太田述正コラム#8855(2017.1.15)
<2017.1.14東京オフ会次第(その2)>(2017.5.1公開)
3 一般質疑(順不同。Oは私です。)
A:「講演」のタイトルと中身がズレてきているのではないか。
O:ロシア/ソ連の話の中の支那/中共の部分が肥大化してしまっていることは確かだ。
B:今回の「講演」、いつもより太田さんが高揚していると感じた。
O:最近まで腑に落ちなかったたくさんのことの説明が、(自分なりにだが、)一挙についたからではないか。
ところで、数日前に、中共で、毛沢東が何百万人もの人民を殺した、とネットに書き込んだ大学教授が馘首されたニュースが報じられた。
(200万人とは、随分、文革の時の死者数が少ないが・・。↓
・・・Deng Xiaochao, 62, an art professor at Shandong Jianzhu University<(山東尋常大学)> in central China, posted a commentary on his Weibo social media site, dated Dec. 26, Mao’s birthday, suggesting Mao was responsible for a famine that led to 3 million deaths and the Cultural Revolution in which 2 million died.・・・
Such public criticism of is rare in China and Mao’s supporters took to the streets to protest against Deng shortly after he made the comments.
Some held banners saying “Whoever opposes Mao is an enemy of the people”, according to videos and photos widely shared on Weibo.
The state-owned tabloid the Global Times<(環球時報)> reported late on Monday that Deng was dismissed from his post as counselor of the provincial government last Thursday, while the university’s party committee posted a statement saying Deng would no longer teach or be allowed to organize social events on campus.・・・
http://www.businessinsider.com/r-chinese-professor-sacked-after-criticizing-mao-online-2017-1 )
これは、当局だけでなく、(全てがやらせとも思えないのだが、)多くの中共人民も、毛に対する批判を許すべきではない、と現在でも思っていることを示している。
C:『君の名は』は、筋が荒唐無稽で納得がいかない。
同じアニメでも、『この世界の片隅で』はよくできているが・・。
太田さんの『君の名は』評を聞きたいものだ。
O:大学時代に鑑賞した『気狂いピエロ』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97%E7%8B%82%E3%81%84%E3%83%94%E3%82%A8%E3%83%AD
から始まり、比較的最近じゃ、『ハウルの動く城』に至る、筋がないに等しかったり、筋が荒唐無稽な映画は随分経験している。
『千と千尋の神隠し』は面白くなかったし・・。
D:映画は「分かる」ものでなくてもいいのではないか。
O:音楽でなら、現代音楽だって、バックグラウンドミュージックとしては認めるけれど、映画は、能動的に鑑賞するものなのでそれでは困る。
E:『この世界の片隅で』は、東京でも、ごく限られた映画館でしか上映していないのでご注意を。
なお、この前、DVDで、対イラク戦争の時のポーランド軍の戦闘を描いた『4デイズ・イン・イラク』
http://eiga.com/movie/85030/
を鑑賞したが、これも勧める。
O:ところで、今回、1月の開催になったのは、私が12月開催を主張したのに、前回のオフ会の出席者達に反対されたものだが、すぐ後で思い出したんだな、対露百年戦争勝利記念なんだから12月じゃなきゃダメだったんだと・・。
今年は、12月開催にするつもりだ。
E:ベルリンの壁崩壊(注)とその2年後の1991年のソ連崩壊のどっちなのか。
(注)その時はあえて訂正しなかったが、ベルリンの壁崩壊は1989年11月9~10日であるところ、私の念頭にあるのは、同年12月3日の冷戦の終結(=ソ連圏の崩壊)だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%A3%81%E5%B4%A9%E5%A3%8A
なお、ソ連邦の崩壊は、1991年12月25日だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E9%80%A3%E5%B4%A9%E5%A3%8A
O:その両方にひっかけているのだ。
前に言ったことがあるが、英仏間の元祖百年戦争だって百年じゃなかった。
日露百年戦争だってもちろん丁度百年じゃなくていいのさ。
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E:日本の軍オタ達は、私が、自衛隊の国産装備なんて使い物にならないものが多い、と防衛産業の人間から聞いた具体的な話を踏まえて言うと、決って怒って反論してくるし、東南アジアの連中と話すと、しばしば、東南アジアには米軍の基地がないのに、どうして日本は米軍を追い出さないのだ、と聞かれる。
O:後の方についてだが、横須賀を米国の原子力空母の母港として提供していることに至っては、3.11の後の現在、言語道断、としか形容のしようがない。
E:どうして日本人はそんな風になってしまったのか。
O:縄文化がそこまで深化したってことだ。
縄文人は戦うのが大嫌いだからな。
そんな大嫌いなことを、米国が一手に引き受けてくれるというんだから、宗主国さまさまなんだよ。
突然、日本が高度成長を止めて失われたウン十年になっちゃったのも、あれこれ理由らしきものが挙げられてはいるが、要は、縄文化が深化した日本で、無意識的に、経済成長なんかじゃなく、サステナビリティを重視する江戸時代的なもの、を志向すべきだというコンセンサスが生じた、ということだと私は考えている。
人間主義社会というのは最も古い社会であるわけだが、現在の世界では最先端社会でもあって、日本は世界の先頭を走っているってことだ。
(完)
2017.1.14東京オフ会次第(その2)
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