太田述正コラム#9580(2018.1.13)
<皆さんとディスカッション(続x3586)>
<太田>(ツイッターより)
 「トランプ<が、>…、「なぜ…ハイチやアフリカ諸国<といった>…便所[(shithole)]のような国の出身者を<米国に>受け入れるのか」と述べた…」
https://www.cnn.co.jp/usa/35113086.html
 トランプのおかげで新しい英語を学べたが、米国内の民主党系/ハイチ系からの非難はあっても、ハイチ/アフリカ諸国は沈黙?
http://www.sfgate.com/news/politics/article/Members-of-Haitian-community-react-to-Trump-s-12492389.php
http://www.sfgate.com/news/article/Reaction-to-Trump-s-comments-on-Africa-and-Haiti-12492242.php
 トランプ「発言」、エルサルバドルも対象だったのね。
 で、shitholeをどう伝えるか、各国のマスコミ、苦慮してるみたい。
 酷過ぎる言葉なんで、穏やかな表現に言い換えたりぼかしたり欠字にしたり。
 直訳の「糞壺」ってのが一番明快だが。
 なお、ようやく、国連、AUに加え、対象2国とアフリカ諸国も抗議。
https://www.theguardian.com/us-news/2018/jan/12/trump-shithole-countries-lost-in-translation
https://www.theguardian.com/us-news/2018/jan/12/unkind-divisive-elitist-international-outcry-over-trumps-shithole-countries-remark
<太田>
 関連記事だ。
 その有力政治家達が移民排撃発言を繰り返してきたところの、欧州のチェコ、ポーランド、ハンガリー、オーストリア、等からはトランプ批判の声は聞こえてこない、とさ。↓
 The Czech president has called Muslim immigrants criminals. The head of Poland’s governing party has said refugees are riddled with disease. The leader of Hungary has described migrants as a poison.
 This week, Austria’s new far-right interior minister suggested “concentrating” migrants in asylum centers — with all its obvious and odious echoes of World War II.・・・
https://www.nytimes.com/2018/01/12/world/europe/trump-immigration-outrage.html?rref=collection%2Fsectioncollection%2Fworld&action=click&contentCollection=world&region=stream&module=stream_unit&version=latest&contentPlacement=7&pgtype=sectionfront
<L2Viskcg>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 「「アメリカの財布」と化している日本の兵器調達・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/14148508/
 ついに、アメリカ軍の有志にまで心配されている属国ぶりを誰も知らない。
<七氏>(同上)
 YOSHIKIが宣伝で最近テレビに出てますが。その流れで改めて↓を視聴。いいですね~~。
https://youtu.be/j61i63DTpa8
 こっちがいいか。
https://youtu.be/aznB49pbFto
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 中共の今次対日軍事攻勢は、日本による沖縄海底(34件)命名が国際承認されたこと
http://www.sankei.com/life/news/180105/lif1801050035-n1.html
への対抗措置、とFTが解釈。
 (でも、そうだとすれば、日本政府の抗議に対し、それ的なことを中共当局が匂わせてるはずだよ。)↓
 Japan-China underwater tensions resurface–Tokyo’s naming of 34 seabed features near Okinawa archipelago angers Beijing・・・
https://www.ft.com/content/f0555a28-f76f-11e7-88f7-5465a6ce1a00
 ヒトは遺伝子的に対蹠的な異性を求め類似の同性を求める、ってことかな。
 そうだとすれば、男と女の友情も成立するのかもしれん。↓
 Friends Are More Similar Genetically Than Strangers・・・
http://time.com/5095903/genetic-similarities-friends-study/?xid=homepage
 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
 <人民網より。
 ???。↓>
 「中国の食用油企業・金龍魚が日本市場への本格的な進出を発表・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2018/0111/c94473-9314036.html
 <日中交流人士モノ。↓>
 「日本の建築家が雲南省の小学校で授業 テーマは「将来住みたい家」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2018/0112/c94473-9314890.html
 <読んでない人に『ラーベの日記』を読むことを勧める習ちゃん。↓>
 「第3回中国オペラ祭が閉幕 大トリはオリジナルオペラ「ラーベの日記」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2018/0112/c206603-9314869.html
 <ここからはサーチナより。
 定番の、しかし、ほんのちょっとだけ新機軸を打ち出したところの、トヨタを引き合いに出した、日本車買えキャンペーン。↓>
 「・・・今日頭条・・・記事が紹介しているのは、走行距離が40万キロメートルに達するというトヨタ・カムリだ。日本では走行距離が10万キロを超えたら「買い替え時」と言われることも多く、40万キロも走っていた場合は「故障が発生する可能性が高い」として下取り価格が随分下がるのが一般的ではないだろうか。
 記事は「10年落ち、走行距離40万キロ」というカムリのエンジン部を分解した際の様子を写真とともに紹介している。「一般的に言えば、10年落ちで、走行距離が40万キロに達していれば、仮に中国車であればとっくにダメになっている」と指摘する一方、カムリのエンジン部品は磨耗も少なく、「品質的にまだまだ走れる」と指摘した。
 さらにエンジンのチャンバー(膨張室)部分は「油膜が付着して変色していることを除けば、まったく問題は見られなかった」としたほか、歯車部分の噛み合いも緩むことなく強固で、歯車にはゴミなどの異物も見られなかったと紹介。「トヨタ車にとって走行距離40万キロという数値は上限でもなんでもないことがわかる」と称賛した。
 こうした品質の高さ、信頼性の高さに対し、記事は「トヨタの品質は中国人が学ぶべきもの」であると主張しているが、記事には中国人ネットユーザーから「トヨタ車が世界で高く評価され、支持されているのには理由があるということ」といったコメントが寄せられていた。」
http://news.searchina.net/id/1651488?page=1
 <全般的な、日本製品買えキャンペーンだ。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「中国製品も十分良いのに、中国人旅行者はどうして日本製が好きなのか」と題して、矛盾を指摘する記事を掲載した。
 記事によると、訪日中国人が日本製品を好んで購入するのは、ビザの緩和や免税対象商品の拡大、円安なども関係しているが、やはり「品質」の問題だという。日本製品は利用する人のことを考えているので「設計が親切」であることが中国製と大きく異なるようだ。たとえば、名前が書けるようになっている傘や、ひもの付いたタオルなどは、子どもが幼稚園や学校で使うのにとても実用的だ。また、デザインの良さも重要な要素だという。
 さらに、日本の「匠の文化」も関係していると記事は分析。これは日本人の細部にこだわる性格ゆえであるが、「だから成功するのだ」と感心した。また、日本にはこうした職人を育てる環境も整っているという。日本では漆芸や染織、日本刀などの職人が、歌舞伎俳優と同じように人間国宝になっていることも紹介し、これは中国では考えられないことだと称賛した。ほかにも、技能五輪全国大会を開催するなど、次世代を担う青年技能者を育てようとしていることも日本独特の取り組みだと感心している。」
http://news.searchina.net/id/1651492?page=1
 <日本のソフトパワーに敬意。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、英ロンドンで日本文化の博覧会「Hyper Japan」を紹介し、多くの英国人がコスプレをしながら同イベントを楽しんでいることを紹介する記事を掲載した。
 記事は、複数の写真とともに「Hyper Japan」の様子を紹介しているが、日本のアニメや漫画、ゲームに登場するキャラクターに扮した人びとが数多く写されている。さまざまな人種、さまざまな年齢の男女がアニメや漫画、さらにはコスプレといった「日本文化」を共通の言語とし、楽しんでいる光景は、日本人ならばとても嬉しく感じられるものであり、アニメなどが非常に大きな影響力を持つ強大なソフトパワーであることを実感させられる。
 ・・・記事には中国人ネットユーザーから「日本文化は強大な影響力を持ち、中国人からすれば脅威だ」といった声が寄せられていた。」
http://news.searchina.net/id/1651489?page=1
 <青森県を材料に日本へ行けキャンペーン。県知事の三村さん、よかったねー。↓>
 「・・・今日頭条は・・・「今年の冬は北海道を上回る人気になるかもしれない」として、北海道の対岸にある青森県を紹介する記事を掲載した。
 記事は、「青森は東北6県の1つで、本州の最北端に位置する。中国人からすれば間違いなくマイナーな場所で、普段はあまり存在感がないのだが、ここでは素晴らしい体験が待っているのだ。この冬、みんなが行きたがる北海道に行きたくないのであれば、青森に行くのがベストだ。なぜなら、観光客の多さ以外に北海道にあるものはたいがい青森にもあるからだ」と紹介した。
 そして、雪に関する観光やアトラクションは北海道に引けを取らないとし、北海道に札幌雪祭りがあれば、青森には十和田湖冬物語があり、十和田湖畔に16万個のLEDによる光のトンネルなど「おとぎの国」のような光景が広がると説明。子ども向けでは2月の3連休に行われる「青森市冬の祭典」を取り上げ、そり滑りや雪上乗馬、凧揚げといった楽しい体験ができると伝えた。また、青森にも北海道に負けない素晴らしいスキー場が数多く存在するとしている。
 さらに、青森は鉄道ファンにとっても天国であり、リゾートしらかみ、リゾートあすなろといったJRのリゾート列車のほか、津軽鉄道ではストーブ列車が運行されていると紹介。中国人観光客の楽しみの1つである温泉についても、かつて10連続「日本の温泉100選」で1位を取って「名誉入選」の称号を与えられた古牧温泉をはじめとする温泉どころであることを伝えた。
 このほか、せんべい汁、じゃっぱ汁、生姜味噌おでんといった郷土料理や、雪の下から収穫する糖度の高い「ふかうら雪人参」、世界で最もおいしいと称されるリンゴなどの豊かな農作物、そして大間のマグロや大間牛といった高級食材など、グルメ愛好家にとってもまさに「垂涎の地」であることを紹介している。」
http://news.searchina.net/id/1651459?page=1
 <ここからは今日頭条記事以外の引用。 
 沖縄を材料に、同様、日本へ行けキャンペーン。↓>
 「・・・中国メディア・東方網・・・記事は「ここ数年、ますます多くの中国人が外国に赴いて結婚写真を撮影している。彼らは外国の著名な観光地で撮影をしようとするが、昼間は観光客があまりにも多いので撮影は難しい。そこで、観光客が少なくなる夜に出かけて撮影するのである」と紹介した。
 そのうえで、10日にある1組の中国人カップルが沖縄県北谷町ににあるカーニバルパーク・ミハマの観覧車前で結婚写真を撮影している写真を掲載。男性が銀色のスーツ、女性が黄色いドレスを着ており、数名のスタッフの指示に合わせてポーズを取る様子がうかがえる。
 記事は「当日、沖縄の気温は10度あまりと低く、外で見かける観光客はまばらだった。夜のライトアップされた観覧車はとてもロマンティックな雰囲気を醸し出しており、その中で撮影される写真もきっと特別なものとなることだろう」と伝えている。」
http://news.searchina.net/id/1651487?page=1
 <だから、shitholeの訳語は「便所」じゃなく、「糞壺」じゃなきゃダメなのよ。↓>
 「・・・中国メディアの文匯報は・・・世界のトイレ革命を牽引しているのは日本であると伝えつつ、日本のトイレがいかに「先進的」かを紹介している。
 記事は、日本を訪れる旅行客の多くは「中国人も含め、トイレの清潔さに驚く」と伝え、日本は公衆トイレであっても「想像を超えるほどの清潔さと配慮」があると指摘。事実、2015年に欧州の旅行サイトが行った調査では「訪日した旅行客の74%が日本のトイレに対して感動した、または強く印象に残った」と回答していることを指摘し、日本ではどのトイレに入っても「壁や床、洗面台や便器は清潔であるのはもちろん、設備が壊れて使えないことはない」とした。
 さらに、日本のトイレの先進的な点は温水洗浄便座などの「設備」が優れているというだけでなく、「街中でもトイレが見つけやすく、トイレが見つからずに困る」ということがないという点や、トイレットペーパーや洗面台、鏡、消毒液、さらには体が不自由な人に配慮したバリアフリートイレなども完備されている点が挙げられると称賛。
 つまり、日本は清潔なトイレが至る場所に存在し、それらのトイレは誰もが気軽に使用することができるという点で先進的なのだと強調している。」
http://news.searchina.net/id/1651453?page=1
 <だそうですよ。↓>
 「中国で一番好かれている、日本の男子卓球選手は・・・丹羽孝希・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1651491?page=1
——————————————————————————-
一人題名のない音楽会です。
 交響曲の隠れた名曲シリーズの6回目です。 
 今回は、フランツ・リスト(Franz Liszt)(注a)です。
(注a)1811~86年。「自身の生地であるハンガリー王国(当時はオーストリア帝国支配下の版図内)<・・現在はオーストリア共和国内・・>を祖国と呼び、ハンガリー人としてのアイデンティティを抱いていたことから、死後も「ハンガリー」の音楽家として認識・記述されることが多い。しかしながら、その一方で生涯ハンガリー語を習得することはなく、両親の血統、母語、最も長い活動地のいずれも「ドイツ」に属し、当時の中東欧に多数存在したドイツ植民の系統でもある。このような複雑な出自や、ハンガリー音楽を正確に把握していたとは言い難い作品歴から、非音楽大国系の民族運動としての国民楽派に含めることは殆どなく、多くはドイツロマン派の中に位置づけられる。・・・
 音楽史的には、ベルリオーズが提唱した標題音楽をさらに発展させた交響詩を創始し、ワーグナーらとともに新ドイツ派と呼ばれ、絶対音楽にこだわるブラームスらとは一線を画した。・・・
 ドイツ人刑法学者フランツ・フォン・リストを従弟に持つ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88 
Faust Symphony(1854~1880年)(注b) Chicago Symphony Orchestra and Chorus – tenor S. Jerusalem – conductor Sir Georg Solti 「絶対音楽」(上出)でない以上、ぜひ「注b」の解説を読みながら聴いて欲しい。そうでもしないと、この曲、私の名曲の水準をクリアできるか微妙。
https://www.youtube.com/watch?v=3ZUQ7yZTFco
(注b)3人の人物描写によるファウスト交響曲(Eine Faust-Symphonie in drei Charakterbildern (nach Goethe) und mit Schlusschor)
 「合唱を伴う交響曲。・・・ゲーテの戯曲『ファウスト』<(第一部は1808年、第二部はゲーテの死の翌年1833年に発表)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%88
に想を得たもの。>・・・
第1楽章「ファウスト」(Faust)・・・序奏部のチェロとヴィオラで始まる第1の主題は、後の十二音技法を先取りした大胆な主題であり、沈思瞑想にふけり、懐疑し煩悶するファウストの姿を象徴する。・・・ヴァイオリンがエネルギッシュに奏する第2の主題は、情熱的で闘争的なファウストが活写されている。オーボエとクラリネットの下行音型で始まる第3の主題は、愛に対する欲求を示している。クラリネットとホルンで始まる第4の主題は、第1の主題の後半部からもたらされたもので、自然と人生の愛を歌うファウストの姿である。金管が鳴り響く壮大な第5の主題は、ファウストの英雄的な側面を表している。
第2楽章「グレートヒェン」(Gretchen)・・・グレートヒェンの愛らしく、いじらしい性格が描写されている。新しくグレートヒェンの2つの主題が加わっている。
第3楽章「メフィストフェレス」(Mephistopheles)・・・ファウストの主題がパロディ化した不気味でグロテスクな雰囲気によって、メフィストフェレスの相貌を凝縮している。・・・「神秘の合唱」に入ると、天の神が悪に打ち勝ち、暗黒から光が差し込んで、大団円を迎える。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%88%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2
—————————————————————————————————————————————–
太田述正コラム#9581(2018.1.13)
<渡辺克義『物語 ポーランドの歴史』を読む(その24)>
→非公開