太田述正コラム#0450(2004.8.23)
<京都・奈良紀行(その10)>
(私より上位のメルマガは、奥様方の関心が高そうなものが多く、昼間に票が沢山入ります。言いにくいことながら、最終日の本日20日は、できればお勤め先からも、下掲で投票をお願いします。
http://cgi.mag2.com/cgi-bin/mag2books/vote.cgi?id=0000101909
一つでも二つでも順位を上げましょう。)
(前回のコラムでは、通し番号を打ち間違えた上、「てにをは」がおかしい箇所が沢山あり、失礼しました、訂正して、ホームページ(http://www.ohtan.net)に再掲載してあります。)
(3)嵐山・木津川
ア 天龍寺
8月4日に品川を1001時発の「のぞみ」で出発し、京都駅で乗り換えてそのまま嵯峨嵐山駅まで行き、最初に訪れたのは天龍寺です。
天龍寺は、後醍醐天皇(第96代天皇。1288??1339年)の冥福祈願のために足利尊氏(1305??1358年)が建立した臨済宗のお寺です。尊氏は、この寺の造営資金獲得のために元との貿易を再開し、幕府公認の貿易船「天龍寺船」を運航させたといわれています(http://www.digimake.co.jp/webtown/ukyou/tenryuu/tenryuu.html、http://www.e-oki.net/kankou/study/rekisi/godaigo.html、及びhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3%E5%88%A9%E5%B0%8A%E6%B0%8F)。
天龍寺の見どころは、夢想国師(注2)による、亀山と称されている、天龍寺の背後の山を取り込んだ形の雄大な池庭です(http://hb3.seikyou.ne.jp/home/zoo/index06.htm)。
ここで息子が庭の片隅にある立派なトイレに入ったのですが、用を足してから、ズボンをおろしたまま血相を変えて転がり出てきました。「紙がない!」と騒いでいます。考えてみると、日本ではいまや公衆トイレの中でもトイレットペーパーが備えてありますね。そんな豊かな国は世界では例外中の例外なのですが、息子にとっては信じられないことが起こったわけで、相当のショックだったようです。
(注2)夢想国師(夢想疎石)の生涯を記したサイトを探したが、発見できなかった。
イ トロッコ列車・保津川下り
次ぎに嵯峨嵐山駅からトロッコ列車に乗って保津川をさかのぼって亀岡まで行き、今度は保津川下り(注3)の舟で嵐山まで戻ってくる、というお定まりのコースを楽しみました(http://www.sagano-kanko.co.jp/参照)。
(注3)江戸時代初期、角倉了以(1554??1614年)が木材、薪炭など丹波地方の産物を京の都へ送るため保津川の川下りの路線を開設した。角倉了以は、大堰川、富士川、天竜川、高瀬川など多くの河川の開発工事を行った町衆であり、中でも京都と伏見を結ぶ高瀬川を掘ったことは有名。朱印船貿易も手がけた。
ディズニーランドにありそうな二種類の乗り物の、それぞれホンモノに乗った、というおもむきです。
川下りとは言っても、急流はところどころしかありません。ゆるやかな流れのところは、年配の人が多い船頭さん達のうち、二人が渾身の力を振り絞ってを櫂を漕ぎ続け、一人が勢いを付けて川底を棹で押す動作を繰りかえさなけなければなりません。このほか、一人が舵を担当します。いよいよ急流にさしかかると、この四人が舟が岩にぶつからないように力を合わせます。
嵐山の船着き場についてからは、渡月橋を渡ってからバスに乗り換え、延々と乗って先斗町(ぽんとちょう)にたどりつき、鴨川沿いのお目当てのおばんざい(京都の家庭料理)の店で夕食の膳を囲みました。
(4)昼のコース
ア 京都御所
翌5月は、何週間も前に予約してあった、特別拝観の多い観光バスのコースを回りました。
最初に行ったのは京都御所です。
家内と私は新婚旅行の時以来です。
かつて公家の邸が建ち並んでいた区域が京都御苑になっているのですが、その中央北寄りに京都御所があります。
ちなみに、蛤御門の変(禁門の変。1864年)で名高い蛤御門は、上記区域に入るための門の一つです。禁門の変の時の弾痕が沢山残っているはずですが、「新撰組」がNHK大河ドラマで放映されている今年くらいはこの門の前を通り過ぎるくらいの配慮を観光バスがしてくれてもよかったのではないでしょうか。
御所の今の建物のほとんどは、江戸時代末の建築ですが、その歴史は、南北朝時代の初めに北朝初代の光厳天皇(1313??1364年)が藤原一族の屋敷の一つを里内裏(仮皇居)としたのに始まります。
(以上、http://www.hi-ho.ne.jp/kyoto/gosyo.html及びhttp://www.logix-press.com/scriba/jm/tnn01.htmlによる。)
(続く)