太田述正コラム#8395(2016.5.14)
<皆さんとディスカッション(続x2993)>
<太田>(ツイッターより)
「…正月に家族旅行で訪れた場所で会議を行っている不自然さを、都知事という立場で説明したいのなら、証拠を出さない限り信じてもらえないことが分からないんだなと思ったと語った片山議員。白紙の領収書をもらっていた事にも触れ、「(仲間内で)脱税しようとしない限り、白紙の領収書を多量には渡さない」と語気を強めた。…」
http://news.livedoor.com/article/detail/11517761/
「…公用車で通っていた神奈川・湯河原町の別荘近くの衣料品店では、子どもの靴下や肌着代まで領収書を出させていたという。
矛先は政治家としての資質を飛び越え、人間性にまで及びはじめている。…」
http://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_319199/
「…社会保険庁職員の年金横領が発覚した当時、厚生労働大臣だった舛添君の発言…「今からでも刑事告発してやろうかと思って」「横領したような連中はきちんと牢屋に入ってもらうことは当たり前」「泥棒でしょ これは 盗っ人なわけですよ」
http://news.livedoor.com/article/detail/11513515/
往生際の悪いやっちゃ。
今まで舛添の「人間性」を知ってて口を拭ってきた面々、今からでも遅くないから、せめてもの罪滅ぼしで、舛添辞任に向けて声を挙げてちょ。
(今日にかけて彼のウィキの、「人間性」に係る部分を大幅縮小した奴は誰や!)
「舛添要一氏会見への元妻のツッコミにも非難の声…」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/05/13/satsuki-katayama_n_9944926.html
ひでー話だ、
彼女、舛添の都知事選立候補の際にだって激しい舛添批判をしてるで。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9B%E6%B7%BB%E8%A6%81%E4%B8%80
彼のことを熟知している人間が声を挙げるのは当然の義務だよ。
「… 訴えられないように…時間をかけて弁護士さんやリスクマネジメントの専門家チームと何時間もかけて質疑応答の練習をしてた…と推測<され>ているが、…その費用には、都の予算はもちろん、政治資金をあてることもできず、「自腹で払う」ことになっていたはずだ。あらゆることについて自信満々で、しかも、ケチだとされる舛添氏は、そのようなことにお金を使おうとしなかったのではないか。…結局、そういう舛添氏の人間性が、このような拙劣な危機対応という結果を招き、事態を一層深刻なものにしてしまったと言えるだろう。…」
http://blogos.com/article/175486/
舛添のどこが拙劣だったかは直接読んでもらうとして、やった「こと自体は、いずれも小さな問題である。それ以上に重要なことは、それらの行動に表れた舛添氏という人物の資質・姿勢が、本当に東京都知事という職に相応しいものなのかどうか…」
http://ironna.jp/article/3304
という、10日前の指摘といい、 郷原ヤメ検、珍しく、舛添問題じゃあ、冴えた指摘を連発してるね。
それにしても、「告発・刑事事件化は必至か」(前者)とは心強い限りだ。
後は、検察と、あんまし期待はできないが、都議会の各会派、とりわけ「与党」の自民党、公明党に頑張ってもらおうじゃんか。
<太田>
関連記事だ。
産経が例によって、舛添の定例記者会見の全体を載せているが、謝意を表しておきたい。↓
http://www.sankei.com/premium/news/160513/prm1605130007-n1.html 以下
過去の同種事案が紹介されている。↓
「・・・ 舛添氏の政治資金をめぐっては、これまでにも疑惑が指摘されてきた。
2014年には、代表を務めていた二つの政治団体が、舛添氏が参院議員だった11~12年、「調査研究費」の名目でフランスの作家の石版画(リトグラフ)や絵画、漫画「クレヨンしんちゃん」などを購入していたことが発覚。舛添氏は記者会見で「日仏文化交流時の材料になる」「(漫画の主人公の言葉遣いを)子どもがまねをするので政治の力でどうにかならないか、と陳情を受けたから」などと釈明した。
15年には、代表を務めていた旧「新党改革」の支部から、舛添氏の資金管理団体に計429万円が寄付され、直後に党支部が解散していたことが発覚。寄付の時期は、舛添氏が離党して立候補した14年の都知事選の選挙期間中だった。舛添氏の事務所は「法律にのっとって処理している」とした。
また、舛添氏の資金管理団体は14年、舛添氏が役員を務め、自宅に住所を置く会社「舛添政治経済研究所」に、事務所賃料として月約44万円を9カ月分、計約400万円支払っていた。同事務所は「政治資金は適切に処理している」と説明した。」
http://digital.asahi.com/articles/ASJ5F5H17J5FUTIL03Q.html?rm=751
舛添の人間性に関する最近の挿話が紹介されている。↓
「・・・「知事に就任したばかりの頃、男性職員に『御馳走する』といって、地元のマクドナルドに誘ったのです。お店の前まで来たとき、知事が自宅にクーポン券があることを思い出し、その男性職員に自宅に行って取ってくるように命じたのです。職員が取りに行っている間、SPと知事は二人きりでマックの前で待っていたというのです」
フランスでは高級ホテルを泊まり歩き、湯河原に豪華別荘を構えている知事さまが、奢ってやると言ってマクドナルドに連れていくというのも情けない話だが、店の前でクーポン待ちをしていたそうだ。ここまで来ると、もはや「すべらない話」級のネタである。しかし、このエピソードこそが舛添氏の金銭感覚の本質を突いていると私は思う。
舛添氏は、政治団体の資金は気前よく使うが、自分の金は後日ネタになることが確実なクーポン待ちをしてでも使いたくない。つまり、他人の金は湯水のように使うが、自分の金にはとてもケチな人なのだ。しかも、その他人の金は国民が払った税金である。・・・」
http://ironna.jp/article/3306
「炎上問題専門家」のこのブログも、なかなか読ませる。↓
「自ら「炎上」へと突き進む?舛添都知事の「理論的な釈明」・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/mediagong_17153/
外国主要メディアが初めて本件をお取上げになっただ。↓
http://foreignpolicy.com/2016/05/13/tokyos-governor-spent-a-crazy-amount-of-government-money-on-overseas-trips/?wp_login_redirect=0
<MH>
–重工 シーメンス–
≫重工は、利益だの配当だのを追求している会社(資本主義企業)じゃないんだから、それでいいんです。≪(コラム#8393。太田)
他は概ね同感ですが、それはよくありません!
⇒あのね、私は、「利益だの配当だの」を大きくすること、つまり、株主の利益を図ること、が日本型企業の目的じゃないよ、と言ってるだけなの。
(可能であれば「株主」への「利子」の支払いであるところの配当ができる程度の利益を残しつつ、)利益をあげずに、研究開発、
http://kanjokamoku.k-solution.info/2006/07/post_119.html
開発、
http://kanjokamoku.k-solution.info/2006/04/post_51.html
設備投資等の繰延資産、
http://kanjokamoku.k-solution.info/2007/05/post_47.html
等に目一杯資金を投入し、社会的公器たる企業の存続、従業員の雇用・福利の確保、を図る、というのが日本型企業なの。(太田)
企業は利益が出なければ、翌年度の研究開発費も設備投資もねん出出来ません。(重工は毎年約3千億円 以下の資料 P28)
また重工は上場企業であり利益計上して株主配当を行う責務があります。
太田さん、重工の以下の決算資料説明を読んでください。
https://www.mhi.co.jp/finance/library/result/pdf/h28_05/setsumei.pdf
基本方針
「将来事業への投資」 と「自己資本強化」とのバランスを常に考慮しながら、当面は連結配当性向30%を目処に株主還元を行う。
2015事計においては、グローバル市場における将来のビジネスチャンス/リスクに
対応し得る適正な自己資本レベルを2兆円と計画。
⇒ROE10%以上を達成しつつ自己資本を2兆円まで積み上げ、強靭な財務基盤を構築。
従い、2015事計期間中は以下の3点の状況を見極めながら配当水準を決定する。
・自己資本2兆円に向けた積み上がり状況
・将来の事業機会およびリスクボリューム
・ROEの改善状況
⇒大企業なもんだから、諸外国、とりわけ米国向けに、株式会社の体裁を取り繕っている、というだけのことです。(太田)
太田さんは何だか金儲けが悪いみたいな表現ですが、そもそも金を儲けて(国家や地方自治体などに)納税して従業員を雇用するのは誰なのですか、企業でしょう?
他には誰もいません。
⇒そんなこと言ったって、日本じゃ大部分(7割)の企業が利益をあげておらず、従って、法人税を払っていませんよ。
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je02/pdf/wp-je02-00202-02.pdf
要するに、日本の企業は、基本的に、利益をあげないような経営をしている、ということです。
だけども、日本の企業は、企業の存続、従業員の雇用、を通じて、直接的に固定資産税、消費税等、間接的に個人所得税等、を納税しているわけです。(太田)
三菱重工自身が以下の表明してます。
「三菱重:GE、シーメンスの2強に挑む-時価総額2倍以上の規模へ」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2015-05-28/–ia8b4qqa
三菱重工業は、米ゼネラル・エレクトリック (GE)や独シーメンスといった重電事業での世界2強に立ち向かうた め、株式の時価総額を現在の2倍の規模を目指すなど、積極的な拡大を 打ち出す。
宮永俊一社長は8日、中期経営計画の会見で「シーメンスやGEと は体格がだいぶ違う」と述べた上で、「中身について十分に戦うところ まで持っていくには、最終的に時価総額を最低限2倍以上にしないといけない」と話した。
特別損失の削減など自己資本をある程度厚くし、 「さらにM&A(企業の合併・買収)を続ける。もっと大胆な再編をや ることによって価値を高めていく」と企業価値の拡大に意欲を示した。
⇒三菱重工は、全球的な競争の中で自社を存続させるためには、企業規模を拡大して行かなければならない、と言ってるだけです。(太田)
上記のGEは純粋アングロサクソン企業だから除外して、太田さんが「株式資本主義」ではないと言及した(コラム#8381)且つ、重工がライバル視して言及しているドイツのシーメンスはどうなのか?
「シーメンス、2015年度を力強い業績で終了」
http://www.siemens.co.jp/Japanese/Press/2015/pressrelease/Pages/press-20151112.aspx
ドイツ、ベルリン, 2015年11月12日
2015年度の目標値に到達
2016年度に明るい展望
世界経済が低迷する中でも、大幅な受注増加の見込み
売上の緩やかな成長も予想
取締役会および監査役会は3.5ユーロまで配当金の増額を提案
最長36カ月にわたる30億ユーロの自社株買いプログラムを計画
社員向けの利益還元に2億ユーロ追加
シーメンスAG社長兼CEOのジョー・ケーザーは、「私たちは目標を達成しました。また、本年度も目標を達成する体制を整えています」と述べています。
シーメンスの取締役会および監査役会は、2016年1月に開催される年次株主総会において、1株当たり3.50ユーロの配当を提案する予定です(2014年度は3.30ユーロ)。当社はまた、今後36カ月以内で30億ユーロの自社株買いを計画しています。この計画は2015年1月27日に開催された年次株主総会において承認されたものです。
購入した自社株は、償却されたり、社員及び子会社の役員や取締役向けに発行されたり、あるいは転換社債や株式買い取り権付き社債に使用されます。
シーメンスCFOのラルフ・トーマスは、「新しい自社株買い計画により、株主の皆様が引き続き当社の成功に力を合わせてくれると信じています」と、述べています。
総額で22億ユーロの現金及び株式が利益分配により社員に配分されますが、追加で2億ユーロがシーメンス利益分配資金(Siemens Profit Sharing Pool)に配分されます。
この社員向けの新利益分配制度は当社が1年前に開始したもので、社員が直接的に会社の成功に関与できるものです。
特に大きな成功をおさめた年は、予想を越える利益が生まれることになり、シーメンス利益分配資金にその一部が配分されます。資金が4億ユーロを越えた際、そのすべてもしくは一部が全世界の社員に還元されます。
ドイツ企業でも儲けて利益計上して納税して、自社株買い及び株主配当で持ち株会の社員に利益還元をするという立派な会社ではないですか。
それが真っ当な企業です。
⇒株主だけじゃなくって、従業員への利益の還元も謳って自社株買い
https://kabusyo.com/sihyo/sihyo_070911.html
をするなんて、アングロサクソン的観点からすれば、いかがわしい企業ですよ。(太田)
では「利益が出なくても良いんですよ」で、本当に出なくてもう打つ手がない東芝はどうなんです?
「東芝が過去最悪の赤字、終われない「綱渡り」
http://toyokeizai.net/articles/-/117797
売上高は5兆6701億円(前期6兆1146億円)、営業利益は7191億円の赤字(同1884億円)と過去最悪の赤字に終わった。主な要因は、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)ののれんの減損や、リストラなどの構造改革費用だ。
事業自体も悪化しており、電力・社会インフラ、昇降機などのコミュニティソリューション、半導体・ストレージなど、全部門が赤字となった。
企業はこうなったらもうおしまいです。
株式資本主義ではないなんてのは通用しませんよ。
⇒日本型企業だって、ダメ企業はあるし、存続できなくなる企業だってある、ってだけのことです。(太田)
日本は株式市場は英米と同じルールで行っている以上、同じ価値判断で経営する必要があります。
⇒あなたは、自分に刷り込まれている、米事大主義/日本卑下意識、がぐらつき始めてきたからこそ、心理的に追い詰められて、最近、ことあるごとにそういった趣旨のことを私に向って叫んでるんだろうが、他人ごとながら、大丈夫かって心配しちゃうなあ。
広義のアングロサクソン文明諸国のローカルルールがグローバルルールになっちゃっている観があることに加え、日本は米国の属国なんだから、ドイツのように、異なったローカルルールを打ち出すなんてことは不可能である以上、日本の企業、とりわけ大企業は、ホンネとタテマエが乖離した経営を行うほかない、ということなんです。
以下は念のため。(むろん比喩的表現だからね、)
私は、鳩山由紀夫さんとは違って、ホンマもんの宇宙人なのであって、宇宙からやってきた、一社会人類学者として、地球人中最も神秘的で、自らについて黙して語らぬ、日本人達に代わって、日本人達や日本社会を観察した結果を客観的に描写してるだけで、自分の見解を開陳してるワケじゃないんだからね。(太田)
<太田>
「関連」記事だ。
「・・・賢太郎氏へのインタビュー。
三菱自動車の社内で息子の哲郎氏が「プリンス」「皇太子」などと呼ばれる特別な存在だったことについては何と言うか。
<ここはホント。↓>
「そういう親子関係で、ということは三菱グループは絶対にしないんだよね。僕の息子もね、
<ここはウソ。↓>
僕と同じ東大の機械科を出ているけれど、三菱重工には入らなかったわけ。親子関係だから。けれども自動車が好きなもんだから三菱自動車に入ったわけで。三菱が好きだから三菱自動車に入ったのではない。単純に自動車が好きだから入った。僕が言ったからでも、僕が斡旋したわけでもないからね」
<この三菱自動車への思い入れはホント。↓>
ただし、賢太郎氏自身も超の付く自動車好きで、
「それは親子2代だね。僕はもう13台目の車に乗っていますから。今は三菱のプラウディアという車と三菱製の軍用ジープに乗っています。僕は長崎出身だからね。昭和20年9月、進駐してきた米軍が、長崎の諏訪神社という山の上にある神社の階段を、ジープでガーッと登って行くわけだ。当時、旧制高校1年生だったけど、それを見てたまげたわけ。で、あのジープに乗りたい、と思い続けていた。自動車を買うのが人生の目的だったくらいだけど、僕が大学を出た頃はまだ日本では自動車工業は発達していなかった。それで、三菱重工に入って蒸気タービンを作ることになった」・・・
<ここもホント。よってその通りになったね。↓>
「三菱自動車の従業員が3万人、下請けも入れると10万人以上の人がいる。会社を潰すと、それだけの人が路頭に迷います。彼らだって同じ日本の国民です。武士の情け、そういう気持ちも大事ですよ。それに、三菱重工は三菱自動車の株を持っていますからね。株主としては支援はしなきゃイカン。それは当然のことでしょう」・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/dailyshincho_508240/
それでは、その他の記事の紹介です。
日本型企業、頑張っとるねー。↓
「「世界シェアNo.1」隠れた日本企業のチカラ・・・」
http://vdata.nikkei.com/prj2/ft-jpglobal-c/
定番の、中共官民の日本礼賛記事群紹介だよー。
今日は当局のものばっかし。↓
「・・・張建立・中国社会科学院日本研究所研究員。新華網掲載・・・
文化ソフトパワー資源の発掘の理念と措置の面でも、文化資源への権力の転化方式の面でも、日本は独自性を備えている。
理念の面では、基礎の強化によって新たな発展源を切り開くことが強調され、独自の文化資源の発掘に重きが置かれている。これは主に日本のクールジャパン計画に表れている。
ソフトパワー資源建設の措置の面では、日本は、関連する政策法規や制度保障を時代の移り変わりに合わせて整備することを重視している。日本政府がこれまでに打ち出した文化国家の建設にかかわる法令は合計613本に及び、様々な分野の文化資源を発掘する措置が制定されている。関連する法律の多くはさらに、時代の移り変わりに従って修正できるようになっている。
権力の転化方式においては、土地に合った狙いを定めたソフトな方式によってほかの行為者の意識と言動に影響を与え、これを変化させている。日本は、海外に向けて文化ソフトパワー資源・製品を売り込む際、対象国の経済状況や政治状況などを細かく調査するだけでなく、国民性に対する周到な調査分析も重視しており、どのような製品をいかなる方式で投じるかを決めている。
3Dアニメ映画『STAND BY MEドラえもん』の中国大陸部での人気と、「爆買い」の日本語流行語大賞への選出からも、日本の文化ソフトパワー建設の成果をうかがうことができる。
この映画は2015年5月28日から中国大陸部で公開され、興行収入は初日で2708万元(1元は約16.7円)に達した。同年6月26日に初回の公開が終わるまでの約1カ月の興行収入は、2011年に上映された『カンフー・パンダ2』(6億1千万元)に次ぐ5億3千万元に達し、日本での上映期間の4億2千万元を大きく上回った。丸々と太ったこの青いアニメキャラクター「ドラえもん」に中国の視聴者が出会ったのは、中国中央テレビ(CCTV)第2チャンネルで「機器猫」との題名でテレビアニメが放送された1991年のことだった。その後、どんな夢でもかなえてくれるドラえもんのキャラクターは、人々の心に徐々に浸透していった。『ドラえもん』のキャラクターやエピソードは、1980年代生まれの世代にとっては忘れることのできない記憶となっている。昨年の映画での成功は、テレビアニメ作品のエピソードやキャラクター設定、スタイルを受け継ぎ、この世代の人々の記憶をよみがえらせたことにある。
2015年12月1日、日本を訪れる中国人観光客による大量の買い物を指す「爆買い」という言葉が、同年の流行語大賞に選ばれた。これは中国人消費者の購買力が高まり、日本の社会と経済に影響を及ぼすことになったことを示すと同時に、日本の文化ソフトパワー資源の建設が成功したことの客観的な裏付けともなった。報道によると、2015年2月の春節(旧正月)期間に日本を訪れた中国人観光客は45万人に達し、その消費額は1140億円に達した。日本政府観光局の公表した統計データによると、2014年の訪日者数は1341万3467人で、そのうち中国大陸部からの訪日者数は240万9158人だった。2015年の外国人訪日者数は大幅に成長して1973万7400人の過去最高に達した。中国大陸部からの訪日者数も2014年の2倍を超える499万3800人に達し、過去最高を更新した。
日本が文化資源をソフトパワーに転化して国家のイメージアップに成功した例はまだたくさんある。日本の文化ソフトパワー資源が、伝統文化や現代芸術などの有形のものだけでなく、日本人の思考方式や行動モデルなどの国民性や特徴ある発展モデルなどの無形のものも含むものであることは明らかである。
日本の文化ソフトパワー資源建設の成果は著しく、国内的には国民の自信を強化し、対外的には日本の国際イメージを高めている。
文化ソフトパワー資源の建設強化にあたっては、有形の文化資源を重視するだけでなく、無形の文化資源も掘り起こすことが必要となる。現在、日本の文化ソフトパワー資源に関する学術界の研究の多くは、文化芸術作品や漫画・アニメなどの大衆文化娯楽作品などの有形の資源に着目したものであり、無形のソフトパワー資源建設に対する注目は十分でない。」
http://j.people.com.cn/n3/2016/0513/c94476-9057270.html
「・・・南方財富網は・・・世界で最も清潔な紙幣は日本の紙幣であり、最も汚いのは人民元紙幣であると主張、その違いを紹介する記事を掲載した。
記事は日本の紙幣の外観に注目し、ペンなどにより文字や数字が書き込まれた紙幣やしわだらけになった紙幣はないと指摘。逆に中国で流通している人民元紙幣の場合は、文字が書き込まれたものを時々見かけることがある。さらに、しわしわになった紙幣をよく見かけるが、むしろしわだらけでない人民元紙幣を見かけることのほうが圧倒的に少ないと言って良い。
人民元紙幣は紙質が日本に比べて遥かに劣っているため、最高額の100元紙幣以外は、どの紙幣にも多数の折れ曲がりやしわがあるのが現実だ。肌年齢に例えるなら、日本と中国それぞれの国で流通している日本紙幣と人民元紙幣は平均して20代と60代くらいの差があるといえるだろう。100元紙幣の場合は20代と40代の差にとどまるかもしれない。
記事はさらに「日本人は紙幣を大切に扱う」と表現。紙幣の紙質にも大きな差があるが紙幣の扱い方も日本と中国では大きな差があり、これも日本と中国の紙幣の清潔感の差を生じさせているという見方を記事は示している。」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%a7%e6%9c%80%e3%82%82%e6%b8%85%e6%bd%94%e3%81%aa%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%ae%e7%b4%99%e5%b9%a3%e3%80%81%e6%9c%80%e3%82%82%e6%b1%9a%e3%81%84%e4%ba%ba%e6%b0%91%e5%85%83%e7%b4%99%e5%b9%a3%ef%bc%9d%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e5%a0%b1%e9%81%93/ar-BBt1OST?ocid=iehp
<ドイツまで持ち出すと話が混乱するでー。↓>
「・・・微信はこのほど、食品の安全は1つの国ひいては民族が生存していくうえでの基礎となる重要な存在であると指摘し、日本では厳格な基準と道徳体系によって食の安全を担保していると伝える一方、日本と同等もしくはより厳格に食の安全を担保しているのはドイツであると報じた。」
http://news.searchina.net/id/1609620?page=1
<香港のメディアだって、今じゃ、本土の当局の事実上の統制下にあるからね。↓>
「香港メディア・大公網・・・ 記事は、香港における日本の飲食習慣に対するイメージについて「冷たいものは受け付けないし、大したものではない」と紹介したうえで、「しかし、日本に行ってみたら全く逆の感覚だった。大したものだったのだ」と伝えた。
そして、日本にやって来て最初に京都でラーメンを食べた際「直ちに、『やはり本場に限る』と思った」と説明。香港で食べていた日本のラーメンは「誇張された大きな丼に、半分程度のぬるいスープと麺が入っているという、全くもって違うものだった」として、本場との「差」の大きさに対する衝撃を表現した。また、大阪でうなぎ定食を食べた際には「美食の前に情緒が不安定」になったのか、息子がさらに「うな丼」まで注文してしまい、店員をいささか不安がらせてしまったというエピソードも紹介している。
さらに、長崎では夕食時にガイドの案内で中華街に連れて来られたことに言及。一行からは「香港はグルメ天国だぞ。どうしてわれわれに中国料理を食べさせるのだ」との文句が出る中、しぶしぶ中国料理店に入店、海鮮麺を食べながらビールを飲んだとした。しかしこの海鮮麺が、一行に衝撃を与えることになるのだ。
記事は、「私はこれまでこんな海の香りに満ちた海鮮麺を食べたことがなかった。エビやカニ、イカ、ホタテが十分に入っていて、しかも強火でサッと調理することで得られる中国料理ならではの香りと味わいもある。しかもそれでたったの100香港ドルとは」とすっかり感服したことを紹介。最初は不満をこぼしていた一行も心から満足し、釣銭をチップとして渡すほどだったとしている。
チップを渡した結果、オーナーや料理長以下店のスタッフ全員が入口に集まり、一行を見送り続けるというサービスを受けることになったようで、一行からは「おいおい、彼らまだ立ってるよ」という驚きの声も出たという。記事は最後に「日本人のやることの真面目さには、単に感服させられるだけでなく、驚かされる」と評した。」
http://news.searchina.net/id/1609707?page=1
「・・・百度百家はこのほど、世界で最も運転マナーが良いのは日本人であるとの記事を掲載した。
記事は、中国人記者が旅行で訪れた東京や沖縄で実際に目にした光景をもとに、日本人の運転マナーは世界でもっとも優れていると指摘している。例えば、日本では車間距離を守り、ほかの自動車や歩行者に「自ら道を譲っていた」と紹介している。・・・
また、中国人記者が日本旅行で感銘を受けた別の点として、「軽自動車の存在」を挙げた。軽自動車は日本特有の自動車サイズであり、日本の自動車技術の詰まった存在と言える。記事は軽自動車の利点として、省スペースや省エネなどを挙げ、多くの中国人の生活様式が軽自動車の使用に適していると述べた。」
http://news.searchina.net/id/1609690?page=1
「・・・今日頭条はこのほど、「日本人の恐ろしい3つのこと、見たら誰もが驚く」と題して、日本人の民度や素養の高さを紹介する記事を掲載した。
記事が1つ目に挙げたのは「24時間、街がきれい」なことだ。各自がゴミを持ち帰る日本では、逆にゴミのポイ捨てという行為が理解されない、と中国との違いを強調。あまりにきれいなので、「2020年のオリンピック開催を多くの人が反対したのも分かる」と論じた。つまり、外国人が押し寄せることで、ゴミが増えるなど住環境が悪化する可能性を東京の人は懸念したという意味であろう。
2つ目は「列に並ぶ」ことだ。たとえ2人だけでも並び、割り込みをする人がいたら何も言わずに「白い目で見る」といいう日本人独特の違反者に対する処罰が下されるため、少しでも自尊心のある人は恥ずかしくて割り込みができなくなると説明した。地震という非常事態でも被災者が列に並ぶことにはいたく感動したようで、「災害時に人の本質が見えるものだ」と日本人の高い規律性を称賛した。
3つ目は「子どもの教育」である。例えば、冬の寒空のなかで運動させたり、ランドセルを自分で背負わせて登校させるなど、子どもを甘やかさない教育方針を称賛した。一人っ子政策で甘やかされて育つ中国ではありえない光景なのだろう。また、日本人の袋好きは良く知られているが、子どものカバンのなかには袋がたくさん入っており、本やペン、箸、服などを分けて入れていると紹介、「規律正しい生活習慣を身に着けさせる教育の一環」だと高く評価した。」
http://news.searchina.net/id/1609673?page=1
「・・・今日頭条は、もしも世界から日本がなくなったら、どのような状況が発生するのか考察している。・・・
記事は経済分野のみならず、日本のアニメや漫画などの文化を取り上げ、日本が消えればこうした文化も消えてしまうと指摘したうえで、「愛好家にとっては人生の重要な支えを失ってしまうだろう」と主張。中国にも中国産アニメは存在するが、正直なところ魅力的な商品ではないように感じられる。特に若者の好きな漫画やアニメのほとんどは日本のアニメであり、ドラゴンボールやスラムダンクといった漫画は中国でも知らない人はいないほどだ。
ほかにも、「アダルト産業」や「インスタントラーメン」が無くなってしまうと指摘している。」
http://news.searchina.net/id/1609587?page=1
コラム#8158から始まるシリーズで取り上げた本(’The Romanovs: 1613-1918’)の書評がまた出てた。↓
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-romanovs-fascinating-odd-and-odious/2016/05/13/5979d084-fcc1-11e5-9140-e61d062438bb_story.html
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一人題名のない音楽会です。
今度は、西城慶子(注)の歌唱を、3回にわたってお送りします。
(注)1938年~。「東京声専音楽学校を卒業し、歌手となる。ジャンルはジャズ・歌謡曲。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%9F%8E%E6%85%B6%E5%AD%90
素晴らしい日本人歌手、や、(欧米由来のものを含め)素晴らしいクラシック的歌謡曲は、尽きないものだな、という感慨に耽っている今日この頃です。
別離(?年) 訳詩:漣健児 作詞:N.Ferrer 作曲:N.Ferrer・G.Zoka
https://www.youtube.com/watch?v=Ecu_bKu9uw8
マリコ(1988年) 作詞:鷹野学 作曲:岡崎広志
https://www.youtube.com/watch?v=10ON1yl0esg&nohtml5=False
枯葉の街(1969年)(コラム#8199)←由紀さおり 作詞:山上路夫 作曲:いずみたく
https://www.youtube.com/watch?v=GpkYsxDjuOc&nohtml5=False
Yesterday when I was young(帰り来ぬ青春)(1966年) 作詞・作曲:Charles Aznavour(シャルル・アズナブール) 世代の割には英語の発音はいい方ではあるけれど・・。
https://www.youtube.com/watch?v=oSiaPvWUQJo&nohtml5=False
いつもなら(1971年)←朝丘雪路 作詞:なかにし礼 作曲:筒美京平
https://www.youtube.com/watch?v=BS8hXNvK_So&nohtml5=False
グッド・バイ・マイ・ラブ(1974年)←アン・ルイス 作詞:柴野未知 作曲:岡崎広志
https://www.youtube.com/watch?v=TyxpX58ZHA8&nohtml5=False
Parole Parole(あまい囁き)(1972年) 作詞:Leo Chiosso&Giancarlo Del Re 作曲:Gianni Ferrio
https://www.youtube.com/watch?v=lyFpCoOEDf8&nohtml5=False
So in love (1948年) 作詞・作曲:Cole Porter
https://www.youtube.com/watch?v=xs447g8z5js&nohtml5=False
人の気も知らないで(Tu ne sais pas aimer)(1931年)←岸洋子 訳詞:奥山靉 作詞・作曲:M.Aubret – G.Zoka – F.Rosenberg
https://www.youtube.com/watch?v=qzXFsAqiGsM&nohtml5=False
A PLACE FOR LOVERS(1968年) 作詞:Norman Gimbel 作曲:Manuel De Sica
https://www.youtube.com/watch?v=iNCe0RbVj8g&nohtml5=False
(続く)
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太田述正コラム#8396(2016.5.14)
<一財務官僚の先の大戦観(その25)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x2993)
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