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タイトルコラム#1735(未公開)のポイント
記事No309
投稿日: 2007/04/16(Mon) 18:39
投稿者太田述正
 コラム#1735(2007.4.16)「暮れゆく覇権国の醜聞(続々)」のさわりの部分をご紹介しておきます。

 現在、世銀の理事会がリザ問題・・Rizagateと呼ばれるに至っている・・への対応について検討中ですが、ますますウォルフォヴィッツ総裁の立場は苦しくなってきました。
 世銀の出資国代表たる蔵相ないし開発担当相達、それに世銀関連国際機関の長の計47名で構成される世銀開発計画委員会(development committee)が厳しい言葉で総裁を批判し、総裁に不利な二つの新事実が明らかになり、そして、総裁が開き直り的発言を行ったからです。
 以下、順次ご説明しましょう。
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 世銀の開発委員会は、15日、「われわれは、世銀が効果的にその任務を遂行すること、そしてその信頼性と評判、及びその職員の士気を維持すること、を可能ならしめなければならない。世銀の現状をわれわれ全員は深く憂慮している。」という声明を発表しました。
 米国もこの表現に同意したことは注目されます。
 各国政府関係者中、(二度にわたって総裁支持を表明したブッシュ大統領を除けば、)総裁支持を明確に表明しているのは、世銀大口出資国の中では、米国の保護国日本の尾身財務大臣一人だけです。
 米国のポールソン・・財務長官ですら依然沈黙を守っています・・。
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 カナダの財務大臣も同様です。
 (英国を含む)欧州の主要諸国・・は、スペインが沈黙を守っているほかは、総裁に厳しいスタンスをとっています。
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 ・・先の大戦の敗戦国としてよく対比される日独だが、敗戦以降一貫して米国の保護国の日本と、いち早く米国から独立したドイツ(西ドイツ)との違いが、ここにも鮮明に表れている。・・
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 他方、発展途上国中、アフリカ諸国だけからは総裁支持の意向が表明されています。・・これは、総裁がアフリカの貧困撲滅に特に力を入れることを標榜してきたことへのゴマスリといったところです。
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 総裁は、14日、世銀のホームページに2005年7月の世銀倫理委員会の文書等を公開しました。
 総裁としては、きちんと内部手続きを経てリザの出向が決まったことを印象付けたかったのでしょう。
 しかし、公開されたところの、倫理委員会の第一の文書は、出向させるにあたって、補償措置としてリザを昇任させる方法と昇給させる方法の二つがあると記しており、第二の文書は、この二つのうち昇任させる方を推奨したものであったというのに、総裁がリザを昇任させ、かつ昇給させたことから、むしろ総裁の独断専行ぶりを改めて印象付ける結果になってしまいました。
 また、総裁が米国防省から世銀に連れてきた二人の側近の給与等の処遇について、総裁が世銀の人事の責任者と調整することなく決定したことも明るみに出ました。
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 火に油を注ぐことになったのが、15日にプレスに辞任問題を問い詰められて総裁が行った、「私は世銀の任務の重要性を理解しており、私はその任務を遂行できると信じている」との開き直り的発言です。
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 かなり決定的と思われるのは、英国のファイナンシャルタイムスとガーディアンに次いで、ついに米国のニューヨークタイムスまでが、しかも、単なる論説ではなく、・・社説で総裁の辞任を求めたことです。