タイトル | : コラム#1701(未公開)のポイント |
記事No | : 195 |
投稿日 | : 2007/03/23(Fri) 17:39 |
投稿者 | : 太田述正 |
<太田> コラム#1701「慰安婦問題の「理論的」考察(その3)」のさわりの部分をご紹介しておきます。
・・ 私による慰安婦問題の「理論的」考察をご理解いただくためには、何本か補助線を引くことが近道です。 そういうものとして、男女の本質的な違い、人類共通の倫理感、特殊な倫理感たるビクトリア朝的倫理感、とは何か、があります。 以下、順番にご説明しましょう。 ・・ 男女の違いはたくさんあります。 ・・重要なのは、女性にとって愛のないセックスは苦痛以外のなにものでもない、という点です・・。 ・・ 他方、男性の方は、愛があろうとなかろうと、セックスは常に快楽であるというのですから、淫乱を画に描いたような生き物です。 ここから、単純化しすぎであるとの批判は甘受しますが、以下のような現象が生じます。 一つは売春(バーチャルな売春であるポルノを含む)です。 金銭的利益が得られない限り、女性は愛のないセックスなどするわけがないからです。 売春が禁じられているような社会では、需要と供給の法則に従い、売春の対価はつりあげられます。 そうなると、売春の中間搾取によって得られる利益が大きくなり、女性を拉致してきて強制的に売春行為に従事させるといったことも起きます。これがいわゆる性的奴隷(sex slave)です・・。 ・・ もう一つは強姦です。 結婚相手や売春宿から遠く離れた環境下では、たとえ性的異常者でなくとも、少なからぬ若い男性は、強姦願望を抱き、少数はそれを実行に移します。 外征軍に強姦がつきものなのはそのためです・・。 ・・ 以下は付け足しです。 最初から愛をともなわない結婚もあるくらいですが、少なくとも愛が失われた結婚などざらであることを考えると、結婚には、セックスを媒体とする男性から女性への所得移転のメカニズムである、という側面があります。 これに関連し、男性による女性差別は、売春や結婚という形で構造的に女性によって金銭をまきあげられている男性による、女性に対する意趣返しないし防衛である、という見方もできるかもしれません・・。 ・・ また、米国のように、女性差別が基本的に解消した社会において、このところ、管理者的ポストについている女性の割合の減少が見られ、やはりガラスの天井的なものが厳然として存在していることが今更のように話題になっていること・・は、セックスを媒体とする男性から女性への不労所得的な所得移転が所与である以上、大部分の女性は、男性をけ落としてまで高収入をめざすことに大きなメリットを見出していない、ということなのではないでしょうか。 ・・ さて、「従軍」慰安婦制はよくない、といった議論を戦わせるにあたっては、議論を行う人々が共通の倫理感を抱いていることが大前提になります。 では、人類共通の倫理感などというものがあるのでしょうか。 あります。 人類に共通の倫理感覚が備わっているどころか、類人猿にすら人類と共通の倫理感覚が備わっている、というのが通説になりつつあります。 ・・
(続く)
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