太田述正コラム#8654(2016.10.7)
<皆さんとディスカッション(続x3123)>
<太田>(ツイッターより)
「天皇陛下が皇居内のタヌキのフンについて研究した論文が、国立科学博物館研究報告に掲載された。陛下自らが5年間にわたり毎週末、お住まいの御所近くでフンを採集。国立科学博物館の研究者らと調査した結果、タヌキが季節ごとに様々な果実を食べていることが確認された。…」
一刻も早く、陛下が研究三昧の静かな余生を送ることができるようにして差し上げようじゃないか。
それにしても摂関政治が始まって以来の広義の象徴天皇制下の「無聊」にめげず心身を健康に保つ奥義を、代々の天皇は、基本的に受け継いで来られたんだな、とふと思ったねえ。
http://www.asahi.com/articles/ASJB64D1RJB6UTIL011.html?iref=comtop_8_07
米大統領選の現況についての最も詳細かつ客観的な記事だ。
獲得すべき選挙人数は270。固めたのはクリントンが237、トランプが165。
しかし、勝敗は現時点で投票が行われたとしても不明。
https://ig.ft.com/us-elections/polls
どの調査も全数調査じゃないし投票するかも不明だしね。
<太田>
関連記事だ。
無知でゲスのトランプの大活躍の原因は、米国における公民教育のお粗末さによる、米国民一般の国内外政治についての無知にある、とのコラムだ。
(まあしかし、十分な公民教育がなされている日本で、属国状態維持を貫いてきた自民党を基本的に政権の座に留め続けるだけ自民党に投票する国民がいることを考えれば、原因が公民教育のお粗末さにはないことは明白。(太田))↓
Why is Donald Trump within a whisker of the White House? Two-thirds of the country can’t even name the three branches of government.・・・
http://foreignpolicy.com/2016/10/06/america-is-turning-into-a-confederacy-of-dunces-united-states-presidential-election-trump-civics-education/?wp_login_redirect=0
<totD3ITc>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
「石原伸晃経済再生相は、高齢化に伴い膨張を続ける社会保障費に対応するため、消費税率は10%でも不十分だとした上で、今後は15%への税率引き上げも視野に、国民に選挙で問わなければいけないとの考えを示した。
5日、ブルームバーグ・セミナーで話した。
石原氏は、社会保障の財源となる消費税率について「10%では賄い切れない」と指摘。
その上で「次は12%、13%、15%という形で消費税をしっかりと上げていく。このことを国民に問い掛けて選挙をしていかないといけない」と明言した。」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-10-05/OEKL056KLVRI01
将来の子供達に借金を残させない為にもって太田さんの増税理論には大賛成だったんだけれど、高齢化に伴う医療費増に湯水の如く資金を投入し続けたら、消費税の増税が青天井では無いかと言う疑問が出て来た。
人口政策(広義の安全保障)にご興味の無い自民党が何を考えてるのかわからないから怖い。どんな老人でも一票だし。
生前に使った医療費を死後の遺産から徴収するとか、要介護者は国で一括管理するとか、そう言う医療費逓減に繋がる制度も同時に作って欲しいね。
どう人間主義的な世界を維持するかっちゅうのが、太田コラムを貫く命題で、その中でこれは比較的矮小な問題だし、やきもきしてる間に習ちゃん、トランプ、野田前首相の活躍で巨視的には(日本の独立で)解決しちゃう可能性もあるんだけど。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
武器輸出解禁はしたが、全く輸出が出来ていない日本を描いた記事だ。
(何度か指摘したことがあるが、そもそも、大プロジェクト管理能力が日本の製造企業は不十分である上に、競争もなく製品の戦闘投入経験もない、日本の防衛産業に国際競争力なんてないんだよ。(太田))↓
More than two years after ending its ban on arms exports, Japan has yet to win a single big order as Shinzo Abe’s dream crashes into the tortuous realities of the global defence industry.
After a humbling defeat to France in the contest to build 12 submarines for Australia, industry officials concede there are no significant export deals on the horizon, as their initial hopes of Japanese technical prowess sweeping all before it fall flat.
<やむなく、部品の対米輸出、と、欧米諸国との共同開発、の推進に切り替えた、と。↓>
The result is a new mood of realism and a new approach: rather than selling weaponry and systems, Japan’s defence industry is resigning itself to a less glamorous future, selling components to the US while gradually building up joint development projects with allies.・・・
https://www.ft.com/content/642f43f0-8ad4-11e6-8aa5-f79f5696c731
朝鮮日報の論説主幹による、畢生の大論説だ。
中韓を貶める日本のネトウヨのボーヤ、ジョーヤ達、習ちゃんやこの論説主幹の日本崇敬ぶりをカガミとして己の矮小さ、醜悪さを思い知り、悔い改めよ!↓
「・・・日本が近代科学研究を本格的に始めたのは100年以上前のことだ。科学、数学、物理学、化学、医学といった言葉自体、日本人がつくったものだ。韓国人が使っている具体的科学用語は言うまでもない。東北大の小川正孝教授が43番元素を発見し、「ニッポニウム」と名付けたのは1908年だ。それは20年後に否定されるが、後に新元素の発見自体は事実だったと確認された。それから100年余りたって、2012年に九州大の森田浩介教授の研究チームが113番元素を発見した。それは今年、100年前の「ニッポニウム」に似た「ニホニウム」と正式に命名された。森田教授らはニホニウムを発見するため、7年間で400兆回の実験を行ったという。物質の根本をめぐる100年の時間を通じた日本人の執念を知れば、「日本はノーベル賞を受賞できるのに韓国は何をしているのか」とは質問できないはずだ。
100年余り前、西洋の宣教師が撮影した韓国の姿は乳をあらわにした女性たち、数カ月は水浴びしていないであろう子どもたち、ふん尿だらけの光化門通りだった。それに比べれば現在の韓日の差は縮まった。それでも格差は存在する。韓国が気付かないだけだ。韓国人は「世界で唯一日本を見下す韓国人」という言葉を聞くと悪い気はしない。そんな声に酔う人もいる。実はそこに「おかしな韓国人」という言葉の意味がひそんでいる。実際には日本を見下す国など世界に存在しないからだ。日本を見下すためには日本に対し無知でなければならない。ろくに知らずに大言壮語して虚勢を張る人だけが日本を見下すことができる。・・・
100年余り前に西洋の軍艦が漢江沿いで艦砲を撃つと、驚いた王族は宮廷の裏庭に釜を埋めたという。シャーマンの指示通りにしたのだった。昔だけではない。さまざまな選挙期日が法律で定められる前まで、韓国の大統領選、総選挙の期日は占い師が決めていた。当時は大統領に有利で野党総裁には不吉な日取りを選んだ。実務責任者から直接聞いた話だ。韓国社会と韓国人の意識の根底には今も科学と理性ではなく、迷信と感情が存在するのだと思う。非科学、非理性が支配する国がノーベル賞を切望していることになる。・・・
狂牛病(BSE)や電磁波に関するデマは科学と理性が支配する社会では決して生まれないが、韓国では社会全体を覆った。・・・
社会風土が米国、英国、日本などとは異なるためだ。ノーベル賞よりも科学と理性が支配する社会風土の方が重要だ。変人かのような科学への執念もそうした風土から生まれ花咲くものだ。」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/10/06/2016100601120.html
中共官民による日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人間主義的な日本人達の礼賛。↓>
「・・・頭条新聞は・・・「すこしも手を抜かない日本人は、どれだけ変態なんだ」とする記事を掲載した。記事は、精巧に作られた日本各地のマンホールのふた、異なる部位ごと並べられ、それぞれ適した料理の説明までアドバイスされているスーパーの精肉売り場といった事例を挙げて、日本人の仕事の細かさ、手抜き知らずぶりについて伝えている。
そのなかで、行儀よく並ぶ点についても言及しており、いくつかの事例を写真付きで解説。駅の階段を上る乗客がみな「のぼり」側しか使わず、がら空きの「くだり」側を利用する人が誰一人いない様子や、台湾の街頭で行われた外国人アンケートで、ほとんどの国・地域の人がバラバラにシールを張るなか日本人のスペースだけきれいに並べて張られている様子を紹介した。
さらに記事は、地下通路で見かけるホームレスの「段ボールハウス」さえきれいに並んでいて、通行人の妨げにならないように配慮されていると説明。「これらの写真を見れば、わずか30数万平方キロの国土と1億の人口で、世界3位の経済大国にのし上がった日本人は確かにすごいということが分かる」と解説している。」
http://news.searchina.net/id/1620349?page=1
<これもそう。↓>
「・・・今日頭条はこのほど、日本では赤信号で道路を横断する人は少ないと伝え、「日本人が信号無視をしない理由」を考察している。
記事は、自動車と歩行者の事故が発生した際、自動車が信号無視だった場合は自動車側に全過失があることなどを伝えたうえで、交通ルールや交通事故における過失割合の規定などは日本と中国で「極端に大きな違い」はないことを指摘。
つまり、中国人が信号無視をして、日本人が信号無視しないのは交通ルールや規定が異なるためではないことを伝え、その事実から分かるのは「ルールを守らない中国人に対し、日本人がルールを守るということ」であり、「日本人と中国人の民度が鮮明な対比を成していること」だと伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1620338?page=1
<これもまたそう。↓>
「・・・網易が・・・掲載した、中国人ネットユーザーが挙げる「日本を好きになった理由」を紹介する記事の中でも、さりげない優しさに触れたことで日本の虜になってしまったというユーザーの事例が見受けられる。
ある女性ユーザーは、ハネムーンで北海道を訪れた時のエピソードを紹介。複数の場所を訪れた新婚夫婦は、行く場所行く場所で「遠くから来たこと、そして新婚であることを知った旅館やレストランから、ささやかなプレゼントを贈られ、幸福を祈ってくれた」としている。そして「礼は軽く、気持ちを大切にする」ことこそ日本の接客の道であり、中国人が学ぶべき点であると論じた。・・・
もう1人のユーザーのエピソードは・・・、コンビニのアルバイトでトレーニングを受けていた時の事。「トレーニング中というバッジを胸に着けていたら、多くのお客さんから笑顔で『頑張ってね』と言われた」のだという。」
http://news.infoseek.co.jp/article/searchina_1620301/
<結婚することで日本に移住することも選択肢に入れよ、と習ちゃん。↓>
「・・・今日頭条は・・・日本人の彼氏と一生を共にしたいと願いながらも、両親から猛反発を受けたという中国人女性ネットユーザーの悩みを紹介する記事を掲載した。
記事は、学校で留学生の日本人男性と知り合ったという女性の話を紹介。日本人男性が中国語が上手でコミュニケーションに支障がないこと、考え方や趣味がとても合い、自分をリスペクトしてくれ、常に喜ばせてくれること。弁当やおいしい日本料理まで作ってくれることなどを挙げ、「一緒にいるととても楽しい。一緒にいると、この人が生涯の伴侶だといつも思う」と語ったことを伝えた。
その一方で、男性のことを両親に話したところ、男性が片親であること、そして、両親の嫌いな日本の男性に嫁がせたくないことから反対されたと説明。親孝行が大事なのは分かっているが、互いに本当に愛している人を失いたくない、親の言う事を聞けば一生後悔するし、ほかの人とも結婚したくない、と女性が悩んでいることを紹介した。
記事はそのうえで、「国を越えた恋愛は多くの難題に直面する。もし、あなたが本当に一緒になりたいのであれば、勇気を持って自分の心に従うべき。その勇気がないのなら、親の話を聞きましょう」とアドバイスしている。」
http://news.searchina.net/id/1620356?page=1
<不動産購入なる資産移転を通じて日本移住を果たす手もあるよ、と習ちゃん。↓>
「・・・今日頭条の・・・記事は、中国人富裕層による日本の不動産の爆買いは終了したと説明する一方、中国人投資者のなかには中国経済の先行きが不透明であるという理由から「安定」や「安心」を求めて日本の不動産を購入しようとする人が大勢いると説明している。
中国人富裕層たちは一時、東京五輪前の値上がりを見込んで、「投資目的」で東京の不動産を購入する動きが見られた。こうした投資目的による不動産爆買いは現在はすでに一服したようだが、記事は「不動産爆買いはまだ終わっておらず、現在は資産を移す目的で不動産を購入する動きがある」と伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1620337?page=1
<ノーベル賞級研究では日本を仰ぎ見、日本から学びつつ、いつかその師を見返してやれ、と習ちゃん。↓>
「・・・今日頭条はこのほど、2000年からの17年間で日本が輩出した自然科学分野におけるノーベル賞受賞者数は米国に次ぐ世界2位であると伝え、「中国が日本のようにノーベル賞受賞者を数多く輩出できる日は来るのだろうか」と疑問を投げかけた。
まず記事は、中国の自然科学分野におけるノーベル賞受賞者が1人にとどまっていることを指摘する一方、日本が数多くのノーベル賞受賞者を輩出できる理由を考察。1つ目は日本が伝統的に教育を重視する国であることを挙げ、「江戸時代のころ、江戸に住む成人男性の識字率は70%以上に達し、ロンドンの20%、パリの10%未満を大きく上回っていた」と伝え、日本はもともと教育に高い関心を持つ国民性であることを指摘した。
また、日本が基礎研究を重視していることもノーベル賞受賞者の輩出につながっていることを指摘し、日本政府が科学研究費を助成する制度のもとで、研究者たちは必ずしも経済的利益が見込めない分野でも研究を行うことができると紹介。体制としての保障があるからこそ、科学研究は尊厳と社会的な地位が保障されると指摘した。
続けて記事は、ノーベル賞の受賞には知識の蓄積が必要であり、現在の日本がノーベル賞受賞者を輩出できるのは1980年代から90年代にかけて行われた研究の成果であると指摘。一方で日本は近年、財政が逼迫していることから研究開発に対する投資が減少傾向にあり、論文の数や質から見ても日本の研究開発能力は低下してきていると主張。一方で、中国では基礎教育が充実し、研究開発への投資も増えていることから、2015年にノーベル医学・生理学賞を受賞した屠ヨウヨウ氏に続く研究者が今後、続出するのではないかと期待を示した。」
http://news.searchina.net/id/1620334?page=1
<軍事面では、既に部分的に日本を凌駕している・・核とサイバーを除けばウソ(太田)・・ぞ、と人民を鼓舞する習ちゃん。↓>
「・・・今日頭条はこのほど、日本へのF-35の配備は表面的には空軍力において中国をリードするかのように見えるが、実際は依然として中国の方が上であると主張している。
記事は2000年以前の日本の空軍の実力は中国・ロシア・韓国よりも上だったと説明。しかし2000年以降、中国空軍は殲-10や殲-11を大量に配備し、F-15Jを主力戦闘機とする日本空軍の実力を上回ったと主張した。
一方、「F-35の性能は空中戦でも地上への攻撃でも向かうところ敵なしである」と認めつつ、日本は東アジアで第5世代戦闘機を装備した「最初の国家となる」と指摘。それでも日本に配備される予定のF-35の数は少ないことから、中国と日本の空軍力を逆転させることにはならないという見方を示した。
2015年8月の時点において、中国は第4世代戦闘機を計731機配備している一方で、自衛隊が配備している第4世代戦闘機は計293機に過ぎなかった。在日米空軍と米海軍第7艦隊に所属する第4世代戦闘機を加えても計480機に過ぎないが、記事が自衛隊に配備されるF-35の数が少ないために日中空軍の実力は逆転しないと主張しているのはこうした点が関係しているのだろう。
一方で記事は「認めたくないが、技術の点では米国は確かに中国をリードしている」と説明しており、F-35の性能の高さを認めている。」
http://news.searchina.net/id/1620341?page=1
<とにかく、日本よ、早く「独立」し、中共と提携してくれ、と訴える習ちゃん。
「・・・海外網はこのほど、安倍首相のキューバ訪問と、これまでの日本国内の政治活動を取り上げ、「日本は中国の何を懸念しているのか」と題する記事を掲載した。
記事はまず、安倍首相のキューバ訪問で「気前よく1200億円の対日債務を免除した」と指摘。これは「中国を強く意識した外交」であり、これまでにも「中国の指導者が外遊するたびに安倍首相が邪魔をしてくる」ことがあったと批判した。
日本が中国を意識するのは、記事によれば日本は第2次世界大戦で中国に負けたと思ってはいないため、「中国に頭を下げたくない」こと、日本経済の低迷で求心力が弱まっているなか、中国が台頭してきているため、「中国脅威論」が叫ばれ、日本国民の危機意識が高まっているためだという。
さらに、安倍政権の目指す「軍拡」、「国連常任理事国入り」、「資源獲得」、「国民生活の改善による権力強化」にはいずれもお金がかかるが、日本政府の負債額は増える一方であると指摘し、安倍政権は矛盾に陥っていると主張。記事は最後に、安倍政権と日本国民が矛盾から脱却するための方法は、「中国との関係を改善し、良き貿易パートナーになって、平和発展の道を堅持することだ」と主張している。」
http://news.searchina.net/id/1620335?page=1
(ミュンヘン一揆より前に出版された)ヒットラーの伝記は、実は、自分の名を世間に広めるため、ヒットラー自身が書いたものだったらしい、という記事。↓
Early Book Praising Hitler May Have Been Written by Hitler・・・
http://www.nytimes.com/2016/10/07/world/europe/early-book-praising-hitler-may-have-been-written-by-hitler.html?ref=world
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太田述正コラム#8655(2016.10.7)
<またまた啓蒙主義について(その9)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x3123)
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