太田述正コラム#8710(2016.11.4)
<皆さんとディスカッション(続x3151)>
<太田>(ツイッターより)
「トランプ氏勝利に賭ける人が急増、ブレグジットの衝撃再びか…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e3%83%88%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%83%97%e6%b0%8f%e5%8b%9d%e5%88%a9%e3%81%ab%e8%b3%ad%e3%81%91%e3%82%8b%e4%ba%ba%e3%81%8c%e6%80%a5%e5%a2%97%e3%80%81%e3%83%96%e3%83%ac%e3%82%b0%e3%82%b8%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%ae%e8%a1%9d%e6%92%83%e5%86%8d%e3%81%b3%e3%81%8b/ar-AAjPH5L?ocid=iehp#page=2
トランプが勝利を収めうる、6つのシナリオが紹介されている。
http://edition.cnn.com/2016/11/03/politics/donald-trump-path-to-270-scenarios/index.html
いよいよ面白くなってきたな。
さあ、あなたなら、どっちに賭ける?
<ブービータスキチ>(同上)
「賭ける」っていう意味じゃートランプでしょ!!
<太田>
関連記事だ。
長官については判断を留保するが、FBI内に反クリントン勢力が巣食ってるのはほぼ間違いない、とさ。↓
When Democrats reacted to FBI Director James Comey’s letter to Congress about the sort-of-reopened investigation into Hillary Clinton’s private server by accusing Comey of trying to meddle in the election on behalf of the Republican Party, the accusation seemed far-fetched. Comey was, until last Friday, generally despised by Republicans for his earlier decision to recommend against prosecuting Clinton. But while there’s been of yet no evidence revealed that Comey himself has an ax to grind, a number of data points have emerged indicating the presence of a politically motivated anti-Clinton faction within the agency.・・・
http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2016/11/03/hillary_clinton_targeted_by_trump_fbi_fans_report_says.html
<dNlDvLiM>(「たった一人の反乱」より)
世界一の国は日本だと語るアンソニー・ボーディンのインタビュー
http://dng65.com/blog-entry-3624.html
訪日外国人が劇的に増えたことは世界にとって良い変化を与えるかもな。
もしかしたら、門戸さへ開けば将来的には欧米からも移民が募れる予感。
<z3cQ9GM2>(同上)
プーチンは日本の憲法改正なんて頓着してないっていう意見が多いみたいだけどさ、ロシアがアメリカのこと大嫌いなのは周知でしょ?
アメリカが日本を失ったら大打撃なこともわかってるでしょ?
日本が歴史観を修正しちゃったら、アメリカ大弱りなんだし。
だったらさ、日本に独立して欲しいって、きっとプーチンさんだって考えてると思うのさ。
<SCl89oaN>
和辻哲郎の奥さんの書いた『和辻哲郎とともに』に書かれている和辻哲郎の人柄はまさに人間主義者であり、大変感動しました。
その感動の勢いで、和辻哲郎全集全27巻を購入してしまいました。
<豊丘時竹>(2016.19.28)http://d.hatena.ne.jp/toyotoki11/20161028
≫日本が男性差別社会との趣旨のくだりは、やはり、習ちゃんはちゃんと理解してるんだな、と一安心。≪(コラム#8694。太田)
日本が男性差別社会であることをはっきりと言明しているのは、「太田述正コラム」だけだと私は思っているが、しかし、何かでアメリカ人?の女性が、日本では主婦が家庭の会計を握っているという話を聞いて、「わあうらやましい」と言ったという内容の記事を見た記憶がある。この記事は、日本は実は女性が主人公であることを述べていたかもしれないと今は思っている。
<太田>
それでは、その他の記事の紹介です。
ここにも、こんなクリントン発言を称賛する愚昧な買弁日本人が・・。↓
「流出メールで発覚! ヒラリー・クリントンが「尖閣諸島の日中対立は日本の国粋主義者のせい」と発言していた・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/litera_5192/
中共官民による日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<日本の基礎科学の礼賛と将来に向けての心配を吐露した記事。↓>
「・・・日本から連続でノーベル賞受賞者が出ていることから分かることの一つは、他の人もやっていることをやっていてはいけないということ。誰もやっていない研究を長く、こつこつと続けることで、誰もたどりつけない高みに到達できる。そして、少しずつ海外の研究者の注目を集め、認められるようになって初めて、ノーベル賞を受賞する可能性が出てくる・・・
しかし、・・・近年、日本の学術研究の雰囲気は悪化している。小保方晴子の事件が起きるまでは、理研の研究環境は良好で、科学研究経費をいろんな所からもらえるなど、研究の面では『天国』のようだった。しかし、あの事件の影響は大きく、それまでの方針を変えないわけにはいかなくなった。あまりに独特な研究プロジェクトは審査を通りにくくなり、特に末端の研究員は、自分の研究を続けていけるかが分からない状態」という。
日本の科学研究への投入資金が不足するようになるにつれて、科学研究費の申請も難しくなっており、その経費は主に抗ガン薬物の応用研究などに投じられるようになっているため、多くの基礎研究は危機に瀕している。凌さんは、「現在、毎年もらっている研究経費では、助手を2人しか雇うことができない。今後は経費カットの危機さえある・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2016/1101/c94473-9135583.html
<日本の中小企業礼賛。↓>
「・・・今報網は・・・「日本の中小企業はどうして長寿なのか」とする記事を掲載した。その中で、中国の中小企業を視察した日本の中小企業専門家・黒瀬直宏氏が、日本の中小企業が「長生き」できる秘訣について解説したことを紹介している。
記事は、政府による中小企業の支援に加えて、経営者が持つ「匠の心」がより重要であるとし、「小さきに安んじる」、そして「必要とされる分だけ作る」という、中国人経営者にしてみれば、「奇妙」な心構えがその核心になっていると伝えた。「小さきに安んじる」点については、膨大な先進技術を持っていながら、従業員がわずか数名という規模を保ち続けている企業の事例を紹介。そこには、安易に事業を拡大してリスク上昇を招くことを恐れ、「企業と人は同じ。浮かれてはならない」という考え方があるとした。
また「必要とされる分だけ作る」精神については、「物は使うため作る。貯め込んで他人の危機に乗じるためのものではない」というシンプルな考え方がベースになっていると説明。「堅守と道徳、これはまさに中国の商いが長年崇拝してきた境地なのだ。そして、これがまさに日本の数多の『匠』が100年も生き続けてきた根本的な道なのである」と伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1622379?page=1
<これもそう。但し、上の記事は総論でこれは各論。↓>
「・・・今報網は・・・日本企業がどのように成長し、どう発展してきたかについて、日本の専門家による解説を紹介する記事を掲載した。記事は、嘉悦大学教授で中小企業専門家である黒瀬直宏氏にインタビューを行ったとし、その中で同氏が中小企業の発展には大きく分けて3つの段階があると説明したことを伝えた。
まず、第1段階は1945-55年であり、戦争による大きな傷から立ち直るべく、中小企業は低廉なローエンド製品の生産を主体としていたと紹介。続く55年から73年を第2段階とし、GDP成長率が10%を上回る高度成長期において日本経済にピラミッド型構造が完成、大手企業の急成長に伴って、部品を下請けする中小企業も大量の注文を獲得し、技術や経験を蓄積させていったと説明している。
そして、第3段階は74年から89年であるとし、GDPの成長が鈍化するなかで、前段階で研究開発やイノベーション能力に注目し始めていた中小企業は、「量から質への飛躍」を実現したと解説。そこには大企業が下請け企業に提案力や設計力、高品質製品の生産管理能力を求めるなど、大企業による中小企業の育成という要素もあったとした。
記事は、第2段階と第3段階の境目となった74年が「日本の中小企業の発展にとってターニングポイントになった」とし、同氏が「今の中国と似ている。局面が変化する中で、どんな奇跡も起こりうる」との見方を示したことを伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1622360?page=1
<日本の商工業者の人間主義性の礼賛。↓>
「・・・今日頭条は・・・「どうして日本ではニセモノ商品が少ないのか」とする記事を掲載した。記事は、日本の製品には高い価値が付けられる一方で、「ニセモノ製品を生産する企業がある」といった話は聞いたことがないと紹介。また「さらには、日本でニセモノを売ったら、その人の人生は終わりになる」と言う人さえいるとした。
そのうえで、日本が欧米同様、社会全体で1つの信用体系が成り立っており、一たびニセモノを生産して販売すれば、政府から処罰を受けることになると説明。そして、このような行為をメディアが暴露することによって、たちまち消費者に知れ渡り、商売ができなくなってしまうと解説した。また、信用が重んじられる日本において、「汚点」が記録され、名誉を失うことになれば、再び会社を作って商売をすることは「絶対に不可能」としている。
さらに、日本のスーパーなどで売られているあらゆる商品の包装には、生産者と生産場所が具体的に書かれており、何か問題があると判断すれば、すぐに当事者を見つけ出すことが可能であると指摘。自ら生産者に連絡せずとも、買った店にクレームをつけることも可能であるほか、中国とは異なり、行政もちゃんと話を聞いてくれると説明した。」
http://news.searchina.net/id/1622342?page=1
<日本に行けキャンペーン記事だが、習ちゃんの指示で新話題を出してきた?↓>
「・・・浙江老年報が・・・掲載した記事では、日本の旅行で触れた小さな幸福感について紹介している。その中に、京都にある小さい釣具店「永塚釣具店」で買い物をした際のエピソードがある。中国人観光客である筆者一行は、この釣具店で「プライスレス」なひと時を過ごしたようだ。
創業が明治45年という老舗の木戸を開けて入った店内は、わずか5-6平方メートル。3人入ればもういっぱい、というスペースに、釣り具がいっぱいにディスプレイされている。店に入ってしばらくすると、ようやく白髪頭の年配の女性が顔を出す。日本語のできる同行者の話によると、「子どもたちはみんな東京に出てしまい、1人で店を守っている」とのこと。
お目当てにしていたアイテムが見つからなかった同行者が「店で一番高いのをください」と言うと、女性店主は「初心者にはこれがいい」としてそれほど高価でない竿を持ってきた。議論の末同行者がその竿で納得すると、店主は「特別な結び方があるから、私がやりましょう」と糸を釣り竿に結び付け始めた。しかしその動作はゆっくりで、手は甚く震えている。「ごめんなさいね、遅くて」と謝りながらの作業だった。そして最後に、買った物を全て白い紙袋に入れてくれた。そこには、店主の似顔絵が描かれた赤いスタンプが押されている。帳簿も手書きだ。パソコンなどない。
記事は、結局その日の午後を、まるまるこの釣具店で過ごすことになったと説明するとともに、帰るまで別の客は1人もやって来なかったとしている。」
http://news.searchina.net/id/1622343?page=1
<上の記事と趣旨的に同じ記事。↓>
「・・・浙江老年報は1日、日本旅行で遭遇した「小確幸」(小さいながらも確かな幸福)について紹介する記事を掲載した。そこでは京都の小さな食堂で出会った気さくな「おっちゃん」が紹介されている。
記事は「日本には家族経営の小さな店が多い。そこには派手さはないが、とても温かいのである」としたうえで、京都で立ち寄った小さな家族経営の食堂でのエピソードを紹介。父が給仕係、母がお会計、息子が調理を担当するこの店のテーブルはわずかに4つ。メニューの数も少なかったという。
給仕係の父親がお勧めする料理を注文すると、料理が出てくるたびに「味はどうか」と聞いて来る。「おいしい」と答えると、父親はにこりと笑い、棚から酒を取り出して振る舞ってくれた。その酒は「一口舐めてみると甘い梅の味がした」という。どうやら、自分で飲むために作った梅酒を飲ませてくれたらしい。
梅酒もおいしい、と親指を立てると、「女性だけのサービスだよ」と今度はキャンディをくれた。注文した料理が食べきれなかったのを見て「包んであげようか」としきりに聞いてくる。申し訳なく思ってちょっと休んでから再び食べ始めると、今度は折り紙と折り鶴を持って来た。これから自分のために作ってくれるらしい。筆者は小さな食堂でこれだけの「サービス」を受けたようだ。
記事は、「おっちゃんは、私たちを本当に自分の客人として扱ってくれた。私たちが話をするのをおっちゃんも楽しそうに聞いていた。全く中国語が分からないのにだ」と紹介。店を出る際には一家3人が揃って見送ってくれ、車に乗り込むまで立っていてくれたとしている。」
http://news.searchina.net/id/1622338?page=1
<これは、恐ろしく出来悪のガス抜き記事だが、時々日本を貶してるのは意図的ガス抜きであることを悟らせようとしている、と見た。↓>
「・・・今日頭条が・・・掲載した記事では、中国の民度がアジアで2番目、日本はその下の3番目だとしている。その理由は何なのだろうか。そして、栄えある第1位はどこの国だったのか。
記事は、アジアにおいて民度の高い国ベスト5を独自の基準で発表している。第5位はベトナムだ。「経済は劣っているが、全体的に見て民度はなかなかのものである」というのがその理由だ。第4位はブータン。「ブータンは幸福感が強い。そんな環境ならば、民度も悪くないだろう」とした。いずれもザックリとした理由付けである。
第3位が、しばしば「礼儀の国」と称される日本だ。「日本のモラルはまあいいが、時々理解不能な行動をとる」とのこと。さすが、自国を上に持ってきただけあって、余裕の「上から目線だ」。具体的にどんな行動が「理解不能」なのか、説明してもらえなかったのは残念だ。
そして第2位が、長い歴史と文化を持つ偉大な国・中国である。「中国はここ数年の発展により、生活が変化し、幸福になった。民度も高い」と上位に入れた理由を説明した。さすがは礼節を重んじる儒教発祥の国、実力が違う。日本も中国の民度に学ばなければならない。気になる第1位は、なんと北朝鮮だった。その理由について記事は、「経済はパッとしないが、市民に対する要求が厳しいゆえ、彼らの行動はみな規則正しいものである」とのことである。・・・
記事を読んだ中国ネットユーザーの反応は「気分は悪くないが、全然信ぴょう性がない」、「自分で民度が高いと言ってる時点で信頼性なし」、「下から2番めの間違いだろう」、「世界最大のジョーク」、「書いたヤツを捕まえて問い詰めたい」など散々だ。」
http://news.searchina.net/id/1622339?page=1
アメちゃん知識人達がいかに習ちゃんらを理解してないかを示すコラム2つ。↓
<歴史虚無主義って、古今東西を貫く普遍的価値など存在しないってことだろ。恐らく毛沢東は既にそれが人間主義(習ちゃん用語では「人性化」)であることに気付いていて、習ちゃんはその考え方を踏襲してるだけさ。↓>
「・・・中国共産党が使う言葉(パーティー・スピーク)において、歴史虚無主義は、中国が社会主義に向かう必然的な流れを否定することを意味する(中国は現在、社会主義の初級段階にしか到達していないと見なされている)。
1989年に天安門広場での抗議行動を鎮圧した後に、党幹部の間で流行した言葉だ。当時、党の中央総書記だった江沢民氏は、歴史虚無主義を、党を「著しく蝕んだ」思想的悪習の1つに挙げた。さらなる悪習としては、自由や民主主義の希求が含まれていた。
習近平氏は歴史虚無主義について江沢民氏の表現をよみがえらせることで、歴史の語られ方を厳しく管理しなければ共産党の体制を脅かす危険に再び直面しかねない、と警鐘を鳴らしている。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48299?utm_source=ldr&utm_medium=feed&utm_campaign=link&utm_content=link
<習ちゃんの長征の再決行ってのは、恐らくは、日本文明総体継受に公然と乗り出したことを指してるんだわさ。↓>
Eighty years after the end of the Long March, a Communist leader asks for another one. ・・・
http://foreignpolicy.com/2016/11/03/in-xis-china-everything-old-is-new-again-xi-jinping-long-march-reappropriation-loyalty/?wp_login_redirect=0
朴おばさん、まだ、オランドより支持率高いぞー。↓
「朴槿恵大統領。・・・ついに支持率は5%となり、歴代最低支持率の記録を突破した。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/12237163/
アメちゃん知識人達は、フィリピンについても全く分かっとらんだね。↓
<ドゥテルテは、米中を手玉にとって、しこたま、それぞれから貢がせようとしてる、とさ。
そりゃそうだが、思想的には習ちゃんと提携して、より普遍性度において劣る思想を信奉する米国と対峙してるってことに気付かにゃあ。↓>
・・・Rather than switch allegiances between the two nations, Mr. Duterte managed to play them off each other, in that way improving his position with both and cementing his image at home as a strong nationalist unbeholden to foreign powers.・・・
http://www.nytimes.com/2016/11/04/world/asia/philippines-duterte-us-china-cold-war.html?ref=world&_r=0
<ドゥテルテのフィリピンは、中共の(ソ連時代の)フィンランド化しつつあるとさ。
上のコラムに対するのと同じ注意を喚起したいね。↓>
・・・In the case of the Philippines, Duterte’s government seems on the verge of shifting its loyalty to Beijing — essentially, of Finlandization.・・・
http://www.latimes.com/opinion/op-ed/la-oe-deni-philippines-duterte-china-20161103-story.html
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太田述正コラム#8711(2016.11.4)
<プーチンのロシア(その13)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x3151)
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