優れたポルノ小説だろう。肉と肉に飽きはこず、肉から身に進む必要などさらさらないと主張しぬく小説。ポルノが権力から目の敵にされる理由だ。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ3X5R4MJ3XUCVL029.html?rm=200
 本日も、中共当局の日本礼賛記事をどーぞどぞ。↓
 「・・・捜狐<は>・・・記事<で>、・・・日本人は変態なのにどうして、人にこんなに愛されるのか?・・・日本人はたとえ奇妙な性癖を持っていたとしても、それが他人に悪影響を与えてはいけないという、責任感を持っているからだと論じた。
 記事は、世界各国を対象にした性意識についての2012年実施の調査で、日本は「極めて保守的」との結果が出たと紹介。一方で、中国はむしろ性意識が開放されており、さまざまな項目で「米国よりも開放的」との結果が出たことを、中国人が日中両国民の性意識について持っているイメージが覆される結果と表現した。
 記事は上記調査について、日本で成人向け映像作品が極めて発達していることと「矛盾」していると表現。中国人男性で、日本の映像作品のとりこになる男性も多いことにも触れた。
 記事は日本の「大相撲」に触れた。中国人の多くは、力士の多くが肥満体であることを「スポーツ選手として異常」と思い「変態的な競技」と感じる人が多いからと考えられる。
 ただし記事は、若い力士が教室に集まって、真剣な顔つきで書道を学ぶ様子を紹介し、「日本において相撲とは高雅な行いと認識されている」、「力士は熱心さと広い心、誠実さを、謙虚さを具えている」と評価。さらに、「本物の大相撲の力士になろうとしたら、伝統文化と相撲の技の両方を見につけねばならない」と説明。若い力士が毛筆を操る様子を「たいへん興味深く、愛すべき光景だ」と評した。
 文章は、日本の“やくざ”の「指つめ」も紹介。「犯罪組織」とした上で、「もともとは、約束を守らなかったための懲罰」と説明。日本人が約束を大切にし、破った場合には懲罰を受けることをあらかじめ承諾する考え方は、わらべ歌の「指切りげんまん」にも反映されていると指摘した。
 文章は、日本人には「互いに互いを尊重すること」、「それぞれが、自分のやりたいようにしたい」との気持ちがある一方で、「喜んで規則を守り他人を尊重する」考え方や習慣が浸透しているために、「それぞれが奔放でありながら、社会全体としては秩序が保たれている」と主張した。
 さらに「他人に悪影響を与えてはならない」との日本人の考え方は、独特な「お詫び文化」を形成したと指摘。日本語では常用表現だけでも、「すみません」、「ごめんなさ」、「お気の毒」、「ご迷惑をかける」、「ご面倒をかける」、「頭を下げる」、「お詫び」、「謝罪」、「陳謝」など、さまざまなニュアンスの「お詫びの言葉」があり、これに日本語独特の敬語表現を組み合わせると、日本語のお詫び表現の複雑さと豊富さは「世界一」と紹介。
 文章は、中国人が述べる「お詫びの言葉」は、礼儀や素養と直接の関係がなく、「(仕事でミスをして)お詫びをした人も、仕事の能力が低い人とみなされるだけの場合が多い」と指摘。日本人の場合には、「お詫び」が礼儀や文化の一部になっており、「お詫び」をすることが、対人関係の潤滑剤になっていることも多いと説明した。」
http://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1606025/
 「・・・捜狐<の>・・・記事はまず、「すみません」は謝罪の際にも感謝を示す際にも使われれ、何かを尋ねる場合に、まず使う言葉でもあると紹介した。さらに、日本人は会話の冒頭部分で「すみません」の言葉を、無意識に使うと指摘。例として「すみません。この前に郵送してほしいとお願いした資料ですが、今週中に届くようにしてもらえますか?」の会話文を挙げた。記事は、このような深い意味のない「すみません「が、日本人のコミュニケーションではとても重要と説明。まず、日本人は「本心」と「場を壊さないための言葉」に差異があると説明。外国人は、「心」と「言葉」の分裂は悪習と考えがちだが、実際にはそうではないと主張。上記の例でも、会話の冒頭に「すみません」があるので、相手も「どうもどうも。こちらこそすみません。郵送が遅くなってしまいました。すぐに送ります」と、なごやかなコミュニケーションが成立しやすいと説明。仮に、「この前に郵送してほしいとお願いした資料ですが、今週中に送ってもらえますか?」と言ったのでは、「え? 急ぐの? いつまでに送ればいいの?」と、郵送をめぐる簡単な会話なのに、けんか腰になってしまう危険があると指摘。日本人が「すみません」などの「場を壊さないための言葉」を使うのは、相手の感情に気配りをしているからと説明した。「すみません」は日本社会において、人間関係を円滑にするための「魔法のことば」と評価した。記事は最後の部分で、中国人読者に対して、「普段から、(『すみません』を会話に付け加えるようにすれば、日本人とのコミュニケーションがもっと円滑になるはずです」と指導した。」
http://news.searchina.net/id/1605687?page=1
 それに対し、珍しく、ワカッテて、誤りの『菊と刀』流概念を用いたとしか思えないところの、反日的な記事が出ていた。
 これは、習ちゃん体制に対する中共の阿Q的知識人の抵抗運動(後述)の一環とみた。↓
 「・・・澎湃新聞<の>・・・記事が言わんとするのは、日本人の礼儀正しさは自分とコミュニティとの平和を保つための建前にすぎず、世間体という日本人の道徳基盤から生じているということだ。そして「罪の意識」のような道徳体系を持たないために残酷な戦争もいとわないという主張だ。・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1605556/
 習ちゃん体制への阿Q的知識人の抵抗運動小特集だ。
 <2月には、中央規律検査委員会のサイトに、「イエスマン100人は諫言家1人に及ばず」と題した投稿が登場、3月には、ネット上に、習ちゃん辞任を求める公開書簡投稿が登場。↓>
 ・・・ in late February and early March, two remarkable documents emerged from China. The first was the essay titled “A Thousand Yes-Men Cannot Equal One Honest Advisor” — available here in Chinese and translated here into English — which appeared on the website of the Central Commission for Discipline Inspection (CCDI), China’s powerful anti-corruption watchdog. The essay invoked lessons from Chinese history to warn that without trusted advisors to offer criticism, leaders can make grave mistakes. The second document was an open letter calling for Xi’s resignation, penned by a group describing themselves as “loyal party members.”・・・
http://foreignpolicy.com/2016/03/23/xi-jinpings-ill-advised-quest-for-blind-obedience-china-communist-party-dissent/?wp_login_redirect=0
 <当局は、後者に関し、既に11人を拘束。↓>
 ・・・Surprising even some hardened critics, Mr. Xi’s security forces have overseen a far-reaching inquisition to root out the culprits behind the letter, resorting to measures that have drawn more attention than the letter itself. They have detained at least 11 people, including relatives in China of two exiled writers accused of spreading or promoting the letter.・・・
http://www.nytimes.com/2016/03/30/world/asia/china-xi-jinping-resign-letter.html?ref=world
 <地方有力紙の編集者が、習体制の言論統制に抗議して辞任。↓>
 ・・・An editor at a prominent Chinese newspaper said he was stepping down from his job because he could no longer withstand the pressures of strict control of the country’s media, according to a resignation note posted online.・・・
 The resigning journalist, Yu Shaolei, has worked at Southern Metropolis Daily, a newspaper based in the southern city of Guangzhou・・・
http://www.nytimes.com/2016/03/30/world/asia/china-yu-shaolei-resigns-southern-metropolis.html?ref=world&_r=0
 <習体制の言論統制には、その他の知識人達の間からも次々に批判が。↓>
 ・・・A professor at the Central Party School warned that cracking down on different opinions was dangerous for the party; the influential financial magazine Caixin staged an online protest over the lack of free speech; and a staff member at Xinhua, the state news agency, published a widely shared denunciation of the crackdown, likening it to Mao Zedong’s Cultural Revolution.・・・
 <とはいえ、人民の間での習ちゃん人気は相変わらずだ。↓>
 ・・・every indication suggests Xi remains popular with the Chinese people. ・・・
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/grumbling-mounts-in-china-even-in-the-party-is-president-xi-losing-his-grip/2016/03/29/8bad3b2c-9785-40aa-ab54-831dcf3047a5_story.html?hpid=hp_hp-top-table-main_chinacracks-0600pm%3Ahomepage%2Fstory
 <日本じゃ、(取り上げてる「事件」は違うが、)本件について、福島香織ちゃん一人が気を吐いて大論陣を展開している。↓>
 「・・・中国の大手メディアが足並み揃えて一斉に“任志強バッシング”を始めたきっかけは2月19日。習近平が党総書記としてCCTV、人民日報、新華社を視察に訪れたとき、CCTVが習近平に忠誠を誓っていることをアピールするために、テレビ画面に大きく「CCTVの姓は党、絶対忠誠を誓います。どうぞ検閲してください」と卑屈な標語を掲げたことに対して、任志強が「人民の政府はいつ党の政府になった?」「すべてのメディアの姓が党になって人民の利益を代表しないようになったら、人民は忘れ去られて片隅においやられるんだ!」といった批判をネットの微博上でつぶやいた<ことだ>。
 この発言は、ネットユーザーらのみならず、体制内知識人にも大いに受けた。任志強は党中央メディアの卑屈な習近平擦り寄りぶりを批判しているのだが、その本質は個人崇拝をメディアを通じて仕掛けている習近平自身に対する批判でもある。
 これに対し22日、中国の大手ネットメディアらは「任志強は西側憲政民主の拡声器だ」「任志強は民衆の代弁者のふりをして、民衆の反党反政府の憤怒の情緒を扇動している」などとバッシングを開始した。これは、あたかも、文革のつるし上げの様相であった。
 2月28日には、大手ポータルサイト新浪と騰訊の任志強のアカウントも国家インターネット情報弁公室の命令で閉鎖させられた。・・・
 任志強がどういう人物か、簡単に説明しておこう。
 父親は元商業部副部長まで務めた高級官僚・任泉生。本人は不動産大手・華遠集団総裁を務めたことのある太子党の不動産王である。2014年に企業家から足を洗っているが、中国不動産協会副会長など役職を務める不動産業界のドンであることは変わりなく、また北京市政治協商委員(市議に相当)、北京市西城区人民代表(区議に相当)という役職にも就いている。
 <彼は>、中央規律検査委員会トップの王岐山と幼馴染で、その親密な関係を隠しもしていない。王岐山は言うまでもなく、習近平政権の反腐敗キャンペーンを指揮する“中国汚職改筆頭”の“鬼平”であり、官僚・企業家たちから蛇蠍のごとく嫌われ恐れられている人物であるが、その王岐山の親友であることを背景に、任志強は“中国のドナルド・トランプ”のあだ名がつくほどの放言癖がある。・・・
 <それに対し、>歴史学者でコラムニストの章立凡や中央党校教授の蔡霞、独立派の経済学者・茅予軾、上海財経大学教授の蒋洪らが任志強を表立って擁護<したのだが、すぐに任志強バッシングは下火になった>。・・・
 <上出>の習近平のCCTVなど3大中央メディア訪問を機に始まった三大メディアによる習近平礼賛報道は、一種の“文化大革命”の発動であったと捉えられている。メディアを使って習近平個人崇拝を展開し、一気に習近平は毛沢東的な絶対権威の地位を築く腹積もりだった。毛沢東の文革は10年続いたが、だが習近平の“文革”は、任志強(あるいはそのバックの王岐山)に阻まれ、10日で終わった。だから一部知識人や体制外メディアでは任志強事件は「習近平の十日文革」と皮肉られているわけだ。・・・
 一つだけ、はっきりしているのは、習近平政権の経済、外交、軍政そしてイデオロギー政策については、官僚や共産主義青年団派だけでなく、太子党内にも不満が広がっているということ。「習近平のために泥をかぶって仕事しようという政治家も官僚はもういない。あの王岐山ですら愛想を尽かしている」。現地の情報通はこうささやく。・・・
 <こうなると、>習近平派の中から、習近平に引導を渡そうという人物が出てくる可能性も少し頭に入れておく必要がある。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/032700037/?n_cid=nbpnbo_mlp&rt=nocnt
⇒中共当局の集団指導体制に変化は見られんし、習ちゃん自身も個人崇拝を追求してるフシはないで。
 習体制がシャカリキに腐敗追及に取り組んできてるだけに、それに戦々恐々としてる阿Q的知識人達の中から、あの手この手で、抵抗を試みる醜悪な連中が出てきてるってだけのことさ。(太田)
 オバマは、米国の信頼性の維持だの、そのためには軍事力の使用を厭うてはならぬだの、といった、戦後米国の外交政策に係る伝統的考え方を軽蔑し切っているところ、トランプ、サンダース両名は、この点で、オバマの忠実な使徒である、とさ。
 (まさに同感!(太田))↓
 ・・・ “Obama generally believes that the Washington foreign-policy establishment, which he secretly disdains, makes a fetish of ‘credibility’ — particularly the sort of credibility purchased with force,”・・・
 And while Obama hasn’t outright rejected the deeply entrenched establishment view that the United States is an “indispensable nation,” he has voiced frustration with “free riders” — or countries that expect the United States to police the world without contributing their “fair share.” On this issue in particular, Obama may have an unexpected ally: Republican front-runner Donald Trump. ・・・
 To his credit, Sen. Bernie Sanders (I-Vt.) has offered a realist alternative to the conventional thinking・・・
https://www.washingtonpost.com/opinions/what-obama-has-gotten-right-about-the-foreign-policy-establishment/2016/03/29/c4f893dc-f527-11e5-8b23-538270a1ca31_story.html
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太田述正コラム#8306(2016.3.30)
<ナチスの原点(I部)(その4)>
→非公開