太田述正コラム#9316(2017.9.3)
<皆さんとディスカッション(続x3454)>
<太田>(ツイッターより)
「…ソウル市内<の>…バスに少女像が設置された<が、>…バスを運営する東亜運輸の…社長<は、>…「個人的には日本はとても好きで、何度も旅行し、技術力を尊敬している…日本で反日主義者と見られていることに困惑している」…と語った…」
http://digital.asahi.com/articles/ASK8Z5DS8K8ZUHBI00Z.html?rm=527
慰安婦問題は、日韓それぞれの文明が異なることからくる悲喜劇的誤解なのだが、日本側が、識者を含めて、自らの文明がいかなるものかの解明を怠っているため、自分達がどうして韓国側の対応にこれほど腹を立てているのかすら論理的に説明できない以上、韓国側に誤解を解かせることなんて不可能だわさ。
藤井四段、NHK杯で森内九段に勝利。昨日は敗れて初の連敗となった
http://www.asahi.com/articles/ASK924J71K92UCVL006.html?iref=comtop_list_cul_n05
が、本日は一気呵成の圧勝だった。
藤井四段のおかげで、無線マウス、無線キーボードx2、新タブレット、が増えた我が家。
こりゃ、日本全体じゃあ、既に相当GDPを押し上げてるな。
<US>(9月3日06:26)<(画像は省略(太田))>
各位、スライド#1, #2, #3, #4, #7 を改定しました。
#5, #6 はできませんでした。よくk
もう一晩ください。
どうぞよろしくお願いします。
<太田>
こういう時間に、「作業」結果を送ってくる人って、後、(しょっちゅうですが、)K.Kさんくらいですね。
ご尽力、心から感謝です。
(この際、K.Kさんにも。)
もっとも、私自身も、寝ていても、本件について考えているらしく、本日は、後で申し上げることを思いつき、睡眠5時間で目が覚めてしまい、毎日恒例の起床直後の血圧測定をやったら、上が140と、退院以来の最高値だったので、あわてて、更に二回、祈るような思いで再計測したものの、その二回とも140でした。
人間って、不真面目じゃもちろんですが、真面目に生きようとしても死を早めかねないんですね。
雑談はそれくらいにして、スライドについてです。
#1ですが、「南シナ海実効支配」→「南シナ海実効支配強化」。
#2ですが、「植民支配からの独立実現」→「欧米植民地の独立実現」。
#3ですが、「単独では心許ない 日本の協力が必要」→「単独では心許ない 「師」日本の協力が必要」。
「その頼みの日本が属国に甘んじている」→「その頼みの日本が属国に甘んじたままで「師」資格も失いつつある」
「一 属国化を選択」と「二 対ソ(露)抑止を米国に押し付ける」を一本化して、「一 対ソ(露)抑止を米国に押し付けるために属国化を選択」とする。
「三 単独での冷戦遂行」→「二 ほぼ単独での冷戦遂行」
「四 冷戦勝利」と「五 対ソ(露)戦勝利」を一本化して、日本と米国の間に持って行き、「三 対ソ(露)冷戦勝利」とする。
「第二次世界大戦と戦後における直接・間接死者数比較(粗推計)」→「米独両ファシスト国家が第二次世界大戦と戦後において惹起した直接・間接死者数(粗推計)」
「米国 6,500万人」→「米国 6,000万人」
「※米国数字には、それ以前の、ネイティブアメリカンやメキシコ人また、南北戦争における死者数を含んでいません」→「※米国の数字にはアメリカ原住民やメキシコ人等、また、南北戦争等の死者数を含まず」
「※米国数字は対テロ戦争等で現在も増加中です」→「※米国の数字は対テロ戦争等で現在も増加中」
#4ですが、「「人間主義的非人間主義」である武士道と並存することで普遍性を維持」→「「人間主義的非人間主義」である武士道と並存することで普遍性を確保」
「武士道なしの人間主義世界は必然的に滅亡する」→「武士道なしの人間主義社会は必然的に滅亡する」
「属国状態の長期化により消滅の危機」→「属国状態の長期化により滅亡の危機」
#5(未完)ですが、TA、七氏さんのお知恵も拝借したいですね。
とりあえずですが、「1-1000 インド、中国 とで世界GDPの83-84%」は、少なくとも数字は載せるべきではないでしょうね。
「中国 超長期内乱」→「中国 人間主義も人間主義的非人間主義も弱体 王朝交代の形での超長期内乱」、「インド 統一できず」→「インド 人間主義のみ社会化実験失敗 統一できないまま」。(今朝、寝ながら思いついたのがこれです。)
「アジア解放 ブロック経済打破 対ソ(露)抑止」→「アジアを代表して欧米抑止」
「米国により覇権国家の地位を降ろされる」は不要でしょう。(覇権じゃなくアジア覇権ですが・・。)
#6(未完)ですが、「日本文明継受戦略」の中を「人間主義」と「人間主義的非人間主義」に分け、後者について、例えば、「人民解放軍を武士化 それに成功するまで国軍ではなく党軍(幕府軍)に留め、最高権力者は党軍事委主席(征夷大将軍)とする」とする。「武士の理想像は雷鋒」といった注釈を入れる。
「日本の「独立/再軍備」については、#3のところで私が指摘した趣旨を盛り込んで微修正することが望まれます。
#7ですが、私的にはよさそうに思います。
<TA>
USさん、お疲れ様です。
改訂版、すごく良くできていると思います。
一点だけ。3枚目ですが、「ナチス独逸」を「ナチスドイツ」にしては?
<七氏>
USさん、作業ご苦労様です。いいですね~~。
<太田>
あらま、もうチョイ後でと目論んでいたけれど、じゃ、私から。
皆さんとのフリップを巡る議論のおかげで、考えを一歩前進させる形で整理することができたように思います。
USさん、ご覧いただいて、適宜、フリップ#5(や#6)に反映してください。
記
日本は、幕末から、欧米の侵略から自らを守るため、すなわち自国の安全保障のため、私の言う横井小楠コンセンサスに基づき、内外政策を推進したわけだが、それは、アンブロサクソン文明を継受することで日本の国力の急速増勢を図りつつ、(広義の)欧米内部の対立を利用し、アングロサクソン諸国(英米)と提携して、目前の最大の潜在敵であるロシアを抑止し、同時に、その反射的効果として、日本以外のアジアを欧米による桎梏から解放する、というもの。
日本は、この目的を達成するため、ロシアに奪われるより先に、台湾、朝鮮半島、そして満州に進出し、これらの地域を対露前方抑止拠点化した。
ところが、その後、日本は、ファシスト国家米国によって、背後から足をすくわれる形になった。
そこで日本は、終戦時に、(対ソ(露)を含む)対欧米抑止については中国では中国共産党に(、そして東南アジアではベトナム共産党に)阿吽の呼吸でバトンタッチするとともに、自身は、自ら米国の属国となり、米国から経済的支援をせしめつつ、内側から米ソ対立(欧米内ゲバ)へと米国を誘導する、という政策、いわゆる吉田ドクトリン、に切り替えた。
この政策の一環として、日本は、中国共産党の中国での権力掌握以後、陰に陽に、中国に積極的な政治的・経済的支援を行った。
この新政策は見事な成功を収め、ソ連(ロシア)は冷戦に敗北して零落し、いまや中国は全球的覇権国の地位を米国から奪う勢いだ。
しかし、その日本は、属国化により、人間主義的非人間主義の部分が著しく弱体化し、以上のような、日本の、そしてアジア、ひいては世界の、19世紀後半からの軌跡を忘れてしまい、もはやその意味がなくなったにもかかわらず、(米国の顰蹙を買ってまでして、)米国の属国としての地位にすがりつき続けている。
日本を師と仰ぐ中国は、見るに見かね、自身のためにもならないと考え、その哀れな日本の救出に全力をあげて取り組むこととし、現在に至っている。
<太田>
その他の記事については、明日回しにします。
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一人題名のない音楽会です。
ヴァイオリン協奏曲の隠れた名曲シリーズの4回目です。
Karl Goldmark(注a)
(注a)カール・ゴルトマルク(1830-1915)。「独学のユダヤ人作曲家で、ワーグナーの影響を受けた。ハンガリー出身」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%82%AF (下の[]内も)
Violin Concerto No1 in A minor Op.28(1877年)(注b) ヴァイオリン:Itzhak Perlman 指揮:Andre Previn オケ: Pittsburgh Symphony Orchestra
https://www.youtube.com/watch?v=09pvm8K8b60
https://www.youtube.com/watch?v=Fa5XtKEgk6I
https://www.youtube.com/watch?v=BSajCR6LFgw
(注b)現存するゴルトマルクの唯一のバイオリン協奏曲で、[彼の最も有名な作品]。2番目のバイオリン協奏曲は出版されることなく、失われた。
https://en.wikipedia.org/wiki/Violin_Concerto_No._1_(Goldmark)
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太田述正コラム#9317(2017.9.3)
<進化論と米北部(その9)>
→非公開
皆さんとディスカッション(続x3454)
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