太田述正コラム#8355(2016.4.24)
<皆さんとディスカッション(続x2973)>
<太田>(ツイッターより)
 「…ココイチ…創業者<で>…経営から退いた宗次氏…が楽器を提供する学校は170校…貸与するバイオリン<党>…は30挺を数える。
 そして、06年には28億円の私財を投じ、名古屋…に客席数が310あるクラシック専用の宗次ホールを建てた。…」
http://goethe.nikkei.co.jp/human/160329/06.html
 ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智氏の韮崎大村美術館設立等の社会貢献活動
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E6%99%BA
を知った時以来の感銘を受けた。
 ところで、太田コラムの執筆・発表は、今や、本業であり、趣味であり、かつ社会貢献活動でもある、と勝手に思ってんだけど、夜郎自大かな?
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 三菱自動車問題小特集だ。
 <対象車種だけじゃなく、改ざん手口も「拡大」。↓>
 「・・・三菱自動車が燃費データを不正に改ざんした軽自動車に関し、内装やデザインの一部を変更する際、法令上必要な車両の走行試験をせずに、机上の計算だけで走行時のデータをまとめ、国側に提出するケースがあった・・・。最初に改ざんしたデータとの矛盾で、不正が露見することを恐れたとみられる。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016042301001998.html
 <日本的政治経済体制の中に非人間主義者が混じると・・。↓>
 「・・・そもそも日本のリコールや燃費認定の制度は、製造メーカーからの自己申告やデータ提供に依拠していることもあり、国交省自動車交通局とメーカーの信頼関係から成り立っている。いわゆる性善説にもとづいた信頼関係で、日本の製造業の強さの一つでもある。・・・
 <ハイ、日本が資本主義じゃない証拠がここにも。↓>
 <今まで>三菱自を救済し<てき>たのは、グループ内の結束を守るためだといわれている。そこにあるのは資本の論理ではなく、三菱という名門のメンツと結束の維持だ。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e5%90%8d%e9%96%80%e4%bc%81%e6%a5%ad%e3%83%bb%e4%b8%89%e8%8f%b1%e8%87%aa%e5%8b%95%e8%bb%8a%e3%80%81%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e6%94%b9%e7%ab%84%e3%81%ab%e8%b5%b0%e3%82%89%e3%81%9b%e3%81%9f%e4%b8%89%e8%8f%b1%e3%82%b0%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%97%e3%81%ae%e3%83%a1%e3%83%b3%e3%83%84%e3%81%a8%e5%8d%b1%e6%a9%9f%e6%84%9f%e3%81%ae%e6%ac%a0%e5%a6%82/ar-BBs932E?ocid=iehp#page=2
 <三菱自動車売却に懸念(し、重工による吸収を提唱(?))するコラム。↓>
 「・・・日本の技術がITプラットフォーマーにいとも簡単に買収され、産業の競争力を失わないように行動する必要と責任が<三菱自動車の>取締役にはある・・・」
http://blogos.com/article/173150/
 <半分の責任がある日産が胸を張ってるってのは不届き千万だとさ。
 (大体からして、何で、今回、日産側が勝手に燃費調査をやったんだよ。
 いずれにせよ、日産側が燃費性能目標を「押し付けた」可能性が・・。(太田))↓>
 「・・・不正の対象となった軽自動車は、11年に設立された三菱と日産自動車の合弁会社「NMKV(日産・三菱・軽・ヴィークル)」で企画・開発された。実際の車両開発作業や生産は三菱が請け負っているが、商品性や目標性能は両社の合意によって設定されてきたはずである。その際、燃費性能の設定に無理はなかったのだろうか。・・・
 eKワゴンとデイズの新車発表会で不自然に感じたことがあった。三菱と日産の合弁会社による商品第1弾であるはずなのに、同日でありながら別々に発表会が催されたのである。・・・
 今回の一件では、実際に不正を行ったのは三菱であり、日産がその不正に最近になって気づいて明らかになったようだが、そもそも、NMKVに50%を出資する日産に責任がまったくなかったと言えるのだろうか。合弁会社であるなら、出来上がった商品の性能について机上の数値をただ鵜(う)のみにするのではなく、両社の担当者が同時に立ち会い、互いに走行試験を行って確認してしかるべきである。実際、私が試乗をしてみて、性能の不十分さにすぐ気づいたのだから、この一件が明るみに出る直前まで、実際の燃費性能が数値通りでなかったことがわからなかったと述べるのは、自動車メーカーの専門家として恥ずかしい話ではないか。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160422-OYT8T50035.html?from=ytop_os1_txt
 <つい最近、こんなことがあったんだね。
 (となると、やっぱ、軽についても、燃費性能目標を押し付けたのは三菱側だった?(太田))↓>
 「<2015年11月、>三菱自動車工業の開発部門の管理職2人が、新型車開発の遅れを理由として諭旨退職となっていたことが明らかになった。新型車の開発担当者が「適切な報告を怠った」(広報部)ことで、戦略モデルの開発スケジュールの大幅な見直しを迫られた責任を明確化するためとしている。・・・
  RVRはグローバル展開するモデルとして高い低燃費化目標を掲げており、これを達成するため、車両の軽量化がキーとなっていた。諭旨退職となった管理職2人は、RVRの軽量化の責任者だった・・・」
http://biz-journal.jp/2015/11/post_12603.html
 <いずれにせよ、「軽」部門を廃止する時だよ。(太田)↓>
 「・・・海外は12年に欧州で、さらに今年には米国の生産拠点の閉鎖を決め、東南アジアや欧州、ロシアに絞りこんだ。国内は多目的スポーツ車(SUV)と軽自動車に特化した。折しもリーマン・ショック以降の景気低迷で価格の安い軽に人気が殺到した。・・・
 こうした状況のなかで「ミライース」から2年近く遅れて発売されたのが今回問題があった「eKワゴン」だ。今や、三菱自の約10万台の国内販売のうち、約6割を占める軽で主力車の燃費性能が水増しされていただけに問題は深刻だ。・・・」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO00030190T20C16A4TJC000/?dg=1
 <重工のハナシだが、X2に注目する記事が本日も。↓>
 ・・・The development of a stealth fighter jet — capable of evading radar detection — is indicative of Japan’s concern over China’s regional military buildup. It’s also a sign that Japan is willing to move beyond its pacifist past and chart a defense independent of its closest military ally, the US.・・・
http://www.csmonitor.com/World/Global-News/2016/0423/Why-did-Japan-just-build-a-stealth-fighter-jet
 アルバイトで日本の「猟奇」犯罪を報じるミニコミ電子雑誌を出してぼろ儲けしてるガイジンがいるんだね。↓
 ・・・Tokyo Reporter gets about 120,000 unique visitors a month, mostly men in their 30s. About half are from Japan and the other half is from the English-speaking world, mainly from the United States. ・・・
 “Japan is supposed to be a safe country. But based on what I read, I really don’t know that’s true,” said Bull, sitting in a bar in Kabukicho, the heart of seedy Tokyo, not far from his office.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/japans-most-salacious-crime-news–and-the-american-who-publishes-it/2016/04/21/150720b2-0740-11e6-bfed-ef65dff5970d_story.html?hpid=hp_hp-cards_hp-card-world%3Ahomepage%2Fcard
 本日の、中共における日本礼賛記事だーよ。
 <中共当局によるもの。↓>
 「・・・人民網は・・・日本は「伝統と現代との衝突で出来上がった国である」とする記事を掲載した。記事では、中国人民大学の金融系研究員を務める作者が日本を訪れた際の印象を綴った。そのなかで作者は「日本の旅で最も心ひかれたのは、清水寺の古い色香や桜の絢爛さではなく、東京にある小さな路地であった」としている。
 作者によると、世界で最もせわしない、大都市東京に「これほど伝統的なゆったりとした生活リズムのエリアが残っていることを、想像だにしなかった」とのだという。
 そのうえで、日本が7世紀には中国、19世紀には西洋の文明による強烈な衝撃に遭遇し、そこから覚醒、奮起して「外部の衝撃を内部の動力に変え」てきたと説明。「日本人は非常に学ぶことに長けている民族である」とし、日本の街や公共スペースが清潔である理由の1つとして、幕末に米海軍によって持ち込まれたコレラが大流行したトピックを紹介した。この疫病に衝撃を受けた日本は西洋医学を解禁、これに伴い公共衛生の概念も西洋から持ち込まれ、明治政府による医療体制改革につながったというのだ。
 <「米軍占領期間に」云々の部分は余計。(太田)↓>
 また、大規模な都市開発が進むなかで、日本が旧来の住宅街を残したり復活させたりできた理由として「もともと社会末端の自己組織能力が比較的強く、米軍占領期間に行われた制度作りによってさらに日本の末端民衆の政治参加力が上昇した」と説明。住民たちの意思が街づくりに大きな役割を果たしたとの見解を示した。
 さらに、今流行のキーワードである「匠の精神」についても言及。「匠」の精緻さは、日常生活の中に普遍的に存在してこそ、各種産業において極められることが可能であるとし、「匠の精神」とは「道徳の産物であり、体制の産物でもある」と論じている。そして最後に「中国は日本を侮ってはならない。日本の姿に、自らを反省し、改め、向上させるべきなのである」と締めくくった。」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e4%ba%ba%e3%81%ab%e3%81%af%e8%a1%9d%e6%92%83%ef%bc%81-%e3%81%a9%e3%81%86%e3%81%97%e3%81%a6%e8%b6%85%e7%8f%be%e4%bb%a3%e9%83%bd%e5%b8%82%e3%83%bb%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e3%81%ab%e3%80%8c%e5%8f%a4%e3%81%8d%e8%89%af%e3%81%8d%e8%a1%97%e4%b8%a6%e3%81%bf%e3%80%8d%e3%81%8c%e3%81%a1%e3%82%83%e3%82%93%e3%81%a8%e6%ae%8b%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%84%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%a0%ef%bc%81/ar-BBs8CCo?ocid=iehp#page=2
 <当局と人民が提携した形での日本礼賛だ。↓>
 「・・・今日頭条・・・記事では、東京の自動車保有率は1世帯当たり0.5台で、自動車保有者でも使用頻度が高くないと指摘。それでも生活の質に影響がないのは、公共交通機関が発達しており、徒歩と組み合わせれば十分だからだとした。その上で、東京の道々には多くの草花や盆栽があり、歩くのが楽しくなると紹介。「わが国の環境問題は工業だけではなく、国民の環境に対する認識や態度の問題だ」と論じた。
 これに対して中国のネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
 「日本人は素養が高い。中国は2/3の人の民度に問題がある」「日本は先進国だが、われわれの想像を超える数の人が自転車に乗っている」「自動車は環境汚染の最大の原因ではない。中国の火力発電所が一番の要因だ」「日本人には環境保護の意識があるが、中国人にはない。空気はみんなの物でみんなが汚しているのに、なんで自分は汚しちゃダメなんだという考え」「海に囲まれた小さな島国で季節風が吹く所と中国では比べようがない」「日本は基本的に1500CC以下の車ばかりで燃費がいいからな。それに海洋性気候も助けになっている」「俺たちは環境問題に着手したらGDPが上がらなくなるからな」「中国は環境汚染対策ができないわけではなく、する勇気がないだけ。汚染対策したら工場の従業員やGDPはどうなる?」」
http://www.recordchina.co.jp/a131830.html
 ブラジル、ひいてはラテンアメリカ全体、でカトリック教徒がどんどん相対的に少なくなり、米国発のプロテスタンティズムである原理主義的キリスト教の教徒がその分増えていて、政治的影響力も増大しているんだと。
 (うー野蛮!(太田))↓
 ・・・The impeachment was led by the speaker of Brazil’s lower legislative house, Pentacostal Christian Eduardo Cunha, Reuters reported. The political move shows Evangelical influence is rising inside a Catholic country・・・
 Three-quarters of Latin Americans are Catholic, making the region home to 40 percent of the world’s 1 billion Catholics.
 In Brazil, roughly 60 percent of the population still identifies as Catholic, down from 74 percent in 2000 and 94 percent in 1950・・・
http://www.csmonitor.com/World/Global-News/2016/0423/What-Brazil-s-impeachment-process-says-about-its-Christian-faiths
 だそうですよ。↓
 「日本人の性生活は理想か・・・
 カナダのトロント大学のAmy Muise氏らが「カップルの幸福度は週1回のセックスで十分」と報告した(Social Psychological and Personality Science 15年11月18日号)。性生活に関する三つの論文を検討したところ、幸せな関係には、金銭よりも定期的なセックスのほうが重要で、しかも、セックスの回数が多くなるにつれて幸福度も上昇した。ところが、週1回を超えると、幸福度の高まりに差がなくなるという。別にセックスの回数が多くても悪くはないが、週1回の性生活で十分幸せだということだ。これを年間にすると52回。日本の45回とさほど変わらない回数である。・・・」
http://mainichi.jp/premier/health/%E7%9F%B3%E8%94%B5%E6%96%87%E4%BF%A1/
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太田述正コラム#8356(2016.4.24)
<全て失敗に終わった米国のポスト冷戦期外国体制変革努力(その2)>
→非公開