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タイトルコラム#1812(未公開)のポイント
記事No773
投稿日: 2007/06/15(Fri) 21:26
投稿者太田 述正
 コラム#1812(2007.6.15)「中共の頭脳流出」のさわりの部分をご紹介しておきます。
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 支那は昔からの移民の多いところであり、中共は、現在世界150カ国以上に約3,500万人の支那系移民を擁する世界最大の移民大国です。
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 ところが、最近中共は特殊な移民の多さに頭を抱えています。
 中共からの海外留学生で本国に戻らない者が多い、という問題です。
 今回は、この話をとりあげることにしました。
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 中国社会科学アカデミー(The Chinese Academy of Social Sciences)が実施した調査によれば、1978年以降106万人が海外留学したけれど、帰国したのはわずか27万5,000人に過ぎません。
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 つまり、常に10分の7くらいは、大学院に進んだり、仕事に就いたり、結婚したり、外国籍をとったりしていることになります。
 この海外留学生非帰国比率は、世界最高です。
 しかも、中共の海外留学生の数はうなぎのぼりに増え続けています。
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 そこで、この3月から様々な対策が講じられ始めました。
 海外から帰国した上級の研究者・エンジニア・会社のマネージャーに対しては、居住地や勤務地を指定される戸籍管理制度・・を適用除外するとともに、高い給与とトップクラスの国内大学へ子弟の入学を保証することにしたのです。
 しかし、この程度の対策では焼け石に水といったところです。
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 更に悪いことには、若者の間での海外移住熱は高まるばかりなのです。
 ・・上海の高校生の・・36.9%は、米国に移住したいと思っています。
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 海外留学が増える大きな原因の一つは、中共の国内大学の抱える諸問題です。
 ・・大学に入学して卒業する400万人強のうち、就職できるのは半分以下の200万人に過ぎません。
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 大学そのものも火の車です。
 中共の政府教育支出はGDPの3.3%に過ぎず、これは世界の平均である4.2%を大きく下回っています。
 ・・<カネが>足らずに、どの大学でも金儲けに大わらわです。
 これでは、大学教育の質が劣化するのは当たり前です。
 まともな教育が受けられず、卒業しても必ずしも展望が開けない、となれば、何とか海外留学を、と考えるのは人情です。
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 とはいえ、世界全体を見渡してみると、中共より、状況が深刻な国は枚挙に暇がありません。 
 ・・大卒者の<うち>海外に住んで<いる者の>の比率が・・ガーナの比率は47%、モザンビークは45%、ケニアは38%、ソマリアとアンゴラは33%です。
 この結果何と、アフリカ54カ国の科学者全員を合わせたよりも、米国に在住するアフリカ出身の科学者の方が多くなってしまっているのです。
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 結局、先進国は、現代において最も重要な資源である人材を途上国から収奪している形であり、これは新しい形態の植民地主義である、という指摘がなされています。